施行期日の定めのない条例は、まるでスティルス。例規集にも、施行日になるまでその姿を見せないようです。

2022/09/25

枚方市議会議員の奥野みかです。

明日26日(月)10時から始まる議会に市役所の位置に関する条例の一部改正の条例が提案されます。この条例案では、市役所の位置は「大垣内町2丁目524番地」で、「規則で定める日から施行する」としています。施行日の定めがないので、規則に全面委任するものとなっています。

議案書(追加②)

議会が可決した条例は、施行されてこそ意味があります。

「条例施行日の首長への白紙委任は適切ではないとの考えから、期限を入れてきたという経過。そしてその期間については、明文規定はないが、おおむね3年程度まで。」ということを、かつて市職員であった私は法制の担当部署等から聞いてきました。3年と言われていましたが、この年限は、明文では規定していないようですが、常識的な判断であると考えていました。そして、枚方市の条例はその形が原則として議員の皆さんにも受け入れられていると、そのように理解してきました。

これは、二元代表制に対する行政としてのあたりまえの対応で、「議会」の権能の尊重であり、「議員」に対してのリスペクトでもあったわけです。こんな議案を、しかも特別多数議決という条例案を議会で審議することはいかがなものか、二元代表制に対する、それこそ冒涜ではないかと思う、ということを、私としては木村議長にもお伝えしたのですが…。(施行期日を規則に全面委任する条例も、賛否が読めない特別多数議決を要する条例案を審議することも、全国的に例を見ないと思うともお伝えしましたが…。)

市役所の位置を定めるという「特別多数議決(通常の過半数ではなく、議長も含めた3分の2の賛成が必要)」が必要な条例において、これまでの考え方や取扱いと異なった施行日の定め方をなぜ行うのか。こうした定め方には問題がないのか。疑問ばかり募ります。
そんな募りに募った議案質疑を明日は行います。10時から開会の議会の早い段階での審議案件となるように聞いています。
傍聴もできますし、インターネット中継(枚方市HP→枚方市議会→市議会生中継)もご覧いただけますので、市の考えについても聞いていただける機会となります。

ちなみに、「条例の一部を改正する条例」は施行期日をもってもとの「条例」に反映されていくのですが、公布されても、施行期日が到来するまでは、市HPなどから確認できるWebの「例規集」には現れてきません。議決され公布されても、一般市民は改正内容は確認できないのでしょうか、と職員さんに確認すると、Webの「例規集」とあわせて掲載している「最近公布された条例」のところに公布された条例をPDFファイルで掲載している、と。でも過去2か月程度の議決分ですよね、と言うと、同じく掲載している「枚方市公報」で確認できると。しかしですね…、一般市民には、なかなかハードルの高い作業です…。例えはよくないですが、こっそり、隠れている、まるで「スティルス性」を持っているかのようです。

改正条例が施行するまで、議決された改正内容が確認できないのは不十分である、行政として適切とは言えないという考えからだと思うのですが、以前、紙の「例規集」には、欄外に「未施行の条例」という形で注記が記されていたように記憶しています。(今はその作業も徹底されていないようですが…。)

例えば、枚方市立消費生活センター条例及び枚方市立生涯学習市民センター条例について。
市ホームページの例規集で確認すると、いずれも「沿革」のタブに「令和3年3月15日条例第8号」との記載はありますが、その改正条例の内容は全く本文に反映されていないので、いつ、何が変わるのか、ここでは全くわかりません。
「公布後まだ枚方市公報に掲載されていない条例の改正等の内容は、『最近公布された条例』のページで確認してください」とありますので、指示された「最近公布された条例」をクリックすると、「令和4年5月開会議会で議決された条例」以降しか掲載されていません。
「毎月25日に、前月に公布された条例、規則等を掲載した枚方市公報を発行しています」とありますので、「枚方市公報」のところをクリックしてみても、「第855号(令和3年8月公布の条例、規則等)」以降しか掲載されていません。
では、議案を確認するしかないかと思って、「議会資料室」をみても、議案書のWeb公開は「令和4年5月開会議会」以降です。
そこで、コンプライアンス推進課の「枚方市公報(令和3年度)」にたどり着いて、「第850号(令和3年3月公布の条例、規則等)」の中の「枚方市立消費生活センター条例及び枚方市立生涯学習市民センター条例の一部を改正する条例(令和3年枚方市条例第8号)」をクリックするとようやく改正内容が確認できるわけです。そこに、「附則[令和3年3月15日公布]この条例は、令和8年3月31日までの間において規則で定める日から施行する。」とありますので、「令和8年3月31日までの間において規則で定めた」日から例規集に「登場」することになるのだろうかと考えています。令和8年3月31日までの間、なので3年6月後と、期間はずいぶんと長く設定されていますが…。

施行期日の期限の制約も持たない改正条例は、いつまでたっても規則で定められないとなれば、ん?、そのままフェードアウトしてしまうのではないか⁉、と考えたりもしています。

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