総務委員協議会(1)第2期枚方市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定について 質問の内容 

2020/02/17

(1)第2期枚方市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定について

質問1

人口減少で地域が消滅する、自治体が消滅する。これはかなり誤ったロジックであると今では言われているが、消滅都市とか、そんなセンセーショナルな報道とともに打ち出されてきた国の「地方創生」というスローガンのもと、本市においても「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が市の総合計画とは別に策定をされてきていて、「人口減少に歯止めをかける」から、国においても、第2期は「人口減少に適応した地域をつくる」という形に一定シフトして継続となっていると言われている中で、今回、本市の第2期の戦略の策定ということになるのかと思う。

この戦略は、市の政策を確立するにあたっての基本的な状況の捉え方やめざす方向性の根拠となるもので、総合計画と同様に大切なものである。現状分析である第1章は、医療でいうと「診断」であり、第2章の総合戦略は「治療」である。適切な「診断」による適切な「治療」であったのか、それをKPI(重要業績評価指標)で評価してきている。今回、その「診断」、現状分析について、質問をさせていただく。

注目すべきは、資料5ページの「地域別人口の推移」で、枚方市駅・枚方公園駅・光善寺駅を含む「南西部」だけが人口増となっていることが特徴的であると思う。この増加の要因を分析することは、これからのまちづくりの戦略を立てるにあたって非常に有益であると思うが、この地域の人口増は「自然増」なのか、「社会増」なのか。「社会増」であれば、市外からの「転入」によるものなのか、市内他地域からの「転居」による移動なのか、その比率はどのような状況か。示された案には記載がないが、その状況について、何か把握されていることはあるか。

回答1

5ページの地域別人口の推移については自然動態、社会動態などを合わせたものとなっており、社会動態には市外からの転入と、市内における転居が含まれている。南西部地域での社会動態では、概ね6割程度が市外からの転入者となっている状況である。

意見1

つまり、4割程度は市内からの移動とのことである。
この地域で人口が増加した大きな要因は、枚方公園駅周辺のマンション建設などが考えられるが、このような中心市街地でのマンション建設などの宅地開発は、結局は郊外部から中心市街地へと市内での移動を促進することになって、周辺地域の空洞化、スポンジ化、空家の発生といった課題を加速してしまうのではないか。
「子育て世帯1,500世帯の転入超過が目標」とあるが、中心市街地にタワーマンションが建設されたからといって、期待する「転入」促進ではなく、市内「転居」を誘導し、周辺地域のスポンジ化など、周辺部の地域課題がより深刻になるのではないかと懸念される。
もっとも、現在、示されている枚方市駅周辺再整備計画の考え方では、市街地再開発手法によるタワマン構想は消えて、土地区画整理事業の中で市有地の売却、その結果、民間まかせの開発となり、現実には普通のマンション等の開発くらいになるのではないかなと思われるが、いずれにせよ、マンション開発などの宅地開発に依存する人口誘導策は、実は、地域課題の深刻化につながるのではないかと、ここでは意見をしておく。

質問2

その地域課題の解決について、2つ目の質問であるが、第1章の現状分析と第2章の総合戦略とのつながりがよくわからない。
総合戦略そのものに異論があるわけではなく、施策の評価として設定されている成果指標もなるほどと思うものもあるが、総花的かなと。
地域別人口の推移を見ると、南西部以外は人口が減少しており、それぞれの地域ごとにその理由も異なると思われるが、その分析や考察は示されていない。それぞれの地域の課題に対する戦略、つまり、今その地域に住んでいる人たちがその地域に住み続けたいと思えるような持続可能なまちづくりのために、定住を促すという観点から、地域ごとの現状分析や考察、地域課題の解決に向けての戦略が必要ではないかと思うが、そのあたりの検討は行っているのか。

回答2

総合戦略は、第5次総合計画との整合を図りながら施策をまとめているもので、具体的な施策については全市的なものとなっており、地域ごとの詳細な分析に基づく具体的な対応を示すものとはなっていないが、意見聴取会でも例えば京阪沿線とJR沿線では課題が異なるのでエリアごとに重点的な取り組みを検討するべきではないかとの意見もあった。今後の施策の検討、実施については、地域ごとの課題、特性も踏まえていく必要があると考えている。

意見2

意見聴取会の中で出された意見に、「これからの人口減少社会において他の都市と人口を奪い合うような競争は合理的ではなく、むしろ地域全体で協調しながら持続可能なまちづくりを考えるべきである。」とある。もっともだと思う。地域課題の解決に向けた取り組みを効果的に行うなど、いま住んでいる地域に住み続けたいと思えるような持続可能なまちづくりのために、この総合戦略を推進していただけることをお願いする。

 

※以下は、国の第2期総合戦略の政策体系です。

 

※以下は、令和元年度開催の「第2回枚方市まち・ひと・しごと創生総合戦略に関する意見聴取会」の資料から「地域別人口の将来推計」に関わる部分の引用です。

 

 

 

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