総務委員協議会(3)令和2年度機構改革の実施について 質問の内容
(3)令和2年度機構改革の実施について
質問1
今回の機構改革では、新たな「職」として「危機管理監」と「子育ち支援監」が設置されている。
「監」は市長直轄の「職として設置」とのことなので、市長部局に置くことができる「職」である「理事」と同じような位置づけなのかなと思うが、その下に室相当の「危機管理室」「子どもの育ち見守りセンター」という組織がぶら下がっているので、「監」は部に置く「職」なのかとも思え、よくわからない。この「職」としての「監」を設置された意味や役割について伺う。
回答1
今回の機構改革で新たに設置する「危機管理監」については、地震や台風などの大規模な自然災害などの有事の際に、より迅速かつ的確な対応を図り、本市の危機管理に係る事務を統括する「職」として設置するものである。また、「子育ち支援監」についても、子どもの家庭総合支援を図るため、本市の子育ち支援に係る事務を統括する「職」として設置するもので、いずれの監についても、全庁横断的に取り組みをより推進するために市長直轄の「組織」として設置するものである。
意見2
今の答弁の中で、2つの「監」について、はじめは「職」として設置するもの、とお答えになり、最後は市長直轄の「組織」として設置するもの、と答えられたので、ますます、よくわからない、そんな思いになっている。
私の理解では、「職」は個人であり、「危機管理室」や「子どもの育ち見守りセンター」というのはまさに「組織」であると思う。
「市駅周辺等まち活性化部」のような形が例になるかと思うが、市長直轄の、所掌する事務を特化した「組織」をつくるのであれば、「危機管理室」や「子どもの育ち見守りセンター」という「組織」を統括する職員=トップを理事・部長級にすれば、わざわざ「監」という「職」を置く必要はないのではないかと思う。
「危機管理監」については、有事の際に、すべての組織への指揮・命令が可能となるという市長直轄の「職」として設置するというのであれば理解できるが、今の形はよくわかりない。
また、「子どもの育ち見守りセンター」については、独立した組織になることで、困難な事例をすべて押し付けられるだけになりはしないかという心配があると、これは指摘だけしておく。
質問2
今回の機構改革では、この「監」の設置とは対極にあるのではないかと思われるのが健康福祉部の「地域健康福祉室」の形である。
先の議員への説明で、「地域共生社会」の実現に向け、複合的な課題を抱える方や制度のはざまにいる方への相談・支援体制の強化、健康増進と介護予防の一体的な取り組みなど、健康・福祉・高齢者施策を組織横断的に推進する体制整備を行うことを目的として実施するとのことであった。
危機管理分野や子どもの育ち見守り分野では、特化したテーマに「監」も設置し、組織の長と2トップになるのかしらと思えるような形であるのに、「地域健康福祉室」はこれまでにない、極端なまでの1トップ型フラット組織になっている。
ことわらない総合相談窓口、複合的課題にまずは寄り添いながら適切な施策につなげていく支援は、市民の安心につながり、市民サービスの向上にも資するものとして期待するものであるが、分掌する範囲が非常に広範囲にわたる大きな組織となるため、室長、ましてや部長の負担は大きく、内部のガバナンスやマネジメントが図れるのであろうかという不安と、そのことに割かれるいわば内向きのエネルギーが非常に大きくなってしまうのではないかということが懸念される。
今回の「地域健康福祉室」の中に示されている「担当」の中には、過去に今回の整備とは逆の動きもあった。長寿社会部という部の設置やその中の担当を課に分けてきた経過、これには市民にとってのわかりやすさを追求した側面もあったのではないかと思う。
フラットに再編される新しい組織に対する期待、しかし一方で不安も大きく、大丈夫でしょうか、というのは愚問かもしれないが、他市成功事例でもかまわないので、この形で機能すると考えて実施されようとする「根拠」をお示しいただきたい。
回答2
この度の健康福祉部の改編については、地域共生社会の実現に向けて、健康福祉分野における横連携を強化するため、地域健康福祉室に関係部署を集約したものである。室内に設置する各担当部署については、市民から見てわかりやすく表示するとともに、必要な職員や組織をマネジメントする課長を配置することとしている。室内の組織運営については各課長を基本としながら、室長は主に健康福祉の横連携、総合調整を担うことになるものと考えている。
今後は、こうした組織改編の目的に沿った効果的な施策展開が行えるように、職員研修を実施するなど、職員の意識改革や人材育成にも注力していく必要があると考えている。
意見2
大きな機構改革なので、疑問はたくさんあるが、あとは意見だけ述べさせていただく。
国民健康保険室が市民生活部に移管され税務室と同じ組織になることで、保険料の徴収強化に力を入れるという印象が否めないが、今後の広域化への対応、これまで健康部の中で行ってきた特定保健指導などの施策における連携が引き続き円滑に行えるようお願いをする。
また、産業文化部が観光にぎわい部となり、社会教育部から文化財課とスポーツ振興課が移管されるようである。にぎわいつくりもいいが、インバウンド頼みの破綻が今回の新型コロナウイルスで露呈され、「観光」というワードが非常に危うくなっている状況でもある。「産業」と「文化」の視点が見失われないよう、まずは名称の再考をお願いしたいと思う。
また、地域保健法上の保健センターの位置づけは残るとのことであるが、市民が慣れ親しんできた保健センターなので、保健センターの機能はどこにいったのか、健診や相談等、どこに行けばよいのかという声がすぐ聞こえてきそうである。どこで何を担当されるのかということを市民にわかりやすく伝えられるよう、新たな組織についての周知をしっかりと行っていただきたいということを要望する。
そして、部長職、課長職のポストを削って、スリム化(人件費削減効果)しているという面も否めないと思うが、今回の機構改革が市民サービスの低下とならないよう、お願いをする。
※現行の「市長部局の職制に関する規則」より抜粋