5月9日、NHK「目撃!にっぽん」で、「コロナ禍 ”譲るカード“から広がる命の対話」の放送がありました。

2021/05/09

枚方市議会議員の奥野みかです。

5月9日(日)午前6時10分~のNHKの『目撃!にっぽん』で、「コロナ禍 “譲るカード“から広がる命の対話」をテーマとする番組が放送されました。

コロナと「命」の意思表示をめぐって、高齢者と家族の中に対話が広がっていった。命と向き合い、対話を重ねる家族を見つめたというこの番組に、現在、がん闘病中の榊原哲雄先生(枚方市の元校長)が登場される、ご本人もより多くの方に見てほしい、現場の思いを知ってほしいとの思いを持っておられると聞き、一人でも多くの皆さんに番組を見ていただければと思って、FB等で案内もさせていただきました。
今日の放送を見て、再放送、見逃し配信も含め、もっともっと多くの皆さんに見ていただきたいとの思いを強くしています。

榊原哲雄先生が、「どう死んでいくかを考えることは、それまでの時間をどう生きていくか考えること。いまを大切に生きたい。焦らず、精一杯生きながら自分なりの答えを探したい。」と話されていたのがとても印象的でした。
お互いの主張が違っていても、スタートラインに立った、そんな気がすると、カードをきっかけに親子で対話を重ねてきたと語る榊原哲雄先生。たくさんのメッセージをありがとうございます。生をどう生きぬくか。人生の最期をめぐる対話を家族と重ねることの大切さを改めて感じています。

 


 

コロナ禍で誰もが不安と隣り合わせのなか、がんの診断を受けた循環器の専門医である医師が「集団治療を譲る意志カード」=コロナ治療に必要な人工呼吸器等を、ほかの人に「譲ります」というカードを作成されました。すべての命を救うことは難しいこと、心臓移植を持つ若者を助けられなかったというご自身の経験から、がんの診断を受けた自分は免疫力も落ちてくるので、コロナに感染すると重症化するであろう、その中で何を選択するかということから、救える可能性のある命を救いたいと、「集団治療を譲る意志カード」に至った、とのお話がありました。

しかし、徹底的に治療して治してほしいと思うのか、このあたりで止めてほしいと思うのかというのは、あくまで個人の考えであると言われていました。

そのカードの存在を知って、終末期医療のあり方や自分らしい生き方について話し合いを始めた親子や家族がいたと。いのちと真剣に向き合われたそれぞれの方々の思い、その家族の受け止めと家族と話し合いを続けるそれぞれの姿が番組では紹介されていました。

おつれあいを亡くされた後、お一人暮らしの榊原哲雄先生は、肺がんの進行、大腿への転移という状況の中で、コロナで重症化しても高度な治療は要らない、子どもたちも離れて暮らす中、無理な延命治療はしてほしくないという意志表示としての署名を考えたと話されていました。そのお考えの元には、家族ぐるみでお付き合いをしていた方が認知症となり、施設入所の後、寝たきりとなって、家族が治療の継続について悩まれていたということもあったようです。
しかし、基本的には従来の延命を望むということ、エクモ装着の後、回復されている例もあることから、元気になるという可能性がある限り望みは捨てたくない、最後まで頑張ってほしいという娘さんのご意見に触れ、カードへの署名は自分一人では決められないと感じたと話されていました。

娘さんとの話し合いから心境の変化もあり、親として、子どもたちにどのような人生の最期を見せられるか、どう死んでいくかを考えることは、それまでの時間をどう生きていくかを考えることである。じっくりと考えてみよう。お互いの主張が違っていても、話し合って縮めていく、そんなスタートラインに立ったという気がする。いまを大切に生きたい。焦らず、精一杯生きながら自分なりの答えを探したいと思われたと語られ、亡き妻のお墓で報告されている姿が映されました。死に対するおそれや怖さはぬぐい切れないけれども、不安を先取りしても仕方ないとも言われていました。

 


 

どのような最期を迎えたいかについて事前に考え決めることは、どう生きるかを考えることでもあります。
アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)など、人生の最終段階の過ごし方を話し合い、そして、その希望を選択できる環境の整備が強く求められていると考えています。2019年12月の定例月議会の一般質問で、「人生の最終段階の過ごし方を選択できる環境の整備について」の質問を行いました。参考に見ていただければ幸いです。


■コロナ禍 “譲るカード“から広がる命の対話

番組の内容は、NHKのホームページに次のように紹介されていました。

自分とは関係ないと思っていた、 知らない現場、知らない思い。
そこで懸命に生きる人の姿を通じて、“遠い問題” が身近に感じられるようになったり、“知らない人” を想う心が少し豊かになる…。
『目撃!にっぽん』は、そんな番組を目指しています。

【5月9日の放送】
コロナ治療に必要な人工呼吸器等を、ほかの人に「譲ります」というカードを大阪のがん闘病中の男性が作った。その理由と自分らしい生き方をめぐる命の対話を見つめる。
人工呼吸器などが不足した場合、ほかの人に使ってほしいと「譲る」ことを決めた男性がいる。全身のがんと闘う大阪の医師・石蔵文信さん(65)。救える可能性のある命を救いたいと、意思を記した「譲るカード」を作った。あくまで自分のために作ったカードだったが、その存在を知り、終末期医療のあり方や自分らしい生き方について話し合いを始めた親子や家族がいた。1枚のカードから広がる命の対話を見つめる。

 

 

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