寄附金を原資とする「こども夢基金」を子どもたちの2回目の万博入場料負担の財源とするのは妥当か⁉ 3月14日、予算特別委員会2日目(総論及び総務・教育子育て部門)では、まずは、状況変化に応じた対応や財政規律の回復等を踏まえた予算編成についての考え方を質し、万博入場料負担等の個別課題について順次質問しました。

2024/03/14

枚方市議会議員の奥野みかです。

2024(令和6)年度当初予算案は予算特別委員会に付託され、A日程(総論及び総務・教育子育て部門)の3月12日、14日、B日程(総論及び市民福祉・建設環境部門)の3月19日、21日、C日程(特別会計・企業会計)の3月25日の5日間にわたって開催される予算特別委員会で審議することになっています。
予算特別委員会は15人で、「連合市民の会」会派からは、野村議員と私の2人が出ています。今日はその2日目(総論及び総務・教育子育て部門)でした。

質問の順番が8番目の私は、朝一番に質問に立ち、10の観点から質問をしました。

今年1月1日に発生したM7.6の能登半島地震を受け、近い将来にM9.1規模での発生が想定される南海トラフ巨大地震のリスクへの対応も含め、本市の最優先課題である「大規模災害に備える」ということに対して、市はどのように取り組んでいく考えか、市長のリーダーシップの危機感をもってどのように具体化する考えか(状況変化に応じた対応)ということと、新型コロナウイルス感染症対応等で膨張した緊急時の財政運営からの脱却(財政規律の回復)等、予算編成についての考え方を質すということから始めました。個別課題では、万博入場料の公費負担、公共施設の適正管理の諸課題、第1優先で取り組む課題が小学校給食の無償化であるのか等を順に質問していきました。

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【3月14日の質問項目】

(1)予算編成についての考え方
①状況変化に応じた対応 ~能登半島地震を踏まえての対応(大規模災害への備え)~
②財政規律の回復 ~緊急時の財政運営からの脱却について~
(2) 指定寄附金の収入と各基金への積立について
(3) 寄附金を原資とする各基金繰入金事業について
(4) 子どもたちが大阪・関西万博に触れる機会の創出について
(5) 幼児療育園跡地活用事業について(枚方宿地区賑わい創出基金)
(6) 地域子育て支援拠点事業費(重層的支援体制整備事業経費)
(7) もと公設市場の維持管理について(商工費/施設維持管理経費)
(8) 庁舎管理経費について(第3分館、本館・別館、サンプラザ3号館)
(9) 小学校給食の無償化事業/学校給食費支援事業
(10)システム標準化・共通化対応事業

[2022年の写真です。イメージだけでもお伝えできれば…。]


 

※以下、質問のやりとりを掲載します。

(1)予算編成についての考え方(その①/状況変化に応じた対応)

~能登半島地震を踏まえての対応(大規模災害への備え)~

最初に、「予算編成についての考え方」について、「1.状況変化に応じた対応」、「2.財政規律の回復」という2つの方向から質問させていただく。
まず、「1.状況変化に応じた対応」では、能登半島地震を踏まえての対応、大規模災害への備えについての質問である。

Q1.私の質問

令和6年度予算案の編成過程であった2024年1月1日に能登半島地震が発生した。南海トラフ巨大地震への備えの重要性を痛感させられたが、この事態を踏まえて、予算案の修正が行われた箇所があったのか。あれば具体的内容について、なければ、なぜ修正を行っていないのかについて、その理由を伺う。

A1.福山財政課長の答弁

これまでから、今後想定される南海トラフ地震や近年の気候変動に伴う大型台風などの自然災害に備えた対応として、各所管部署が不断の取り組みとして実施しており、2024(令和6)年度当初予算においても、住宅・建築物に係る耐震改修補助や災害時の避難所の環境改善を踏まえた学校体育館の空調整備災害時備蓄品管理システムの導入、ため池ハザードマップの更新、雨水ポンプ場耐震化などに要する経費を予算計上しており、本年1月1日の能登半島地震を踏まえ、改めて2024(令和6)年度の予算編成過程において修正等を行ったものはない。

Q2.私の質問

「大規模災害対策のために必要なものは、きちんと予算化していたから修正の必要性はなかった」という答弁である。当初予算編成過程として、1月9~11日に都市経営会議が開催され、各担当部局から要求された事業予算の要求額・査定額の一覧表がホームページに公表されている。
この会議を含めて、予算案の最終決定までの間に、改めて本市市域における大規模災害対策の検証・検討を行い、当初予算に反映すべき対策の有無について確認を行うといった庁内会議の開催はあったのか、なかったのか。これは、清水副市長に伺う。

A2.清水副市長の答弁

予算案の最終決定までの間に、本市市域における、大規模災害対策の検証・検討を行う庁内会議については開催していないが、この間、能登半島地震に伴う被災地へ、職員を派遣していることから、これにより現地で得られた知見を検証し、本市の災害対策・防災体制に必要となる対応をしていく。

Q3.私の質問

今回、能登半島地震を踏まえると、南海トラフ地震等に備えた更なる対策として、インフラの更新・耐震化等の整備・改修、老朽施設の解体等の対策を加速度的に進めるための予算対応が求められていると考えるが、ご答弁では、「改めての検証・検討も行っていない」ということである。
能登半島地震の被災状況を見れば、例えば、避難所に避難した被災者が相変わらずプライバシーも確保もされずに体育館にゴロ寝させられていた状況、水道も下水道も途絶えた状況での避難所運営、避難所避難をしない多数の被災者の存在などが確認されており、本市においても早急に充実を図るべき対策課題が見えていたのではないか。

本市として、南海トラフ等の地震対策強化の観点から、前倒し、または新規で予算化し取り組まなければならない施策や事業の検討は行ったのか。例えば、次のような課題に対する予算措置は必要ないのか、市の見解を伺う。
1つは、例えば、寝屋川市では、避難所避難者の環境改善のため、単なる間仕切りではない防災テントの配備を完了しているが、本市ではどうか。次に、ニッペパーク岡東中央に防災機能を整備する考えを示されているが、それならばどのような機能を有する公園とするかについて、費用をかけて早急に計画策定を行う必要はないのか、市の見解を伺う。

A3.新内危機管理部長の答弁

本市では、避難所の生活環境改善及び感染症予防のため、パーティションと簡易ベッドを、2021(令和3)年度に購入しており、市全体での備蓄数については、それぞれ約2,400基ずつとなっている。
次に、ニッペパーク岡東中央を拡大する公園・広場においては、今後、防災機能の導入を図ることとしており、整備内容が明確になった段階で、地域防災計画と調整等を図り、必要な対応を検討していく。

Q4.私の質問

2024(令和6)年度予算編成に関する総論として、大規模災害の発生という状況変化にどう対応しようとしているのかということを確認させていただいた。ここまでのまとめとして、市長に伺う。
南海トラフ巨大地震の発生が確実視されているわけであるから、能登半島の「次の被災地・被災者」は、私たちである危険性が高いのにもかかわらず、予算案編成過程において、そうした危機感がまったく感じられない。市民の命を守るのが最大の使命である市長の政治的リーダーシップが発揮されていないのでないか。市長の見解を伺う。

A4.伏見市長の答弁

我々、基礎自治体にとっての使命は様々あるが、最大の使命を1つだけ挙げるのであれば、それは、市民の生命と財産をしっかり守り抜くことであると考えている。
これまで、東日本大震災や熊本地震、そして大阪北部地震などの教訓や経験を元に、防災体制の強化に努めてきたが、今回の能登半島地震での課題等を踏まえながら、引き続き防災・減災対策に万全を期していく。

私の意見・要望

使命はご認識いただいていても、優先順位が低く、具体化の動きが遅いと思う。
例えば横浜市は、元日に発生した能登半島地震を受け、市民の安全・安心に寄与する事業を推進するために、ハード・ソフトの両面から、被害の防止・軽減に努めるための『地震防災対策強化パッケージ』のための経費を、このほど公表された2024年度予算案に約217億円を追加計上された。山中・横浜市長は記者会見において、「予算案編成は通常、前年末時点である程度確定しているが、今回は元日に能登半島地震が発生したことを受け、災害対策について急きょ編成し直した」と明らかにされている。
職員派遣によって能登半島の現地で得られる知見以前に、枚方の地域特性や被災特性は十分研究されていなくてはならないし、予算化すべき事項も検討されていなくてはならない。それをどのタイミングで具体化するかの判断において、能登半島地震の発生から予算案の確定までの時期が重要であったということを申し上げたいわけである。横浜市の判断にも学ぶべきことが多いのではないか。

2024年1月1日に発生した能登半島地震のマグニチュードは7.6。M9.1が想定される南海トラフ巨大地震は、約10年後に必ず起こり(2035年±5年)、その災害規模は東日本大震災より10倍大きいと言われる。想定の「前提」を誤ると、実際の発災時にはすべてが「想定外」となってしまう。
大規模災害に備えるということは本市の最優先課題である。いま、市政で最優先にすべき課題の1つが、近い将来に発生が予測される南海トラフ巨大地震のリスクへの対応であるわけである。市長のリーダーシップの危機感をもって防災力のさらなる向上に向けた取り組みを具体化し、必要な予算については、国の財源も活用しながら、後送りすることなく速やかに行うことを求めておく。

防災備蓄倉庫管理経費

Q5.私の質問

次に、(一般会計予算説明書369ページ)、「備蓄品管理事業経費」についての質問である。
事業の概要については、一作日の他の委員へのご答弁で理解した。説明のあった、新たに導入する災害備蓄品管理システムで、大規模災害時に、物資の流通をどこまで適切に管理できるのか、またその前提となる避難行動との関係をどう考えるのかという観点から質問させていただく。
大規模災害時には、市民への物資を提供する拠点は、第一次避難所や福祉避難所などの指定避難所が中心になると伺っている。
しかしながら、これまでの大規模災害、例えば、熊本地震や能登半島地震においても、非常にたくさんの指定外避難所が立ち上がったという事実がある。また市は、「避難とは避難所に行くことのみを指すのではない」と「在宅避難」についても避難行動の1つであるという考え方に変更されている。従って、例えば新しいマンション居住者は、遠く離れた学校等の避難所には避難しない。
では、指定外の避難所や在宅避難者に対する物資の提供をどう考えているのか、またシステムには、指定外の避難所についても配送先として追加登録できるような機能があるのか、伺う。

A5.臼井危機管理対策推進課長の答弁

大規模災害時には、トラックなどの物流資源や物資をさばく人的資源が限定される中で、市全域をカバーするために、第一次避難所や福祉避難所を最優先の配送先と想定しているところである。
また、配送先の管理については、現時点では、システムに指定避難所以外の配送先は登録していないが、機能上は配送先の追加が可能となっている。

私の意見・要望

新たに導入する災害備蓄品管理システムについても、体育館を中心とする第一次避難所への避難所避難から実態として多様化する避難実態に応じた対応等はまだまだということだと思う。
この間、能登半島地震に伴う被災地へ職員派遣を行っているわけであるから、被災地で得た貴重な知見や国の補正予算など支援措置の状況を踏まえ、今後適切に予算措置を講じていくことをあらためて要望しておく。

(1)予算編成についての考え方(その②/財政規律の回復)

~緊急時の財政運営からの脱却について~

次に、「予算編成についての考え方」、「2.財政規律の回復」で、緊急時の財政運営からの脱却についての質問である。ここでは、能登半島地震を踏まえての緊急対応、大規模災害への備えという「1.状況変化に応じた対応」、すなわち、首長のリーダーシップを要する対応とは異なった方向からの確認になる。

Q6.私の質問

1,400~1,500億円の規模で推移している本市の当初予算について、2020(令和2)年度以降、補正予算の占める割合が非常に大きくなり、当初予算額と最終予算額の差が開いていることについて、「当該予算は基本的に通年で見込まれる1会計年度の予算総額を計上しているが、この間、当初予算では見込むことができなかった、緊急に対応する必要のある新型コロナウイルス感染症対策や原油価格・物価高騰対策など、国から示された様々な施策を実施するにあたり、補正予算措置の必要があったため」との説明を受けた。
2024(令和6)年度の当初予算に市は1,557億円を計上しているが、今年度は、コロナ禍で膨張した財政をどのように立て直していくかが注目されているのではないか。市の見解を伺う。さらに、3月に見込んでいる2024(令和6)年度予算の補正予算も含め、2024(令和6)年度の補正予算の見通しについても伺う。

A6.福山財政課の答弁

まず、コロナ禍後の財政運営についてであるが、幸いにも、コロナ対策として多額の国庫支出金が措置されたことなどにより、長引くコロナ禍においても本市財政運営に多大な影響を与えるような状況にまでは至らなかったと認識している。また、コロナ禍においては、個人や事業者の感染防止対策や療養者支援など多額の予算を計上していたが、昨年5月の5類移行時から精査を行ってきており、2024(令和6)年度当初予算では、それを反映し、保健所での感染予防対策経費などについて縮小したところである。
次に、2024(令和6)年度の補正予算見込みであるが、国の施策である定額減税により措置されない低所得世帯への給付について、速やかに支給する必要があることから、国の動向を見極めながら早期に予算化を行う必要があると考えている。

この他、補正予算で対応する経費としては、基本的に新たに国や府の財源が見込まれる経費、前年度の国や府事業の実績確定によりその償還が生じる経費、人事異動に伴う人件費など、当初予算編成時点では見込めなかったものについての対応を想定しているが、これ以外に、国の補正予算に伴う対応や災害など不測の事態への対応など、急遽予算化し対応が必要となる事象が生じた場合には、補正予算が必要になってくる。

私の意見・要望

2020(令和2)年度以降、補正増額された財源は国庫支出金が主で、国から要請のある事業・施策に追われてきたというのが現状ではないか。この間、当初予算に計上すべきものを補正予算にまわしていないか、緩んだ財政規律の回復を意識しているか等、コロナ禍対応で膨らんだ歳出を「平時に戻す」方針は踏まえられたのかという点が重要である。
短期的には、社会経済情勢に応じた柔軟性・即応性が必要である。首長のリーダーシップによるところも大きく、この度の能登半島地震を踏まえての大規模災害への備えやインフラ整備・更新の加速化、病院経営の危機回避に対する財政出動などという判断も必要となるのではないか。
一方、中長期的には、将来世代のためにも、財政の健全性、持続性を取り戻す取り組みが重要になってくるので、平時の適切な財政運営により、リスク時(危機時)の耐性も高めていただきたいとお願いしておく。市長は「強固な財政⁇」であると評価されていたが、特に継続的に財政出動が必要となってくる新規施策の導入に関しては、「はじめに結論ありき」の姿勢で臨むのではなく、市民や職員との丁寧な対話を重ねながら十分な検討・検証を行っていただきたいとお願いしておく。

(2) 指定寄附金の収入と各基金への積立について

Q7.私の質問

次に、「指定寄附金の収入と各基金への積立について」の質問である。
指定寄附金として基金に入る原資の多くは、ふるさと納税による寄附金収入であるとのことであるが、各基金への積立金予算は、どのような考え方で積算されているのか、伺う。

A7.田中広報プロモーション課長の答弁

委員ご指摘の通り、各基金への積立金の原資については、その多くがふるさと納税による寄附金収入であり、さとふるやふるさとチョイスといったポータルサイトを通じて寄附をいただくものが大半である。
ポータルサイトを通じて受け付けた寄附金につきましては、寄附者に使い道を指定いただくが、その使い道ごとに受け入れ先の基金が紐づいている。
そのため、各基金への積立金の予算積算にあたっては、まずは広報プロモーション課において、昨年度実績に基づき、新年度のポータルサイトを通じた寄附金総額を見込んだ後、各基金の寄附実績割合に応じて案分した金額を各担当課に情報提供している。

私の意見・要望

各基金の積立金予算額の積算にあたっては、ふるさと納税のポータルサイトを通じた寄附金分の見込みを広報プロモーション課からの情報提供を受け、各担当課が個々の状況に応じた加算を行っているとのことである。
例えば、(一般会計予算説明書131ページ)、「こども夢基金積立金(指定寄附分)76,297千円」について担当の企画課に確認すると、ふるさと納税のポータルサイトを通じた寄附金分の見込み72,791千円に加え、窓口受付分のふるさと納税の寄附金及び団体からの寄附金分として3,125千円、総合体育館などスポーツ施設に設置の自動販売機の売り上げのうち、こども夢基金への寄附金分381千円の合計で、76,297千円の指定寄附金収入を見込んでおられるとの説明であった。

(3) 寄附金を原資とする各基金繰入金事業について

Q8.私の質問

次に、「寄附金を原資とする各基金繰入金事業について」の質問である。
一般財源である「税」を充当する施策・事業については、行政としての意思決定と議会による予算議決に基づけば、基本的には使途に制限はないが、市民や事業者が特定目的に賛同する寄附者となり、特別な負担を自主的にしていただいた寄附金については、寄附者の意思に沿った特別な使途であることが必要だと考える。
それゆえ、市民や事業者からの寄附金を原資とする基金の充当先については、国・府・市の財源を充当することが困難であるとか、基金目的の実現に寄与する独自性や希少性があるなど、基金の充当先が妥当であることを「責任」をもって説明できることが必要である。
寄附金を原資とする「こども夢基金」は、2023(令和5)年度最終予算額において47,858千円を積み立て、21,813千円の取り崩しが見込まれ、基金残高の見込みは424,272千円。そして、2024(令和6)年度予算では、基金利子分も含めて76,695千円を積み立て、43,165千円の取り崩しが見込まれている。
(一般会計予算説明書77ページ)、「こども夢基金繰入金」であるが、寄附金を原資とする「こども夢基金」から充当される43,615千円に「大阪・関西万博への子どもたちの無料招待事業」の4,800千円が含まれており、さらに、「2025(令和7)年度債務負担額 62,000千円」にも、「こども夢基金」からの充当を見込まれているとのことである。これは、寄附者の意思に沿った充当に値すると説明できると考えているのか、伺う。

A8.北田企画課の答弁

こども夢基金は、「こどもの夢を育む教育・子育てに係る事業の推進」を目的に設置しており、個人のふるさと納税による寄附金や団体からの寄附金を受け入れている。
ふるさと納税をお申し込みいただく際には、寄附金の使い道として「子どもの夢を育む取り組みを推進する」旨、説明している。
これまで、こども夢基金を活用し、プロの芸術家やスポーツ選手を招待し、本物に触れる機会として「中学生のオーケストラ鑑賞事業」、「トップアスリートとのふれあい事業」、演劇を通してコミュニケーション能力の向上をめざす「コミュニケーション事業」や、吹奏楽団を結成し、プロの指導を受けることで演奏技術の向上等をめざす「ひらかたジュニアブラスバンド事業」など、子どもたちの知的・技術的な関心を高める事業をはじめ、2022(令和4)年度には、市制施行75周年記念として実施した「1000人で大合唱」、今年度は、「ひらかた人形劇フェスティバル支援事業」など様々な事業を実施している。
また、これら事業実績と当年度に実施予定の事業案内は、市ホームページに掲載しており、こども夢基金の活用を紹介するとともに、寄附金募集のPRを行っているところである。
2024(令和6)年度当初予算における大阪・関西万博無料招待事業への活用については、「いのち輝く未来社会のデザイン」を実際に体験し、将来の夢や希望へとつなげていただくもので、子どもの時期に国内のみならず、世界各国の最新技術や優れた芸術に出会うことは、一生忘れられない貴重な体験へとつながることから、こども夢基金の目的に合致しており、寄附者の意思に沿った活用であると考えている。

(4)子どもたちが大阪・関西万博に触れる機会の創出について

Q9.私の質問

今のご答弁に含まれていたが、次は、(当初予算の概要5ページ)「子どもたちが大阪・関西万博に触れる機会の創出について」の質問である。
大阪・関西万博無料招待事業の財源として、寄附金を原資とする「こども夢基金」を繰り入れることとした理由について、改めて、伺う。「こども夢基金」を財源とすることが妥当であると、いつどのように判断したのか、決定のプロセスについても伺う。

A9.北田企画課長の答弁

こども夢基金活用事業の提案募集に対して、大阪・関西万博への子どもたちの無料招待事業の提案があり、事業採択したため、基金を繰り入れるものである。
また、決定のプロセスについては、毎年度、当初予算の要求時期とあわせて、事業の提案を募集しており、2024(令和6)年度の募集に対しては、7課から10事業の提案があり、各事業において、「基金の使途目的に合致していること」、「事業実施にあたり参加者へ『こども夢基金』をPRすること」の要件に該当しているかを確認のうえ、事業効果などから査定し、都市経営会議での確認を経て採択しているものである。

私の意見・要望

「こども夢基金の目的に合致しており、寄附者の意思に沿った活用である」とのご答弁であるが、次の理由で不適切だと考える。
先に述べたように、寄附者による特別な負担である寄附金は、国・府・市の財源を充当することが困難であるとか、基金目的の実現に寄与する独自性や希少性がある事業経費の財源として大切に使うべきである。
その点、2回目の万博入場料負担などという性格の経費は、それらに合致するのか。1回目の「無料招待」は大阪府の財源で賄われる。2回目はぜひ市町村負担でという大阪府の要請に従って、枚方市の行政判断で行うものであるから、流れからしても市の一般財源で負担すべき経費である。そして、そもそも万博に子どもを複数回来場させる必要性があるのかという点についても疑問である。政府も、参議院での質問主意書に対して、「政府としては、『来場は複数回が不可欠』とは考えていない」と答弁されている。
実際、どれほどの子どもが、希望して、保護者とともに大阪・関西万博に行くのかは全く不明であるが、寄附財源をあてる独自性、必要性、希少性があるとはいえない財源充当は行うべきではないと強く求めておく。

Q10.私の質問

次に、「市町村負担による2回目の申請、希望によるもの」と、「大阪府教育庁で実施される、大阪・関西万博への児童・生徒の1回目の無料招待」との関係について、費用負担の例をあげて、伺う。
大阪府教育庁で実施される大阪・関西万博への児童・生徒の1回目の無料招待において、学校行事で行かない場合は個々で手続きをして入場することになると聞いている。本市で負担する入場料は2回目以降としていますが、例えば、本市が発行するチケットIDで万博会場へ1回目の入場を行い、結果として2回目は行かなかった場合、市は1回目の入場を負担することになる。
本市の2回目の申請と、府が実施する無料招待との整合性について、伺う。

A10.西倉政策推進課長の答弁

 市が実施する本事業は、大阪府が実施する無料招待の入場チケットを使用して万博会場を訪れた子ども達に対して、2回目以降の入場料の負担を行うものである。しかしながら、委員お示しのように、大阪府が実施する無料招待での入場時期によっては、本市が発行するチケットIDにより入場する方が1回目となる可能性も考えられる。
チケットIDの発行等については、本市が実施する事業についても、府が構築する電子申請システムを使用し、府と同じ事業者と委託契約を締結するため、本市が負担する入場料については、初回に府の負担で入場した対象者に対して支払いを行うよう、運用に関する協議を行っていく。

私の意見・要望

結局、実績払いであるし、「本市が負担する入場料については、初回に府の負担で入場した対象者に対する支払いとなるように、運用に関する協議を行う」とのことなので、対象者が「2回目」として万博に行かなければ、市負担の予算執行はないものと理解しておく。
また、学校行事等として、大阪・関西万博を遠足の行先にするかどうかの判断については、市や教育委員会が押し付けることなく、保護者の理解も得て、各学校が独自に判断できるようにしていただくことを求めているが、「大阪府教育庁で実施される、大阪・関西万博への児童・生徒の1回目の無料招待」を学校行事として取り扱わないことを主体的に判断した学校で、結果として不参加となる子どもたちへの対応について、学校行事に参加しない、できない子どもたちと同様であるのかと尋ねたところ、おそらく同じであろうとのことであったので、同様の取り扱いとするための協議をお願いしておく。

Q11.私の質問

学校行事としての遠足であるが、その交通費は保護者負担になっている。多くは学校の新年度体制で検討しているようであるが、遠足の行き先は、保護者や子どもの意見を聞くというプロセスはなく、各学校が決めているが、これまでは、遠足代負担についても配慮されたものであったためか、苦情は聞かないとのことであった。
しかし、大阪・関西万博会場の夢洲は、大阪市内とは違って本市からは遠く、往復の移動時間が長くかかる。電車などの公共交通を使って、乗り換えの多い長時間移動は、低学年児童の場合、困難である。ところが、観光バスを使おうとすると、借上げ費用が極めて高額になっている上に、万博開催期間に借り上げることは、極めて困難になると考えられる。
そうしたことから、大阪府負担の万博遠足(「大阪府教育庁で実施される、大阪・関西万博への児童・生徒の1回目の無料招待」)のバス代を公費負担する市もあるように聞くが、仮に「こども夢基金」を使うとすれば、大阪府負担の万博遠足のバス代に対する支援経費のほうがまだ寄附者への説明になるかもしれない。
しかし、万博への遠足となれば必要になると考えられる多額の交通費、保護者負担とされている交通費への支援のための予算、バス会社との契約に必要な債務負担行為等予算をは、教育委員会として、組んでおられない。
昨年12月の議会で、「大阪府教育庁で実施される、大阪・関西万博への児童・生徒の1回目の無料招待」について、「基本的には参加する方向で検討したいと考えている」が、「現時点では、学校行事として実施を検討するための具体的な情報が十分に示されていないため、今後も、大阪府教育庁から情報収集を行いながら検討を進める」とのご答弁であった。その後、3か月も経っている。現在の検討状況について、答弁された総合教育部長に伺う。

A11.今市総合教育部長の答弁

教育委員会の立場から、現在の検討状況についてお答えする。
2024(令和6)年2月下旬に大阪府教育庁から、各市町村等を対象にオンラインで説明会が開催され、今後のスケジュールの概要や、会場へのアクセス方法などについて情報提供があった。今後のスケジュールについては、 3月中旬にも、各学校が予約申込等で使用する、大阪府教育庁の「万博入場管理システム」の入力方法等についての説明会が実施されるとのことで、その後、 4月中句から、希望日、児童・生徒や引率教員の人数、希望の交通手段などの意向調査が始まると聞いており、この説明会の内容については、各学校にも情報提供を行っているところである。
ただし、スケジュール調整や、バスの確保などについては、大阪府の委託業者が行うことが以前から、アナウンスされていたが、今回の説明会では、事業者において十分な貸し切りバスの確保ができていない旨の説明がなされており、学校単位や学年単位で参加するにあたっては、移動手段の確保が今後の課題になってくるものと想定される。
なお、本市、教育委員会事務局といたしては、大阪府の児童・生徒招待事業の趣旨が家庭環境に関わらず、より多くの児童生徒に来場の機会を提供することであることに加え、この事業を学校行事として検討するのであれば一つの検討課題である交通費については公費で負担するのが望ましいと考えている。
また、移動手段についても観光バスが望ましいと考えているが、全校・全学年での確保は現実的にはかなり難しい状況であることに加えて、大阪府の仕組みではバスが確保できた後に見積もりが届く仕組みとなっているため予算の計上についても課題が残る状況である。
さらには、学校行事で参加を検討するにあたっては、移動手段以外にも昼食場所、トイレ、暑さ対策や各学年の体力などを踏まえて総合的に判断する必要があるが、検討するには情報が不足している現状がある。
引き続き情報収集を行いながら、児童生徒の家庭環境に関わらず貴重な体験の機会の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えている。

私の意見・要望

結局、予算は組まれていないが、学校行事とすることを前提に「大阪・関西万博への児童・生徒の無料招待事業」の受け入れを検討するのであれば、会場への行き帰りの方法、時間、経費負担問題への対応が不可欠で、バスの借上げ等、交通費支援予算の計上が、2024(令和6)年度に必要ではなかったのか。
ただ、ご答弁にあったように、観光バスの借上げができるかどうかが極めて不透明なので予算化も困難だとのことである。そして、バスが借り上げられたとしても、会場周辺で渋滞になると乗車中のトイレ問題も問題となる。やっと会場入りし、お弁当を持ち込んで食べたら、帰りも時間がかかるので、早く帰途につかなければならない。そうなると、一体、何時間、滞在可能なのか。さらに、各学校が抱える特有の諸課題もある。
さまざまな問題がある上、まともな避難計画もなく、メタンガスや危険物質だらけの廃棄物処分場敷地だった夢洲に児童・生徒を連れて行くことになる「大阪・関西万博への児童・生徒の無料招待事業」の受け入れ、いわゆる「万博遠足」に際しては、学校への押し付けをしないことはもとより、各校において事前に保護者の賛同を確認させるべきだと強く意見しておく。

(5) 幼児療育園跡地活用事業について(枚方宿地区賑わい創出基金)

Q12.私の質問

次に、「幼児療育園跡地活用事業」についての質問である。
(一般会計予算説明書149ページ)、委託料11,300千円は、幼児療育園跡地活用に係るプロポーザル等支援業務委託に係る予算であることは、一昨日の他の委員に対する説明で理解した。私の方からは、2023(令和5)年度から行われている当該委託業務の進捗状況及び今後の予定について伺う。

A12.辻観光交流課長の答弁

プロポーザル等支援業務委託については、民間の視点を生かした市場調査や公募条件の検討、事業者選定審査会の支援等を行うもので、進捗状況としては、現在、市場調査として土地活用に関するニーズの調査等を行っているところである。
今後の予定としましては、2024(令和6)年度の前期に公募条件の素案をとりまとめるとともに、事業者選定審査会を設置し、できる限り早期の事業者決定に向け、引き続き取り組みを進めていく。

私の意見・要望

2024(令和6)年度の前期に公募条件の素案をとりまとめ、附属機関である「事業者選定審査会」を設置し、できる限り早期の事業者決定に向けて取り組むとのご答弁である。1日目には、「2024(令和6)年度中の事業者選定を円滑に行うため委託する」とのご答弁もあった。様々な検討のうえで事業者公募をしたが、誰も手があがらなかったという、そのような結果にならないよう、しっかりと検討を重ねていただくとともに、附属機関の支援等も委託するようであるが、地元意見が確実に反映される仕組みの中で進めていただくよう要望しておく。
また、既存建物の解体工事については、粛々と進めるようお願いしておく。当該敷地の北西側民有地について、「歩道の連続性確保に向け、現在、地権者との調整等を行っている」とのご答弁もあったが、敷地内広場や歩行空間の整備工事に要する宅地造成工事の費用は市の負担とのことである。これらの整備事業費は、2023(令和5)年度以降、2025(令和7)年度までの債務負担行為を含めると、合計116,000千円の予算が計上されている。これは、寄附金2億円を原資として設置された「枚方宿地区賑わい創出基金」を充当するとのことである。
幼児療育園跡地活用については、少しずつであるが、ようやく動き始めたと実感している。どうぞ、必要な意見聴取は怠ることなく丁寧に、着実に進めていただきますよう、お願いをしておく。

(6)地域子育て支援拠点事業費について(重層的支援体制整備事業経費)

Q13.私の質問

次に、(当初予算の概要36ページ)、「重層的支援体制整備事業経費74,523千円、地域子育て支援拠点事業について」の質問である。一昨日の委員へのご答弁もあったが、市内に13か所ある地域子育て支援拠点の運営にかかる経費とのことであるが、現状、これらはどのような運営形態となっているのか、その詳細について伺う。

A13.西田私立保育幼稚園課長の答弁

地域子育て支援拠点については、現在、公立保育所に併設する3か所を直営で、私立保育所に併設する6か所と私立認定こども園に併設する1か所を委託で運営している。
また、保育施設に併設していない「すこやか広場・きょうぶん」については直営で運営しており、また、招提地域にあります「ファミリーポートひらかた」及び「ひろばサプリ」については、民間への委託にて運営しており、これら併設していない拠点では、週5日、親が子どもの状態をみて遊びに来られるように施設を開放し、保護者の抱える子育ての悩みに寄り添い、必要なサービスにつなげるよう、専門スタッフが必要な支援にあたっている。
なお、サプリ村野に設置している「ひろばサプリ」については、ファミリーサポートセンターと合わせて、2024(令和6)年度から5年間の運営法人を公募し、現行事業者の水上隣保館が運営法人に決定したところである。

Q14.私の質問

地域子育て支援拠点については、2015(平成27)年度に13か所、1日あたり延べ利用者数76,428人となっているが、その後、「第2期枚方市子ども・子育て支援事業計画」においては、16か所、1日あたり延べ利用者数67,300人を目標に、2022(令和4)年度に14か所、2023(令和5)年度に15か所、2024(令和6)年度の最終年度に16か所と、1か所ずつ開設していくこととされている。
新たに開設していく方向性について否定するものではないが、その実施にあたっては、しっかりと検証を行った上で取り組んでいただく必要があると考えている。一昨日の委員の質問に対して、現在、実施している「こども計画」の策定に向けたニーズ調査の結果も踏まえ、今後、地域バランスを勘案して検討するとのご答弁があったが、現在、拠点の役割や市民ニーズについて、どのように考えているのか、見解を伺う。

A14.西田私立保育幼稚園課長の答弁

地域子育て支援拠点については、主に在宅で乳幼児の子育てをしている保護者が利用され、発達状況や離乳食等の情報交換、また、子育てに関する相談を通じて保護者同士や保護者と拠点スタッフとがつながる場となっている。
このような役割を踏まえ、子育ての孤立化が叫ばれるなか、拠点の重要性をあらためて認識しているところであり、今後、市民ニーズを見極めながら、地域バランスや立地環境、また、地域性なども踏まえながら、開設を検討していきたいと考えている。

私の意見・要望

地域子育て支援拠点については、2015(平成27)年度に現在の13か所となって以降、増減がないまま今日に至っている。か所数ありきで進めると、利用が伸び悩んだり、将来にツケを残すことになるかもしれないので、十分に検討して取り組んでいただくよう要望しておく。新たな拠点整備を委託等で行うにあたっても、適切な市場調査が必要であると考えるし、公的な施設を検討するのであれば、「計画」の策定と市民意見聴取が必要であると意見しておく。

(7) もと公設市場の維持管理について(商工費/施設維持管理経費)

Q15.私の質問

(一般会計予算説明書321ページ)、施設維持管理経費11,414千円について、伺う。
公設市場サンパークについては、2023年1月の店舗返還後、1年以上経過するにも関わらず、いまだに公設市場条例も廃止されておらず、跡地活用に関する具体的な情報も発信されないまま放置された状態となっている。
そうした中、2023(令和5)年度までの「公設市場管理経費」という名称ではなく、2024(令和6)年度は、同じく商工費の中で「施設維持管理経費」として、エレベーター保守点検委託料等「各種委託料」で6,483千円、「諸経費」として、消耗品費300千円、光熱水費3,131千円、修繕費1,500千円が計上されているが、これはどのような考えであるのか、また、2023(令和5)年度まで計上されていた「公設市場使用料」は計上されていないが、その理由についても伺う。

A15.谷江商工振興課長の答弁

公設市場サンパークについては、枚方市西口公設市場商業協同組合の解散に伴い、2023(令和5)年1月末に、使用許可を出していた1階店舗部分が本市に返還された。その際、2階店舗については、同組合より営業の継続を求める要望が出されたことから、引き続き公設市場条例に基づく使用許可を行っている状況である。
そのため、今後も引き続き、現在の所管である商工振興課で維持管理に必要な予算を計上しているものである。
あわせて、今後の公設市場条例の廃止を見据え、施設使用料については、行政財産使用料として計上している。

私の意見・要望

公共施設の有効活用という観点からも、防犯の観点からも、公設市場が閉じられたサンパーク跡地が、かれこれ1年以上になるが、長く放置されていることは非常に憂慮すべき状態である。「はじめに結論ありき」の無駄な投資が無駄遣いになるのはもちろんであるが、すぐにでも活用可能な市有資産を放置する「機会損失」についても、市民の皆さんからお預かりしている税金の無駄遣いになる。
「公設市場」の名前を見えなくするだけでは何も進まない。まずは施設の設置根拠を「公設市場」から適切に移行させることに丁寧に取り組んでいただくようお願いしておく。サンパークの跡地については、庁内において子ども施策としての活用を検討されているという話もあるようであるが、行政課題の解決につながるよう、必要な市場調査や意見聴取は必須であると意見しておく。公的な施設を検討するのであれば、「計画」の策定と市民意見聴取が必要であることも申し添えておく。
また、地域の方からは、多世代の方の居場所としての役割を求める等、様々なお声をいただいている。孤独・孤立という課題への対応にも資するよう、子どもから高齢者まで、多世代にわたる皆さんの地域における居場所、包括的な地域のつながりの拠点としての生まれ変わりの検討をしていただきたいとの要望もしてきている。いずれにせよ、市が適切に「公共的な」ファシリティ・マネジメントを行い、適正に活用していただくことを要望しておく。


(8)庁舎管理経費について(第3分館、本館・別館、サンプラザ3号館)

Q16.私の質問

次に、「庁舎管理経費について」の質問である。
(一般会計予算説明書119ページ)、庁舎管理経費として466,336千円が計上されており、その中には庁舎管理に関する様々な工事費や委託料が含まれているが、来年度の市庁舎の改修・補修の予定について、伺う。
また、昨年4月7日、市庁舎本館4階の外壁軒先部から30cm程度のコンクリート片の剥離・落下事故があり、6月以降、市庁舎本館の外壁打診調査、そして、緊急処置として、足場を組んで、ネットやアサガオと言われる落下物防御の安全対策が行われていた。約940万円(9,378,000円)の予備費充用である。その後、実施すべき工事が補正案件にも出てこないなと思っていたら、これもまた予備費充用により、昨年12月4日から本格的な「外壁」の改修工事が始まり、現在も行われている。繰越明許費補正額から、当該工事費は45,580千円の予算内で執行されているようであるが、当初予定であった2023(令和5)年度内に完了できず、2024(令和6)年度にも続くことになる外壁改修工事について、その工事内容と、現在の状況について伺う。そして、今回の改修工事の効果、どの程度の安全性の確保につながるのか、他に懸念事項はないのか、この後、どうするつもりかについても伺う。

A16.巽総務管理課長の答弁

 庁舎管理費の内、本館・別館を合わせた本庁舎の改修については、市有建築物保全計画に基づく更新工事として、庁舎別館換気設備改修工事を予定している。
庁舎本館の外壁改修工事については、亀裂などの補修を終え、現在外壁の塗装を順次行っており、5月末には工事完了となる見込みである。本工事を行うことで、一般的には10年以上の耐用年数になると考えている。
また、庁舎別館の外壁については、前回の法定点検により異常の報告はないが、本館に続いて外壁の安全性を確認するため、外壁の亀裂、浮き等を確認できる赤外線調査を行う費用として庁舎別館外壁調査委託料を計上している。
そのほか機能に不具合が生じた場合には、これまでと同様に都度必要な対応を行い、引き続き、市有建築物保全計画に基づく更新工事等を計画的に実施するとともに、各種法定及び保守点検などを行い、適正な維持管理に努めていく。

Q17.私の質問

庁舎本館の外壁改修工事により、外壁に関しては、10年以上の耐用年数になるようである。前回の法定点検では異常の報告はなかったけれども、昨年、本館においてコンクリート片の剥離・落下事故が発生したことから、別館では、2024(令和6)年度に赤外線での外壁調査を行うとの答弁である。異常が確認されれば、10年以上の耐用年数となる外壁改修が行われるのか。
昨年8月15日の大雨で、庁舎本館4階では、屋根からの漏水事故もあった。
今回の工事は外壁改修のみで、躯体・屋上・天井の改修工事は行われていない。足場を組んでいるのだから、効果的・効率的に、あわせて行うことのできる点検や工事はないのだろうかと思ってしまう。昨年4月のコンクリート片の剥離・落下事故以来、2023(令和5)年度中、落下物防護のためのネットや点検・工事のための足場やシートに囲われていない本館を見ることがなかったわけであるが、旧市民会館大ホール棟も、2021年5月に、大きな壁面3面に10年程度の耐久性があるという落下物防護ネットが約2,000万円をかけて張りめぐらされている。
次に、庁舎管理費のうち、その大ホール棟と、市民会館条例廃止により公の施設ではなくなった市民会館本館は、2022年4月以降、「第3分館」として運用されているが、「第3分館」を運用することによって生じる費用はいくらになるのか。また、第3分館に係る維持管理の内容について伺う。また、この後、どうするつもりかについても伺う。

A17.巽総務管理課長の答弁

庁舎管理費のうち第3分館に係る維持管理経費については、防災設備の点検や清掃、警備などの委託料として第3分館施設管理委託料を計上し、樹木剪定等の費用として、第3分館樹木剪定・除草等委託料を計上しており、諸経費として計上している。それら費用と光熱水費を含め、第3分館の維持管理経費として約4,000万円程度を見込んでいるす。この後も適正な維持管理に努めていく。

私の意見・要望

旧市民会館本館・大ホール棟である「第3分館」の2024(令和6)年度の維持管理経費は,約4,000万円程度とのことである。老朽化した危険建築物のはらむリスクと、適切に活用できない機会損失をまだまだ続けるというのか。2021年7月の全員協議会で示された資料では、大ホール棟の解体・造成に伴う工事費は約1.6億円と記されていた。今では、とてもその額では対応できないと思うが、年4,000万円の維持管理費も4年重ねれば1.6億円である。
8月末で廃止となるサンプラザ生涯学習市民センターも、9月中には③街区に移転する消費生活センターも、サンプラザ3号館の現施設の維持管理に係る共益費等の経費を予算計上されているが、移転後、どこが管理するのかは未定とのことである。売却方針とは聞いているが、すぐに売却できる見込みがあるとも思えない。方針決定は「公共施設マネジメント推進会議」で、管理は総務管理課になるようであるが、またぞろ、機会損失を重ねるのか。
第3分館、つまり、旧市民会館大ホール棟や市民会館本館は残存することで多くのコストも発生するわけである。約5,000㎡を超える大ホール跡地が更地になると、新しい景色が見え、新しいビジョンも生まれてくるのではないか。改めて提案し、市民と考える姿勢をもって、市民の役に立つ市駅周辺再整備事業が④街区で実現できるよう、検討いただくよう要望しておく。
大規模災害に備えるためにも、老朽化した危険建築物は一刻も早い解体撤去を行うことが必要である。例えば、そのための退避施設として、サンプラザ3号館の区分所有施設の活用も検討できるのではないかと意見しておく。

(9) 小学校給食の無償化事業/学校給食費支援事業

Q18.私の質問

次に、「小学校給食無償化事業」についての質問である。
(一般会計予算書437ページ)、「小学校給食無償化事業」負担金、511,380千円、並びに「電カ・ガス・食料品等価格高騰重点支援経費、学校給食費支援事業費」補助金、70,138千円の内容について、伺う。

A18.亀野おいしい給食課長の答弁

小学校給食無償化事業については2024(令和6)年度の2学期より小学校給食の無償化を実施するための費用である。算出については、食材調達に係る費用を負担するもので、対象児童数を19,300人、一人当たりの1か月の給食費3,800円を2学期からの実施を踏まえ7か月分と見込み、5億1,338万円を計上している。
学校給食費支援事業については、物価高騰の影響が給食の質の低下につながらないよう物価高騰前の食材費と高騰後の差額を算出し、食材費への支援を行うものである。算出については、過年度の経過を踏まえ、まずは半年分の7,013万8千円を計上している。
なお、今後の物価高騰を検証したうえで、2024(令和6)年度後半の半年分の予算措置について検討する。

Q19.私の質問

一人当たりの1か月の給食費3,800円について、保護者に負担を求めない「無償化」の提案に加えて、まずは「前半分」の食材費への支援を行い、後半分は物価高騰を検証したうえで、必要な予算措置を検討するとのご答弁である。一人当たりの1か月の給食費3,800円について、保護者に負担を求めない(無償化)との提案に、食費支援分、一人当たりの1か月約660円を加えると、一人当たりの1か月の食材費は4,460円と見込まれる。食材の価格高騰のなか、食材費をすべて公費負担とすると、「質」を落とす枠を作ってしまうのではないか。
栄養価の確保のみならず、食育の観点も踏まえた給食の質を本当に確保することができるのか。そこで、市は確保すべき給食の質について、市はどう考えているのか、改めて伺う。

A19.亀野おいしい給食課長の答弁

 学校給食については、学校給食摂取基準に基づき、多様な食品を適切に組み合わせて、児童生徒が各栄養素をバランスよく摂取しつつ、様々な食に触れるよう、また食育の観点も踏まえたものとなるよう求められている。また、本市においては、求められている内容を踏まえた上で望ましい栄養量の摂取だけでなく、献立の工夫や季節に応じた食材の活用、行事食や郷土料理に触れる機会を持つことなどにより、給食の質をさらに高めているところである。
したがって、学校給食費の無償化後の給食の質の確保にあたっては、これまでのこのような取組を継続し、物価高騰の影響如何に関わらず、これまでと同等の給食の質を確保することとしている。

私の意見・要望

学校給食法では食材費(学校給食費)は保護者負担と規定されているが、近年、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用などを通じて学校給食費の無償化を実施する自治体が増加しているとのことで、日本農業新聞の調査によれば、「2022(令和4)年度に無償化を実施した自治体は、小中学校の給食を実施する全国約1,600市区町村の約3割に当たる451」とのことである。また、2021(令和3)年度文部科学省の調査(学校給食費調査)によれば、完全給食を実施する公立の小中学校において、保護者が負担する学校給食費の平均月額(保護者の年間負担額を11か月で除した額)は、小学校で4,477 円(平均月額が最も低い県は3,920円、最も高い県は5,090円)、中学校で5,121円(同様に最も低い県は4,452円、最も高い県は5,836円)となっている。(枚方は4,460円)
子育て世代に「給食費がタダです」とアピールするために財源を使い、子どもたちが毎日食べる給食が貧しいものになってしまえば、「本末転倒」である。1食あたりの人件費コストも、1食あたりの食材費も、両方ともに上がることが明白である経費を、いま、全額税で賄うと、非常に大きな「選択」である。無償化を実現するため、効率化が必要となるために、栄養価がメインとなり、できる限り安い代替食材で給食を作ることになるとか、コストメインの判断になって、給食がプアになることはないのかとか、子どもたちがおいしく楽しく食べられる給食を提供できているか等々、本来、望ましい学校給食を提供できるのか等、非常に懸念しているが、「物価高騰の影響如何に関わらず、これまでと同等の給食の質を確保する」と力強くご答弁いただいた。
財源状況や将来見通しを踏まえ、判断したという本市においても同様である。市独自事業として実施する学校給食無償化の財源を持続的に確保するのは、厳しいと考える。小学校給食を無償化すれば、必ず中学校給食の無償化が課題となる。中学校給食については、給食提供方式の転換までされようとしているわけであるから、このままでは、学校給食費における経常的な財政負担増が莫大なものになってしまう。小学校給食無償化事業を進めるのであれば、その質も確保をしながら、安定的な財源確保のため、まずは、国の政策として、自治体への支援を進めることを強く求めていただきたいと考える。市長を先頭に国・府に対する予算要望を重ねていただくよう。求めておく。

(10)システム標準化・共通化対応事業について

Q20.私の質問

次に、予算書では各所に見られる「システム標準化・共通化対応事業」について、当初予算の概要58ページにも記載されているが、標準準拠システムへの2025(令和7)年度中の移行に向け、事業者の選定も含め、市としてどのように取り組んでいかれるのか、伺う。

A20.小西DX推進課長の答弁

標準準拠システムへの移行の取り組みについては、DX推進課において、各事業者から提示された移行スケジュールをもとに、庁内照会や業務システム運用部会を通じて集約するとともに、システム連携の実施方法について検討のうえ、全体スケジュールの管理や課題整理、庁内全体の進捗管理等を行いながら、2025(令和7)年度中の移行完了を目指す考えである。
昨年、事前調査として2025(令和7)年度中の標準準拠システムへの移行の可否について、税総合システムや住記・印鑑システムなど、業務システムごとにシステム構築を行う事業者に対して、情報提供依頼(RFI)を実施した。
各事業者からは、導入期限や人員不足などの理由から、現行システムが他の事業者のものから標準準拠システムへ移行する場合は、対応が困難との回答があり、自社のシステムからの移行の場合には、2025(令和7)年度中での移行が可能との回答を得たが、移行20業務のうち戸籍・戸籍附票及び年金に関する3業務については、2025(令和7)年度中の移行が困難な状況にあり、国に対して移行困難業務として報告を行う予定である。
こうした状況を踏まえ、事業者選定については、現行のシステム事業者に随意契約する方向で進めている。
なお、標準準拠システムへの移行に関しては、多くの自治体でも同様の状況となっている。

Q21.私の質問

標準準拠システムへの移行については、「自社のシステムからの移行であっても2025(令和7)年度中での移行が困難」な業務も中にはあるけれども、「現行のシステム事業者と随意契約を行う方向」とのご答弁であるが、それでは、特定の事業者に縛られてしまう、依存せざるを得ない(他社への切り替えが困難)といった現状の解消にはならないのではないかと考えるが、見解を伺う。そもそも、標準準拠システムは何を目的としているのかについても、改めて伺う。

A21.小西DX推進課長の答弁

国が示している移行期限を踏まえ、全国の自治体が一斉にシステム標準化に向けて取り組む今回においては、標準準拠システムへの移行作業を、現行のシステム事業者と随意契約で対応せざるを得ない状況にある。
なお、委員ご指摘の特定の事業者に縛られてしまうといった現状のシステム更新時の課題については、システム標準化に対応することで、標準レイアウトを用いたシステムとなるため、次回更新時には特定の事業者への固定解消が図られるものと考えている。
次に標準準拠システムの目的については、国において「コスト削減・ベンダロックインの解消」のほかに、「行政サービス・住民の利便性向上」や「行政運営の効率化」などが掲げられており、本市におきましても国が掲げる趣旨に沿った取り組みを進めていく考えである。

Q22.私の質問

標準準拠システムの目的の中でも、特に、「行政サービス・住民の利便性向上」は重要であると考える。DXとはトランスフォーメーションであるから「人々の生活をよい方向に変化させるような、製品・サービスやビジネスモデルの変革を起こすこと」を意味する。公共部門におけるDXは、「市民への対応方法がデジタルを通じてどのように根本的に変えるのか」ということが課題であると考えるが、公共部門におけるDX推進の目的について、見解を伺う。

A22.小西DX推進課長の答弁

公共部門におけるDXの推進の目的については、デジタル技術を活用することにより、住民の手続きから職員の事務手続きまでの一連の処理において、これまでの業務プロセスの見直しを行うなど、効率化を図りながら行政サービスの更なる向上に繋げていくことにあると考えている。

私の意見・要望

2025年度末までを目標とするガバメントクラウドを利用した標準準拠システムへの移行は、短期間で完了しなければならない重要な取り組みである。DX推進課が統制されているようであるが、システム標準化・共通化の目的が達成できるよう、体制もガバナンスも強化し、適切なコントロールの下、全体スケジュールの管理や課題整理、庁内全体の進捗管理等、的確で詳細な検討を行い、遅れることなく進めていただき、必要に応じて国などへの働きかけを行っていただくようお願いをしておく。
この4月には機構改革が予定されているが、機構を変えるというのであれば、この分野にこそ、DX推進「監」か、「行政CIO(最高情報責任者)」という役割を果たし得る者を設置されることが必要であったのではないか。DX推進は、住民への利便性の向上にもつながるものである。全庁をあげてDXを推進させるためには、体制の強化が必要で、部署をこえてデジタル施策を調整して担えるような人材を配置する必要があるのではないか。
社会全体に関わるようなドラスティックな変化、「質的変化」となる公共部門におけるDXの推進が実現されることを要望しておく。

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