今後の枚方市の支援教育について。今後も、一人ひとりに寄り添った支援教育となるよう運営していくとのことですが…。
枚方市議会議員の奥野みかです。
今後の枚方市の支援教育についてのお知らせが、枚方市ホームページに掲載されています。
児童生徒や保護者の皆さんに、希望する学びの場を選択できなくなるとのご不安を生じさせたり、あるいは、新たに通級指導を受けることができると期待したのに、その期待を裏切るような状況を生じさせたりするなど、大きな混乱をもたらしたことについてのお詫びも述べられています。
さまざまな要望や意見を受け止め、2023(令和5)年度の支援教育の学びの場の選択についての方針は次のとおり、とのことです。
▶ 今後の枚方市の支援教育について(お知らせ)(2022年10月7日)
・今後の枚方市の支援教育について
今後の枚方市の支援教育についてのお知らせとお詫び文です。
・今後の枚方市の支援教育に係る保護者説明会の開催について
今後の枚方市の支援教育に係る保護者説明会の開催についてのお知らせです。
・保護者向けリーフレット
今後の枚方市の支援教育に関する保護者の皆様に向けてのリーフレットです。
①「学びの場」の選択については、児童生徒や保護者の気持ちに寄り添って行うこととし、2023(令和5)年度からすべての児童生徒が一斉に学びの場の見直しを行う(授業時間数も含む)こととした方針については撤回、教育委員会による改めての説明会の実施とともに、各学校で再度の就学相談を実施。
②自校通級指導教室を全中学校と9小学校(樟葉西、平野、小倉、桜丘、枚方、蹉跎西、西長尾、津田、津田南)に新規に設置。近い将来の全校設置をめざして段階的に整備。
※人材確保のために見直すことも含め検討するとしていた2023(令和5)年度の少人数学級充実事業(ダブルカウント)は現状維持。
再度の保護者説明会は「別紙」のとおり。学校における再度の就学相談の日程については、各学校から個別に連絡があるとのことです。
▶ 障害がある子、柔軟な学習は 独自のインクルーシブ教育進む大阪、文科省通知に不安(朝日新聞、2022年10月9日)
インクルーシブ教育に詳しい原田琢也・金城学院大教授(教育社会学)によると、養護学校が義務化されたのは1979年。大阪は部落解放運動が盛んで多様性を認め合う人権教育が進められてきた。当時、教員たちから「共生教育運動」が起こり、いまも府内の多くの自治体で、障害がある子が通常学級でともに学ぶ「原学級保障」の取り組みが続いているという。
この記事の終わりで、「国、地域の実情精査せず」として、「地域の実情を精査せず特別支援学級に在籍する児童生徒が必要な支援を受けていないと一律にみなすのは強引だ」と、文科省の方針を批判。「国際的な潮流にも逆行している。文科省はむしろインクルーシブ教育を先取りしてきた大阪に学ぶべきだ」と指摘いておられます。
インクルーシブ教育。
私は、インクルーシブ教育といって、あるべき姿があるわけではなく、地域の実情や資源の実態も踏まえて、子どもたち一人ひとりの特性に応じた柔軟な対応が求められていると思っています。障害のあるなしに関わらず、「個別最適」や「誰一人取り残さない」教育を目指していただきたい、というのが願いです。
「子どもは成長過程にあり、初めから週何時間の支援が必要か時数で決められるものではない。学校全体が学びの場なのに、支援の場を指定して分けることは、障害がある子の排除につながる」と保護者。時数ではなく、児童・生徒一人ひとりの特性に合わせた現場での様々な工夫や柔軟な対応も多々あるのが実情。教員からも「現場の工夫や実情をわかっていない」など、反発が高まっているとも書かれています。
国の通知に対しては、国連の障害者権利委員会からの勧告も出されています。現状のインクルーシブ教育をよりよいものに見直していく作業は継続しなければならないと思いますが、それぞれの地域の実情や資源の実態も踏まえた「ともに学び、ともに育つ」教育に向けての検討が進められるよう、私も力を尽くしたいと考えます。