④街区はゼロベースで、売却ではなく定期借地を第一義に!? 市長の「空想」発言、全員協議会で自ら崩壊。「⑤街区呪縛」から脱却し、市民利益最優先の判断を行うべき。

2025/10/05

枚方市議会議員の奥野みかです。

「どのような公共事業でも、なぜそれを行うのか、その理由が明らかにされなければならない。議会も、その理由を把握してこそ、事業の是非を判断できる。しかし、新庁舎の移転整備については、当初から『迷走』と言わざるを得ない経過をたどってきている。質問に先立ち、これまでの経過と現局面の捉え方について『私の理解』を述べさせていただく。」

9月定例月議会の一般質問(9月16日)では、このように「前提」も述べた上で、枚方市駅周辺再整備の経過と現状についての見解(私の理解)を述べさせていただきました。

すると、伏見市長は、自らの答弁の冒頭で、「『私の理解』という中で、事実と異なる『空想』によるものが幾つも含まれており、聞いた市民の皆さんが誤解を招くのではないかという大変大きな危惧を抱いているので、『遺憾』の意を表明させていただく」と述べられました。
「私の理解」の部分については、担当部署を通じて、事前に市長にも原稿を確認いただいています。「事実」に対する「見解の相違」や「誤認」というのであれば、その旨をお示しいただく時間もあったかと思いますが、議場で、根拠のない「言い放ち」のような答弁を市長がすることは、まともな議会審議を妨げることになると思うのではないかと意見しました。

その内容については、以下の報告をご覧ください。

 

 


 

市長の「空想」発言、全員協議会で自ら崩壊!?

そして、先日の全員協議会(9月29日)において、同じ会派の大津議員が、「議員の質問を『空想』と断じることは、看過できない発言である」として、「いくつも含まれているとされる事実と異なる部分」はどこであるのか等について、市長に質されました。

市長の答弁によると、「府有地の取得に伴う市民批判を避けるために、公的事業手法を導入し、国庫補助金の獲得を目指しているのではないか」「事業の全体像を複雑にしてわかりにくくしようとしたのではないか」との奥野の発言について、「土地区画整理事業は、④⑤街区の基盤整備や公的な宅地整備などの重要性から選択したものであり、まるで、市が事実をごまかし、市民をだましているといったような発言は、市民へ事実誤認を招くものであった」という説明がまず1点目。
そして、「新庁舎を④街区にするのか、⑤街区にするのかについて、「議論を尽くすべきであったのに、初めに結論ありきの極めておざなりな、極めてずさんな比較検討しか示されなかった」との奥野の発言について、「我々、行政側も誠実に資料作成に取り組んできており、それに尽力してきた行政職員の努力が否定されるご意見であったことから、市長である私としても、大変、遺憾であると伝えた」という説明が2点目でした。

要約すると、市長のご指摘(弁明!?)は以下の2点です。

①土地区画整理事業は国費確保のためで、事業スキームを複雑にして市民の眼を欺くためではない。
②両案の比較検討はおざなりなものではない。

 

※大津議員(1番目の質問者)の質問に対する伏見市長の答弁

 

④街区はゼロベースで、売却ではなく定借を第一義に。⑤街区移転案の財源根拠はどこに!?

しかし、今回の全員協議会では、「④街区はゼロベースで」とか、「市有地は売却ではなく、定期借地を第一義に」という、資料にも記載のない内容を、冒頭、副市長の答弁で明らかにされました。このことによって、伏見市長のご指摘(弁明!?)の根拠があやしくなっているのではないでしょうか。

※田中議員(2番目の質問者)の質問に対する小山副市長の答弁

 

すなわち、
⑤街区への庁舎移転(府有地の取得)の財源を支える④街区の市有財産の有効活用(市有地の売却益)を打ち消されたことにより、⑤街区移転案の場合の新庁舎建設費用の中の用地取得コストが明確になり、多くの皆さんが「こんなに高くつくんや」ということを再認識されたのではないでしょうか。
土地区画整理事業による「換地」が間に入り、用地取得コストがないかのように見せていたことが崩れました。私の指摘が「空想」ではなく「事実」であったことが明らかになる、市民に誤解を与えるどころか、正確な理解を促すものであったことが明らかになったといえるのではないでしょうか。

 

また、市の計画である⑤街区庁舎案と市が作成した④街区庁舎整備案との比較検討がおざなりであったことは、今回、私がお示した対案②をご覧いただければわかっていただけるのではないでしょうか。議員がここまでの対案を考えられるのに、行政職員が考えられないなんてことは決してあり得ません。担当職員の努力をないがしろにするものではなく、課題解決につながる効果的な作業、市民利益につながる作業を職員にさせてきていないということを批判しているわけです。

迷走の原因は市長の「呪縛」!? 今こそ、こだわりを捨て、市民利益を最優先に再整備の舵を切るべき

繰り返しになりますが、財政見通しを欠いたままの計画変更は許されません。市長に求められるのは、頑ななこだわりではなく、市民と将来世代にとって「最適解」を探る柔軟な姿勢です。「⑤街区への庁舎移転」という呪縛から解放され、議員や市民からの意見も真摯に受け止め(代替案②も)、市民利益を最優先とした「自治と防災の拠点づくり」に向け、大停滞を超え、再整備の舵を切っていただきたいと考えています。

 

◇持続可能な未来のための最適解を探れるよう、責任ある判断を市長に求める。(9月29日_全員協議会の報告)

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