消防力の適正配置の観点から、今なすべきは、現枚方消防署の隣接地である⑤街区内に必要な面積の用地を確保して、枚方消防署庁舎及び訓練施設の早期の更新整備、さらには防災拠点としての機能拡充ではないか。6月5日の枚方寝屋川消防組合定例会の一般質問の報告です。

2025/06/05

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月5日、枚方寝屋川消防組合の2025年第2回定例会が開催されました。その中で、「消防力の適正配置について」、一般質問を行いましたので、その報告です。

消防力の適正配置の観点から、消防署所の「圏域」の設定に際して重要視している内容を問うたところ、「消防活動の対象となる事象は、火災、救急、救助等広範囲にわたり、その多くが人為的要因によって発生していることから、ある程度人口の集中した地域に署所を設置することが適当である」とのお答えでした。全くその通りであると考えます。しかしながら、具体的な「適正配置」の検討にあたっては、出動件数が増加する救急対応体制のみならず、出動件数という具体的な数値に直ちには表れないけれども潜在的危険性を高めている重大な災害リスクである火災や救助といった活動対象についても、しっかりと検討されなければならないのではないでしょうか。

あるべき「圏域」からさまざまな状況変化により、現実的な課題が生じている部分について、新たな対応も実践されてきているので、引き続き、さらなる検証・改善をお願いしたいと思います。しかし、「旧中宮北小学校跡地に枚方消防署を移転した場合の署所の再編、移転後の枚方市駅周辺地域における消防・救急需要に対して迅速に対応するために、救急ステーションの設置を含む署所の再編や適正配置車両・人員配置など、引き続き検討する」などと答弁しながら、「枚方消防署という重要な消防署を中心市街地から約2㎞離れた遠隔地に移転した場合でも、必要な消防力は維持できるものと認識している」という結論を繰り返すのは全く不誠実です。

老朽化し、十分な耐震性能も確保されていない枚方消防署庁舎の更新、並びに訓練施設の整備は必要かつ緊急の課題です。にもかかわらず、枚方市駅周辺の再整備に伴う土地利用の高度化、昼・夜間人口の増加、イベント集客、木造密集家屋集中地域の老朽化等々、火災などの災害発生リスク、大規模化リスク、対応困難性リスクの増大に無頓着すぎるのではないでしょうか。移転の不合理性を隠すため、想定されるリスクの「見ないふり」をしているのではないかと懸念されます。

枚方市役所と枚方消防署の「ダブル移転」をずさんな手続きと判断に基づき強引に進め、3月定例月議会で確定させようとしていた枚方市の思惑は、追加で提出していた市役所の移転条例議案が3月28日の枚方市議会本会議での審議直前に取り下げられたことにより実現しなくなりました。消防力の適正配置の観点から、消防組合の管理者として今なすべきは、枚方市駅周辺再整備基本計画をゼロベースで見直し、現枚方消防署の隣接地である⑤街区内に必要な面積の用地を確保して、枚方消防署庁舎及び訓練施設の早期の更新整備、さらには防災拠点としての機能拡充ではないでしょうか。消防組合におかれましては、あくまでも枚方市における適切な消防・救急・救助体制を確立するという立場をしっかりと持っていただき、枚方市との協議に臨んでいただきたくことを強く求めました。

 

 


消防力の適正配置について

(1)消防体制を構築する際の圏域の設定
(2)中南部、南西部地域における課題に対する検討状況
(3)現枚方消防署の移転、渚出張所の廃止が及ぼす影響

以下、6月5日の一般質問でのやりとりを掲載します。

Q.私の質問

通告に従い、「消防力の適正配置について」、質問させていただく。

まず最初に、「消防体制を構築する際の圏域の設定」について伺う。
先の消防組合議会において、老朽化した枚方消防署の更新整備について質問をした際に行われた消防署所の「圏域」の説明に、地図上にコンパスでグルっと描いた円、これは実際に着けるかどうかわからないけれども、5分で消防車・救急車が到着できる距離内の区域ということらしいが、そういう図を示された。
議長の許可を得て、消防組合からいただいた資料に私なりに少し手を加えさせていただいた枚方消防署移転に関係する消防署所の「圏域」を示す図をお手元に配付させていただいたので、ご参照いただきたい。

※「現状(枚方消防署移転前)」のシミュレーションには、現枚方消防署の所管する半径2.5㎞の区域を赤色網掛けで示し、赤色枠で囲っている。

※「枚方消防署 遠隔地移転」のシミュレーションに、現枚方消防署の所管する半径2.5㎞の区域を赤色網掛けで示している。

 

圏域図とは、時速30㎞で走行したとの想定で、消防署所の現在地を中心点として、地図上に半径2.5㎞の円を描いた円の内側が「5分消防・5分救急」の到達圏のシミュレーションだと説明されている。
「現状(枚方消防署移転前)」のシミュレーションは、枚方消防署の所管する「圏域」を赤色の枠で囲み、内側を赤色で網掛けしております。中心付近に京阪枚方市駅が位置している。
「枚方消防署_遠隔地移転」のシミュレーションには、遠隔地移転、旧中宮北小学校跡地であるが、遠隔地移転後の枚方消防署の所管する「圏域」を赤色の枠で囲み、赤色で網掛けした枚方消防署移転前(現状)の「圏域」はそのまま残している。
直線距離で2.5km以内が「5分消防・5分救急」のシミュレーションということであるが、到達圏の確認には、曜日や時間帯を変え、「想定出動」を繰り返して蓄積された現着時間の実証データからの判断が必要なのではないか、さらに、高層化・複雑化した枚方市駅周辺の建築物への消防対応シミュレーションも求められるのではないか、そんな懸念を指摘させていただいた。
それに対して、「シミュレーションの結果は、一つの客観的な指標であると認識」とのご答弁があったところである。

そこで、改めて消防力の適正配置の観点から、消防署所の「圏域」の設定について、伺う。
消防体制を構築する際の「圏域」の設定に際して、消防として、考慮すべきであると重要視していることは何であるのか、説明を求める。

次に、「中南部、南西部地域における課題に対する検討状況」について、伺う。
消防力の適正配置の観点から消防署所を整備していった中においても、消防行政の環境変化や消防需要の変化、職員体制の変更等により、さまざまな課題も生じてきていると考える。地域特性及び実態に見合った持続可能な消防力の整備となるよう、消防本部においては、多角的な視点から検討を深め、消防体制や配置方針の見直しを図ってきておられると思う。
枚方消防署に関連して、この間、課題となったものについて、どのような対応をしてきたのかについて、確認させていただく。
まず、最初に、平成20年(2008年)に実施された署所の統廃合により、伊加賀出張所は閉所され、消防本部の伊加賀分室とされたが、伊加賀出張所の圏域分については枚方消防署がカバーするとの説明であったと思う。改めて、なぜ、伊加賀出張所を廃止したのか、廃止後、職員・車両はどのような配置転換となったのか、また、問題はなかったのか、伺う。
次に、枚方市の中南部、南西部地域においては、救急需要の増大への対応策として、消防本部に設置した「日勤救急隊(本部機動救急隊)」の運用による効果について、昼間における改善が図られたとのことであるが、その内容について伺う。
また、枚方消防署と大きく関係があると思われる中振出張所の出動状況については、京阪香里園駅周辺への出動がかなりの割合を占めるのではないかと思われる。そこで、中振出張所における枚方市域の枚方消防署の「圏域」への出動と、京阪香里園駅周辺等の寝屋川市域といった枚方市外への出動状況について、伺う。

次に、「現枚方消防署の移転、渚出張所の廃止が及ぼす影響」について、伺う。
枚方消防署が現在地に位置することで構築されていた「圏域」を変更するのなら、そのこと自体の総合的な検討が必要ではないのかという観点から、これまでの課題への対応状況を確認させていただいた。これ以外にも課題への対応があればご教示いただきたいが、先の議員への質問に対して、「渚出張所の廃止を視野に入れる必要がある」との答弁があった。現枚方消防署の移転、そして渚出張所の廃止が先行して語られている現在の状況は、どう考えても「本末転倒」ではないか。
消防力の適正配置の観点から消防署所の「圏域」をどのように設定すべきなのか、そして、仮に見直すとすればどのような影響があるのか等、リスク評価・検証をしっかりと行った結果としての移転や廃止方針であるとは到底思えない。見解を伺って、1回目の質問とさせていただく。

A.吉岡総務部長の答弁

奥野議員のご質問にお答えする。

消防体制を構築する際の圏域の設定

署所の数については、総務省消防庁が示す「消防力の整備指針」において定められており、署所の設置意義等として、消防活動の対象となる事象は、火災、救急、救助等広範囲にわたり、その多くが人為的要因によって発生していることから、ある程度人口の集中した地域に署所を設置することが適当であるとされている。
また、具体的な署所の設置位置として、広範囲に消防ポンプ自動車が到着できるよう道路交通状況等を勘案して、署所が市街地内にバランスよく設置(配置)されていることが重要であるとされている。

中南部、南西部地域における課題に対する検討状況

次に、伊加賀出張所については、署所の統合による将来的な災害活動拠点の見直しに係る構造改革として、全国の類似消防本部の調査を実施し、市民が受ける消防行政サービスと市民が負担する消防費とのバランスを検証し、最低限必要である職員数を明らかにした上で、枚方市域については伊加賀出張所を統合することが望ましいとされたものである。
2008(平成20)年度に出張所の機能を枚方本署と中振出張所に統合し、15名を減員し、消防車両については、伊加賀分室に非常用車両として配備した。

枚方市の中南部、南西部地域への対応として、消防力適正配置に係る調査・研究では、日勤救急隊を配備することにより、「中南部地域」への平均走行時間は0.4分短縮、「南西部地域」への平均走行時間は2分短縮するなど、運用効果が顕著に向上するとされている。
2024(令和6)年度中に本部機動救急隊が出動した件数は777件で、本部機動救急隊の影響が大きい枚方本署、中振出張所、川越出張所、渚出張所、阪出張所の5署所の現場到着平均所要時間は27.2秒短縮し、枚方本署救急隊では最大52秒短縮している。

2024(令和6)年中の中振救急隊の出動件数は、3,531件でそのうち、枚方本署管内へは274件出動しており、寝屋川市域へは1,511件出動している。

次に、移転に伴う活動エリアの課題については、旧中宮北小学校跡地に枚方消防署を移転した場合の署所の再編など、適正な配置について検討が必要と認識している。今後も内部で検討を重ね、管内の消防力の維持や救急需要への対応のために関係機関と協議していく。

現枚方消防署の移転、渚出張所の廃止が及ぼす影響

枚方消防署を中宮北小学校跡地に移転した場合、エリアが重なる渚出張所の統合について視野に入れる必要がある。
繰り返しになるが、枚方消防署を移転した場合でも、必要な消防力は維持できるものと認識している。
一方で移転後の枚方市駅周辺地域における消防・救急需要に対して迅速に対応するために、救急ステーションの設置を含む署所の再編や適正配置車両・人員配置など、引き続き検討していく

O.私の意見・要望

ご答弁いただいたが、非常に矛盾だらけのご答弁ではないかと思う。
まず、署所の設置意義についてであるが、消防活動の対象となる事象は、火災、救急、救助等広範囲にわたるとのお答えであった。まったくそのとおりだと思う。
しかし、「中南部地域」や「南西部地域」における運用効果などを語られる際には、日勤救急隊(本部機動救急隊)など、出動件数が増加する救急対応体制のことばかりが焦点化されている印象である。
しかし、枚方消防署などの具体的な「適正配置」の検討にあたっては、出動件数という具体的な数値に直ちには表れないけれども潜在的危険性を高めている重大な災害リスクである火災や救助といった活動対象についても、しっかりと検討されなければならないと考える。果たしてそれはなされているのか。
また、答弁では「活動対象事象の多くが人為的要因によって発生していることから、ある程度人口の集中した地域に署所を設置することが適当」という総務省消防庁の「整備指針」を引用された。であるならば、最も人口の集中した地域にある枚方消防署を遠隔地に移転するという結論になるのか、これも全く理解できない。

あるべき「圏域」からさまざまな状況変化により、現実的な課題が生じている部分については、日勤救急隊の設置等、新たな対応も実践されてきているので、引き続き、さらなる検証・改善をお願いしたいと思う。
しかしながら、一方で「旧中宮北小学校跡地に枚方消防署を移転した場合の署所の再編など、適正な配置について検討が必要と認識している」とか、「移転後の枚方市駅周辺地域における消防・救急需要に対して迅速に対応するために、救急ステーションの設置を含む署所の再編や適正配置車両・人員配置など、引き続き検討する」などと答弁しながら、「枚方消防署を移転した場合でも、必要な消防力は維持できるものと認識している」という結論を繰り返すのは全く不誠実である。必要な消防力が維持できるかどうかは、それらの検討結果を踏まえた体制を明らかにできてこそ言えることであるからである。

Q.私の質問

そこで、2回目の質問をさせていただく。
枚方消防署が現在地からなくなるということで、地域住民の安全・安心が脅かされている。ご答弁にある「救急ステーションの設置」というもので本当に、消防力の適正配置が実現できるとお考えなのか、これは消防長に伺って、2回目の質問とさせていただく。

A.伊藤消防長の答弁

奥野議員の2回目のご質問にお答えする。
議員ご指摘のとおり、増え続ける救急需要に対応するために救急車を配備することはもちろんのこと、枚方市駅周辺で再開発が進んでいる中、今後の消防需要について考慮し、消防力の適正配置の実現に向け検討していく。

O.私の意見・要望

3回目は要望とさせていただく。
先ほども指摘したが、「火災、救急、救助等の多くが人為的要因によって発生していることから、ある程度人口の集中した地域に署所を設置することが重要である」とのご答弁があった。
実際、枚方・寝屋川区域の主要鉄道駅の近隣には消防署・出張所が配置されている。1日の乗降者数が約9万人にのぼる京阪電車の中核駅、そして、数多くの高層建築物や集客施設が存在する京阪枚方市駅周辺から枚方消防署がなくなるというリスクを本当に適切に評価されているのか。

お手元の「枚方消防署_遠隔地移転」の図をご覧いただきたい。
寝屋川市域の京阪香里園駅周辺の消防対応については中振出張所が最寄りとなる。先ほどのご答弁では、中振出張所からの救急出動の約43%は寝屋川市域とのことであるが、枚方消防署がある現在でも、京阪枚方公園駅近くにあった旧伊加賀出張所の廃止に伴い南西方向の負担が大きく拡大している枚方消防署の所管圏域、図では赤色網掛け部分になるが、その「圏域」に中振出張所からの救急出動の約8%が出動しているわけである。
枚方消防署が北方向に遠隔地移転して現在地からなくなってしまった後、赤色網掛け部分の南西部分を担う中振出張所の負担は非常に大きくなるのではないか。


一方、京阪香里園駅周辺には高層マンションも数多く建設されている。また、香里園駅周辺の飲食店舗が集積している場所は狭い道路を挟んで木造家屋が密集している地域もある。ちなみに、こうした状況は枚方市駅周辺でも同様である。これらへの消防対応への影響はないと断言することができるのか。
「増え続ける救急需要に対応するために救急車を配備することはもちろんのこと、枚方市駅周辺で再開発が進んでいる中、今後の消防需要について考慮し、消防力の適正配置の実現に向け検討する」というただいまの消防長のご答弁は、苦しい中でも、少しでも前向きな検討に努めたいという「思い」であることは理解するが、消防業務と救急業務を分離した体制整備が適切なものであるとは思えない

老朽化し、十分な耐震性能も確保されていないことから、中2階及び5階の使用が制限されている、昭和46(1971)年築の枚方消防署庁舎の更新、並びに訓練施設の整備は必要かつ緊急の課題である。待ったなしであることは共通の理解であると考える。
しかし、枚方消防署という重要な消防署を中心市街地から約2㎞、直線距離で約1.5㎞離れた遠隔地に移転させるという方針は、枚方市駅周辺の再整備に伴う土地利用の高度化、昼・夜間人口の増加、イベント集客、木造密集家屋集中地域の老朽化等々、火災などの災害発生リスク大規模化リスク対応困難性リスクの増大に無頓着すぎるのではないか。
というよりも、移転の不合理性を隠すために想定されるリスクを「見ないふり」をしているのではないかと思わざるを得ない。非常に不誠実であると考える。

枚方消防署の移転は、「市役所の位置に関する条例」の一部を改正し、市役所新庁舎の⑤街区への移転建て替えに枚方市が固執するために生じた話である。訓練施設の整備に必要な面積を含む枚方消防署の建て替え用地は、その方針さえ見直せば、国との協議による市有地等の全面活用により、⑤街区内での確保は可能で、枚方消防署庁舎の更新、並びに訓練施設の整備は実現可能である。

枚方市役所と枚方消防署の「ダブル移転」をずさんな手続きと判断に基づき強引に進め、3月定例月議会で確定させようとしていた枚方市の思惑は、追加で提出していた市役所の移転条例議案が3月28日の枚方市議会本会議での審議直前に取り下げられたことにより実現しなくなった。
その理由は、伏見枚方市長は「政治生命をかける」と豪語し、さまざまな問題点の指摘や対案提示を無視し、無理に無理を重ねて条例改正を進めてきたわけであるが、枚方市議会2022(令和4)年9月の定例月議会に引き続いて二度目の否決となる見通しとなったからに他ならない。
大規模災害に備えるためどころか、日々の安全管理対応にも数多くの課題を抱え、無駄な維持管理コストを費やしている老朽化した諸施設の解体・撤去と建て替えは一刻の猶予もならない
市役所新庁舎の⑤街区への移転は議会の承認を得られなかったのであるから、計画を見直して、枚方消防署庁舎及び訓練施設も、⑤街区での更新整備に舵を切るべきである。それが消防力の適正配置の観点からの管理者としての責務ではないか。
市民の安全・安心を第一に考え、この先の枚方市を守り抜く消防署があるべき場所を熟考していただき、さらには防災拠点としての機能拡充に繋げていくことが、消防組合としての課題ではないかと考える。
消防組合においては、あくまでも枚方市における適切な消防・救急・救助体制を確立するという立場をしっかりと持っていただき、枚方市との協議に臨んでいただきたくことを強く求める。

私たち市民のいのちを守るために最前線で尽力していただいている消防署職員の労働環境の整備のためにも、老朽化した危険な公共建築物である枚方消防署及び訓練施設の更新整備を、現枚方消防署の隣接地である⑤街区内に必要な面積の用地を確保して、早急に実現するという取り組みを積極的に進められることを求めて、私の質問を終わる。

 


◇枚方市駅周辺再整備関係資料より抜粋

※上記の内訳を担当部署に確認

(単位:㎡) 全体面積 ④街区 ⑤街区
一般地権者 4,000 3,300 700
4,000 0 4,000
7,700 0 7,700
24,000 20,000 4,000
合 計 53,100 23,300 16,400

 


【移転条例案の取り下げ】

「市役所の位置に関する条例」の一部を改正し、新庁舎の⑤街区への移転建て替えと枚方消防署の旧中宮北小学校跡地への移転建て替え方針(ダブル移転)を3月定例月議会で確定させようという市の思惑が、3月28日の審議直前になっての「議案取り下げ」により実現しなくなりました。
その理由は、伏見市長は「政治生命をかける」と豪語し、様々な問題点の指摘や対案提示を無視し、無理に無理を重ねて条例改正を進めてきましたが、2022年9月議会に引き続いて二度目の否決となる見通しとなったからに他なりません。

私は、このダブル移転計画には、あまりにも基本的で重大な問題があるので、今回の取扱いは好ましい結果だと考えます。
そして伏見市長は、議会での採決を避けたけれども、仮に採決された場合には否決されただろうという状況を真摯に受け止めるべきだと考えます。

市役所の新庁舎移転に伴う④街区の市有地エリアの民間事業者による開発内容については、変わり映えがしないどころか、むしろ、より不透明になるという説明内容となりました。枚方消防署という重要な消防署を中心市街地から遠隔地に移転させるという消防力低下の危険性がある事業をずさんな手続と判断に基づき強引に進めるということも、今回は付け加わっています。
これらのことを改めず、次の機会にまた同じ提案を繰り返すのならば、今回の議案取り下げは、単なる「根負け」を狙った「勝つまでじゃんけん」を求める子どもっぽい振る舞いでしかありません。

大規模災害に備えるためどころか、日々の安全管理対応にも数多くの課題を抱え、無駄な維持管理コストを費やしている老朽化した諸施設の解体・撤去と建て替えは一刻の猶予もなりません。
私は今後も、いかにすれば新庁舎や新枚方消防署庁舎を適切かつ早く建設することができるのかについて、市民にも開かれた形できちんとした議論を行い、大多数の合意が形成できる取り組みを強く求めていきます。

 

 

▶ 3月28日、3月定例月議会の最終日が終わりました。追加議案の「市役所の位置に関する条例の一部改正について」は、本日の審議直前に開催された議会運営委員会で伏見市長が取り下げました。(2025/3/28)

 

 


【これまでの議会での質問】

▶ 消防力の適正配置上、合理性を欠くダブル移転のごり押しではなく、現在地の隣接の⑤街区内の市有地・公有地等を枚方消防署及び訓練施設の移転候補地として整備できるよう、早急に検討すべき。3月27日の枚方寝屋川消防組合定例会の一般質問の報告です。(2025/3/27)

 

 

▶ 2月20日、枚方市駅周辺再整備における取り組み状況について、全員協議会が開催されました。防災拠点機能を持つ④街区の公園・広場と隣接した、自治の拠点となる市役所新庁舎の整備、訓練施設のある枚方消防署庁舎の⑤街区への整備が、より早く、より安く、より効果的な安全・安心の拠点形成につながると訴えました。(2025/2/20)

 

 

▶ 枚方市役所庁舎と枚方消防署庁舎のダブル移転のごり押しは、現在、そして将来の枚方市民に大きな禍根を残すのではないか。12月23日の枚方寝屋川消防組合定例会の一般質問では、枚方市における適切な消防・救急・救助体制を確立するという立場から、枚方市との協議に臨んでいただきたいと要望しました。(2024/12/23)

 

 

▶ 枚方市役所庁舎と枚方消防署庁舎のダブル移転案のどこが問題であるのか。「結論の押し付け」は許されません。枚方消防署の移転建替えについての質問です。12月定例月議会、一般質問の報告②です。(2024/12/13)

 

 

▶ 大規模災害に備えるためにも、災害対策の拠点となる市役所新庁舎は防災公園に隣接して④街区に整備し、枚方消防署新庁舎を⑤街区内で整備する連鎖的な防災まちづくりを実現すべき。市駅周辺における防災対策の推進について、質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告④です。(2024/09/17)

 

 

▶ 大規模災害に備えることが最優先課題。まずは暮らしの安全・安心。これまでの議会での主張等をコンパクトにまとめた「私の対案」を掲載しています。(2024/04/01)

 

 

▶ 枚方市駅周辺再整備における取り組み状況について、2月21日、全員協議会が開催されました。老朽公共施設の更新は待ったなし。大規模災害に備えるということが本市の最優先課題であり、その対応拠点となる新庁舎は、防災拠点機能を持つ④街区の広大な公園・広場と隣接して整備されることが、最も合理的ではないかと訴えました。(2024/02/21)

 

 

▶ 廃止され老朽化した公共施設をすみやかに解体・撤去するとともに、市民の暮らしと活動を支え、災害時には様々な対応活動の拠点となる市庁舎を、広大な市有地に早急に建設するという選択が最も現実的で迅速な進め方ではないか。新庁舎整備についての質問です。12月定例月議会、一般質問の報告②です。(2023/12/18)

 

 

▶ 市庁舎の⑤街区移転を前提とした④街区の再整備は根本的に見直すべき。9割以上が市の土地である④街区において「必要となる上水道・下水道施設の整備」等について質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告③です。(2023/06/26)

 

 

▶ 市民から市政を預かる重い責任を持つ市長が、フェイクとも言える数字を持ち出して再整備事業の意義を語るのは市民に対する背信行為。6月12日の全員協議会。消したアリーナの効果も算入した経済効果額を持ち出す市長の姿勢を指摘しました。(2023/06/12)

 

 


【参考/消防組合議員一覧】

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