将来のリスクや財政負担まで見据えたうえで、最も合理的な政策判断を行うことがワイズ・スペンディング。 3月12日、予算特別委員会2日目(総論及び総務・教育子育て部門)【その2】では、民間活用への過度な期待に依存するのではなく、行政としての判断と責任を明確にすることを順次質しました。

2026/03/12

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、A日程(総論及び総務・教育子育て部門)の2日目の報告を行います。

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【3月12日の質問項目】

(8) 枚方消防署の更新に向けた取組(新庁舎整備計画、民間活力導入可能性調査)
(9) 留守家庭児童会室専用棟の個別施設計画の策定(整備可能性調査の実施)
(10) (仮称)子ども未来館整備事業経費について
(11) 民間活力を活用した小学校の水泳授業の計画的な推進について
(12) 中学校全員給食に向けた取り組み(新給食センター整備/PFI事業)
(★) 全体総括

※録画映像はこちらから。

 


 

※以下、質問のやりとりを掲載します。

(8) 枚方消防署の更新に向けた取組(新庁舎整備計画、民間活力導入可能性調査)

Q1.私の質問

次に、枚方寝屋川消防組合に対する負担金について伺う。2026(令和8)年度予算では、本市負担金として_4,992,089千円が計上されており、前年度に比べ569,069千円の増額となっている。この増額の主な内容(理由)について、伺う。

A1.臼井危機管理対策推進課長の答弁

増額の理由については、給与水準の上昇と定年退職予定者が2025(令和7)年度比で11名増加することによる人件費の上昇や新たな庶務事務人事給与システムの導入に加え、旧中宮北小学校跡地での新庁舎建設の具体化に向けた「枚方消防署新庁舎整備基本計画の策定」及び「枚方消防署新庁舎整備に係る民間活力導入可能性調査」の実施などによるものであると枚方寝屋川消防組合から説明を受けている。。

Q2.私の質問

枚方寝屋川消防組合の経費は、人口及び世帯数による按分と均等割によって算定しており、2026(令和8)年度の負担割合は枚方市61.0864%、寝屋川市38.9136%であるが、消防署の建設に要する費用については、その消防署が立地する自治体が全額負担することになるため、枚方消防署の新庁舎整備に関連して、2026(令和8)年度、基本計画策定や民間活力導入可能性調査など、43,351千円の予算が計上されているが、この費用は枚方市が全額負担することになるようである。
そこで、伺う。基本構想が策定されているので、基本計画の策定に進むのは理解できるが、なぜ民間活力導入の可能性調査を実施するのか、どのような見通しをもって行おうとしているのか、また、これまで、署所の建設時に消防組合が同様の調査を実施した事例はあるのか、伺う。

A2.臼井危機管理対策推進課長の答弁

民間活力導入の可能性調査の実施については、消防庁舎の建設が、本市の「PPP/PFI手法活用 優先的検討の基本方針」が実施基準として定める「施設整備費の総額が概ね10億円以上の公共施設整備事業」に合致することから、枚方寝屋川消防組合では、本市の基本方針が適用される組織ではないものの指針を準用し、可能性調査を実施するものであると聞いている。
また、その調査の中で、従来方式やDB方式などの事業方式や建設スケジュール及び最適な導入手法を委託事業者に複数提示させ、最適な手法を検討していくと、聞いている。
枚方寝屋川消防組合が所管する施設について、これまで民間活力導入可能性調査を実施した事例はない。
なお、「枚方消防署新庁舎整備に係る民間活力導入可能性調査」については、内閣府の補助金制度である民間資金等活用事業調査費補助金が、枚方寝屋川消防組合予算に充当される見込みであると聞いている。

私の意見

枚方消防署の庁舎は老朽化が進んでおり、災害対応の拠点としての機能確保の観点からも、早期の整備は避けて通れない課題である。また、移転に伴う消防・救急の空白を生じさせないため、出張所整備などの対応が検討されている点については、一定評価するものである。
一方で、近年は資材価格の高騰や人件費の上昇、さらには金利環境の変化などにより、PFIをはじめとする民間活用手法については、民間事業者側の参入意欲が低下し、事業成立自体が難しくなる事例も各地で見られている。内閣府の補助金制度である民間資金等活用事業調査費補助金の充当も見込まれているようであるが、成立の見通しが不透明なスキームを前提とした検討は、結果として時間と費用を費やすだけの調査となりかねない。
加えて、消防庁舎という施設の性格を考えれば、収益事業を伴う施設でもなく、併設が想定されている消防倉庫も、基本的には資機材や物資の保管機能が中心となるものである。こうした施設において、PFIのような複雑な事業方式を採用することが、本当に合理的であるのかについては、冷静な検証が必要である。むしろ、こうした手法を検討する過程で発生するアドバイザリー費用や調査費用など、いわゆる間接コストが過大になることも懸念される。
消防署は、市民の生命と財産を守る最前線の拠点であり、最も重要なのは、確実に整備を進め、必要な機能を堅実に確保することである。民間活力の導入を検討すること自体を否定するものではないが、形式的に多様な手法を並べるのではなく、実現可能性やコスト、事業リスクを冷静に見極めたうえで、最も合理的で確実な整備手法を選択するよう、枚方寝屋川消防組合にとも十分に連携しながら、実効性ある整備手法を選択していくよう求めておく。

(9) 留守家庭児童会室専用棟の個別施設計画の策定(整備可能性調査の実施)

Q1.私の質問

教室の活用が難しく、過密化や老朽化が著しいことから建替えや建て増しが必要とされる、留守家庭児童会室専用棟8施設の整備について、2026(令和8)年度に実施予定の整備可能性調査の内容や財源については、昨日の千葉委員への答弁で理解した。
留守家庭児童会室は、子どもたちが放課後を過ごす生活の場であり、環境整備は重要な課題である。老朽化や過密化が指摘されている施設については、整備が待ったなしの状況にある。可能性調査の結果を踏まえ、整備可能な施設から速やかに対応されるよう、早期の着手をお願いしておく。
また、これまで懸念の声が多かった専用棟のトイレ改修については、和式トイレの洋式化はすでに完了し、男女別トイレへの改修についても2026(令和8)年度に工事完了予定とのことである。児童が安心して利用できる環境の確保に、引き続き取り組んでいただくようお願いしておく。
そこで、学校の余裕教室の活用について伺う。
学校施設の状況によっては、専用棟を整備するのではなく、学校教室を活用することも可能であると説明されているが、今後どのような考え方で整理していくのか伺う。

A1.交久瀬放課後子ども課長の答弁

教室の活用が可能な施設については、学校施設の状況や児童数の推移を踏まえながら、余裕教室の活用などにより対応していくことを基本に考えている。
また、専用棟の機能を学校施設内へ移す場合には、活動スペースの確保に加え、静養室やおやつ等の準備を行える水回りなど、留守家庭児童会室として必要な機能が確保できるよう整備内容について検討する必要がある。
こうした整備を行う場合については、現在、補助制度はないが、整備を進める際にも、活用可能な補助制度の有無について十分に確認しながら進めていく。

私の意見

小学校の余裕教室を改修して新たに放課後児童クラブを整備した場合は、国の「子ども・子育て支援施設整備交付金」の放課後児童クラブ整備促進事業の対象外となるとのことである。
余裕教室の活用ではなく、校舎内に初めて「専用室」を設置する禁野小学校の留守家庭児童会室については、複数年度にわたる工事となるため、補助率がかさ上げされている整備促進事業の対象とはならなかったと聞いている。
しかしながら、国においても放課後児童対策は加速度的に強化されている。
2025年に続き、2026年も「待機児童対策の一層の強化と放課後の児童の居場所確保」に向け、こども家庭庁と文部科学省が連携して取り組む「放課後児童対策パッケージ2026」が示されている。
この中では、放課後児童クラブの待機児童が発生している自治体における整備をさらに促進するため、国庫補助率をかさ上げしたうえで、なお残る自治体負担の一部についても追加的な支援を行うなど、自治体の負担軽減を図る方針が示されている。こうした国の支援策を、ぜひ積極的に活用していくべきではないか。
昨日、前田委員からは、小学校の単独調理場の現状や労働環境を理事者が実際に確認したことが、環境整備の加速につながったのではないかとの指摘もあった。今回、担当課がまとめられた「施設整備計画」には、留守家庭児童会室専用棟の現状も掲載されている。そこには、築30年以上の軽量鉄骨造、いわゆるプレハブ型の専用棟の写真も示されている。空調は整備されたとはいえ、子どもたちは三季休業期も含め、こうした環境で長時間を過ごしている。
調査や検討は意思決定のために行うものであり、検討自体が目的になってはいけないと、市駅周辺再整備のところで強く申し上げましたが、限られた財源を「検討のための検討」に費やしている状況ではないのではないかと考える。
施設整備には一定の財政負担が伴う。公共施設マネジメントとの整合を図りながら、有効な国の補助制度も最大限活用し、このたび策定される「個別施設計画」に基づき、計画的かつ着実に施設整備を進めていくよう求めておく。

(10) (仮称)子ども未来館整備事業経費について

Q1.私の質問

次に、枚方市公設市場サンパーク1階跡地を活用し、2027(令和9)年6月頃の設置を予定されている「(仮称)子ども未来館」について伺う。
2026(令和8)年度予算では219,613千円が計上されているが、その主な内容(詳細)について伺う。

A1.西田公立保育幼稚園課長の答弁

予算の内訳としては、施設改修のための工事請負費、及び工事に使用するための地下1階と1階をつなぐエレベーターの保守点検委託料を計上している。

私の意見

当該場所は、2023(令和5)年1月に1階店舗が撤退して以降、昨年3月の議会で枚方市公設市場条例が廃止され、附則により2026(令和8)年10月1日施行とされた経過がある。いよいよ工事に着手する段階に入るものと理解した。なお、エレベーターの保守点検委託料については、工事で使用するための経費であるとの説明であった。

Q2.私の質問

「(仮称)子ども未来館」は、「枚方市子ども・若者総合計画」にも位置付けられており、16か所目の地域子育て支援拠点(ひろば事業)に加え、地域子育て相談機関としての機能を持つ、子どもが安心して遊べる屋内施設として整備されるものであり、子育て世帯にとって意義のある施設となり得るものと認識している。
昨年5月に実施設計に着手し、民間事業者や児童福祉施設関係者等の意見を踏まえて施設レイアウトの主な考え方や施設のイメージ案を整理したことが8月の委員協議会で報告された。その際、施設イメージ図も示されたが、同年2月に示されたイメージ案からは大きく変更されたものになっていた。
「本市における未就学児概ね1万6千人を育てておられるご家庭の方」が対象と言われていた利用者等への「リクエスト調査」については、当初9月に実施と聞いていたが、結果、10月31日から11月25日までの間に実施され、382件の回答をいただいたとのことである。そのリクエスト調査の結果等については、昨日の他の委員の質疑で確認させていただいた。
そこで確認する。そこで得られたニーズ等を反映した「(仮称)子ども未来館」の整備計画はいつ公表されるのか(されたのか)。また、それに対する意見は求められるのか(求められたのか)、伺う。

A2.西田公立保育幼稚園課長の答弁

いただいたご意見を参考に利用者等のニーズに即した施設となるように、導入する遊具などの整備内容や開設時間や曜日などの施設の運用内容も含め、整理した上でお示ししていく考えである。

私の意見

「(仮称)子ども未来館」は、子育て世帯にとって意義のある施設となり得るものと認識しているが、今回の質疑を通じてもなお、この施設について整備計画として体系的に整理された内容が市民に示されているとは言い難い状況であると言わざるを得ない。
そもそも、「どのような機能を備える施設なのか」「どのような利用を想定しているのか」といった基本的な整備計画が、市民に対して正式に示され、その内容について意見を聴くというプロセスが整えられていないこと自体が問題であると考える。
「子育て世帯の声を聞く」「ニーズを反映する」との説明がされているが、それは行政内部の検討にとどまるものではなく、整備計画を公表したうえで広く市民の意見を聴くという公的な手続きを伴ってこそ意味を持つものである。
とりわけ本施設は、特定地域の施設ではなく、全市的な利用も想定される子育て支援施設である。だからこそ、地元コミュニティに限らず、広く子育て世帯をはじめとする市民に整備内容を示し、意見を聴く機会を丁寧に確保することが必要である。
多額の公費を投じて整備する公共施設である以上、整備内容とその決定プロセスの透明性は極めて重要である。したがって、本施設については、整備計画を明確に整理したうえで市民に公表し、広範な市民意見を適切に反映させる仕組みを整えることを強く求めておく。

(11) 民間活力を活用した小学校の水泳授業の計画的な推進について

Q1.私の質問

民間活力を活用した小学校水泳授業については、児童の泳力向上や計画的な授業実施、教員の負担軽減といった観点から、一定の効果が期待される取組であると受け止めている。一方で、2028(令和10)年度までの3年間で全校実施を目指すとの方針のもとでは、移行期間中において未実施校の負担が長期化しないよう、制度設計の公平性を担保することが不可欠である。
そこでまず、計画どおり3年間で全校実施を進める前提のもと、学校から民間水泳施設までの移動手段である送迎バスの確保について確認する。
学校水泳授業民間活用事業経費として、2025(令和7)年度は14校分で委託料54,308千円であったが、一般会計予算説明書397ページによると、2026(令和8)年度は24校分で118,322千円が計上されている。
このうち送迎バス運行に係る経費について、「2025(令和7)年度の予算額及び決算見込み(学校数、利用回数などの内訳)」「2026(令和8)年度の予算(学校数、利用回数などの内訳)」の内訳について、伺う。

A1.西村新しい学校推進課長の答弁

2025(令和7)年度予算の学校水泳授業民間活用事業費に含まれる送迎バスの運行経費であるが、バス移動が必要であった5校の内、4校については水泳指導を行う事業者に送迎バスを含めた委託をしており、1校については教育委員会が別途交通会社と送迎バスの委託契約をしているが、委託料の予算の内訳としては合わせて750万4千円を計上しており、バス代に相当する決算見込み額としては658万9千円である。
次に、2026(令和8)年度予算に含まれる送迎バス運行経費であるが、バスの確保が必要となる12校の内、8校が水泳指導事業者の確保する送迎バスを利用し、4校が別途市の契約する交通会社の送迎バスを利用する予定であり、同じく委託料の予算の内訳としては3,680万8千円を計上している。

私の意見

学校水泳授業の民間活用は、バスの確保が前提となる事業です。対象校が拡大するにつれ、バス確保に係るコストも大きく増加していくことになる。
燃料費や運転手不足など、外部環境の影響も受けやすい分野であることから、バス確保の見通しやコスト推移については継続的に検証していく必要がある。

Q2.私の質問

次に、バス確保の状況について伺う。
これまでの事業実施の中で、入札不調など、バスの確保が困難となった事例はあったのか。また、今後の確保方策についてどのように考えているのか、伺う。

A2.笠井教育政策課長の答弁

これまでバス委託契約が入札不調になった経過はないが、昨今の社会情勢を踏まえてバスの安定的な確保については課題と認識している。バス事業者や水泳事業者へヒアリングを行う中で、早期の依頼であれば確保しやすいとの意見は伺っているため、今後は、「小学校水泳授業民間活用の全校実施に向けた年次計画」に基づき、年次ごとの実施予定校を踏まえた民間施設と学校との協議による授業スケジュールの早期調整や、将来的には複数年契約の検討などにより、確実に確保できるよう取り組んでいく。

私の意見

授業スケジュールの早期調整や複数年契約の検討は重要な対応であるが、今後の制度運用においては、万が一バス確保が困難となった場合の対応方針についても、あらかじめ整理しておくことが必要であると考える。

Q3.私の質問

次に、民間活用の対象となっていない小学校のプール施設管理について伺う。
2025(令和7)年度は30校、2026(令和8)年度は20校が学校プールで水泳授業を実施する予定とされているが、「学校プール施設の維持管理経費(保守点検、清掃、水質検査、修繕等)」「水道光熱費や薬剤費などのランニングコスト」について、2025(令和7)年度予算・決算見込み及び2026(令和8)年度予算をお示しいただきたい。
また、お答えいただく経費の中に、民間活用対象校のプール関連経費が含まれているのかどうかについてもあわせて伺う。

A3.西村新しい学校推進課長の答弁

水泳授業を学校で行っている小学校に係る経費であるが、プールろ過装置保守点検、プール清掃、水質検査に係る委託料、工事請負費に係る2025(令和7)年度予算額は2461万6千円、決算見込額は815万628円、2026(令和8)年度予算額は805万9千円である。
その他、水道光熱費や薬剤費などのランニングコストでは、2025(令和7)年度予算額が前年度実績に基づく概算内訳で約1052万円、決算見込額が1163万5095円、2026(令和8)年度予算額は同じく約783万1千円である。
なお、この中には民間活用対象校の経費は含まれていない。

私の意見

学校プールの維持管理費は一定程度減少するが、その一方で民間委託費は増加していく。制度の効果を評価するためには、学校プールの維持管理費と民間委託費を合わせた全体コストを把握し、長期的な財政影響を検証していくことが必要である。

Q4.私の質問

学校プールの跡地活用について伺う。
プールを廃止した場合、その跡地の活用方針についてはどのようなスケジュールで検討を進めていくのか、伺う。

A4.笠井教育政策課長の答弁

民間活用により使用しなくなった学校プール跡地については、学校により立地条件等が大きく異なることから、現時点では各学校のプール敷地の状況について整理を進めているところである。
ご懸念のとおり、跡地活用が決まるまでの期間が長くなると、プールの水の取り扱いや、安全上の問題など、様々な課題も考えられることから、今後、状況整理の結果も踏まえ、幅広い活用の可能性がある場合については、売却も含むあらゆる可能性を検討していくなど、早急に各学校プール跡地の活用の方向性を整理し、庁内での検討を進めていきたいと考えている。

私の意見

プール廃止は不可逆的な判断となる。小学校44校の学校プールが廃止されることは、市の資産構造にも大きく影響する可能性がある。撤去費用や維持管理費、防火水槽など防災機能との関係、さらには売却可能性なども含め、資産戦略として整理していく必要がある。跡地活用については、個別対応ではなく、将来的な公共施設配置も見据えた総合的な検討を早急に進めていただくことを求める。

 

(12) 中学校全員給食に向けた取り組み(新給食センター整備/PFI事業)

Q1.私の質問

一般会計予算説明書441ページ、「7.中学校給食における全員給食実施事業経費」80,530千円について伺う。
この予算は、2025(令和7)年3月の入札不調を受け、当初予定より1年遅れとなる2026(令和8)年9月の契約締結を想定して編成されたものであり、
・新給食センターPFI事業契約に向けた資料作成等を行うアドバイザリー業務委託料
・PFI事業の履行状況を確認するモニタリング業務委託料
・第一学校給食共同調理場改修工事設計委託料
・中学校配膳室整備工事費
などが計上されていると伺っている。
しかしながら、その後、新給食センターPFI事業については2回目の入札も不調となった。
中学校全員給食は、多くの中学生や保護者が期待している重要な教育施策である。にもかかわらず、事業の方向性やスケジュールが見通せない状況が続くのであれば、市として市民に対する説明責任をどのように果たしていくのかという点も重要になる。
そこでまず、このような状況の中で、令和8年度当初予算に計上されている関連経費をどのように取り扱う予定なのか。補正を行うのか、あるいは現行予算のまま対応するのか、見解を伺う。

A1.江見おいしい給食課長の答弁

入札の不調を受け、事業者からのサウンディング調査を行い、現在、今回入札不調となった課題等においての分析や調整を関係部署等と行っている状況である。そのため、令和8年度予算の取扱いについては、現在行っている調整により、本事業の入札における今後の方向性が決定しスケジュール等が確定した際に、判断を行うものと考えている。

Q2.私の質問

次に、一般会計予算説明書470ページの債務負担行為に関する調書について伺う。
(仮称)枚方市立中学校給食センター特定事業関連経費については、令和9年度から令和26年度まで、限度額12,083,069千円が計上されている。
これは、新給食センターの設計・建設から、2028(令和10)年度3学期以降の調理業務、維持管理までを含むPFI事業の総額であり、当初予定からスケジュールが1年遅れたことにより、2025(令和7)年度予算と比較すると約1億円の増額となっているとの説明であった。
しかしながら、今回の2回目の入札不調を踏まえると、
今後さらに事業費が増加する可能性があるのか、
事業スキームやスケジュールを含め、今後どのような見通しで事業を進めようとしているのか、あわせて伺う。
また、債務負担行為のうち、中学校全員給食実施アドバイザリー業務委託については、2026(令和8)年度に限度額3,080千円が計上されているが、入札不調を受け、この債務負担行為の取り扱いをどのように考えているのか、見解を伺う。

A2.江見おいしい給食課長の答弁

今回の再公告においては、前回の入札から、設備費や人件費の増額が見られた。そのため、更に事業スケジュールが延長することにより、前回と同様に費用が増加する可能性が見込まれる。また、事業スキームや事業スケジュールについては、先ほどお答えさせていただきましたとおり、今後の方向性が決定した後に確定するものと考えている。アドバイザリー業務委託については、今後もPFI事業で実施していく場合においては、前回の入札不調時と同様に、契約期間延長も合わせて協議する必要があると考えているが、本委託においても、現在進めております課題調整後に判断する考えである。

私の意見

(仮称)枚方市立中学校給食センター整備事業は、中学校全員給食を実現するための重要な基盤整備であり、その必要性については私も十分理解している。
しかしながら、本事業はこれまでに二度の入札不調が生じており、今回の答弁でも、事業の方向性やスケジュールについては「現在調整中であり、確定していない」という趣旨のお示しであった。
では、一般会計予算説明書に示されている内容は、どう受け止めればよいのか。今後もPFI事業で実施していく場合においては、アドバイザリー業務委託は延長も含め協議するとの答弁である。アドバイザリー業務委託はズルズルと続けていくが、今後の方向性もまだわからないんですとの答弁である。せめて、年度内には当該予算を執行できる段階まで必ず持っていくと、それくらい言ってもらわないと、この当初予算に賛成していいのかなと思われる。さらに申し上げれば、今回の入札不調が2026(令和8)年1月末に確定していることを踏まえると、2026(令和8)年度当初予算については、2025(令和7)年度の3月補正で一定の整理を行うという選択肢もあり得たのではないかとも考える。ここで副市長にお聞きしたいところであるが、時間の関係もあり次に移る。
中学校全員給食は、多くの中学生や保護者が実施を期待している施策である。その意味では、事業の見通しを市民に説明できない状況が続いていること自体、極めて重い問題であると言わざるを得ない。
また、現在の建設業界を取り巻く状況を見ると、資材価格の高騰や深刻な人手不足、金利環境の変化などにより、PFI事業の成立環境は全国的にも大きく変化している。
特に民間事業者にとっての最大のネックは、事業費をはじめとする将来の事業見通しが立たないリスクにある。資材費や人件費の高騰により、長期にわたる事業コストを現時点で確定させること自体が難しくなっており、これはデフレ社会の時代には見られなかった状況である。
さらに、給食事業は施設整備だけではなく、調理員や配送員など専門人材の確保が不可欠な事業である。現在の労働市場の状況を踏まえれば、こうした人材を長期にわたり確保できるのかという点も、民間事業者にとって大きな不確実性となっている。
こうした状況の中で、施設整備から維持管理までを一括して民間事業者に委ねるPFI事業を前提に事業を進め続けることが、本当に合理的なのかについては、改めて検証が必要ではないか。
また、本市は契約規則や入札制度が比較的厳格であることから、他市と比べてPFI事業が成立しにくいのではないかという指摘もある。しかしそれは、必ずしも本市のデメリットとは言えないのではないか。
過去の公共工事における談合問題などの教訓を踏まえ、本市の契約制度はガバナンスの観点から整理されてきた経緯があると認識している。そうした制度のもとでPFI事業が成立しにくいのであれば、それはむしろ本市の公共調達の透明性を確保してきた結果とも言えるのではないかとも考える。
重要なのは、PFIという手法そのものではなく、中学校全員給食という政策目的を確実に実現することである。
その意味では、特定の手法に固執するのではなく、市場環境の変化や事業の実現可能性を踏まえながら、いまの時勢に応じた方針転換という政策判断も含めて検討することが必要ではないかと考える。
中学校全員給食は、本市の教育環境を大きく左右する重要な公共事業であり、ひとたび契約が締結されれば長期間にわたり市の財政と行政運営に影響を及ぼす不可逆的な事業となる。
だからこそ、特定の事業手法を前提とした検討に陥ることなく、事業手法そのものを冷静に検証することを強く求めておく。

全体総括

私の意見

今回の質疑では、消防署整備、水泳授業の民間活用、中学校全員給食PFIなど、いくつかの事業について伺った。
それぞれ個別の事業ではあるが、共通して感じるのは、本市の事業推進において民間活力の活用に対する期待が非常に大きくなっているという点である。
もちろん、民間のノウハウや資金を生かすこと自体は重要な政策手段である。しかし、資材価格の高騰や人手不足、金利環境の変化などにより、PFIをはじめとする民間事業の成立環境は大きく変化している。
こうした状況を見ると、民間活用の議論が、いつの間にか「民間が何とかしてくれる」という前提、いわば“民間任せ型の政策運営”になってはいないか、一度立ち止まって考える必要があるのではないかと感じている。
民間活用はあくまで手段であり、最終的な責任は行政にある。
だからこそ、事業の実現可能性や長期的な財政負担、民間依存によるリスクまで含めて冷静に見極め、必要であれば事業手法そのものを見直す判断も求められる。
今回の予算審議のテーマでもあるワイズ・スペンディングとは、単に支出を抑えることではなく、将来のリスクや財政負担まで見据えたうえで、最も合理的な政策判断を行うことだと考える。
民間活用への過度な期待に依存するのではなく、行政としての判断と責任を明確にすること。
そして、状況が変化しているのであれば、方針を守ることではなく、時勢に応じて方針を見直す判断こそが求められているのではないか。そのことを強く求めて、私の質疑を終わる。

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