10月18日、9月定例月議会の最終日は、令和5年度決算の認定が行われました。閉会にあたっての議長の挨拶は、「議会軽視」と言わざるを得ない伏見市長の不適切な言動、不適正な情報発信、不誠実な説明責任を厳しく注意する、ピリッと引き締まったものでした。

2024/10/18

枚方市議会議員の奥野みかです。

9月6日以降、43日間の会期となった9月定例月議会の最終日は、10月18日(金曜日)10時から始まりました。

まず最初に、5日間にわたり開催された決算特別委員会の藤田幸久委員長から、一般会計、6特別会計、3企業会計決算の認定等に関する審議の概要の報告(「決算特別委員会事件審査報告書」)がありました。

 

 

10月18日の付議事件議決の結果一覧は次のとおりです。

付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)

 


 

9月定例月議会の閉会にあたっての丹生真人議長の挨拶において、「議会軽視」と言わざるを得ない伏見市長の不適切な言動、不適正な情報発信、不誠実な説明責任に対して、不信感をいたずらに増大することのないよう、厳しく注意をしていただき、とてもよかったです。なお、事務的なミスに起因する議案の訂正等が散見されたことに対しても、緊張感を持って議会と向き合っていただきたいとの意見もありましたが、それもこれも、実は市政運営の大きな軸の部分が定まっていないからからではないでしょうか。

事務手続きのグダグダは、まさに、大きな判断、大きな方針の不適切さに起因していると考えます。多くの職員が不適切な市政運営の「辻褄合わせ」をさせられるので、グダグダになるのも必然的なことなのかもしれません。しかし、このような「行政の劣化」により真に必要な施策に取り組まれないことは、納税者市民にとって決して容認できるものではないと考えます。

<各議員からの意見、提言について>
 議案の質疑、一般質問、また特別委員会を設置しての決算審査においては、委員の皆さんから多数の有意義な意見、提言がなされた。とりわけ決算審査においては、5年ぶりに一般会計の単年度収支が赤字となり、また、経常収支比率をはじめ、各財政指標が悪化する傾向にあることなどを踏まえ、将来に向けて厳しい状況にある市の財政を懸念する多くの指摘がなされたところ。理事者の皆さんには、各議員からの意見、提言を真摯にご検討いただき、市政の発展につなげていただくとともに、新年度予算の編成にも生かしていただきたい。

<事務的なミスについて>
あえて申し上げるが、今定例月議会においては、事務的ミスによる議案の訂正等が散見された。この間、何度となく繰り返されているところであるが、いま一度、気の緩みを正し、緊張感を持って議会と向き合っていただくよう、市長をはじめ理事者の皆さんには厳に求めておく。

<不信感を増大させている枚方市駅周辺再整備にかかる市長の説明等について>
枚方市駅周辺再整備において、この間、市が説明してきた事業執行の前提事項と市長の説明が異なる等との指摘が複数なされ、市民や議会に対して誠実に説明責任を果たすべきとの強い指摘もなされたところ。議会の議決を得た経過と内容を異にするチラシを市民に配布されたことに対し、議会からの不信感を増大させている。市政執行の責任者として省みるべきは省みていただき、不信感をいたずらに増大することのないよう、ご自身の言動には厳に注意して臨まれるよう強く申し上げておく。

 


▶ 2023(令和5)年度決算の概要(広報ひらかた10月号より抜粋)

 


 

【八尾善之委員】(※「賛成討論」より抜粋)

(略)
以上の状況から、2023(令和5)年度に関しては、物価高騰等の影響により、財政運営が厳しく、単年度収支は赤字となったものの、まだ実質収支は黒字を維持できていることから、総合的に判断して 、全会計の認定等に賛成はしたいと思います。
しかし、コロナ禍を経て、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境に改善が見られることなど、様々な要因から、我が国の景気は緩やかな回復傾向にあるとされる一方で、本市においては 、2023(令和5)年度の法人市民税収入は、前年度から減少するなど、市税全体の今後の見通しについては、予断を許さない社会経済情勢に加え、少子・高齢化の進展などによる納税義務者の減少を考慮すると、依然して先行き不透明な状況です。
歳出については、金利上昇の影響や物価高騰等による経費の増加が見込まれる中、今後、確実視されている社会保障関連経費の増大や小学校給食無償化、中学校全員給食に向けた取組に伴う支出の増に加えて、枚方市駅周辺再整備事業をはじめ、京阪本線連続立体交差事業及び光善寺駅周辺市街地再開発事業などの大規模な投資的事業に係る大きな財政負担が目に見えています。
こうした背景の下、今後もさらなる収支均衡及び長期財政需要を意識した財政運営が求められますが、財政運営の自由度や安定度を示す自主財源比率は、41.7%となり、普通会計決算で2017(平成29)年度から7年連続で50%を割り込んでいる状況です。今後、自主財源確保の取組がより重要になってくると考えます。
さらに、財政の弾力性を示す経常収支比率も、全国中核市平均より高く、97.6%と前年度から2.3ポイント悪化するなど、この2か年で急激に悪化が進み、100%に迫る勢いです。こうした状況から、本市の財政運営は、自由度が低下し、硬直化が進む一方です。
その上、将来負担につながるおそれのある市債残高も、概ね1,000億円程度を目標としており、前年度から約9億円増加となっていますが、その内訳を見ると普通交付税措置のある臨時財政対策債が38億円減少し、将来負担の大きい事業債が47億円の増加となっており、先ほど申し上げたとおり、実質収支は黒字であるものの、単年度収支は赤字を計上しています。
また、健全化判断比率は、全ての指標で、健全とされているものの、そのうち、実質公債費比率は1.5%と、前年度に比べ0.9ポイントも上昇しており、増加傾向にあることに加え、実質赤字比率、連結実質赤字比率についても悪化しています。
このように、本市の財政状況は、確かに現時点では、健全という判断になるのかもしれませ んが、前述の様々な指標からは悪化していることが示されている事実や、先ほど申し上げた、今後支出が増大する動向であるにもかかわらず、単年度収支が赤字になってしまった状況を踏まえると、楽観視できず、将来に向け、大変厳しい状況にあると言えます。
そこで、こうした厳しい状況にあっても、限られた財源の中で、しっかりと重要なものを見極め、将来にわたって安定した財政運営を維持していくための取組について、意見を申し上げます。

まず、行政運営全般について 、申し上げます。
将来負担の軽減に向けては、市債残高の抑制に取り組む必要がありますが、日本銀行の金利政策により、市が発行する市債についても金利上昇の影響が及ぶことが考えられます。
公債費の増加は財政の硬直化を引き起こす要因ともなることから、今後、枚方市駅周辺再整備事業などの大規模な投資的事業を進めようとされていますが、工事価格の高騰など経済情勢等を踏まえた長期の収支見通しを行った上で、改めて、事業の優先順位や事業見直しも検討しながら進めていただくよう求めます。
また、財政調整基金については、残高に留意しつつ、老朽化する公共施設への対応や増加している公債費への対応等のために、今後も、施設保全整備基金や減債基金への積替えを適切に進めていただくよう求めます。
次に、経常収支比率についてです。
先ほども述べましたが、経常収支比率が97.6%となっており、類似団体との比較においても本市は高い数値を示しています。仮に100%を超えることとなれば、多様化する市民ニーズに的確に応えるための財源がなくなり、たちまち市民生活に大きく影響することとなります。こうした事態を避けるためにも、投資的事業の計画的な執行とともに、収支均衡を基本に、堅実で無理のない、計画性のある財政運営を徹底していただくよう求めます。
また、新規事業を次々と打ち出されておりますが、経常収支比率の悪化をはじめ、各種財政指標が悪化している状況を踏まえると、新規事業を開始する際は、今まで以上に効果を予測しておくことが必要です。
とりわけ、予測と検証には客観性が必要ですので、市民の声を反映した我々議会の声も取り上げながら、真摯に検証していただくよう求めます。
また、新規事業だけでなく既存事業についても、長期的に規模を縮小していくことも検討する必要があることに鑑みて、今のうちから、真に必要な事業は何かの見極めを開始するなどして、しっかりと予算を確保し、その限られた予算や人員を最大限効果的に活用し、行政全体のパフォーマンスを向上させる方策を常に模索すべきです。
ただし、現下において、予算を確保するに当たって、安易に民営化や民間委託という手法によることは、適切とは言えません。民営化等を検討する際は、コストの圧縮と市民サービスの質が低下するリスクを重々比較検証した上で、真に行政が手を離していいものなのかどうかなど、検討を進めていただきたいと思います。
そうした観点からも、繰り返しになりますが、行政運営に当たっては、効果検証を的確に行っていただくよう要望します。
(略)
加えて、予算執行の透明性と説明責任の観点から、予算費目の適切な設定や予備費の執行基準、事後報告時期の明確化を図り、適正な財政運営を行っていただくよう求めます。
行政運営全般に関する主な意見は以上となりますが、次に、新たな課題など幾つかの施策に絞って、個別意見を申し上げます。
(略)
以上、まだまだ申し上げたいことはございますが、最後に、市政運営全般にわたって、何点か、申し上げます。
市政運営に当たりましては、市民からの信頼が大前提であることは言うまでもありませんが、今年度は、開会議会において、すでに3月定例月議会で可決済みの議案を訂正するための議案が提出されたことに続き、今定例月議会でも、提出議案の内容に誤りがあり訂正がなされるなど、書類 上のミスが散見されました。
また、前回の6月定例月議会においては、教育長の任命同意議案を巡り、市長に対し今任期2回目の問責決議を可決したところです。
こうした状況を顧みますと、本市行政の執行体制に不安を感じずはいられません。
さらに、市長は、この間、配布されたチラシにおいて、③街区複合施設の床を購入する予算案や④⑤街区の環境影響評価の実施予算案が議会において可決されたことは、庁舎の⑤街区への移転に係る条例案が否決されたことと矛盾しているという趣旨の主張を喧伝しておられます。
本委員会の中で、委員からも指摘がありましたが、このような、あたかも議会としての意思決定に瑕疵があるかのような物言いは、看過できるものではなく、市民や議会に対し、誠実に説明責任を果たされること求めたいと思います。
市長におかれましては、いま申し上げましたことを、危機感を持って重く受け止めていただくとともに、二元代表制の意味を今一度反すうし、議会と向き合い、本来あるべき行政の執行体制を整えていただくよう 、強く求めておきます。
我々としても、真に市民の信頼を得られる市政を志向し、市長がどのように対応していかれるのか。また、今回の決算審査を踏まえて、次の2025(令和7)年度予算が適切に編成されるのか、といった点について十分にチェックし、監視機能を全うする所存であるということを最後に申し上げまして、2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算の認定について外6特別会計・3企業会計決算等に対する賛成討論といたします。

【松岡ちひろ委員】(※「反対討論」より抜粋)

(略)
2023年度は、市長選挙が行われ、市長は3期目の当選を果たされましたが、選挙直後に 明らか となった公職選挙法違反疑いでは、市民に対して説明責任を果たすとされましたが、その責任がしっかり果たせたのかは 曖昧 です。市民からの市長への不信感は 拭い切れたとは言えず 、市政への不信感につながり、市の事業の進行に影響を与えた一年だったと言えるのではないでしょうか。
(略)
以下、個別の課題について、意見を述べます。
第1は、市駅周辺再整備事業についてです。
市駅周辺再整備事業費については、2023年度決算額として、約75億円が計上されました。この経費には、③街区の床購入費11億円が含まれ ており、これには 、私たちはそもそも反対をしてきました。多額の税が投入されたにもかかわらず、朝10時までは行政サービスフロアに行くには一旦外に出なければならないことについては、説明すら、当初からされていませ んでした。
しかも、約300万円もの通行料が必要だというわけですから、本来はこうした費用も含めた購入の在り方の議論は 、当然必要だったのではないでしょうか。市民にとっても便利になっておらず、問題です。また、図書館についても、当初の心配どおり、広さについて不十分です。
環境影響評価のための決算額も計上されました。当初の提案説明では、庁舎位置に関わらずと説明がされたにもかかわらず、市長の公約などが掲載された維新プレスには ⑤街区が前提の事業と記載されました。委員会では 、市長から、庁舎位置に関わらないと答弁がされ、庁舎位置に関わらない事業であることが確認できました。今後は、執行機関の代表者として 、混乱を起こさぬよう努めていただきますようお願いたします。
結局、2023年度は、駅前再整備事業に関する住民説明会は、市長選挙前 、慌ただしく行われましたが、庁舎位置についての意見は早期の建て替えを求め 、④街区を求める声が多数であったにもかかわらず、検討したが市の案でいくことが示されました。引き続き市民からは 、④街区を求める声が続いています。理解されたとは言い難く、今後も市民対話は必要です。
2022年度に可決を目指していた 市役所庁舎移転条例は、再提案もされず、④街区への計画変更もされず 、1年が過ぎました。
市長は、民の声や議会からをもっと反映し見直すべきだ申し上げます。
第2に、民主主義を守る自治体としての役割についてです。
2023年度の市長選挙後に 明らかになった公職選挙法違反疑いについて、市民の方らは 、警察に告発を行いました。
結果 、大阪検察庁は、起訴猶予による不処分とされました。
今回の処分について 、嫌疑不十分でも嫌疑なしでもなく 、起訴猶予であったことについて 、しっかり市長は受け止めていただきと思います。
また、組合事務所をめぐ り、市が団体交渉に応じなかったことは不当労働行為に当たるとした問題では、 2022年9月から2023年6月まで 、職員団体と裁判で争われました。
裁判費用は、2023年度までで約229万円ということでありましたが、この裁判は一審判決で市は敗訴となり、敗訴判決後、市の控訴行為には 、議会からも勝つ見込み
はあるのかと疑問視する声もあり、結局は控訴されましたが、大阪高裁でも同様の判決が出されたことにより、市の敗訴が確定しました。市長は労働組合に謝罪されましたが、裁判費用は、市民負担です。
弁護士との相談記録は、通常の相談とは異なるので記録は残さなかったが支障がなかったのだとされましたが、弁護士との相談記録は、支障があるなしの問題ではなく、当然保存しなければならないものです。改善を求めます。
(略)
平均より少ない職員数でも職員の皆さんは自治体労働者として市民の暮らしや命 を守ろうと努力が重ねられている中、日本国際博覧会協会には 、数年にわたり3名もの職員を毎年派遣していることがわかりました。府下でも3名以上の派遣者数は5市のみであることや、さらに、派遣された職員の基本的給与額部分は枚方市の負担であるということです。
さらに、数年にわたる職員派遣でありながら、日本国際博覧会協会への派遣については事務概要にも記載されておらず、市民にもわかりません。改善を求めます。
(略)

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