市長の所信表明に対する代表質問が終わりました。「連合市民の会」は野村いくよ代表が質問に立ちました。

2019/10/08

伏見市長の所信表明に対する代表質問は、7日は公明党議員団の丹生真人議員、大阪維新の会枚方市議会議員団の岩本優祐議員、連合市民の会の野村いくよ議員、8日は自由民主党議員団の田口敬規議員、日本共産党議員団の野口光男議員の順で行われました。

私たちの会派「連合市民の会」は、代表の野村いくよ議員が7日の3番目に質問に立ちました。

 

こちらの写真は8日のものです。

 

連合市民の会の野村いくよ代表の質問は、「今後4年間の市政に対する市長の基本姿勢について」から始まりました。

選挙の時から市長は「さらなる改革、そして成長へ」と述べているが、この4年間でどのような「改革」が行われたと認識し、何をもって「成長」というのか、また、部署を超えた横の連携についてはこれまでもさまざまな取り組みにおいて要望してきたが、「総合的・横断的な視点を持った横串組織や仕組み」とはどのようなものなのか。そして、「40万都市を下回ろうとしている今だからこそ、これまで以上に市政改革を推し進め、本市が豊かで誇りある枚方へと成長していく姿を市民の皆さんに実感していただきたい」とあるが、「豊かで誇りある枚方」とはどういうことなのか、「選ばれるまちへの評価をより確かなものにしていくため、市民・地域・事業者・大学などど行政課題や目標を共有し、それぞれの特性や資源などを生かし連携・協力する協働の取り組みがますます重要になる」という市長にとっての「協働」とはどのようなものなのか。さらに、昨年度の「枚方市駅周辺再整備及び新庁舎整備」についての全員協議会において議員から多くの意見が出されたのにもかかわらず、内容の変更を行われなかった市長が「二元代表制のもと市議会の意見も十分に聞く」と述べているが、必要があれば変えていく覚悟をお持ちであるのか、との質問に対し、

伏見市長からは、
「新しい枚方の創造を目指し、人が集まるまちづくりなどをキーワードに、限られた財源や資源を効率的・効果的に活用しながら本市の魅力を高める取り組みを進め、市民が住み続けたい、市外の人が住みたいと思える、魅力あるまちへと成長を続けているものと認識している」との改革・成長に対する考えを述べた後、横串組織や仕組みについては、「スマート自治体の実現」「権限上の課題を解決した組織への改編や相談時にワンストップで対応できる仕組みづくり」などをあげ、「豊かで誇りある枚方」については、「物質的・経済的な豊かさだけではなく、枚方に住んで良かったと思える心の豊かさを実感していただきたい」と。そして、協働は「あらゆる主体がそれぞれの持てる力を適切な役割分担の中で発揮していく取り組み」であるとし、「市民福祉の向上、枚方市の成長・発展に向けて、市議会とも議論を重ねていく」との回答がありました。

野村いくよ代表からは、
「市民福祉の向上」に向け、「市民ファースト」の視点を持ち、市民の意見を汲み取りながら議論している市議会からの意見などについて「市民の立場」に立って検討し、「市民のため」になるということであるなら積極的に方向性を修正していく、そういう覚悟をもって市政運営に臨んでいただきたい、と要望がありました。

今後4年間、市長は、「魅力で人をつなぐ」、「安心で人をまもる」、「改革で人を支える」の3つの取り組み方針でまちづくりを進めると述べている。「安心で人をまもる」まちづくりについて、SDGsの「誰ひとり取り残さない」という理念を踏まえた取り組みを進めるとともに、誰もが安心を実感できる社会の形成に向けて自治体の役割を果たすと述べていることについてはこれからの4年間の大きなビジョンとして受け止めるが、市長の所信の中に、人権・平和・男女共同参画施策に係る具体的な取り組みが示されていないことが非常に残念である。
いまこのまちに住んでいる市民が住み続けたいと願い、市外の人がこのまちに住みたいと思い、結果として選ばれる魅力あるまちとなるためには、「市民福祉の向上」をめざす行政経営が求められている。「すべての事務事業の立案・実施・改廃にあたっては、根源的な思考と科学的な検証のもと、最少の経費で最大の効果を上げるべく、行政形成の効率化を進め、市民福祉の最大化をめざす」都市経営を推進する、と枚方市のHPに記載もある。
このまちに住む市民の多様性を認め、「市民福祉の最大化をめざしつつ向上」を積み重ねることこそが「成長」であり、さまざまな生きにくさを抱えた市民が、本当に安心してこのまちに住み、住み続けたいと思える施策をしっかりと考えていただきたくことを強く要望する、と熱く締めくくられました。

 

なお、重点的に取り組む8つの分野の重点施策について、

「子育て環境の充実」については、
①通年の待機児童ゼロを目指すことについて、②子ども医療費への支援策の充実について、③保育の質の向上について、④留守家庭児童会室や放課後自習教室等の再編、拡充について、⑤「(仮称)子どもを守る条例」を制定し、子どもを守る仕組みづくりを進めることについて、⑥里親、ファミリーホームのさらなる理解促進と普及について、

「教育環境の充実」については、
①学力向上と体力向上について、②SNSの活用や弁護士、臨床心理士などを含めた体制の整備について、③中学校の全員給食について、④学校図書館の充実について、

「魅力ある都市基盤の整備」については、
①本市の玄関口にふさわしい枚方市駅周辺再整備を進めることについて、②不便地域や高齢者、障害者の移動支援策について、

「産業・観光の活性化」については、
①東部地域の特性を生かした産業振興策について、

「安全・安心のまちづくり」については、
①「自助・共助・公助」の役割分担や避難所のあり方について、②都市インフラの整備計画の見通しと財源について、

「健康・福祉のまちづくり」については、
①効果的に健康施策を展開するための組織再編について、②「健康経営」の取り組みの実践について、

「多様な生活・社会の課題解決に取り組むまちづくり」については、
①性的マイノリティー当事者の意見を尊重しながらさらなる取り組みを推進することについて、②外国人労働者の増加に伴う国際化に向けた取り組みについて、

「行財政改革」については、
①行政の質を高めることについて、②「効果額」について、順次質問が行われました。

それぞれの内容については、他会派の質問への回答も参考にしながら改めて報告を予定しています。

 


 

私は「行財政改革について」の部分を担当しました。

「効率的かつ効果的な行政運営の実現を図り、財政の健全性を維持していくため、新たな行財政改革プランを策定し、その効果額を見える化し、生み出した財源を本市の発展に活用する」と所信で述べている。
「改革」をしようとするならば、今の本市の行財政運営の何が問題で、どのような形に持っていこうとしているのかということについて、基本的な認識や方向性が示されることが必要。
行財政改革は、効率性の追求とコスト削減に切り縮めるべきものではない。厳しい社会環境の中で、市民の暮らしと安全を守るために「枚方市行政の質を高める」、つまり、極めて高い創造性や活力のある行政を確立し、内実のある地方自治を実現することに向けて、今、抱えている問題点を適切に把握し、「改革」という新たな取り組みを積み重ねていく営みである。
削減したい「効果額」という目標数値がはじめにあって、あれやこれやと取り組みを羅列して手掛けてはみるものの、結局、「効果額」は思ったほど出てこない。そうすると、手っ取り早く「効果額」とやらを生み出すために、市民負担の引き上げ、職員給与の切り下げ、安上がりのためだけの委託を進めることに飛びつく…。そんな展開になる危険性が十分あると思われる。昨年度、「大規模災害の発生による不測の財政支出」に備えて、財政的なリスク管理である基金対応で完結させず、政治的なパフォーマンスで職員給与の減額を行った伏見市政の実績を振り返ると、十分にありうる展開ではないかと非常に心配している。
こういった選択は、市のリスク管理に対する市民の不信・不満を高め、職員のモチベーションを下げ、結果として行政サービスの質の低下を招いてしまうのではないか。
行財政改革は、市民ニーズに適切に対応できる高度な質をもった体制を確立することであり、内実のある地方自治を確立するための取り組みであって、決して「安上がりの行政」を作ることではない。

行財政改革について、上記の意見を含めてもらいました。

 

代表質問で市長に確認した内容は以下のとおり。

・市民にとって重要なのは「行政の質」が高まるということであると思う。市長は、「改革」を効率性の観点でしかとらえていないように思えるが、行政の質を高めることについて、どのように認識されていて、その課題をどのようにして実現しようとしているのかとの質問に対して、
→「行政の質を高めること」については、市が実施する事業の目的や効果の検証、民間の事業者が有する専門知識や柔軟な発想、経営資源の活用などにより、最少の経費で最大の効果を発揮しながら、行政としてのノウハウの蓄積・継承や品質の確保の観点などを踏まえ、市民サービスの最大化を図ることが必要と考えている、との回答。

・「効果額」については、総人件費の5%削減、受益者負担の適正化、市長の給与20%カットや退職金不支給の継続を項目として述べられているが、具体的にどれくらいの額を削減しようと考えているのか。その「効果額」の内容が、単なる「職員の給与の切り下げ」や「市民負担の引き上げ」などによって生み出されるものであるならば、「改革」の効果と呼べるものではなく、市民と職員に負担を強いるだけのものであると思われるが、市長の認識はいかがなものかとの質問に対して、
→「効果額」については、事業の見直しだけでなく、ICTの活用などにより業務の効率化を図り、時間外勤務を抑制するなど、行政内部の見直しにしっかり取り組むとともに、民間活力の活用を図りながら、職員数の適正化などにより総人件費を削減する。また、あわせて、受益者負担の適正化などさらに進めていく。こうした取り組みを通じて、確保した財源を効果額とするものであるが、取り組むべき具体的な課題や目標効果額については、現在検討を進めている次期行財政改革プランを策定する中で精査を行っていく、との回答。

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