「こうあるべき!」に捉われた瞬間に悩みが生まれる。その認知のゆがみに気づくことから豊かな人生が広がる。1月18日、思春期セミナーで辻由紀子さんの講演を聞きました。

2020/01/18

1月18日は、「思春期の『SOS』を見逃さないで!」をテーマとする辻由起子さんの講演会に参加しました。
辻由紀子さんは、社会福祉士・保育士で、大阪府の子ども家庭サポーターもされています。どうすれば家庭・地域・社会が良くなるかと、27年間ひたすら追求されてこられているとても元気な素敵な講師でした。

今日伝えたいことはこれです!と最初に話されたのは、
「こうあるべき!」に捉われていないかなという認知のゆがみに気づき、自分自身の認知のゆがみを自覚すること、そして、そこから1度でいいから視野を広げること。

子育ての悩みは「こうあるべき!」に捉われた瞬間に生まれる。100人いたら100通りの価値観があるので「自分が絶対に正しい」という思い込みをなくし、自分の「こうあるべき!」を相手に押し付けない。そして、大人の側が視野を1度でいいから広げることで「こうあるべき!」がなくなっていき価値観が広がると、人生の選択肢が増え、可能性が広がる。その結果、子どもの未来が広がると。誰かにとっていいことは、誰かにとってしんどいことかもしれない。一人ひとりは豊かな人生を歩めるよう、「こうあるべき!」からの解放を伝えていきたい。

富士山に登るのに丸腰で登る人はいない。登った人から情報を得て、必要な準備をして臨むでしょう。
子育てについても、いろんな情報があふれているけど、要らない苦労をしないよう、適切な知識を得て、適切なやり方だけ学んでください…、と辻さん。子育ては本能ではできないので、見たことも、聞いたこともない子育てをうまくやろうと思っても難しい。自分を責めないで、「一人で悩まないで」とご自身の経験を語りながら、力強く語りかけてくださいました。

そして、お母さんたちがしんどい思いを抱えている。社会はお父さんに甘いけど、お母さんというだけでプレッシャーがかけられる。お母さんを大事にしたら社会が変わる。国の制度を変えていかなければとも話されていました。

たくさんの気づきをいただいた講演でした。辻さんに感謝します。そして、私ができることにしっかりと取り組まなければと思いました。

当日のたくさんのお話の中で心に留まった言葉をいくつか記します。

・子どもの幸せセンサーをつくる!そのためにもまずは皆さんが今日も笑えた、今日も生きてると笑顔で幸せに。
・否定する主語は行為に。60秒まで。行為は否定しても人格は否定しない。
・勉強はなりたい自分になるための手段。
・子どもにはいろんな生き方をしている大人と出会うことが必要。
・失敗なんて人生にない。経験・体験を積んでいるだけ。
・「無縁社会」=仏縁、血縁、地縁等々、縁のないもの同志が助け合う理想の社会。
・辛い、悲しい、苦しいを一人で抱えたら悲劇。いろんな人と共有したら一緒に笑えることも。
・怒っている人は困っている人。
・子どものSOSの発信に「話してくれてありがとう」と感謝を伝えて安心感を。
・「child abuse」は「児童虐待」と訳され広まっているが、示す内容は子どもに対する権利の濫用・乱用。虐待という言葉を変えていきたい。

 


※当日配布されたパンフレットです。画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

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