9月7日、連合市民の会として「人権の視点に立った新型コロナウイルス関連対策の推進を求める要望書」を提出しました。

2020/09/07
9月7日、本会議終了後、連合市民の会で伏見市長、奈良教育長に「人権の視点に立った新型コロナウイルス関連対策の推進を求める要望書」を提出しました。

 

9月定例月議会の冒頭、あいさつの中で市長は、7月以降、本市においても多くの感染が確認されている新型コロナウイルス感染症については、必要な検査が迅速に受けれるよう検査体制の充実を図っていること、また、市内小中学校の児童生徒の感染確認を受け、現在、心のケアにも取り組んでいることなどの報告がありました。
誰にでも感染するリスクがあるこの感染症に対して、正しい理解を促すとともに、人権尊重の大切さや一人ひとりの思いやりのある行動を訴えていきたいとの挨拶でした。市民に向けても繰り返し市長や教育長からのメッセージを発信していただきたいと思います。

 

今回の要望書においても、一番には、新型コロナウイルス感染症に関連して、首長・教育長による「差別をしない・させない・許さないメッセ―ジ」を発信していただきたいことを求め、新型コロナウイルス感染症の差別に対する啓発・教育や人権相談の強化、実態把握への取り組みも要望しています。

 

「この“感染症”の怖さは、病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別がさらなる病気の拡散につながることです。」
負のスパイラルを断ち切ろうという日本赤十字社の下記の資料がとてもわかりやすいので、ぜひご覧ください。

 

6月の定例月議会の私の一般質問においても、「感染者に対する人権侵害を誘発しない感染症対策の推進について」の質問を行いましたので、ご覧いただければと思います。

 

人権の視点に立った新型コロナウイルス関連対策の推進を求める要望書(連合市民の会)

 今、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行(パンデミック)により、人権の世紀と呼ばれる21世紀において、人々の命と生活が脅かされております。感染拡大は健康被害にとどまらず、2008年のリーマンショックを超える危機的な社会経済状況は、とりわけ社会的マイノリティに対して深刻な影響をもたらし、さらに弱い立場へと追い込んでいます。
経験したことがない新型コロナウイルス感染症に対する不安や恐怖から偏見・差別が生まれ、感染者や医療従事者、エッセンシャルワーカー、その家族などに対する差別言動が相次いで起こっています。そして、SNS上では感染者の名前を暴き、誹謗中傷を繰り返すなど、社会的なバッシングが溢れています。また、国や地方自治体からの「自粛」要請によって、市民が「善意」や「正義感」で犯人捜しのように外出者や営業を続ける店舗等を監視・通報する「自粛警察」と呼ばれる現象がおこるなど、社会の分断を拡大させています。これは官民一体となって、全国各地でハンセン病患者を捜し出し強制隔離させた「無らい県運動」と重なり、ハンセン病問題の教訓が活かされていません。
人権を司る立場である国や地方自治体においても、さいたま市が朝鮮学校幼稚部へのマスク配布を対象外に、国は学生支援緊急給付金で外国人留学生だけ「成績優秀」申請要件をつけるなど、行政による新型コロナウイルス関連対策から差別・排除される問題が起きています。
大阪をはじめ全国では、第2波ともいえる感染者が日ごとに増加しており、引き続き新型コロナウイルス関連対策を講じなければなりません。今ほど、人権の視点に立った市民の命と生活を守る政治の責任が高まっているのではないでしょうか。こうした状況をふまえ、「誰一人取り残さない」SDGs(持続可能な開発目標)や人権の視点に立った新型コロナウイルス関連対策を要望します。

要望事項

①新型コロナウイルス感染症に関連して、首長・教育長による「差別をしない・させない・許さないメッセ―ジ」を明らかにし、内外に発信すること。
②人権啓発や教育機会が感染予防の観点から延期・中止になる中、差別意識や偏見・デマが増殖しています。新型コロナウイルス感染症の差別に対する人権啓発・教育や人権相談の強化、実態把握(相談実態、市民意識調査、モニタリングなど)にとりくむこと。
③新型コロナウイルス禍によって、家族、仕事、住まいを失った人への相談体制の充実・強化すること。
④包括な支援のなかで、自死(自殺)防止対策にとりくむこと。
⑤人権の制限、社会的マイノリティが新型コロナウイルス関連対策から排除されていないかを人権の視点でチェックすること。そのためにも「枚方市人権尊重のまちづくり条例」に基づいた審議会で検証すること。
⑥被害者救済に向けて、第三者委員会的な人権侵害救済機関の設置を国に求めること。

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