枚方市総合文化芸術センターが、2022(令和4)年度_おおさか環境にやさしい建築賞の「大阪府知事賞」を受賞しました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
2022(令和4)年度「おおさか環境にやさしい建築賞」の表彰建築物を決定しました(大阪府ホームページ)
【審査講評】
CASBEE-S(BEE=3.0)の優れた環境性能を持つ市民のための公共ホール建築である。都市部にありながら、緑溢れる環境を創造するとともに、深い庇によって日射を遮蔽し、自然光の積極的な利用と重層する空間構成により非常に豊かな空間を作り上げている。施設前の木陰の広場は、市民の活動の場となり、芝生の広場は日射の照り返しを防ぐ。特筆すべきは、未利用エネルギーとして、下水処理水を水としてだけでなく熱源として利用し、ホール内で椅子の背と天井に放射パネルを設置することにより、パーソナルで快適な放射空調を実現した新規性の高いアプローチであり、環境に対する取り組み意識の高さを感じさせる。この市民のためのホール建築は、環境・意匠・機能が融合した良質で優れた環境建築であり、枚方市民のみならず、多くの人々に愛されることであろう。
ちなみに、「大阪市長賞」は、大阪梅田ツインタワーズ・サウスで、「緑豊かな公開空地を設けてヒートアイランド抑制に貢献するとともに、地域における魅力ある新たな憩いの場を生み出している」等と評価されています。
昨年2月の建設環境委員協議会において、渚水みらいセンターから寝屋川へ向かう放流幹線から抜き取り、市駅周辺の公共施設等に送水して利活用を図っている下水道の高度処理水について質問しました。
その際、京阪連続立体交差事業で水路の一部が撤去されることもあり、京阪南2号線のせせらぎ水路への送水を停止する予定であること、また、枚方市駅舎のトイレ洗浄、ラポール枚方と総合文化芸術センターの熱源やトイレ洗浄での再利用等、他の公共施設等での利用においても、枚方市駅下にある送水施設は老朽化が進んでいるため、廃止を検討している、今後も利用するのであれば、施設の老朽化対策として新たな場所での更新が必要、というような答弁がありました。
しかしながら、下水道高度処理水を有効活用できる仕組みを、できたばかりの総合文化芸術センターにも構築し、送水できるようにされているわけですから、はしごを外すようなことは適切ではないのではないかと意見させていただきました。
おおさか環境にやさしい建築賞の「大阪府知事賞」の受賞においては、下水処理水を水としてだけでなく熱源として利用していることも評価されているわけなんですよね。
▶ 渚水みらいセンターの下水道高度処理水利活用状況
【2023年1月18日追記】
枚方市立総合福祉会館(ラポールひらかた)は、温水プールの温水や空調の熱源等として高度処理水を利用していますが、利用している高度処理水の送水ポンプの故障による緊急停止のため、温水プールが使用できなくなる(臨時休業 1/18~2月中旬予定)とともに、館内の空調が停止するとの報告がありました。現在、故障したポンプの入れ替え工事の手続きを進めているとのことです。
なお、会館は、空調停止についてご理解いただいた上で、通常どおり開館するとともに、枚方市総合福祉会館デイサービスセンターについては、隣接する枚方市総合文化芸術センターの熱源バックアップにより、空調機能等を確保した上で運営を継続するとのことです。