学校、家庭、地域をつなぐ防災の取り組み。2月4日、枚方第二小学校で「防災キャンプ」が実施されました。

2023/02/04

枚方市議会議員の奥野みかです。

2月4日(土)は、枚方第二小学校の防災キャンプ。3年ぶりの学校防災キャンプの開催となりました。防災キャンプは、学校、家庭、地域をつなぐ防災の取り組みです。防災の視点から、学校、家庭、地域のつながりを見つめ直す機会でもあります。主な対象学年は3年生。

今回は、地震発生の想定。それぞれの地域の「一時退避場所」に集合した地域の子どもたち、ご家族の皆さんとともに、避難経路を確認しながら、「一次避難所(災害発生直後に開設される避難所)」へ向かいます。東田宮・大垣内(3丁目)は、あんご公園(一時退避場所)に集合して、枚方第二小学校(一次避難所)に向かいました。

市からは、臼井危機管理政策課長、原職員、教育委員会からは位田学校教育部長、斎藤児童生徒支援課長、真上指導主事が来られていました。坂本校長先生の挨拶の後、一次避難所の枚方第二小学校の体育館に集まった皆さんを、地域ごとに3つのグループに分け、(1)避難施設設営体験、(2)無線機体験、(3)防災倉庫見学、を順番に体験しました。

(1)避難施設設営体験では、危機管理課の職員から説明を受け、パーテーション、簡易ベッドの組み立て等、避難所づくり体験を行いました。
枚方第二小学校には、パーテーション(2.1m×2.1m×H1.4m)15基、簡易ベット(耐荷重150㎏)15台が備えられているとのこと。体育館には34~35基のパーテーション(34~35世帯)が設置できるということのようです。実際、多人数を受け入れるとなったら、教室の使用を想定していて、コロナ禍以降、収容可能人数が減ってしまったので、例えば公民館等、分散して避難所運営ができるよう考えているとの説明もありました。
なお、市全体の備蓄数は、パーテーション2,000基超、簡易ベット2,000台とのこと。簡易ベットは、感染症予防に有効。また、段ボールベットに比べ、スペースが節約できると言われていました。

ちなみに、毛布は約1,000枚が、体育館の階上部に備蓄されているとのことです。

(2)無線機体験では、西管3階の非常階段に設置した無線機の周囲に集まり、避難班のトランシーバーと交信する様子等を見学しました。 枚方第二小学校は、校区の一番端にある。校区内には、(無線を多用する)警察・消防、電車、ざらに丘陵地など、普通のトランシーバーでは電波が届かないことがわかり、免許がいる無線を選択した。地域コミュニティで免許の必要な無線機をもっているのは全国でここだけであると思う、とのこと。この無線機の整備には200数十万円かかったとのこと。もっとも、10数年前、消防庁の賞金を活用して購入したようですが。
総合文化芸術センター別館(旧メセナ枚方会館)も校区内の避難所なので、もう1台無線機が必要であるけれども、1台10数万円かかるのでなかなか難しいようです。

(3)防災倉庫見学では、コミュニティ協議会の防災担当の加藤副会長(枚二校区防災会会長)から災害備蓄品についての説明を受けました。この倉庫は「災害備蓄品」、この倉庫は「機材」が保管されているとの説明。一つひとつの災害備蓄品についても詳しく説明をしていただきました。

例えば、保存水。約1,000本の備蓄は、校区の夜間人口(約11,000人)の約1割が避難してきたとしても1本はあるように、との説明。消費期限が切れている保存水を残しているのは、飲用のみならず、いろいろと使い道があるから。一番使うのはトイレで、断水時の水洗トイレ用水。

また、ここにだけある災害備蓄品として、常温保存可能な「赤ちゃん用ミルク」(1〜3歳用、0 歳用)と「使い捨てほ乳びん」の紹介も。なぜ、 災害備蓄品としてミルクを置くようになったのか。今の6年生の子どもさんが防災学習をした時に、「カンパンやアルファ米はあって助かるけど、赤ちゃんのためのものがない。大丈夫なのか」というお手紙をもらい、気付かされたと加藤副会長。また、「使い捨てほ乳びん」ってってエコじゃない、という子どもの意見もあったようです。「みんなが素直に思ったことを伝えてくれると形になる。」と話されていました。

東日本大震災の時に、母乳が出ない、このままでは赤ちゃんが飢えてしまうとお母さんが悩んでいるところに、「赤ちゃん用ミルク」を運ぶヘリコプターが飛んできた。アメリカ軍空母には常に「赤ちゃん用ミルク」を積んでいる、という話もある。そのようななか、枚二の備蓄倉庫には、3年前から 災害備蓄品としてミルクを置くようになったとのお話。なお、当時、保存ミルクは、明治、和光堂が作っているようですが、まもなく森永でも作られるようになるようです。

さらに、備蓄しておきたいものはもっとある。人の命を守るためのコストを絞るべきではないと話されていました。

「防災の桜」の話も。2つ目の倉庫を設置した時に植えた桜、とのことです。

各グループ、3か所での体験を済ませて体育館に戻った後は防災学習。危機管理部の担当者から「枚方の防災」についての説明受けました。2018年6月18日の大阪北部地震、同9月4日の台風21号等々。

最後に、市(危機管理部)、市教育委員会、そして、坂本校長先生から、学校防災キャンプについての講評をいただきました。学校、家庭、地域のつながりを見つめ直し、防災について深く考えるよい機会となりました。加藤副会長のまとめも。
地震が来たときどうなるかではなく、どうするか、何をするか、考えること。
いのちは大切。まずはいのちを守る行動を。 他人のいのちを守る→自分のいのちを守ること。具体的には、頭を覆う、ドアを開ける、そして、ブレーカーを落とす等。

子どもたちは参加者記念品(プレゼント)を受け取り、また、地域ごとに「一時退避場所」まで戻ってから解散し、それぞれ帰宅しました。今回の着目は、口腔衛生品「歯みがきシート_ピュオーラ(花王)」です。災害時、口腔ケア用品はとっても大切です。

 

災害はいつ来るか本当に予見できません。
常に準備期間という意識が大切。
③ 普段から防災情報の取得や、防災訓練への参加などを行い、「防災力」を高めていく
助けられる人から助ける人になり、避難所運営などにご協力ください!

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