【代表談話】長崎への原爆投下の日から80年を迎えるにあたって
2025年8月9日
【代表談話】長崎への原爆投下の日から80年を迎えるにあたって
立憲民主党代表 野田佳彦
1945年8月9日、長崎に原爆が落とされ、無辜の多くの人々の命が一瞬にして奪われ、この世の地獄といえる被害を経験してから80年が経ちました。原爆被害者の御霊に哀悼の誠を捧げるとともに、今なお後遺症に苦しんでおられる方々やご遺族、ご家族の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
核兵器が使われることなく80年が経過したことを泉下の皆様にご報告できることは何よりですが、残念ながら、核兵器の脅威は低減するどころか、核不拡散体制は行き詰まり、新たな核兵器の開発は加速しています。また、核兵器保有国による侵略戦争、国際法違反の武力の行使が行われています。さらに、核施設に対する爆撃を広島・長崎への原爆投下になぞらえて正当化するような発言もありました。このような行為や発言は決して受けいれられるものではありません。
人類が二度と核兵器による過ちを繰り返さないために、被爆者の体験や原爆の惨禍を後世に伝えていくことは一層重要となっています。昨年12月には日本被団協がノーベル平和賞を受賞されましたが、さまざまな苦しみを乗り越えて被爆の実相を語り継ぎ、核兵器廃絶に賛同する国々の支持を得て核兵器禁止条約の発効にまで広がった運動が高く評価されたものと理解しています。
唯一の戦争被爆国である日本は核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加すべきです。立憲民主党はこれまでも毎回締約国会議と同時に開催される国会議員会議に代表を派遣してきました。そして、今年の3月の第3回締約国会議において、日本の国会議員として初めて原爆の非人道性を語り、核廃絶への決意を世界へ発信しました。
長崎への原爆投下から80年の今日、原爆の被害を記憶している方々が少なくなっていく現実を踏まえ、我々は長崎が経験した原爆被害の実相について、より一層の努力で次世代・若者世代に語り継ぎ世界に発信し続けていくこと、そして核兵器のない世界を目指してあらゆる努力を続けることをここに改めてお誓いします。
さらに、立憲民主党は、長崎を最後の被爆地にするという強い決意のもと、世界の先頭に立ち、戦後、国際社会が築いてきた法の支配の下の国際秩序、核不拡散体制と核兵器を含む軍縮努力、対話による外交の重要性を訴え続けていきます。また、唯一の戦争被爆国として非核三原則を堅持し、国内の核兵器の保有を正当化するような声には明確に対抗していくことをお誓いします。