3月16日、予算特別委員会2日目(総論及び総務・教育子育て)では、基金の現状や運用方針を中心に質問しました。

2021/03/18

枚方市議会議員の奥野みかです。

令和3年度当初予算案は予算特別委員会に付託され、A日程(総論及び総務・教育子育て部門)の3月16日、18日、B日程(総論及び市民福祉・建設環境部門)の3月22日、23日、C日程(特別会計・企業会計)の3月25日の5日間にわたって開催される予算特別委員会で審議することになっています。
予算特別委員会は13人で、「連合市民の会」会派からは、漆原議員と私の2人が出ています。今日はその2日目(総論及び総務・教育子育て部門)でした。

市は、財政状況の見通しが極めて厳しいものになると想定される中でも、枚方市駅周辺再整備事業に巨額の投資を行おうとされています。令和3年度予算案は、そうした姿勢が具体化した予算となっており、将来の本市財政への懸念を膨らませる課題が数多く見受けられます。そこで、今回、私は、歳入「自主財源」に着目して審議を行っていこうと考えました。
一般会計のA日程では「自主財源」の8%を占める「基金繰入金」約 49億6千万円とその使途などについて聞き、B日程では「自主財源」の 85%を占める「市税収入」約 531億円についての質問をと考えています。

質問の順番が9番目の私は、今日の午後からの一番目に質問に立ち、大きく9つの観点から質問をしました。

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【3月18日の質問項目】
・減債基金と公債費について
・その他、特定目的基金の設置目的と運用に係る考え方について
・特定目的基金「この街に住みたい基金」について
・文化国際財団の基本財産の受け入れについて
・国際交流推進事業経費について
・福祉・教育ソーシャルワーク事業について
・留守家庭児童会室運営経費について
・公立保育所民営化事業経費について
・市民会館維持管理経費について


 

※以下、質問のやりとりを掲載します。

今回の質問を通して確認しておきたいこと

令和3年度当初予算案の総額は 1,414億円である。
過去最高となった令和2年度当初予算は 1,508億円、3月補正までの増額約 542億円を加えると、現時点での予算額が約 2,050億円となっている令和2年度予算と比較すると、当初からは 94億円のマイナス、補正後予算額からは約 636億円のマイナスとなっている。
緊急事態宣言による雇用環境の悪化を受け、低所得の子育て世帯に、子ども1人当たり 5万円の特別給付金の支給が行われるという報道もあった。今なお、長く続くコロナ禍のもと、大きな打撃を受けた人たちの生活や教育を支援する予算は確保されているのだろうか、コロナ対策以外に必要な施策やインフラ整備、施設の保全などの予算は適切に盛り込まれているのだろうか、将来への備えは大丈夫なのだろうかと思いながら、これまでの質疑を聞いていた。
新型コロナウイルス感染症対策については、国の財源も効果的に活用いただき、必要な取り組みを的確に進めていただきたいと、改めて、要望させていただく
一方、市は、財政状況の見通しが極めて厳しいものになると想定される中でも、枚方市駅周辺再整備事業に巨額の投資を行おうとされている。令和3年度予算案は、そうした姿勢が具体化した予算となっており、将来の本市財政への懸念を膨らませる課題が数多く見受けられる。

そこで、私は9番目の質疑となるので、重なるところもあると思うが、私からは、次の2点をテーマに質問させていただく。

まず、歳入予算の 44.2%となる「自主財源」約 625億円の8%を占める「基金繰入金」約 49億6千万円とその使途などについて、A日程で質問させていただき、次に、本市にとって最も重要な歳入で、自主財源の 85%を占める「市税収入」約 531億円について、担当課が出席されるB日程で質問させていただく。

 

減債基金と公債費について

Q.私の質問
まず、基金について。歳入の構成上からも、また、社会経済情勢の激変などの状況変化に対応し、安定的で持続可能な財政運営を行うためにも、基金は不可欠な資金である。そして、それは、行財政改革などの努力で捻出するしかないと考えている。
特に、新型コロナウイルス感染症拡大への対処をみても明らかなように、突発的な財政需要や災害に対応する財源として「財政調整基金」が果たす役割は極めて大きなものがある。
そして市は、標準財政規模の概ね 10%となる 70億円程度を「財政調整基金残高の目安」とするとの考え方を示されてきた。3月補正の質疑において、今年度末の「財政調整基金」の残高は、予算ベースで約 120億1千万円、決算見込みベースでは 102億5,200万円とのご答弁なので、今は「目安」を満たすことができるようである。
しかし、今年2月の「長期財政の見通し」においては、令和9年度以降は 70億円を下回り、令和14年度には 40億円程度と、「財政調整基金」残高のあるべき水準を大きく下回る試算を示されているので、全く楽観視できる状況ではない。

そして、先の補正予算審議でも指摘したが、昨年度、予算を計上したけれども、「財政調整基金」の残高を確保するため、「財政調整基金」からの積み替えを行わなかった「減債基金」や「施設保全整備基金」については、令和3年度は、積み増しの予算計上も行われていない。
市が設置する基金は、「財政調整基金」(年度間の財源調整のために設置される基金)、「減債基金」(地方債の償還を計画的に行うために設置される基金)、「特定目的基金」(それらの目的以外の特定の目的のために設置される基金)に分類されるが、まず最初に、「減債基金」、そして公債費について、伺う。

令和元年度、積み増しも含め約 2億円の積立てを予算化したけれども積み増しを行わず、令和2年度は積み増しの予算化も行っていない「減債基金」について、基金残高は、平成28年度末に約 54億円であったものが、令和2年度末、予算ベースでは約 41億円に減少すると見込まれている。この間、借金の返済のために基金を使ったけれども(基金繰入金)、基金利子分以外の積み増しは行っておらず、基金残高は減少している。今年2月の「長期財政の見通し」においては、「減債基金」の基金残高は、令和3年度末で約 41億円、令和14年度末には約 6億円とされている。

そこで、予算書に示された「減債基金」の基金繰入金(基金からの繰出し)6億8,956万円の内容について、伺う。また、令和3年度においても基金積立金(基金への積立て)は基金利子分のみの計上であるが、計画的に積み増しを行っていく考えはないのか、伺う。

A.財政課長の答弁
減債基金については、市債の繰上償還のために 2億8,956万円、その他公債費の増加に伴う財源として 4億円の繰入計上している。
減債基金への積立については、長期財政の見通しにおいて、今後、大規模事業の実施などに伴い、公債費の増加を見込んでいるので、財政状況を踏まえながら、減債基金への積立を行っていかなければならないと考えている

O.私の意見・指摘
令和3年度、「公債費」の増加に伴う財源として「減債基金」を使うとのご答弁である。
その「公債費」について、令和3年度は、前年度予算に比べ約 13億円の増額となる約 115億円の予算となっており、先の委員へのご答弁では、臨時財政対策債や総合文化芸術センター整備事業や京阪本線連続立体交差事業などの「既発債」の元金償還分約 8億円の増に加え、新発債では総合文化芸術センター整備事業や枚方市駅周辺再整備事業、第三学校給食共同調理場整備事業などの「新発債」の元金償還分約 4億円の増が主な増加の要因で、その内容は「長期財政の見通し」に見込んでいるとのことであった。
今年2月の「長期財政の見通し」において、「公債費」は、令和3年度で約 109億円、令和8年度以降は 130億円を超え、令和14年度には約 137億円とされている。そして、全額交付税措置が行われる予定とされる「臨時財政対策債」も含まれるが、「地方債残高」は、令和6年度以降、1,300億円を超えると見込まれている。投資的事業の集中により、市が地方債残高の目標とする 1,000億円を上回る値で推移することになるわけであるが、将来負担の抑制に向け、「減債基金」を活用した繰上償還に取り組む、とも記されている。
ところが、活用しようとする「減債基金」は、積み増しを行わないといけないとわかってはいるけれども、減る一方である、というのが実情である。
将来の地方債残高を増大させる政策展開を行うのであれば、「財政調整基金」とともに、「減債基金」についても計画的な積み増しを行うべきだと指摘しておく

 

 

その他、特定目的基金の設置目的と運用に係る考え方について

Q.私の質問
次に、「特定目的基金」について、伺う。
予算書73ページの基金繰入金について、「施設保全整備基金」は 7億円、「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」は 5億8,467万7千円、「こども夢基金」は 2,696万9千円となっている。それぞれの基金の設置目的及び運用にかかる考え方(運用方針)について、伺う。

A.財政課長の答弁
基金については、基金条例に定める目的に応じて活用を図っており、「こども夢基金」については、各課から基金活用事業として提案のあった事業を内容精査の上、都市経営会議において決定している。
また、その他の基金についても、基金の設置目的を踏まえ、活用を見込んでおり、「施設保全整備基金」は清掃工場のプラント定期補修工事や学校園施設改善事業などの財源として、「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」は、総合文化芸術センターに係る工事請負費や備品購入費の財源として、それぞれ活用を見込んでおり、これらの事業への活用については基金の対象となる事業規模や財源状況、基金残高を踏まえ検討を行った上で、最終的に都市経営会議において活用を決定している。活用については、基金の残高を踏まえながら、可能な範圃で、基金の目的に沿った事業への活用を図っているところである

Q.私の質問
「特定目的基金」について、地方自治法第241条第2項は、特定目的の基金の運用に関して「確実かつ効率的に運用」しなければならないことを規定している。説明責任を果たしながら、適正な管理・運営を図るためには、基金への積立てや取崩しを適切に行うとともに、基金の設置目的と運用実態がずれることがないようにしなければならない。
老朽化する公共施設の更新など計画的な公共施設整備への引当財源となる「施設保全整備基金」については、「長期財政の見通し」において、「公共施設マネジメント推進計画に基づく取り組みを着実に進めるため、財政調整基金から施設保全整備基金への積み替えを検討する」と記されている。また、今年度を始期とする「市有建築物保全計画」の「第Ⅲ期実施計画」の計画全期間の保全費用、約 43億3千万円の実効性を確保するためにも、計画的な「施設保全整備基金」への積立てが必要であり、そのための方針を定めておくべきであることを意見しておく。具体的な事業については、B日程で伺う。
次に、「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」については、総合文化芸術文化センターが令和3年度で完成するので、今後、この基金を枚方市駅周辺再整備に幅広く活用するためには、設置目的を改正する必要があるのではないかと指摘しておく

次に、「こども夢基金」について伺う。
予算説明書429ページ、「こども夢基金」の充当事業として 453万5千円が予算計上されている中学校給食充実事業について、どのような経過で予算要求されたのか、また、事業の内容について伺う。

A.おいしい給食課長の答弁
この事業は、令和2年度のこども夢基金活用事業として予算化されていたが、コロナ禍で実施することができなかったものを、再度、令和3年度の活用事業として提案したことで選択されたものである。
内容としては、2021年開催予定のオリンピックに合わせ、オリンピックを盛り上げる給食献立を立案し、5月中旬から7月上旬の間に、市内全中学校で全員が給食を食べる機会を設ける。学校給食を通じ、オリンピックへの関心を高めるとともに、成長期に必要な栄養を考えた学校給食のメニューや味を知り、中学校給食の良さや自らの食生活を考える機会とするものである。

O.私の意見・指摘
「こども夢基金」の充当事業については、基金を活用したいということで担当部署からの提案を受け、予算審議とは別に都市経営会議で事業採択の審議を行っているとのことである。予算を要求した担当部署が、なぜ「この街に住みたい基金」が充当されたのかわからないと言われている仕組みとは異なり、基金充当の如何を審議する意思決定のプロセスがあるようだ。
今後は、事業内容について、主体となる子ども自身からの提案を受ける仕組みの構築を検討いただきたいと、これは意見としておく。
また、「こども夢基金」は、同一事業に繰り返し充当しない方針と聞いているが、これまでの委員の質問にあった、文化芸術創造拠点形成事業(文化芸術アドバイザー事業、アウトリーチ事業、オーケストラ鑑賞)や動物ふれあい事業(児童発達支援センター)など、継続した支援が必要な事業に確実に充当する仕組みも検討いただくよう、お願いしておく
しかしながら、中学生に給食を食べさせることが、「こどもの夢を育む教育に係る事業費」とするのは少し無理があるように思う。中学校給食の試食を兼ねた事業として実施するのなら、通常の行政経費で実施すべきはないかと、これは指摘しておく。

Q.私の質問
次に、令和2年度、新たに設置した特定目的基金「新型コロナウイルス感染症対策応援基金」について、基金の設置目的及び運用に係る考え方(運用方針)について、伺う。予算説明書75ページ、基金繰入額は 4,535万7千円で、充当事業は、概要説明に(括弧)書きで記載されている。多くの事業の財源に充当されるようであるが、内訳を伺う。

A.財政課長の答弁
「新型コロナウイルス感染症対策応援基金」については、コロナ対策への取り組みに資金を充てることを目的としており、その運用については、基金の活用を6つの分野に分けて寄附金を募り、その分野に応じたコロナ対策への取り組みに活用している。
令和3年度当初予算での充当事業は、「地城外来・検査センター運営委託料」や「住居確保給付金給付事業」「不安を抱える妊婦への分娩前ウイルス検査事業」など、4,535万7千円の充当を予定している。

O.私の意見・指摘
基金条例では「枚方市新型コロナウイルス感染症対策応援基金」の設置目的は、「新型コロナ感染症対策に係る支援に要する資金に充てるため」と定められている。市民からの寄附金を6つの分野に分けて募ったとはいえ、非常に幅広く、結局は、新型コロナ対策に要する経費になら何にでも充てられる基金という実態になっているのではないか。
「寄附」を財源にする場合は、使途を明確にし、一般行政経費ではない、寄附金財源ならではの使い道にあてる「基金」運用の仕組みとする必要がある、と意見しておく

 

特定目的基金「この街に住みたい基金」について

Q.私の質問
次に、「当初予算の概要」の24、25ページに記載されている特定目的基金「この街に住みたい基金」について、伺う。
この基金は法律上「特定目的基金」といわれる性格のものなのに、目的もあいまいで、何に使うのかについても、議会にも市民にもあらかじめ示す仕組みになっていないことを昨年の予算特別委員会で指摘した。
また、財政運営の創意工夫による成果は「財政調整基金」に積み立て、社会・経済の急激な変動に備えるのが本来のありようで、もし、行財政改革の「効果額」を「この街に住みたい基金」を積み立てるにしても、決算が確定し、その額が確実になってから行うべきだと指摘した。このことについては、病院事業会計への繰入金の抑制を例に繰り返し訴えてきたところである。
そして、予算編成上の都合で、市長が特別視する一部の事業に一般財源的に使える仕組みを支える基金財源とすることなく、運用については慎重であるべきで、市長が特別視する事業になら何にでも自由に使える「別のお財布」を作るようなことは適切ではないということを、法に定める「特定目的基金」の観点から繰り返し指摘してきた
これまでの委員の質問の中でも「この街に住みたい基金」については、様々な指摘があった。基金の目的と活用については、これまでも繰り返しご答弁いただいているが、令和3年度当初予算案においても、「特定目的基金」の体をなしているとは言えず、むしろ、わからなさ、わかりにくさが全面展開しているように思える。

そこで、実際に充当する事業内容も含め、いくつかの観点から質問させていただく。
まず、最初に、積立てについて
特定目的基金「この街に住みたい基金」に積み立てる「効果額」は12事業、9億152万9千円とされている。この中には、行財政改革2020に記載のない3事業、すなわち、「文化国際財団基本財産の受け入れ 3億円」「道路占有料の見直し 4,700万円」「精神障害者社会復帰及び居宅生活支援事業の執行方法の見直しの経費 448万6千円」が含まれているが、この理由について伺う。

A.行革推進課長の答弁
議員ご指摘の文化国際財団基本財産の受け入れ、道路占有料の見直し・精神障害者社会復帰及び居宅生活支援事業の執行方法の見直しについては、プランには位置づけを行っていないものの、広く行政改革の取り組みの一環として基金に積み立てを行うものである。

O.私の意見・指摘
精神障害者社会復帰及び居宅生活支援事業の執行方法の見直しの「効果額」約 450万円について、これは精神障害者の相談窓口の委託を直営の会計年度任用職員に変更し、結果として、「効果額」が発生すると見込まれているもので、消費税が 10%となったことも委託料の増額につながり、必ずしも民間委託がコスト削減ではないという事例である。そして、次年度の相談体制もまだ定まっていないようであるが、ちゃっかりと「効果額」に入れているのはどうかと思う。同じことの繰り返しになるが、決算により効果額が確実になっていないのに、基金に積み立てることはすべきでないと指摘しておく

Q.私の質問
次に、充当事業について
令和3年度の充当事業は、「新規・拡充事業」が35事業、「ICTの導入など行財政改革を推進する経費」が3事業の合計38事業で、充当総額は 8億4,165万3千円と記載されている。
「本市の将来像を示した総合計画を実現するため、その具体化を図る実行計画に位置付けた新規・拡充事業を中心に充当する」とのご答弁であったが、この38事業について、当該事業を執行するための事業費全額ではなく、事業費の一部に充当の例も見られる。
例えば、予防費の妊婦健康診査事業では、事業費 2億7,880万6千円のうち、66万3千円の基金充当。公園費の王仁公園のあり方検討調査経費では、事業費 2,509万8千円のうち、1,500万円の基金充当。学校給食費の施設管理経費では、9,247万4千円のうち、1,130万円の基金充当など、である。
そこで、事業費の一部にのみ充当している理由について、伺う。
また、「実行計画に位置付けた新規・拡充事業に充当する」とのことであるが、対象事業で基金を充当していない事業はあるのか、伺う。

A.財政課長の答弁
事業費の一部への充当理由については、事業の拡充分にのみ充当していることや国・府の支出金など他の財源が見込めることによるものである。
また、新規・拡充事業などへの充当については、概ね充当を行っているが、各部の経常経費内で対応する事業などについては、充当していない

Q.私の質問
新規・拡充事業には、概ね充当されているとのことである。振り返ると、令和2年度の充当事業は、「新規・拡充事業」が10事業、「既存事業の見直しにより充実する事業」が1事業、「ICTの導入など行財政改革を推進する経費」が8事業の合計19事業で充当総額は約 3億4千万円であった。
そこで、令和2年度の「この街に住みたい基金」充当事業について、令和3年度当初予算においては、充当財源も含め、どのような方針で予算を編成されたのか、伺う。

A.財政課長の答弁
令和2年度の「この街に住みたい基金」充当事業のうち、令和3年度では、「中学校給食モデル事業」「窓口関連業務等最適化検討支援業務委託料」「校務の情報化推進事業」「学校開放予約システム」といった令和2年度限りの事業を除く15事業が予算計上されており、その一般財源総額は、3億2,628万円となっている。
これらの事業については、令和2年度で一旦、この街に住みたい基金の活用により見える化を図っていることから、令和3年度では本基金へ再度の積立、並びに充当は行わず、令和2年度に生み出された効果額を中心に一般財源として対応している

O.私の意見・指摘
令和2年度から続く15事業が、令和3年度予算に基金を財源とするのではなく一般財源で計上されているとのことであるが、例えば、令和2年度基金充当事業として示されていた「第2子以降保育料無償化事業」は、私立保育所等経費約 6,400万円、小規模保育事業経費約 160万円、各種補助金約 1,400万円、私立幼稚園等経費約 700万円、歳入予算の保育所運営費負担金が約 3億700万円、合計約 3億9,300万円であった。「第2子以降保育料無償化事業」の令和2年度の基金充当額見合いで令和3年度を考えると、いったいどのくらいの額になるのかを担当部署に伺うと、あくまで人数比による概算額とのことであるが、合計で約 4億2,600万円とのことであった。これが、令和2年度に行財政改革で生み出された「効果額」が反映されているという「一般財源」で対応できているのだろうか

つまり、初年度費用は、「この街に住みたい基金でまかないましたよ」といっても、2年度目以降は「一般財源」というルールである。2年度目以降分の財源まで、同水準の行財政改革の「効果額」が湧いてきて、財源が確保できるとは思えないし、必要財源が増加することも当然ある。実際、「第2子以降保育料無償化事業」の概算額は昨年度より増加しているわけである。
こうした経常的な事業の初年度に「特定目的基金」を充当するというやり方では、持続可能で安定した財政運営が行えるとはとても思えない、と指摘しておく

 

文化国際財団の基本財産の受け入れについて

Q.私の質問
次に、令和3年度の「効果額」として示されている文化国際財団の基本財産の受け入れについて、伺う。
公益財団法人枚方市文化国際財団は、市からの出資金 100%を受け、基本財産 3億円で運営されてきたが、解散に伴い、財団の残余財産は「一般寄附金」として市が受け入れる予算化が行われているが、この根拠を伺う。また、残余財産の収受はどの部署が担当するのか、伺う。

A.文化生涯学習課長の答弁
枚方市文化国際財団の残余財産については、昨年6月5日の理事会で、贈与先は枚方市とする方向で、評議員会に上程されることが決議された。その後、理事会の決議に伴い、昨年6月26日の評議員会で、残余財産の贈与先については、その方向性を枚方市と決定することが決議された。こうした経過をふまえて、今般、予算に計上したものである。
なお、残余財産の枚方市への寄附については、令和3年6月開催予定の評議員会で決定される予定である。
次に、残余財産の収受の手続きについては、現在、財団を担当している文化生涯学習課で行う予定である。

O.私の意見・指摘
本市の文化芸術の振興、国際交流等の推進のために市が出資して設立した公益財団法人の財産を枚方市が譲り受けるのであれば、市はこの資金を同一目的に活用する義務があるはずである。それこそ、再度、同趣旨の「特定目的基金」を設置して、総合文化芸術センターの運営費用などに充てるべきで、行財政改革の「効果額」として、何にでも使える「この街に住みたい基金」に積み立てるのは問題だと指摘しておく。(市の財産である文化芸術にかかわる事業者や団体とのかかわり等もある。)

 

国際交流推進事業経費について

Q.私の質問
次に、「この街に住みたい基金」充当事業である、予算説明書139ページ、「国際交流推進事業経費」567万4千円について、伺う。
文化芸術の振興、国際交流等の推進を行ってきた公益財団法人枚方市文化国際財団の今年度末の解散に伴い、国際交流等の推進に係る事業について、令和3年度以降、観光交流課が国際交流推進事業を引き継ぐとのことであるが、どのような事業を行うのか、伺う。

A.観光交流課長の答弁
主な事業としては、日本語ボランティア養成講座・ステップアップ講座などの「市民の国際交流活動の支援・促進業務」、「上海市長寧区・ローガン市・韓国霊岩郡との市民交流などの「海外友好都市交流業務」、国際埋解に関する講座などの「国際理解推進業務」、外国人のための1日相談会などの「在住外国人交流業務」などを予定している。

O.私の意見・指摘
繰り返しになるが、公益財団法人枚方市文化国際財団の解散に伴い、残余財産を一般寄附金として収受するものを行財政改革の「効果額」として計上することは適切ではない
まして、国際交流等の推進に係る事業については、財団職員が担ってきた事業を今後は市職員が担うので、事業経費とともに対応する人件費も必要となってくるわけである。今回、基金を充当して事業予算を捻出したとしても、次年度以降は、先のご答弁のように「令和3年度に行財政改革で生み出された効果額を中心に一般財源で対応している。」となるのだろうか

 

福祉・教育ソーシャルワーク事業について

Q.私の質問
次に、「この街に住みたい基金」充当事業である、「当初予算の概要」58ページ、福祉・教育‘ソーシャルワーク事業費 2,320万円の内訳について、伺う。スクールソーシャルワーカー活用事業を、教育部門から福祉部門へ移すようであるが、教育委員会の既存事業との連携など、具体的にどのように充実していくのか、伺う。

A.子どもの育ち見守りセンター課長の答弁
事業費 2,320万円の主なものとしては、スクールソーシャルワーカー等の人件費として、パートタイム会計年度任用職員報酬 2,147万6千円を計上している。
次に、スクールソーシャルワーカーは、様々な課題がある児童・生徒等への支援を行うものであるが、その活動を行うにあたっては、教育委員会所管のスクールカウンセラーや心の教室相談員などと連携して対応していくことが重要であることから、定期的に開催するケース共有会議などを通じて、教育と福祉がこれまで以上に連携し取り組んでいく。
また、新年度からはスクールソーシャルワーカーの人数は減となるものの、勤務日や勤務時間を増やし、実働時間を今よりも3倍程度拡充するとともに、専門分野に精通するスーパーバイザーを4人設置することなどで、事業体制の充実を図っていく。

O.私の意見・指摘
ご答弁によると、福祉・教育ソーシャルワーク事業費のほとんどが会計年度任用職員の人件費である。この事業費 2,320万円への基金からの充当は約 1,500万円で、内訳はよくわからないが、拡充分に基金を充当されるとのことである。
福祉・教育ソーシャルワーク事業は、教育委員会や学校と連携した相談体制を構築し、様々な課題を有する児童・生徒に対して、福祉と教育双方の視点から、子どもや家庭の支援に取り組む事業とのご説明である。継続した相談支援の仕組みづくりが求められるわけであるが、今回、基金を充当して事業予算を捻出したとして、次年度以降は、先のご答弁によると、またもや「令和3年度に行財政改革で生み出された効果額を中心に一般財源で対応している。」となるのだろうか

 

特定目的基金「この街に住みたい基金」について(2)

Q.私の質問
そこで、令和3年度において、特定目的基金「この街に住みたい基金」を充当した事業について、令和4年度以降、充当財源も含め、どのような方針で予算を編成する方針か、伺う。また、令和3年度基金充当事業の中には、人件費に充当している事業もあるが、財源確保に課題はないのか、見解を伺う。

A.財政課長の答弁
まず、前提として、令和3年度予算編成時において、長期財政の見通しをもとに令和4年度以降の状況についても見極めたうえで、予算計上を行い、翌年度以降の取り扱いについては、令和3年度でこの街に住みたい基金をもとに、一旦、見える化が図られた効果額や事業については、再度の本基金の積立額や充当事業に反映せず、一般財源として整理していく考えである。
また、人件費への充当についても、同様の取り扱いで問題はないと考えている。

O.私の意見・指摘
「この街に住みたい基金」の現在の運用方法の持つ大きな問題点は、後年度負担を伴う新規事業について、当座の財源さえ基金でまかなえればスタートできるという、「場当たり的な市政運営・財政運営の加速」に拍車をかける大きなリスクがあるということである。
市がいう行財政改革の効果額というのは、まるでいつまでも「湧いてくる魔法の泉」のようであるが、実際には、令和3年度の予算編成はとても難しく、使えそうな基金財源をかき集めてようやく成り立っているのではないかと思われる。
繰り返しになるが、「この街に住みたい基金」を特定目的基金として運用するにあたっては慎重であるべきで、予算編成上の都合で、市長が特別視する一部の事業、しかも一部の財源に、一般財源的に使える仕組みを支える基金財源とすることは問題であると指摘しておく
行財政改革の見える化を目的としてこの基金を設置したと説明されていたが、市民にとっても、私たち議会にとっても、逆に「財政運営」を不透明にしているだけである。「この街に住みたい基金」という財布を通して、「いったん見える化が図られた効果額や事業については、再度、基金への積立てや充当事業に反映せず、一般財源として整理していく。人件費への充当も同様である。」とのご説明は、到底、理解することはできない

「この街に住みたい基金」を「特定目的基金」として継続するのであれば、基金の目的や運用方針を他の「特定目的基金」のように、限定すべきである。
例えば、第2子以降保育料無償化を、基金を用いて実施するというのであれば、後年度負担分までの財源確保を見越して開始しなければならないと思うが、経常経費に「特定目的基金」を充て続けることはできない、となるのであれば、施設整備や機器の整備等の限定されたイニシャルコストに充当すべきなのではないかと考える。
他にも、市民からの寄附金を原資にしている基金については、充当先をより明確にすべきである。民間におけるクラウドファンディングにしてもそうであるが、目的が明確であるから寄附行為の動機づけが行われるのではないか。
そして、一般財源的に使う基金財源が必要であるというのであれば、例えば、「財政調整基金」を「不測の事態に備える財源」と「事業の拡充に充当する財源」の2 階建てにして管理するという方法が妥当ではないかと考える。

いずれにせよ、昨年の予算特別委員会で指摘した問題点が改善されるどころか、令和3年度予算において、全面展開となっていることは非常に遺憾であると申し上げておく。そして、もはや「特定目的基金」と言える資産ではなく、「何でもあり」のわけのわからない財布である「この街に住みたい基金」については、全面的な見直しを検討されるよう、意見しておく

留守家庭児童会室運営経費について

Q.私の質問
引き続き、令和2年度の「この街に住みたい基金」充当事業で、令和3年度予算に事業費がどのように反映されているのかわかりにくい事業について、伺う。
令和2年度「この街に住みたい基金」充当事業で「留守家庭児童会室情報端末導入事業費」約 700万円が計上されていた。内容は、留守家庭児童会室に新たに導入するパソコン・プリンター・出退勤システム等のリース費用として 120万円、LAN構築費用として 580万円で、令和3年4月からの情報端末の運用開始を目指すとのことであった。
そこで、留守家庭児童会室の情報端末にかかる令和3年度予算は、予算書239ページの「留守家庭児童会室運営経費」のどこに、どのように示されているのが、具体的内容と金額を伺う。
なお、リース費用は債務負担行為を設定されたとのことあるが、440ページから調書のどこに記載されているのか、伺う。また、情報端末の導入にあたっては職員への研修も丁寧に進めていくとのことであったが、改めて、情報端末の導入により得られる効果について、伺う。

A.放課後こども課長の答弁
一般会計予算説明書239ページの「(7)諸経費」使用料賃借料 503万円のうち、474万円、通信運搬費 1,194万7千円のうち、594万7千円を計上している。
使用料賃借料は、情報端末を導入する 29室の児童会室に各1台設置する「パソコン・プリンター・出退勤システム等」のリース費用で、債務負担調書 458ページ「電算システム等賃借料(令和2年度設定分)」に記載している。通信運搬費は、29室のネットワーク通信費用となる。
次に、導入による効果であるが、手書きで作成している児童会室関係書類について、情報端末を使用して作成することにより、事務作業の効率化とともに、学校、担当課との連絡調整や児童の情報共有等の迅速化が図れるものと考えている。

Q.私の質問
債務負担調書では、令和3年1月から令和9年3月までの 63月を対象期間とする「電算システム等賃借料(令和2年度設定分)」限度額約 19億円の中に含まれているとのことである。予算書からは非常にわかりにくい。
留守家庭児童会室への情報端末の導入は29室のみであるが、もし全 45室であった場合、単純に約1.5倍の経費がかかるとして試算すると、令和2年度のLAN構築費用として約 290万円の増額、令和2~3年度の賃借料として約 300万の増額となるのだろうか。
情報端末の導入による効果が大きければ大きいほど、導入しないデメリットもリスクも膨らむいくらかの導入費用を削減して、16室に導入しない選択をされたことは、非常に中途半端な事業執行ではないかと申し上げておく

次に、情報端末の導入によって得られる利用者(保護者・児童) のメリットはあるのか、伺う。

A.放課後こども課長の答弁
事務作業の効率化により、確保した時間を活用したよりきめ細やかな保育サービスの提供のほか、保護者への正確かつ迅速な情報提供等を行うことが可能となるものと考えている。

Q.私の質問
留守家庭児童会室は 45室あるが、なぜ 29室に導入なのか、その理由と 29室を決定したプロセス(根拠)を伺う。
なお、この判断を根拠づけた計画・方針等があれば教えていただきたい。また、導入していない留守家庭児童会室に想定される不都合と、そのフォローのための対策について、伺う。

A.放課後こども課長の答弁
来年度、4か所の小学校に先行導入する児童会室運営を含む「放課後キッズクラブ」は、将来的には民間活力を拡充していく考えであり、限られた財源の中、当面、市直営による運営を継続する児童会室へ情報端末を導入することとしたものである。
次に、プロセスについては、昨年度、庁内の「情報化施策事前協議」を経て決定し、「行財政改革プラン2020」に具体的な取り組みとして設定したものである。
情報端末を導入しない児童会室では、現在の対応が継続されることとなるが、当課の職員が出向き、適切な事務処理について確認を行うとともに、児童会室における課題も把握しながら、適切な児童会室運営に努めていく。

Q.私の質問
ご答弁では、「情報端末を導入しない児童会室では、現在の対応が継続される」とのことであるが、現状の対応について、伺う。

A.放課後こども課長の答弁
現場の職員の出退勤や時間外勤務申請等について、紙ベースで出勤簿や時間外勤務命令簿を各児童会室で作成し、当課に提出、事務処理を行っている。
学校、当課との連絡調整や情報共有については、学校連絡便・ファクス・電話等で実施している。また、児童会室だよりなど保護者宛文書については、各児童会室で手書きで作成し、配付している。

Q.私の意見・指摘
これまで民営化を進めてきた保育所や、閉園が行われてきた幼稚園と異なり、留守家庭児童会室の民間委託については、具体的な室数などの方針は明らかにされていない。留守家庭児童会室と放課後子ども教室を一体的に行う「総合型放課後事業(放課後キッズクラブ)」事業を、民間活力を活用し、令和3年度に民間委託で 2校、直営で 2校実施するという事業の中で、留守家庭児童会室事業としては、令和3年度から 2室の民間委託が始まるというのが現状である。であるにもかかわらず、45室のうち、「当面、市直営による運営を継続する」という 29室のみに情報端末を導入し、16室については、情報端末の導入も整備もせず、「現在の対応」が継続されるという差別的対応となっている。
情報端末の導入による効果として、事務作業の効率化とともに、学校、担当課との連絡調整や児童の情報共有等の迅速化が図れる、確保した時間を活用したよりきめ細やかな保育サービスが提供できる、保護者への正確かつ迅速な情報提供等を行うことが可能となる、とのご答弁である。ということは、整備されなかった児童会室には、効果が及ばないということに他ならない
16室に情報端末の導入も整備も行わないということは、コストの問題というよりも、当該留守家庭児童会室を利用する児童・保護者に対する裏切りではないかと指摘しておく

 

公立保育所民営化事業経費について

Q.私の質問
次に、予算説明書の 227 ページ、「10.公立保育所民営化事業経費」のうち、委託料 1,200万円が記載されている。まず、この経費の内容について、伺う。

A.私立保育幼稚園課長の答弁
公立保育所民営化事業経役の委託料については、令和3年4月に民営化する渚保育所が令和4年4月に新園舎へ移転後、令和4年度中に建物を解体するための実施設計・家屋調査のための委託料と、令和5年度に民党化予定の阪保育所・桜丘北保育所の測量委託料となっている。

Q.私の質問
渚保育所は、新園舎へ子どもたちが移った後、解体するとのことである。では、渚保育所の解体の予算は計上しているのに、令和4年4月に民営化と同時に新園舎へ移行する渚西保育所の解体に係る予算は計上されていないのか、理由を伺う。

A.私立保育幼稚園課長の答弁
渚保育所は借地となっており、令和4年度中に原状に回復して返還する必要があることから、令和3年度に解体に係る実施設計等の委託料を計上している。渚西保育所については、市有地に建設されており、今後の市有施設の活用が未定であることから、予算を計上していない。

Q.私の意見・指摘
令和4年3月をもって公共施設としての使用を終了し、廃止施設となる2つの保育所について、借地の上に建つ渚保育所は令和3年度中に解体の設計を行い、令和4年度中に解体し、原状回復を行い更地にすると。一方、市有地の上に建つ渚西保育所への手立てはなく、令和4年度以降も廃止施設の建物が残るとのことである。さだ西幼稚園の例もあるので、待機児童対策として何らかの有効活用を行うことができればよいが、幼児療育園、すぎの木園、市民会館大ホールの経過をみると、廃止施設がそのまま空き家となって残存する危険性が高いことも否めない。
本来、公共施設の廃止の決定を決定する場合は、跡地活用の明確化し、使用予定がない施設については解体まで実施して事業の完了とする。つまり、解体財源の確保を必須とし、解体資金の計画的確保を行っていくべきではないか。建物を建設したら、その時から減価償却を行い、次の更新費用に備えるということは普通に行われていることである。現金会計であっても、例えば、民間の定期借地権付きマンションでは、修繕積立とともに、解体積立を行っている。廃止施設となった後、使用実態がなくても維持管理費用は発生するし、放置されている状態は防犯上も不適切である。また、そのような施設は老朽化していることから、安全管理上のリスクもある。
繰り返しになるが、公共施設の廃止は、跡地活用の明確化、もしくは解体まで実施して事業の完了とする仕組みを導入するよう、意見しておく

 

市民会館維持管理経費について

Q.私の質問
関連の質問である。予算説明書 139ページに、市民会館維持管理経費として 7,238万2千円が計上されているが、この経費の内訳について、伺う。

A.文化生涯学習課長の答弁
市民会館維持管理経費の内訳ですが、施設運営委託料が 4,752万円、PCB廃棄物処理委託料等の委託料 624万4千円、光熱水費 1,428万8千円、修繕費 240万等で 2,482万2千円となっている。

Q.私の質問
市民会館は本館と大ホール棟で構成されているが、これらの経費について、本館に係る経費と大ホール棟に係る経費に分けることはできるのか、伺う。

A.文化生涯学習課長の答弁
市民会館維持管理経費において、本館に係る経費と大ホール棟に係る経費に分けることについては、本館及び大ホール棟を一括で業務委託を行っているため、分けることは困難である。

Q.私の質問
では、市民会館大ホール棟は本年9月末で一般貸出をする施設として役割を終えるが、それまでの間の使用予定はどうなるのか。
また、大ホール棟の10月以降の使用予定や管理を行う担当部署は決まっているのか、伺う。

A.文化生涯学習課長の答弁
大ホール棟の使用状況について、令和3年9月末までは一般貸出を行うが、10月以降の一般貸出は行わない。
なお、10月以降の管理を行う部署は、令和3年度中は市民会館の維持管狸費の中に大ホール棟の維持管理経費も含まれているため、文化生涯学習課が所管することとなるが、本館が廃止となる令和4年4月以降の管理担当部署については、大ホール棟・本館ともに、今後、庁内で検討していきたいと考えている。

O.私の意見
2月の全員協議会に質問した際には、市民会館大ホールの閉館後の所管部署については、まちづくりや施設の維持管理面などの観点から、現在、庁内で検討を行っているとのご答弁であったが、令和3年度中は文化生涯学習課が所管することになるとのご答弁である。しかしながら、令和4年度以降、施設の維持管理の担当部署も経費も今後の検討課題とのことである。
先の質問で、公共施設の廃止は、跡地活用の明確化、もしくは解体まで実施して事業の完了とする仕組みの導入を要望したが、廃止施設となる市民会館大ホール棟については、まもなく緊急処置として「落下物防護ネット」があの大きな3面に張り巡らされることになるわけである。
本市の新たな文化芸術拠点としての市駅北側の総合文化芸術センターの竣工は、それまで文化芸術拠点としての役割を果たしていた市駅南側の市民会館大ホール棟の解体とともに、事業完了とされるのが当然ではないか。それが、移転建て替え、「整備」の意味だと考える。「新庁舎及び総合文化施設の整備事業費に充てるため」と定めている「新庁舎及び総合文化施設整備事業基金」を充当して、本市の文化芸術拠点としての役割を終えた大ホール棟の解体撤去に使っても、それに反対する市民がおられるだろうか。それでもなお、基金の設置目的から逸脱するというのなら、基金条例を改正すればいいのである。
全員協議会では、解体にかかる費用を約 1億6千万円とされた。ただ、いま解体を行うと全額市の負担で、土地区画整理事業で行えば、建物の移転補償費が約 9億円となり、解体費用の半額の国補助を受けることができるという説明で、約 10億円の負担差があるとのご答弁であった。しかし、事業の具体化は、令和5年度以降のいつになるかわからないのが実情である。
また、土地区画整理事業では建物の移転補償費が見込めるとの説明であるが、その土地区画整理事業地内の最大の土地所有者は枚方市であり、移転補償費用を別の誰かが負担してくれるわけではない。枚方市が主体の土地区画整理事業で、廃止した自らの公共施設の建物の補償することにし、その費用に対して補助金の交付を見込むというのも何とも虫のいい理屈で、「捕らぬ狸の皮算用」になっていないかと思われる。
「落下物防護ネット」を張り巡らされ、役割を終えた危険な建築物が市駅南側に長く放置されることのないよう、廃止施設であってもリスク管理のために莫大な費用がかかる大ホール棟の早期の解体撤去をお願いしておく

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