GIGAスクール構想に伴う1人1台のタブレット端末の更新は2025年度。本市はオプトアウトにより、LTE通信機器での更新手続きが可能となるか。(教育子育て委員協議会報告③)
枚方市議会議員の奥野みかです。
6月3日に開催された教育子育て委員協議会の報告③です。
(3)GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について[教育研修課]
国の「GIGAスクール構想」に伴う1人1台のタブレット端末について、本市は、2020年度に賃貸借契約(5年)により導入したため、2025年度に賃貸借契約期間が終了する。
国では、1人1台端末を更新する手法として、都道府県内で端末及び契約形態が同じ自治体での共同調達を原則としている。しかし、2024.4.17に国のガイドラインが一部変更(⑤⑥の2項目追加)、本市は国の示す例外条件(オプトアウト)に該当する(枚方市は⑥に該当)こととなったため、本市独自で契約手続きを行い、端末を調達するもの。補助基準額は5.5万円/台で、予備機は15%以内、補助率2/3。
※2024年度、大阪府内では4市のみが更新に該当→大阪市は市独自(オプトアウト)、箕面市(Windows)・守口市(iPad)は既に購入により、枚方市も市独自(オプトアウト)での手続き可能。
なお、更新については、2025年7月より順次、端末更新を行う(~12月予定)。本市は、「いつでも、どこでも(Wi- fiがなくても)アクセスし、学ぶことが可能となる」LTE通信の可能な機器(リース)での更新を予定。8月の委員協議会では機器の説明を予定とのこと。
◇GIGAスクール構想の推進について
奥野の意見
児童生徒1人ひとり個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に向けて進められてきた「GIGAスクール構想」は、コロナ禍のもと、飛躍的に進んだと思います。1人1台端末と通信ネットワークが整備された環境で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実にも取り組まれ、その効果についても実感されてきているかと思います。
「不登校・やむを得ず登校できない児童・生徒へオンライン配信」「外国にルーツを持つ児童・生徒へ翻訳アプリの活用」「聴覚障害の児童・生徒に対して文字起こしによる支援」「文字だけでなく、映像や音声による支援により、認知機能を向上」等、学びの保障の例も多く挙げていただいています。
枚方においては、他より早い2025年度に更新時期を迎え、LTE通信可能な通信機器をオプトアウトで調達できるとのことですが、継続した子どもたちの学びを止めないためにも、引き続き、同様の機器での更新をお願いしたいと考えています。
他の委員の質問
・ストレージが少ない。バッテリーの消費が早い等の課題への対応。使用アプリの精査について。
→空き容量やバッテリーの消耗等についてはアップデートし、スペックの向上を図る。アプリへのログイン率やアンケート調査を行うなど、使用アプリについてはネクスト・ギガ・リプレイス意見聴取会等でも検証・検討してきた。
・課題や考え方について。
→現在のLTE通信機器の、いつでも、どこでもアクセスできるというメリットは非常に大きい。今後は、さらに端末の処理能力を高め、メタバースやVR等の高度な機能の活用も検討したい(拡張現実/AR)。(例)東香里中がメタバース機能を活用してカンボジアの子どもたちとの交流を実現。ただし、予算が膨らむのは必至。費用対効果も踏まえ、要不要を精査していく。
・1人1台端末の利用率の全国比較について。
→毎日持ち帰りが100%など、枚方のポイントが高いのは、LTE通信が可能なタブレット機器のプラス面でもある。1人1台タブレットにより、個別最適な学び、協働的な学びを深めていきたい。
・脳科学の川島隆太教授は、「スマホやタブレット等の多用は、高次なコミュニケーションをつかさどる前頭前野を中心とする脳の発達に課題がある。脳が働かない。注意力の欠如につながる。」との警告がある。
→スマホやタブレット等活用の問題点等を検証し、つきあい方、活用のしかた等について検証していく。
・障がい特性によっては、タブレット活用の大きな効果を得ている児童生徒もいる。
→文字入力、写真入力、自分のペースでの活用、共同編集ツール等々の機能の活用により、個別最適な学びにつなげていきたい。
【参考】
◇「GIGAスクール構想の推進における1人1台端末更新に向けた進捗状況の報告について」(2024年2月14日_教育子育て委員協議会資料)より以下抜粋
◇1人1台端末の着実な更新における補助要件に関する要望(枚方市教育委員会)
要望1 「共同調達からのオプトアウト要件の追加について」
・オプトアウト要件に1人1台端末の活用率を採用すること
例:「児童・生徒同士がやり取りする場面」「児童生徒が自分の特性や理解度・進度に合わせて課題に取り組む場面」「家庭に持ち帰って利用する場面」で週3回以上活用している割合70%以上
要望2 「シームレスな学びを引き続き実現するための補助対象経費の拡充について」
・LTE通信に必要な経費を補助対象経費とすること
・1人1台端末破損・故障に伴う保守費用を基本パッケージ補助対象とすること
要望3 「将来的な検討課題について」
・家庭に対する給付金を補助対象経費とすること
例:今後、全員に共通の端末や統一の学習支援ソフトを貸与するのではなく、それらを家庭で話し合い選択、調達する方式(いわゆるカタログリスト)が必要である。その観点から、将来的には家庭に対する給付金についても補助対象として検討を要望。