6月定例月議会 多文化共生施策の推進について(一般質問③)

2019/06/26

昨年12月、改正出入国管理法が成立し、今年4月から施行されています。
新聞報道を見ていますと、向こう5年間で最大約34万5千人と想定されている特定技能1号・2号という在留資格を持つ労働者の受入れだけではなく、日本の大学への留学生の就職先の制限緩和、あるいは外国出身の高度人材の受入れの拡大など、今後、日本社会における外国人市民は、間違いなく増加するものと予想されます。現在、国において、新たな外国人材の受入れに向けた準備や、共生のための総合的対応策が進められています。
また、本年6月21日には、日本に住む外国人の日本語習得を支援する「日本語教育推進法」が成立しました。
「多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現」をめざし、国と自治体は、役割分担をしながら、日本語教育推進の施策を実施すること、事業主は雇用する外国人やその家族が日本語を学ぶ機会を提供し、支援することを責務とする内容となっています。
多文化共生社会とは、このまちに暮らす一人ひとりが、国籍の違いやさまざまな社会的・文化的背景を認め合い、お互いに人格と個性を尊重しつつ支えながら、ともに生きることができる社会だと思います。
多様性を認め合い、お互いさまで支え合える社会の実現のため、本市として、多文化共生施策をどのように推進していくのかについて質問し、「誰一人取り残さない」という人権尊重の観点からも、外国人市民の存在をしっかりと認識して、計画的に取り組みを進められるよう要望しました。

質問のやりとりは次のとおりです。

 

質問①

現在、国において、新たな外国人材の受入れに向けた準備や、共生のための総合的対応策が進められているかと思うが、増加が予想される外国人市民に対する支援や、多文化共生社会の実現に向けて、市は、今後、どのように取り組みを進めていく考えなのか。

回答① 産業文化部長

国の制度改正に伴い、今後、更に外国人市民が増加することが予想されることから、外国人市民に対する生活への支援や、異なる文化的背景を認め合いながら地域社会において共に暮らせる多文化共生社会の実現を目指す必要があると認識している。
そのため、国際化施策のあり方に関する庁内検討体制を確立し、市内の外国人労働者等の状況調査等を踏まえ、今年度中に国際化施策に関する市の考え方をまとめる。

→(コメント)今年度、外国人市民への支援を含む、多文化共生や国際化施策のあり方についての検討を進められるとのことであるが、検討にあたっては、行政内部における議論はもちろん、当事者の皆さん、関係団体の皆さんの意見を聞くとともに、各種実態を十分に把握することが必要である。

質問②
本市では、社会教育事業として実施されている日本語・多文化共生教室「よみかき」事業とともに、1996年に発足された「日本語ボランティアの会」が、枚方市文化国際財団の支援のもとで取り組んでおられる日本語学習支援が、極めて大きな役割を果たされている。
ところが、学習者が増える一方の状況の中で、財団の解散が予定されているため、日々活動に取り組んでおられるボランティアの皆さんは、学習場所の提供などの継続的な支援を強く求めておられる。
多文化共生や国際化を進めていく中で、市民団体との協働で行われている活動支援を含めて、外国人市民の生活に必要な日本語教育、日本語学習支援について、市はどのように考えておられるのか。

回答② 産業文化部長
日本語ボランティアの会では、約100名の外国人と学習支援スタッフ合わせておよそ180名の方々が、日本語学習や様々な行事を通して互いの文化や生活習慣を紹介しあい、国際理解を深める活動を行っており、本市の国際化施策を推進する上でも重要であると認識している。外国人市民が日本語を学ぶことは、様々な場面における円滑なコミュニケーションや安心して生活を送る上で不可欠であることから、今後、国・府の施策の動向や、枚方市文化国際財団がこれまで果たしてきた役割を踏まえつつ、日本語教育・日本語学習支援のあり方について、検討を進める。

→(要望)外国人市民の皆さんの生活を支援し、また地域社会における多文化共生を実現するためには、生きるために必要な日本語の学習を支援することが非常に重要だと考えている。6月21日、日本に住む外国人の日本語習得を支援する「日本語教育推進法」が成立した。本市として、ぜひ、さまざまな内容やスタイル、実施形態によって、生きていくために必要な日本語の学習機会を充実していただくよう、要望。

質問③
次に、現在、日本語理解が困難な児童・生徒はどれくらいいて、学校教育における支援の現状はどのようなものなのか。また、今後どのような取り組みを進める考えなのか。

回答③ 学校教育部
学校現場における支援の現状と今後の体制整備について、今年5月1日現在、市立小中学校において日本語の理解が困難な児童・生徒は65人おり、学校生活に適応し、周りの児童・生徒とのコミュニケーションが図れるよう、当該児童・生徒の母語を話せる教育指導員を在籍する学校に派遣している。また、日本語の理解が困難な保護者に対しては、年度当初の家庭訪問や学期末に実施される懇談会等において、円滑にコミュニケーションが図れるよう関係部署等と連携し、通訳者の派遣を行っている。
今後は、さまざまな言語を母語とする日本語の理解が困難な児童・生徒及び保護者が増加する傾向にあることから、それに対応するため、幅広いネットワークを構築し、より多くの教育指導員や通訳者の人材確保及び派遣に努めていく。

→(要望)「日本語教育推進法」には、外国人児童・生徒に対する日本語教育や教科指導の充実を図るための環境整備、就学支援などについても盛り込まれているので、積極的な取り組みを進めていただくよう要望。

要望
「誰一人取り残さない」という人権尊重の観点からも、今年度改定される「子ども・子育て支援事業計画」や、第4期の「地域福祉計画」など個別の施策分野でも、外国人市民の存在をしっかりと認識して、計画的に取り組みを進められるよう要望する。

→(コメント)今年度改定される「子ども・子育て支援事業計画」の改定に向けては、外国籍の子どもや外国から帰国した子どもなど、日本と異なる文化・言語で育った子どもたちへの支援についてしっかりと位置づけていただき、同じく、今年度策定される第4期の「枚方市地域福祉計画」の中で、国籍や性別を問わず、すべての住民が地域福祉を推進する主体であることを念頭に、外国人市民の生活支援、あるいは多文化共生社会の実現に向けた地域福祉活動のあり方について、しっかりと位置づけていただきたいということを要望。

 

6月定例月議会 8050問題への対応について(一般質問②)

2019/06/26

「ひきこもり」という言葉が社会に出始めるようになった1980~90年代では、不登校からひきこもり状態が長引く人が多くを占めており、ひきこもりは子ども・若者の問題として取り上げられていました。しかし、現在では、当時の若者のひきこもりが長期化しているケースや、いったん就労はしたものの、失業や退職をきっかけにひきこもる方が増えるなど、どの年齢層からでも、実に多様なきっかけでなりうるものであることが明らかになってきました。
私の前に質疑に立った、長友議員、田中議員、堤議員の質問に対して、40歳を超えるひきこもりの方に対する相談対応の現状や今後の取り組み、また、家族会への支援の現状などについて、それぞれの部署が連携を強めながら、この問題に対応されようとしておられる内容についてお答えいただきましたので、私からは行政として取り組む際の目標をお尋ねしました。そして、地域福祉や保健事業の展開の中で、あるいは親世代の介護などをきっかけにして、まずご家族・ご本人との関わりを持つことが最も重要で、ご家族が孤立してしまわないよう、SOSに気づき、つなぎ、息長く寄り添いながら支える、こうした地道で時間がかかるけれども、最も大切な取り組みを充実されるよう要望いたしました。

質問のやりとりは次のとおりです。

質問
80代の「親」が50代のひきこもりの「子ども」を支え、社会から孤立しているという「8050問題」は、もはや子ども・若者と呼べる年齢ではない「大人の子ども」と、後期高齢者となった親の問題が絡み合った、とても難しい課題で、これまで行政の支援の対象でなかったひきこもり状態である中高年の人たちに、どのような支援の光をあてていくのかという、社会問題であると思っている。
このような「8050問題」に対して、行政が関わる際、市は、どのような目標を持って支援をしていくのか、ゴールはどのようなものになると考えておられるのか。

回答 (子ども青少年部長)
ひきこもり等子ども・若者相談支援センターでは、社会生活を営む上での困難を有する子ども・若者が人とのつながりの中で自分らしさを取り戻し、社会の中で自分の居場所を見つけ、自立に向かうための再チャレンジを支援しており、その過程で、ご本人が自分なりの目標やゴール見つけることを目指している。
そのために、関係機関のネットワークの充実を図り、一人ひとりに寄り添った支援を行っている。また、さまざまな支援の取り組みを紹介するシンポジウム等に取り組むことで、センターの更なる周知に努める。
これらの取り組みのひとつひとつの積み重ねが、ひきこもりの長期化を防ぎ、「8050問題」への対応に寄与するものであると考えている。

回答 (福祉部長)
自立相談支援センターでは、高齢の親御さんから、現在は自身の年金等の収入で生活は成り立っているが、将来において子どもが無就労状態のため生活困窮に陥る不安がある旨の相談がある。
当センターでは、就労自立に向けた支援を進めているが、ひきこもり等が理由で就労体験に乏しく、直ちに一般就労が難しい方については、ボランティア体験や職場体験を通じた日常生活自立、社会的自立の段階的な自立を目指した、就労準備支援事業を実施している。
課題解決にあたっては、関係機関との連携が重要なことから、今後も情報共有を図りながら、相談者に寄り添った支援を進めていきたいと考えている。

要望
中高年のひきこもりの場合、ご本人はさまざまな経過の中で深く傷つき、自己肯定ができずにおられると思われるし、ご家族は、家族の問題は家族で解決すべきだと思われていることが多いので、まず、相談窓口にお越しになること自体が難しい。そして、ご本人には、働いていないことを責められたり、働くことを求められたりするのではないかという強い不安があると思う。
ご相談につながりにくいこの2つの「壁」を超えるためには、地域福祉や保健事業の展開の中で、あるいは親世代の介護などをきっかけにして、さまざまな関係者が連携して、まずご家族・ご本人との関わりを持つことが最も重要だと思う。そして、その後も、関係部署がしっかりと連携して息長く寄り添いながら、抱えておられる課題を一つひとつ解決していくための取り組みを進めていくこと、孤立してしまわないようSOSに気づき、つなぎ、寄り添いながら支える、こうした地道で時間がかかるけれども、最も大切な取り組みを充実されることを強く要望する。

 

→(コメント)私は、これまでに確立されてきた行政の分担体制、つまり「縦割り」では対応が難しい、市民の皆さんの複雑になる一方の課題に対しては、行政施策が総合的・効果的に行われることをめざすことが必要であると訴え、また、「課題解決に向けた一歩前進をめざす」ということも、基本的な考え方として掲げてきました。市民の皆さんが直面している8050問題に対する支援を、半歩でも前に進めていただきたいと考えています。

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