とても滑らかなロボットアームの動きに感動。市立ひらかた病院の内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴインチ」(da Vinci Xi Surgical System)の内覧会に行ってきました。

2022/07/02

枚方市議会議員の奥野みかです。

7月2日(土)の午後は、市立ひらかた病院に導入される、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴインチ」(da Vinci Xi Surgical System)の内覧会に出席しました。

最初は、これまでの「腹腔鏡手術」の鉗子を使っての操作体験。
開腹手術に比べると、格段の技術の進歩であったと思います。しかしながら、3Dカメラ用の眼鏡を着用して、3次元のモニター映像を見ながらになりますが、まっすぐな鉗子を使ってモノを掴むのはとても難しかったです。手元の動きと鉗子の動きは逆方向になるので、訓練が必要ですね。

向かって左側が2次元、右側が3次元のモニター映像です。

続いて、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチXI」の操作体験。
操作ボックス(サージョンコンソール)から見える映像は3Dで、奥行きを感じて操作できますし、ロボット本体(ベーシェントカート)のアーム(ロボットアーム)に取り付けられた手首のような器具(インストゥルメント)をコントロールする操作具(マスターコントロール)からは、360度回転などの関節の動きが可能。人間の手首や指よりも正確で細やかな動きができるのではないかというくらいのロボットアームのとても滑らかな動きに感動しました。腹腔鏡の鉗子の可動域とは、雲泥の差。こちらの鉗子は、長い棒を動かして、その先で作業しているという感じでしたが、ロボットアームの先の動きは、人間の手よりも自然な感じの動きで、手ぶれも少ないように感じました。
操作ボックス(サージョンコンソール)の操作具(マスターコントロール)から、つまり、手元から、カメラの視野や方向も調整できるので、人間の目で見るよりも見たいところを確実に見ることができるようです。

少しだけですが、ダ・ヴィンチが動いているところです。

 


ここからは、操作体験の後の研修の報告です。林院長と、河合医師(プロジェクトチームのリーダー)からお話をいただきました。

市立ひらかた病院消化器外科において、腹腔鏡手術の割合は、2020年で87.3%、2021年で93.3%とのことです。
開腹手術は本当に少なくなっているんですね。

市立ひらかた病院には、4人の腹腔鏡技術認定医がいます。

ここにロボット手術が導入されることになります。

開腹手術は、術後の痕も残りますし、回復にも時間を要します。合併症のリスクも高いと言われています。
腹腔鏡手術では、腹部に鉗子を挿入する小さな穴を数か所開けるだけなので、術創が小さく、術後痕もほとんど目立たず、合併症のリスクも低減されます。しかしながら、まっすぐな鉗子の可動域等の関係から、技術的な課題が残ります。
それらを超える利点が期待できるのが、内視鏡手術支援ロボット、ということです。手ぶれも少なく、合併症リスクも低い。手術後の回復も早く、QOLの向上にも資すると言えます。
患者さんにとっても、執刀医にとっても、メリットがある、ということでしょうね。

胃がん手術において、腹腔鏡手術よりもロボット手術の方が、生存率・がん再発率ともに改善したとの報告です。

世界における実績(システム導入台数、累積症例数等は次のとおり。

公立病院での導入事例も増えているようです。

診療科ごとの医師数で言うと、小児科・外科の医師数は大きく減少しているのですね。

ロボット支援手術の保険適応疾患は次のとおり。

市立ひらかた病院で、7月中旬から濃い黄色の部分を、その後、8・9月頃から薄い黄色の部分の手術を予定しているということです。

内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴインチ」の購入価額は約3億円。減価償却、メンテナンス費用、消耗品代、医師等の研修費や人件費を考えると、年間、どれだけの手術件数をこなすとよいのだろうか、という課題は残ると思いますが、地域医療支援病院でもある市立ひらかた病院として、患者さんに必要な安全な手術をしっかりと提供していただけることを願っています。

 

これは、手術室の消毒を行うロボットです。


 

大阪医科薬科大学のホームページに、市立ひらかた病院のスタッフを対象に「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を実施したという記事がありました。

国産の手術支援ロボット「hinotori」の普及も期待されるところですね。

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