3月23日、元文部科学省事務次官の前川喜平さんを講師に「夜間中学を理解する集い」が開催されました。つながる本部主催。

2021/03/23

枚方市議会議員の奥野みかです。

3月23日、立憲民主党のつながる本部主催で、オンライン会議「夜間中学を理解する集い」が開催され、元文部科学省事務次官の前川喜平さんのお話を聞きました。

政府インターネットテレビの「いまからでも、まなぼう! 公立中学校の夜間学級」の動画が配信され、東京都内の中学の夜間学級の様子やそこに通う生徒の皆さんの生の声が伝えられました。また、夜間中学を取材したドキュメンタリー映画『こんばんはⅡ』の予告編も配信されました。戦後の混乱期、困窮の中で、昼間の学校に通うことができない生徒の義務教育の保障のために始まった夜間中学。現在では、不登校などのために学校に通えなかった生徒の「学びなおし」の場であったり、外国ルーツの子どもたちの学びの場になっていいる状況なども紹介されていました。

元文部科学省事務次官で現代教育行政研究会代表の前川喜平さんによる講演の中でも、「戦後、昼間の中学に通えない子どもたちのために誕生した夜間中学が、現在では生徒の8割を外国籍の生徒が占める。今は1割にすぎない中学の形式卒業者も今後増加が予想されるので夜間中学の需要はますます高まるだろう。」というお話がありました。

前川さんが文部科学省におられた時期に尽力され、2016年に成立した「教育機会確保法」にも触れられ、「教育機会確保法」は義務教育における「学びの場」「年齢」「国籍」のしばりを広げようとする内容で、改めて、教育は子どもたちの権利であることも訴えられました。そして、夜間中学は義務教育未修了の学齢超過者等の、学びの場、学びなおしの場として、就学機会の確保に重要な役割を果たしていることから、全国で夜間中学を設置する取り組みを進めてほしいとのお話もありました

当日のまとめは、立憲民主党のホームページ(【つながる本部】講師に前川喜平氏を迎え「夜間中学を理解する集い」を開催)に掲載されていますので、ご覧ください。

 

以下は、前川喜平さんのお話のなかで印象に残った部分の私のまとめです。

学校以外の学びを支える仕組みとして、夜間中学の設置促進なども定めた「教育機会確保法」が2016年に成立。不登校の子どもたちに大事なことは、社会的自立を促すことで、学校に戻すことだけが目標ではなく、唯一の解でもない。「適応指導教室」の呼称も「教育支援センター」に変更されている。
公設民営のフリースクール(例えば、池田市のスマイルファクトリー)、特定非営利活動法人(例えば、東京シューレ)、公民連携のフリースクール等々、フリースクールに対する公的な支援、ガイドラインの策定も必要ではないか。オンラインも一つの選択肢。オンラインの授業なら参加できる子どもたちもいる。それぞれの子どもにあった多様な学びの方法を考えることも重要。
公立夜間中学の始まりは戦後、昼間の中学に通えない生徒が対象。1970年代より学齢期を超えた人の学び直しの場としての役割も担うようになっている。いま、夜間その他特別な時間に開かれる学校との定義。自主夜間中学への支援も必要。
外国籍の子どもたちは日本語学習から、高齢者は識字、不登校の子どもたちは読み書き+計算等、それぞれの学習ニーズも異なる。
2020年の国勢調査では、小・中学校を卒業していない「義務教育未修了者」が調査対象となる。「教育機会確保法」成立の影響もあり、初めて実態把握となる。実態がわかれば、施策は進む。学ぶ機会を失うことで負の連鎖となる。生きづらさにつながる。学ぶ権利を奪われたままにしておいてはいけない。声なき声、見えないニーズを自治体は丁寧に掘り起こしてほしい。

 


 

※以下は、参考となる政府資料からの抜粋です。

 

▶ 政府広報オンライン「さまざまな事情により、中学校で勉強することができなかった人へ 「夜間中学」を知っていますか?」

夜間中学とは、公立の中学校の夜間学級のことをいいます。戦後の混乱期の中で義務教育を修了できなかった人や、様々な理由から本国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めることになった外国籍の人など、多様な背景を持った人たちが一生懸命学んでいます。最近では、形としては中学校を卒業していても不登校などの理由で十分に通うことができなかった人たちの“学び直しの場”としての役割も期待されるようになりました。そんな夜間中学についての紹介です。

夜間中学の設置促進・充実について

現在、中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)は10都府県に34校が設置されています。文部科学省では、夜間中学が少なくとも各都道府県に1校は設置されるよう、その設置を促進しています。

 

夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について(2021年2月16日付け文部科学省より各都道府県・各指定都市教育委員会教育長あて依頼文より抜粋:文部科学省ホームページ)

「夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した者や、不登校など様々な事情により十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した者、本国や我が国において十分に義務教育を受けられなかった外国籍の者等の教育を受ける機会を実質的に保障するための重要な役割を果たしています。
平成28年12月に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(平成28年法律第105号)」(以下「法」という。)第14条においては、全ての都道府県及び市町村に対して、夜間中学等の設置を含む就学機会の提供その他の必要な措置を講ずることが義務づけられました(別添②27頁参照)。現在、夜間中学は全国10都府県28市区に34校の設置に止まっていますが、法成立後に新たに3校が開校したほか、各地で設置に向けた検討が進められております(別添②33頁参照)。
このような中、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の充実について(令和元年6月18日外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議決定)、子供の貧困対策に関する大綱(令和元年11月29日閣議決定)等において、夜間中学について、全ての都道府県に少なくとも一校が設置されるよう、また人口規模や都市機能に鑑み、全ての指定都市において夜間中学が設置されるよう促進するとともに、夜間中学の教育活動の充実や受け入れる生徒の拡大を図る、こととされました(別添②47頁参照)。令和3年1月25日には、衆議院予算委員会において、菅内閣総理大臣から、「今後5年間で全ての都道府県・指定都市に夜間中学校が少なくとも1つ設置される、このことを目指し、全国知事会や指定都市市長会の協力を得て、取り組んでいきたい」との答弁がなされたところです(別添②50頁参照)。
文部科学省においては、令和3年度政府予算(案)において、夜間中学の設置促進・充実事業について、75百万円を計上するとともに、関係施策による支援の充実を図っているところです(別添②34頁参照)。」

(資料:別添②)

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