ひとり親家庭等の誰もが未来に希望がもてるまち~ 11月12日、第3次枚方市ひとり親家庭等自立促進計画の進行管理を行う「第1回 児童福祉専門分科会」を傍聴しました。

2019/11/15

ひとり親家庭等の誰もが未来に希望がもてるまち。
「第3次枚方市ひとり親家庭等自立促進計画」は、2016年3月に策定された5か年の計画です。

枚方市のひとり親世帯総数(2015年国勢調査)は2,668(総世帯数167,201)。内訳は、母子世帯数が2,421、父子世帯数が247。総世帯に占める割合は、全国が約1.6%、大阪府が約1.8%。枚方市は約1.6%で、2005年以降、減少傾向にあるとのこと。

※クリックするとPDFファイルが開きます。

すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトのロゴマーク

 

11月12日、「第3次枚方市ひとり親家庭等自立促進計画」の進捗状況についての審議と母子父子寡婦福祉資金貸付金の状況についての報告を案件とする「令和元年度 第1回 枚方市社会福祉審議会 児童福祉専門分科会」を傍聴しました。
ひとり親家庭等自立促進計画は、毎年度、当該審議会が確認・評価を行っています。

「第3次枚方市ひとり親家庭等自立促進計画」平成30年度進捗状況一覧(案)

母子父子寡婦福祉資金貸付金の状況について

ひとり親応援マッ
(※クリックするとPDFが開きます。)

 

計画の進捗状況について、施策目標1~5に基づき実施している102事業について、平成30年度は「継続・推進(事業目的の達成に向けて継続中で、今後も推進していく取り組み)」が96事業(94.1%)、「充実・強化(事業目的の達成に向けて継続中で、対象者の拡充や制度の改善を図っている取り組み)(※)」が6事業(5.9%)、「改善・見直し(事業目的の達成に向けて継続中であるが、今後は手段のか以前見直しを行う取り組み)」「終了(完了)(事業目的を達成した取り組み)」「終了(休止)(課題等があり、事業を中止している取り組み)」は0とのことでした。つまり、計画に基づき概ね順調に推移している、ということでしょう。

 


※充実・強化(6事業)
・平成30年9月以降、所得制限年齢制限を撤廃し、第3子以降の保育料を無料とする等の保育所保育料等の軽減
・平成31年1月に開設した保育士等就職支援センター事業
・介護事業者9業者に委託して実施したひとり親家庭等日常生活支援事業
・給付金額の上限額の引上げが行われたひとり親家庭自立支援給付金事業
・全部支給対象者の所得制限限度額が引き上げられた児童扶養手当の給付
・子どもの就学に必要な費用の援助


 

翌日の新聞に、ひとり親世帯の貧困に対応するため、養育費の算出基準を見直し、12月23日に詳細を公表するとの記事が掲載されていました。すでに調停などで合意した事例の中でも新基準の適応を求める調停を申し立てられるとのことです。

傍聴させていただいた審議会でも養育費についての意見がありました。

ひとり親家庭の子どもが健やかに成長するためには、養育費確保が必要不可欠であるとの観点から、離婚調停等で必要な手続きが行われるよう、関係機関と連携しながら、養育費確保についての相談や情報提供、福祉資金の貸付等と行うとのことでした。

広聴相談課の無料法律相談(弁護士)は、1年度に1回。1回30分のみで調整できるとはなかなか思えないですよね、という質問に対して、事前に養育費相談(母子・父子自立支援員)を行う中で相談内容を整理しておくことも有効であるとか、男女共生フロアウィルでは女性弁護士による法律相談があることとか、また、相談を受けてもらった弁護士に引き続き依頼するのであればどの程度の費用が必要かを確認することも必要とか、法テラスへの相談(30分×3回)に切り替えてもらうための情報提供をしてもらうとか、給付であればよいと思うが弁護士費用の貸付の制度があるのであれば相談の中で情報提供も、そんな意見が出ていました。連携の中で、利用者に総合的に情報提供を行い、必要な方に確実に届くよう周知していただきたいとの意見もありました。

養育費の確保について、私自身、適切な支援を行えなかった反省もあります。離婚に際して、さまざまな決断をするのはご本人さんですが、きちんと整理をして相談に臨める状況にあるとは限らないので、子どもに対するケア、ご本人の精神的なケアも含め、ナビゲーターというか、キーパーソンのような方がご本人に寄り添いながら関係機関との連絡調整についても支援していただくことが必要だろうなと思います。

その他、審議会の委員からは次のような意見がありました。

・機構改革で名称が変わったり、事業名が変更となっているものは正誤表の作成などによる適切な周知を。
・児童扶養手当の更新案内約4000通にひとり親相談とハローワーク枚方の常設相談窓口などの就労相談窓口の案内ちらしを同封したとのことであるが、効果測定は。支援の広がりにつながる効果的な取り組みを。
・ひとり親家庭自立支援給付金の上限額の令和元年からの引き上げがてびき(2019.5)に掲載されていないと思うが、重要な情報をもれなく伝達することはとても大切なので、どこにどう掲載して効果的に伝えるか、また、離婚を考えている人にどう伝えるかについて検討を。変化する情報の伝達は特に重要なので、いろいろな媒体をフル活用して、繰り返し伝えることが必要。

 


 

審議会のもう一つの案件、母子父子寡婦福祉資金貸付金の状況については、児童福祉専門分科会には母子父子寡婦福祉資金審査部会が平成26年度に設置されていますが、これまで審査対象となる案件がなかったため、1度しか開催されていないため、今回、委員の皆さんに現状の報告を行うとのことでした。
平成30年度の貸付は合計41件、25,449,800円で、新規貸付は、就学資金8件、就学支度資金3件、生活資金合計1件の合計12件、4,980,000円。平成30年度の償還状況(償還率)は、現年度分は90.9%、過年度分は7.2%。過年度分は中核市移行前の大阪府貸付の滞納分も引き受けており、回収は厳しい状況であるが、2019年度より民間委託による回収も行っているとのことでした。

 


 

ひとり親家庭等の誰もが未来に希望がもてるまちの実現に向け、地域・関係機関等、社会全体で取り組めるようお願する、と会長の挨拶で閉会となりましたが、第3次計画に記載の支援ネットワークが効果的に機能することを願っています。なお、枚方市ひとり親家庭等自立促進計画は、第4次計画を来年度に策定するとのことです。

 

^