子どもや家庭をめぐる問題が複雑・多様化するなか、子どもの最善の利益を尊重し、誰一人取り残さないための体制整備が求められている。「子どもを守る」ために重要なことについて質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告⑦です。

2020/09/20

ここでは、「7.『子どもを守る』ために重要なことについて」の報告です。

子どもや家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、子どもの虐待などの報道が絶えないなか、子どもの「安心・自信・自由」の権利を尊重し、「子どもを守る」ための体制をしっかりと作ることが重要になっています。
「『子どもを守る』ために重要なことについて」では、まず、全国の中核市における児童相談所の設置状況と、本市における、児童相談所の設置に関する考え方について、確認しました。平成31年4月現在、中核市54市のうち児童相談所設置は3市、本市を含む26市は「設置の有無を含めて検討中」とのことでした。
児童相談所の中核市への設置について、大阪府とどのような話になっているのかを確認することも含め、本市の子ども家庭支援と大阪府の児童相談所の役割の違いについても質問を行いましたが、本市として、「子どもを守る」ために最も大切なことは、理念的な条例を作ることでもなく、情報をシステムで一元管理することでもなく、子どもの最善の利益を優先し、目の前にいる、現に危険な状況にある子どもたちの支援のために動ける人材の確保と体制の整備であり、児童相談所の移管の働きかけに対しても、「子どもを守る」ために真に必要な支援体制を整えるという観点をしっかりと持って対応いただくことを要望しました。

 


 

以下、9月15日の一般質問のやりとりを掲載します。

7.『子どもを守る』ために重要なことについて

Q.私の質問
子どもや家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、子どもの虐待などの報道は絶えない。子どもの「安心・自信・自由」の権利を尊重し、「子どもを守る」ための体制をしっかりと作ることが重要になっている。
その際、非常に重要な役割を果たすのが、児童相談所である。
中核市も児童相談所を設置できるよう法は改正されているが、全国の中核市における児童相談所の設置状況について、また、本市における、児童相談所の設置に関する考え方について、伺う。

A.子育ち支援監の回答
「厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課の調べ」によると、平成31年4月現在、中核市54市のうち、児童相談所を設置されているのは、横須賀市、金沢市、明石市の3市で、児童相談所を「設置する方向」で進められているのが奈良市の1市、「設置の方向で検討中」が旭川市、船橋市、柏市、豊橋市、鹿児島市の5市となっている。
その他、19市については、「設置しない」若しくは「未検討」、残り26市が、本市を含め「設置の有無を含めて検討中」としている。

Q.私の質問
本市の考え方としては、「児童相談所の設置の有無を含めて検討中」とのことであるが、本市の子ども家庭支援と府の児童相談所の役割の違いについて伺う。

A.子育ち支援監の回答
基礎自治体である本市の役割としては、子ども家庭支援全般に係る、家庭の実情の把握・相談等への対応など、子どもや保護者家族全体の状況把握に努め、子どもが深刻な生命の危機に陥らないよう、予防的な支援や児童虐待の重症化防止対策を図るとともに、地域の社会資源と連携を図りながら、それぞれの家庭に寄り添った支援を行っている。
一方、大阪府では、市町村と適切な連携を図りつつ、子どもの安全の確保に万全を期すため、子どもと保護者とを引き離し、一時保護等、法的権限による介入的役割を担っており、時として保護者や子どもの意に反して子どもを保護する強権的な立場を担っているところである。

O.私の意見
「子どもを守る」ために最も大切なことは、理念的な条例を作ることでもなく、情報をシステムで一元管理することでもなく、子どもの最善の利益を優先し、目の前にいる、現に危険な状況にある子どもたちの支援のために動ける人材の確保と体制の整備だと考える。
大阪府は、今後、中核市への児童相談所の移管を強く働きかけてくるのではないかと思うが、本市における「子どもを守る」ために真に必要な支援体制を整えるという観点をしっかりと持って対応いただくよう、求めておく。

 


 

以下、児童等に対する必要な支援を行う体制のイメージ図等、厚生労働省ホームページの資料を引用します。

 

 

▶ 2019(令和元)年10月15日開催の 第4次少子化社会対策大綱策定のための検討会(第5回)資料 「子育て支援施策について(厚生労働省)」

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