「市長の祝勝会参加報道」があり、2023(令和5)年9月の定例月議会の日程は大きく変更。10月11日(第2日)は、議員発議の「伏見市長に対する問責決議」に始まり、その後、条例、補正予算など、議案の審議を行いました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
2023(令和5)年9月定例月議会(第2日)は、10月11日(水曜日)に開会されました。
「市長の祝勝会参加報道」があり、議会日程は大きく変更となっています。当初、10月6日(金曜日)、10日(火曜日)に予定されていた市長の所信表明に対する代表質問は、16日(月曜日)、17日(火曜日)の2日間となり、連合市民の会は、10月17日(火曜日)の1番目、午後10時からになっています。
10月11日、最初の案件が議員発議の「伏見隆市長に対する問責決議」でした。(議員提出議案)
「市長は、市民全体の代表者として、市政に携わる権能と責務を有することを自覚し、市民の信頼に値する倫理性を保持するように努めなければならない。」
枚方市には「枚方市長の職務に係る倫理に関する条例」があります。条例にもある「市長の責務」を問うのが今回の問責決議です。基本の部分です。
発議の前、議長が伏見市長に発言を求め、伏見市長から説明が行われました。
伏見市長は、10月2日の記者会見の後に行われた、10月6日の議員への説明の際と同様、今回も「心配をおかけしていることをお詫びする」と始められましたが、心配をしているのではなく、市長としての責務、コンプライアンス意識を問うているということをまずは理解いただかなければいけないと思っています。
また、「祝勝会という認識ではなく、選対本部の解散式のつもりで行った」として「事後買収」には当たらないと、繰り返し述べられていますが、公選法では「あいさつ行為」が禁止されているのです。公選法は、誰であっても、選挙後は、選挙人に対して、当選または落選に関してのあいさつをする目的で、「当選祝賀会その他の集会を開催すること」を外形的に禁止しているわけです。会の名称がどうであれ、その実態が選挙関連のあいさつ行為であれば、公選法違反となるわけです。
さらに、当選後は市長であるわけですから、「枚方市長の職務に係る倫理に関する条例」に照らし合わせて、「法律に違反する恐れがある行為を市長自ら行うことは断じて許されない」として、今回、問責決議の発議となったものです。
公明党議員団、日本共産党議員団、自由民主党枚方創政会、そして、連合市民の会からの発議。代表して、連合市民の会の野村議員が議場で提案しました。
大阪維新の会 枚方市議会議員団(10人)を代表して妹尾議員、そして、自由民主党所属の漆原議員により、問責決議案に対する反対討論が行われました。驚きました。
「事後買収」を成り立たせるような金銭的負担を伴う「当選祝賀会その他の集会」でない、伏見市長には、別に申し入れして反省を促しているため、市議会としての問責決議案には賛成できないという理屈は、理解に苦しみます。
採決結果は、賛成20人、反対11人でした。枚方市議会の「伏見隆市長に対する問責決議」は採択されました。
【後日追記】
【録画映像】◇枚方市議会 2023(令和5)年9月定例月議会(第2日)
伏見市長の説明から問責決議案の採決へ
なお、10月11日の議決結果は次のとおりです。
今回、私は、議案第29号の一般会計補正予算(幼児療育園跡地活用事業)で質疑を行いました。
▶ 付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)
▶ 議案書
・(1/2)2023(令和5)年9月定例月議会議案書
・(2/2)2023(令和5)年9月定例月議会議案書(別冊)
・2023(令和5)年9月定例月議会議員提出議案(決議)
◇付議事件(10月11日)の概要について
(★印を付した案件については、以下の「議案質疑」にも記載しています。)
報告8件
報告第12号 2022(令和4)年度枚方市土地開発公社の経営状況について
→[当期純利益]6,827,160円 [準備金]184,785,025円
報告第13号 2022(令和4)年度公益財団法人枚方市スポーツ協会の経営状況について
→[経常収益]393,984,104円 [経常費用]408,726,994円 [一般正味財産増減額]▲14,812,890円
※以上、報告第12~13号は市が出資する外郭団体について、2022(令和4)年度経営状況を報告するもの。
報告第14号 債権の放棄について
→2022(令和4)年度に放棄した債権について報告。
◎くらしの資金貸付金など8債権で1,401件、金額 17,967,059円
報告第15号 2022(令和4)年度枚方市基金の運用状況について
→2022(令和4)年度の定額運用基金の運用状況について報告。
・くらしの資金貸付基金:年度末貸付累計 8,447,353円
・土地開発基金(基金の額 715,450,000円):年度末貸付累計 715,450,000円(貸付・返済ともに運用なし)
・水洗便所等改造資金融資基金(基金の額 10 ,000,000円/融資限度額30,000,000円)、2022(令和4)年度融資額 2,198,000円
報告第16号 2022(令和4)年度健全化判断比率及び資金不足比率の報告について
→国が定める健全化判断比率等について、2022(令和4)年度決算に基づく数値を報告するもの。[実質赤字比率]-(R3-)、[連結実質赤字比率]-(R3-)、[実質公債費比率]0.6% (R3 0.0%)、[将来負担比率]-(R3-)、[資金不足比率]水道・病院・下水道ともに-(R3-)
報告第17号 専決事項の報告について(損害賠償の額を定めることについて、専決第6、7、8号:物損事故、第9号:車両人身・物損事故)
議案(補正予算)8件
★議案第29号 2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第5号)
→補正額 千円 ※内容の詳細は下記
議案第30号 2023(令和5)年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)
→補正額 33,200千円 (制度改正に伴うシステム改修)
議案第31号 2023(令和5)年度大阪府枚方市介護保険特別会計補正予算(第2号)
→補正額 96,357千円
議案第32号 2023(令和5)年度大阪府枚方市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)
→補正額 53,015千円(ひらかたポイント関係経費:受診勧奨事業)
議案第33号 2023(令和5)年度大阪府枚方市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計補正予算(第3号)
→補正額 178千円(母子父子寡婦福祉資金貸付金)
議案第34号 2023(令和5)年度大阪府枚方市水道事業会計補正予算(第2号)
→補正額 収益的収入 ▲2,577千円、収益的支出 54,241千円、資本的支出 8,287千円(他会計負担金及び補助金)
議案第35号 2023(令和5)年度大阪府枚方市病院事業会計補正予算(第1号)
→補正額 収益的収入 228,205千円、収益的支出 57,515千円、資本的収入 3,043千円、資本的支出 500,000千円(府補助金)
議案第36号 2023(令和5)年度大阪府枚方市下水道事業会計補正予算(第1号)
→補正額 収益的収入▲146,943千円、収益的支出 13,291千円、資本的支出 ▲15,283千円(他会計負担金)
※各会計ともに、前年度繰越金や人事異動等による人件費補正が行われています。それ以外の主な補正内容について上記に記しています。
議案(条例)8件
議案第37号 市長等の給与に関する特別措置条例の制定について
→1_現市長の任期中における市長、副市長等の給料の減額措置を講じるため。2_現市長の退職手当を支給しないこととするため。
議案第38号 東部大阪都市計画杉三丁目地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の制定について
→東部大阪都市計画杉三丁目地区地区計画の区域内における建築物の制限を定めるため。
議案第39号 枚方市国民健康保険条例の一部改正について
→出産被保険者の保険料を減額するため。
議案第40号 災害派遣手当等に関する条例の一部改正について
→新型インフルエンザ等対策特別措置法等の改正に伴い、所要の整備を行うため。
議案第41号 枚方市立生涯学習市民センター条例の一部を改正する条例の一部改正について
→枚方市立生涯学習交流センターの日曜日及び休日の開館時間を変更するため。
★議案第42号 枚方市基金条例の一部改正について
→1_枚方宿地区賑わい創出基金を設けるため。2_枚方市くらしの資金貸付基金の額を減額するため。
議案第43号 枚方市保健所事務手数料条例及び枚方市旅館業法施行条例の一部改正について
→食品衛生法等の改正に伴い、所要の整備を行うため。
議案第44号 枚方市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について
→就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の改正に伴い、所要の整備を行うため。
議案第45号 枚方市建築行政事務手数料条例の一部改正について
→マンションの管理に関する計画の認定の審査等についての手数料の額を定めるため。
議案(契約締結)1件
議案第46号 枚方市小中学校体育館空調設備整備DBO事業請負契約締結について
→[施工場所]枚方市枚方上之町9番21号 他、[受注者]エネテック大阪グループ、[契約金額]2,502,500,000円、[契約期間]契約締結日から2040(令和22)年3月31日まで
議案第47号 御殿山小倉線道路整備工事(3工区)その2請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市渚東町、小倉町、上野3丁目 地内、[受注者]㈱柿丸建設、[契約金額]変更前 202,059,000円→変更後260,795,700円、[契約期間]変更前 2022(令和4)年9月26日から2023(令和5)年11月30日まで→変更後 2022(令和4)年9月26日から2024(令和6)年1月31日まで、[変更理由]鋼矢板設置工法、支障木の処分量、残土処分方法等の変更によるもの。
議案第48号 長尾杉線(杉工区)道路整備工事(その4)請負変更契約締結について
→[施工場所]枚方市杉北町1丁目、長尾東町3丁目 地内、[受注者]㈱アキエンタ―プライズ、[契約金額]変更前 160,911,300円→変更後 176,416,900円、[契約期間]変更前 2022(令和4)年6月24日から2023(令和5)年11月30日まで→変更後 2022(令和4)年6月24日から2024(令和6)年1月12日まで、[変更理由]工法の変更及び影響を受ける家屋の事前調査等によるもの。
議案(財産取得)1件
議案第49号 財産(消防団ポンプ車両)の取得について
→[取得物件]消防団ポンプ車両 3台、[契約先]木内ポンプ株式会社、[取得金額]23,034,000円、[用途]枚方市消防団の火災対応業務に使用
議案質疑
◇議案第42号 枚方市基金条例の一部改正について
【内容】
1_枚方宿地区賑わい創出基金を設けるため。
2_枚方市くらしの資金貸付基金の額を減額するため。
◇議案第29号 2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第5号)
本日の議会で、2020年度の受領以降、財政調整基金に積み立てていた指定寄付金2億円を原資とする「枚方宿地区賑わい創出基金」が設置され、積立金予算も可決されました。枚方宿地区の賑わい創出を推進するための確実な財源が確保され、よかったと思っています。
その「基金」を繰り入れて行う幼児療育園跡地活用事業の今回の補正予算の内容は、既存建物解体のための設計委託(2023年度予算180万円と2024年度支払い分[債務負担行為])で、「基金」の今後の活用については、当面、幼児療育園跡地で予定する枚方宿地区賑わい創出施設の整備を優先しつつ、枚方宿地区の活性化に資する取り組みに対し、長期的な視点も視野に入れ活用を図るとのことです。
私からは、着実な解体工事の実施をまずは強く要望し、解体工事にあたっては、アスベスト対応、騒音・振動・ほこり対応等、周辺地域への十分な説明・対応等、公的機関が適切な管理のもと責任を持って実施すべきであることを意見しました。また、幼児療育園跡地活用事業にあたっては、地元意見が反映される仕組みを確実に取り入れていただくよう要望しました。
※議案第29号(一般会計補正予算、以下抜粋の部分)に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。
Q.私の質問
議案書84、85ページ、「22.文化振興費」のうち、「2.幼児療育園跡地活用経費」「(1)整備事業費」の委託料1,800千円、及び、「3.枚方宿地区賑わい創出基金積立金」200,293千円、さらに、議案書61ページ、第2表_債務負担行為のうち「幼児療育園跡地活用事業」16,200千円について、伺う。
先ほど可決された基金条例の改正により設置される「枚方宿地区賑わい創出基金」は、2020(令和2)年度に一般財団法人千清文化教育財団から受領後、財政調整基金に積み立てていた指定寄附金2億円を原資とする基金であるとの説明も受け、そして、本議案で積立金200,293千円も補正計上されている。
その「枚方宿地区賑わい創出基金」の繰入金事業として補正計上されている「幼児療育園跡地活用事業経費」「整備事業費」の委託料1,800千円の内容について、伺う。
また、2023(令和5)年度から2024(令和6)年度までの債務負担行為として補正計上されている「幼児療育園跡地活用事業」16,200千円の内容、その財源について、伺う。
さらに、「枚方宿地区賑わい創出基金」の目的は、「枚方宿地区の賑わいの創出を推進する事業費に充てるため」とされているが、具体的に、今後、どのような活用を想定されているのかについても、伺う。
A.富田観光にぎわい部長の答弁
「幼児療育園跡地活用事業経費」「整備事業費」の委託料1,800千円については、幼児療育園跡地における枚方宿地域の賑わい創出拠点整備に向け、既存建物解体のための設計委託料に係る、今年度支払い分として、1,800千円を計上したものである。
また、「幼児療育園跡地活用事業」16,200千円については、既存建物の解体設計に要する令和6年度支払い分とあわせて、事業者選定が円滑に進むよう、事業者公募に向けた要項の作成をはじめ、事前の各種調査や検討支援などについての業務委託経費である。
なお、財源については、解体設計費には「枚方宿地区賑わい創出基金」の活用を、プロポーザル支援業務委託については一般財源を予定している。
次に「枚方宿地区賑わい創出基金」の今後の活用については、当面、幼児療育園跡地で予定する枚方宿地区賑わい創出施設の整備を優先しつつ、枚方宿地区の活性化に資する取り組みに対し、長期的な視点も視野に入れて活用を図っていく考えである。
Q.私の質問
既存建物の解体設計に取り組んでいかれるとのことであるが、解体工事はいつ実施される予定か、解体に向けてのスケジュールについて、伺う。また、「幼児療育園跡地活用事業」は、今後、どのように進めていく予定か、伺う。
A.富田観光にぎわい部長の答弁
既存建物の解体工事については令和6年度中の撤去完了を目指している。次に、「幼児療育園跡地活用事業」については、解体工事と並行し、令和6年度に事業者の決定を行う予定としており、令和7年度中の施設オープンを目指し取り組みを進めていく考えである。
Q.私の意見
最後は意見である。築50年以上となる幼児療育園の老朽建築物の取扱いについて、「市による既存建物の解体に向け設計と工事の実施」との方針を決められたので、まずは着実に解体工事を進めていただくことを強くお願いする。
なお、幼児療育園は、1970(昭和45)年の建築で、築50年以上経過している。非飛散性のアスベストの使用であると聞いているが、アスベスト含有建材使用のピーク時の建築物であることから、解体に際しては、アスベスト含有建材の使用に係る事前調査、そして、解体、処分までの追跡調査をきちんと行っていただくこと等とともに、地域住民への十分な説明と対応をお願いしておく。
飛散性、非飛散性で廃棄物処理には違いがある聞いているが、アスベストの含有が想定される公共施設の解体については、公的機関が責任を持って実施するというのは当然のことかと思う。そうでなくても、「解体工事」というのは、「騒音」、「振動」、「ほこり」など、周辺地域に及ぼす問題も大きいことから、公的機関が適切な管理の下で責任を持って実施すべきであると意見しておく。
さらに、幼児療育園跡地活用事業としてお示しのあった広場及び歩行空間部分の公的活用の検討、また、事業用定期借地契約に基づく事業者による事業運営の検討等にあたっては、今後、事業者選定審査会の設立手続きを進めていきたいというお考えも聞かせいただいているが、地元意見が反映される仕組みを確実に取り入れていただけるよう、要望しておく。
▶ 幼児療育園の跡地活用。ようやく市による施設の解体工事から動き始めるのか。9月14日、「幼児療育園跡地の活用について」「➂街区に設置する生涯学習交流センターの開館時間の延長等について」です。【2023年8月_総務委員協議会】
▶ 枚方市駅周辺再整備基本計画に定める各街区内の整備だけが、本市におけるまちづくりではありません。「旧京街道エリアの整備について」について質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告②です。【2023年6月定例月議会_一般質問】
▶ 大切なことは、市が適切に公共的なファシリティ・マネジメントを行い続けること。「民設民営」を検討している幼児療育園跡地の活用について、質問しました。【2022年9月定例月議会_一般質問】
【録画映像】◇枚方市議会 2023(令和5)年9月定例月議会(第2日)
議案第29号に対する質疑/奥野
2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第5号)
【追記】 ※市ホームページにアップされました。
2023(令和5)年9月定例月議会(10月11日可決)