アダルトビデオ出演強要問題に関し内閣府へ緊急要請(立憲民主党)

2022/04/01

枚方市議会議員の奥野みかです。

立憲民主党は4月1日、内閣府へアダルトビデオ出演強要問題に関する緊急要請を行いました。(立憲民主党ホームページ_アダルトビデオ出演強要問題に関し内閣府へ緊急要請

2022年4月1日以降、成人年齢の18歳への引き下げに伴い、未成年者取消権を持たなくなる18歳・19歳の若者が、自由な判断ができない状況でアダルトビデオ出演に関する契約をさせられるなどしてアダルトビデオ出演を強要される被害が増加することが懸念される中での緊急要請です。

なお、この問題への対応について関心が高まる中、政府は、3月31日、「『アダルトビデオ』出演強要問題緊急対策パッケージ」を公表しました。AV人権倫理機構の自主規制で出演年齢を20歳以上とすることを強く推奨するなど、各種法制度の運用強化等の対策を進めるとしています。

立憲民主党は、こうした対策の効果を注視しつつ、アダルトビデオ出演強要による被害の防止・救済のため、抜本的な制度・規制の見直し等を求めていくとしていますので、私もしっかりと確認していきたいと思っています。

 


 

2022 年4 月1 日

内閣総理大臣 岸田文雄 殿
内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 野田聖子 殿

アダルトビデオ出演強要問題に関する緊急要請

立憲民主党 内閣部会
法務部会
厚生労働部会
消費者部会

 民法改正によって成年年齢引き下げが実現する。成年年齢引き下げは、若年者が親権者の同意なく契約ができ、大人としての社会参画を促すことができるなどメリットも期待されているところであるが、その一方で未成年者であれば無条件に保持していた未成年者取消権を喪失することで様々なリスクにさらされることが指摘されている。
そもそも、民法の成年年齢引き下げの議論が行われた法制審議会では、未成年者取消権喪失に対応した法整備と国民の理解醸成が指摘されていたところである。しかし政府は、それらがなされているとして、2018年に民法改正に踏み切った。残念ながら、どちらの条件についても十分な対応ができているとは言い難く、このままでは18歳、19歳の若者が成年となるそのスタートラインから悪質業者による消費者被害に遭う可能性が大きく残されている。例えば、アダルトビデオ出演強要問題は、悪質事業者がモデルやタレント契約と称して契約をさせ、契約者本人が認識した時には引き返すことが困難な状況に陥り、半永久的にインターネット上に映像が残される可能性が非常に高い。
以上のことから、あらゆる取引について、若年成人が未成年者取消権を失うことへのリスクには、喫緊に国として対応しなければならないことを念押ししたうえで、特にアダルトビデオ出演強要問題については、所轄官庁の不在・アダルトビデオ出演に関する契約書面の不備・消費者契約法が適用できることの認知不足や立証の困難さなど、明らかに政府の対応が不足していることから、以下、5点について緊急要請する。

1.早急に政府で検討し、中心となる所轄官庁を決定すること。決定までの間は、臨時の所轄官庁として、内閣府男女共同参画局を指定すること
2.アダルトビデオ出演等に関する契約については、出演者が意図せぬ精神的・身体的苦痛を受けることがないよう、重要事項について定め、必須の記載事項とすること。記載事項に不備がある場合は契約無効もしくは契約取消とすること
3.包括的つけ込み勧誘取消権の創設(18歳、19歳以外のアダルトビデオ出演契約取消を含む)は当然として、アダルトビデオ出演契約が、消費者契約法の対象となることの周知徹底及び、立証責任の転換について早急に検討すること
4.18歳、19歳のアダルトビデオ出演契約について、臨時的に取消権を与える制度を創設する立法措置を講ずること
5.アダルトビデオ出演強要による被害者のための相談体制を充実させること

なお、デジタル化が進展し、コロナ禍で生活様式が変わる中、性風俗に関する被害はより一層深刻化・多様化していることから、被害の予防と被害からの救済のため、抜本的な制度・規制の見直しや法的対応を図る必要があることを付言する。

以上

 


 

「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージ(令和4年3月31日/いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議決定)

「アダルトビデオ」出演強要問題緊急対策パッケージ(概要)

 

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