おくやみコーナーのことが新聞に掲載され、枚方市は?と質問がありました。枚方市も2021(令和3)年1月から「おくやみ手続き窓口(仮称)」を設置します。12月号広報でお知らせ予定。

2020/09/25

おくやみコーナーのことが新聞に掲載されたことを受けて、ご近所の方から枚方市はどうなっていますか?と質問がありました。

枚方市も2021(令和3)年1月から「おくやみ手続き窓口(仮称)」の設置が予定されていることをお伝えすると、とても喜んでおられました。ワンストップでの対応、オンラインでの申請などが可能になれば、自分の死後の手続きなど、子どもへの負担が軽減できると思うと話されていました。市の取り組みは12月号広報でお知らせ予定です。

以下、8月25日の市民福祉委員協議会の内容を再掲します。「(仮称)お悔み手続き窓口」は、市役所内における死後の手続きのワンストップ化をめざす窓口です。
国は相続までを見据えた「死亡・相続ワンストップサービス」として取り組みの推進を示していますが、その内容も追記しました。

 


「(仮称)おくやみ手続き窓口」について

死亡届に伴う行政手続きについて、窓口移動や処理時間の短縮など、市民サービスの観点から遺族の負担軽減等を図るため、市民室内に ICTを活用する「(仮称)おくやみ手続き窓口」の設置を進めるもの。
常時2窓口を開設し、来庁による当日受付のほか、郵送申請及び事前予約や電話相談、手続き所管部署との連携等により窓口混雑の緩和に努める。年間約3,700件を見込み(令和元年度死亡者数:3,756人)、来庁者数に応じて、さらに1窓口の追加も想定。2020(令和2)年12月号広報で周知し、2021(令和3)年1月から「(仮称)おくやみ手続き窓口」を開始予定。

 ICTの活用とは?

窓口予約システム:事前予約に電話だけでなく、専用サイトからのインターネット予約にも対応。
窓口支援システム:申請書に記載する住所・氏名などの必要項目について、システムによる省略化を図るとともに、ホームページ上で、故人の属性に基づく手続きが、申請者自身で検索できるようにすることで、事前準備を促す。郵送による手続きも案内。

現在、ホームページ上に掲載されている本市の「死亡届に伴う手続き」の案内です。(※クリックするとPDFが開きます。)

窓口支援システムについて、以下、昨年9月の総務委員協議会に提出された資料からの抜粋です。2021(令和3)年1月導入に向けて準備が進んでいるようです。


コストとしては、現年度分の2021(令和3)年1~3月のシステム及び端末関係で 925千円(賃借料 557千円、設定委託料 368千円)、庁用器具費 1,226千円、消耗品費 49千円、通信運搬費 116千円の合計 2,316千円(ー般財源)と、令和3年度から5年間分の賃借料(債務負担) 8,235千円を9月補正予算に計上予定。なお、賃借料については、2021(令和3)年1月に導入予定の窓口支援システムにおくやみ関係のシステム改修もあわせて行うとのことです。

他市先行事例について

1⃣ 奈良市「おくやみコーナー」:2019(令和元)年11月~、奈良市役所本庁舎1階玄関ホール会議室に設置
・「おくやみコーナー」の端末タッチパネルで質問項目に答えると、住所・氏名等が記入された各種「申請書」、「必要な手続きや持ち物の一覧表」を一括作成。
・名前や住所が印字された申請書をワンストップで受付。
・死亡に伴う手続きのご案内を掲載した「おくやみハンドブック」を配布し、亡くなられた方に関する手続きを総合的に案内。
・市役所での手続きだけでなく、市役所外での様々な手続きについても手続き先をご案内する。
・予約優先で、待ち時間を削減し、よりスムーズな対応をめざす。

2⃣ 別府市「おくやみコーナー」:2016(平成28)年5月~、市役所グランドフロアー(GF総合案内所内)に設置
・手続きの必要な課への案内と関係書類の作成を補助。
・亡くなられた方についての情報を受け、死亡に関する市役所の申請書を一括して作成。
・必要な手続きを選別して案内、もしくは、担当課職員が順次コーナーに出向いて手続きを完了する仕組み。

3⃣ 神戸市「おくやみコーナー」:2019(令和元)年5月7日~、全区役所・支所に設置
・必要な手続きを抽出して案内(手続き漏れの防止)。
・申請書の作成補助(基本的な情報を印字の上、申請書を出力)。
・区役所・支所以外での主な手続きの概要や担当窓口の紹介。

【参考】
神戸市は、スマートで優しい市民サービスの実現をめざし、区役所サービスにおいて、来庁せずできる手続きの拡大、ICT活用による利便性の向上、相談対応業務の充実等を推進しています。2019(令和元)年11月には、パソコンやスマートフォンを使って、簡単・便利に必要な手続きを探し、申請書類を作成することができる「KOBEスマートナビ」もweb上に開設。

➣区役所サービスが変わります! ~「近未来の区役所」の実現をめざして~(2019年10月24日)

 

奥野の意見

設置する「(仮称)おくやみ手続き窓口」について、来所される遺族の方のお気持ちに配慮した接遇も市民サービスの一環ではあると思いますが、新型コロナウイルス感染症を契機に、市役所窓口全般について、市役所に来てもらうことを前提とした窓口業務が見直され、感染拡大防止のための非対面・非接触の手続きの推進が求められていると思います。おくやみの手続きだけではなく、転出・転入・転居などの住民異動やさまざまなくらしの場面での手続きにおいても、ワンストップ、さらには市役所に行かなくても、郵便による申請やICTを活用したオンライン申請で必要な手続きができるよう、市民目線で複数窓口にまたがる手続きの簡素化・効率化を追求していっていただきたいと意見しました。

(※以下、奥野の質問のやりとりを掲載します。)

【奥野の質問】
「(仮称)おくやみ手続き窓口」を設置し、窓口移動や手続き処理に係る時間を短縮し、来所される遺族の方の利便性の向上を図られるということであるが、窓口設置の「効果」についてはどのように把握していくのか。


【市の回答】
窓口で一括して扱った申請件数が多いほどワンストップの効果が高いと考えられるため、手続きに要した時間と1回に扱った申請件数により、効果を把握したいと考えている。

【奥野の質問】
転入・転出等の住民異動に伴う手続きの簡素化、所要時間の短縮を図るため、「書かない」「迷わない」「待たない」をコンセプトとした窓口サービスの向上を図るシステム、「窓口支援システム」の導入を図ると、昨年9月の総務委員協議会で説明があった。今回、その窓口支援システムを「(仮称)おくやみ手続き窓口」でも活用するとの説明である。そこで、今年度導入されるということであるが、「窓口支援システム」はどのようなものなのか、また、どのような効果が期待できるのか、改めて伺う。

【市の回答】
窓口支援システムは、来庁者に質問に答えていただくことで、必要な手続きを抽出し、また、氏名や住所などの共通の項目を記載した複数の申請書を一括して出力することで、書類作成の時間短縮を図るものである。
市民室では、来年1月の利用開始に向けて、住民異動に対応したシステムの導入を進めているが、今回、新たにおくやみ手続きの機能を追加し、約70あるおくやみ手続きの中から的確に必要な手続きを抽出し、また、申請書の作成時間の短縮を図る。
なお、窓口支援システムにはホームページ上で必要な手続きを検索できる機能もあるので、来庁される前の事前準備にもご活用できると考えている。

【奥野の意見】
設置する「(仮称)おくやみ手続き窓口」について、来所される遺族の方のお気持ちに配慮した接遇も市民サービスの一環ではあると思うが、新型コロナウイルス感染症を契機に、市役所窓口全般について、市役所に来てもらうことを前提とした窓口業務が見直され、感染拡大防止のための非対面・非接触の手続きの推進が求められていると思う。窓口支援システムを活用し、必要な手続きをホームページ上であらかじめ確認して来所し、ワンストップで複数手続きが処理可能となるフローが整理されれば、(本人確認が必要という法の縛りは残るであろうが)その先には、その窓口に行かなくても、郵便による申請、さらにはスマホ・タブレットからの電子申請で、必要な手続きが可能となる手続きのフローが整理されるのではないかと期待する。
デジタルプラットフォーム等を活用している自治体もある。市においても、おくやみの手続きだけではなく、転入・転出・転居などの住民異動やさまざまなくらしの場面での手続きにおいても、ワンストップ、さらには市役所に行かなくても必要な手続きができるよう、「ICT戦略課」に主導いただきながら、市民目線で、複数窓口にまたがる手続きの簡素化・効率化を追求していっていただきたいと意見しておく。

他の委員の質問

・郵送申請はどの程度可能か。
→年間処理件数は数件から2,500件程度とさまざまで、100件を超えるものは19件ある。処理件数の多いものを中心に、今後、郵送対応を検討する。
・おくやみに関する手続きはどの程度か。庁内連携について。
→70件程度あり、関連する部署は15部署(市民室以外は9部署)で、マニュアル作成を行い、部署におくやみ担当者を決める等の対応を検討する。
・電話・インターネットを活用する窓口予約システムのメリットは何か。他市状況について。
→ 事前準備を促すことができる。他市における事前予約は、当日予約を含め3割程度。
・周知の方法について。
→広報・ホームページで案内。おくやみパンフレットの作成・配布を検討。
・市役所以外の手続きの案内について。松阪市が市民アンケートを行い、市役所以外の手続きに係る必要書類も取り寄せて質問に対応している。
→個別にはないが、申請方法は案内する。

 


【参考資料:9月25日追記】

ライフイベントのうち、もっとも切実な「死亡・相続」に即して一括手続きをめざす窓口が「おくやみコーナー」であるとして、国も「おくやみコーナー設置自治体支援ナビ」で推奨しています。

 

おくやみコーナー設置ガイドライン、設置自治体支援ナビの提供を開始しました。(2020.5.15)(政府CIOポータル)

国のガイドラインはこちらから → おくやみコーナー設置ガイドライン

 

▶  死亡・相続ワンストップサービスの推進(政府CIOポータル)

 

また、婚姻、出生、死亡、転入、転出等ライフイベントに即したサービス提供が求められるとして、ワンストップサービスのイメージも示されています。

 

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