複雑化、多様化する社会の中で、さまざまな人権問題が出てきています。人権問題に関する意識調査結果を見ながら、継続して学ぶことの必要性を感じています。

2021/12/05

枚方市議会議員の奥野みかです。

枚方市が今年6月に実施した「人権問題に関する市民意識調査」の報告書がホームページに掲載されています。調査対象者は、枚方市内に居住している満18歳以上の方3,000人(年齢階層別ランダムサンプリング)で、有効回収率は38.9%(1,168 票/3,000 票)との報告です。

人権問題に関する市民意識調査

 

調査項目は、新型コロナウイルス感染症における人権侵害の問題やインターネットにおける人権侵害の問題なども含め、さまざまな人権問題についての意識や考え方、人権や差別に関する考え方について等となっています。

①いろいろな人権問題についての意識や考え方について
②住まいのことや就職、結婚相手・パートナーに対する意識や考え方について
③ここ5年間の人権をめぐる法律や条例の施行、及びこれらに関する人権問題について
④新型コロナウイルス感染症における人権侵害の問題について
⑤インターネットにおける人権侵害の問題について
⑥人権や差別に関する考え方について
⑦人権問題の解決に向けた行政の取り組みについて
⑧人権について学ぶための機会について
⑨人権侵害について
⑩あなたご自身のことについて

 

調査結果のうち、人権問題についての認識は次のとおり。

そして、特に人権上の深刻な問題と考える人権問題は、多い順から、「子どもの人権問題(52.3%)」、「インターネットにおける人権侵害(39.7%)」、「女性の人権問題(34.1%)」、「新型コロナウイルス感染症感染者や回復者並びに医療従事者等やその家族の人権問題(26.5%)」、「セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント(20.8%)」となっています。

また、人権や差別に関するいろいろな考え方について、設問別に「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」を合わせた『そう思う』割合が記されていますが、「差別は人間として恥ずべき行為であり、私たち一人ひとりが差別しない人にならなければならない(94.3%)」、「差別をなくすためには、子どものうちからの教育が重要である(87.9%)」、「差別問題に無関心な人にも、差別問題についてきちんと理解してもらうことが必要である84.3%)」という考えが多い一方、「どのような手段を講じても、差別を完全になくすことは無理である(69.0%)」といった意見や「差別に対して抗議や反対をすることによって、かえって問題が解決しにくくなる(33.0%)」、「差別されている人は、まず、自分たちが世の中に受け入れられるよう努力することが必要である(31.3%)」、「差別の原因には、差別される人の側に問題があることも多い(19.5%)」、「目の前で差別発言などを聞いても、何もしないことは特に問題はない(10.7%)」、「人権問題とは、差別を受ける人の側の問題であって、自分には関係がない(6.8%)」という考え方も一定の割合で出ているようです。

報告書をしっかりと読もうと思っていますが、年々複雑化、多様化する社会を背景として、さまざまな人権問題が顕在化してきていることを改めて認識しています。そして、さまざまな人権問題についての理解とその問題の解決のためには、学校教育での人権学習はもちろん、継続して学んでいくことが必要で、今後とも人権問題の学習機会の提供など、行政の取り組みや支援の必要性を感じています。

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