閉棟を選択せざるを得ない今の緊急事態を乗り越えるためには、それこそ異次元の「対策」が必要ではないか。3月25日、予算特別委員会の5日目(特別会計・企業会計)は、病院事業会計と水道事業会計について質問し、危機管理対応として、一般会計からの財政的支援の必要性を訴えました。

2024/03/25

枚方市議会議員の奥野みかです。

3月25日、予算特別委員会のC日程(特別会計・企業会計)で行った質問の報告です。

病院事業会計では、厳しい労働条件の中でキャリア継続できる看護師人材を確保するために行っておられる取り組み・環境整備について確認し、医療現場における過酷な人材獲得競争を突破し、閉棟を選択せざるを得ない今の緊急事態を乗り越えるためには、それこそ異次元の経済的な支援、異次元の処遇改善とも言えるような経済的メリットの提供や体制整備など、思い切った特色ある対策が必要であることから、市としても危機感を共有し、基準を超える一般会計からの財政的支援を行うことを強く要望しました。

水道事業会計では、浄水施設更新及び完了後20年もの長期間の運転維持管理業務の委託料を定める契約について、物価高騰・人件費上昇の中、行われるスライド条項の適用等により明らかになってくる公共契約としての公正さに関わる課題について、改めて問題提起を行い、議会が関与することがないからと言って、不適切な契約対応や委託料支払に係る予算修正が行われることがないよう、改めて強く求めました。
水道管路の耐震化については、能登半島地震を受け、首長においては、次の被災者になるかもしれないという危機管理意識を持ち、あらゆる知力を尽くして、本市特性を踏まえた大規模災害に備えるための対応を実施するというトップマネジメントをどれだけ発揮できるかが求められていると訴えました。重要インフラである水道施設の耐震化や老朽化対策が国土交通省に移管されて加速されること、適切な財源確保はもとより、それを活かす市政運営や、一般会計からの財政的支援を要望しました。

 

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【3月25日の質問項目】

(1) 入院収益について(病院事業会計)
(2) 他会計出資金(中宮浄水場更新事業)について(水道事業会計)
(3) 水道施設の耐震化、管路の整備・更新に合わせた耐震化について(水道事業会計)

 

 


 

※以下、質問のやりとりを掲載します。

(1)入院収益について(病院事業会計)

Q1.私の質問

最初に、病院事業会計の入院収益について、の質問である。
(各特別・企業会計予算説明書246ページ)、医業収益の入院収益について、入院患者診療収入として、年間入院延患者数95,574人、患者1人1日当たり収入63,321円として、6,051,841千円が計上されている。昨年度予算は、年間入院延患者数95,765人、患者1人1日当たり収入63,041円として、6,037,121千円を計上されていた。
入院収益6,051,841千円には、昨年10月から休棟している4階西病棟の影響は反映しているけれども、今年3月から休棟している6階西病棟の影響は見込まれていないとのことである。この後、6階西病棟の影響はどのように現れてくると想定されているのか、伺う。また、病院として、どのような対策を考えておられるのかについても、伺う。

A1.林経営企画課長の答弁

2024(令和6)年度の収益は、昨年10月から4階西病棟を休棟しているので、入院収益や小児入院加算分の減少などを見込んでいる。
一方、6西病棟の休棟が収益にもたらす影響は、当初予算に反映していないが、これまでの実績では、毎月約5,000万円から7,000万円の収入があった。
今後、費用も含めて、執行状況などから影響を見極めていく必要があるが、地域医療連携による紹介・逆紹介による患者数の増加や診療単価の向上とともに、病床の回転数を上げるなど効率的な病棟運用に努め、6西病棟休棟に伴う減収額を最小限にとどめていきたいと考えている。

私の意見・要望

これまでの実績から、6階西病棟を休棟することによる病院収益への影響は、1か月あたり、5,000~7,000万円の減収となり、これを最小限にとどめるということであったが、4階西病棟も休棟しているので、単純に考えると、1か月あたり、1億~1億4,000万円の減収が見込まれるということではないか。
病院においては、当然この状況に対する強い危機感を持っておられることと思うが、市においても、その危機感を共有しなければ、取り返しのつかないことになりかねない。

Q2.私の質問

では今回、新たに病棟を休棟せざるを得ない背景として、夜勤を行う看護師が不足したことや退職する看護師の予想以上の増加が一つの要因となっているとお聞きしたが、他の医療技術職にも影響が出ていないか、伺う。
また、開棟に向けては、看護師の数の不足というよりも、夜勤可能な看護師の数が足りていないことから夜勤を担っていただける看護師を確保することが重要との説明もあった。
2024(令和6)年2月1日現在、看護師数は328人で、うち、病棟勤務の看護師数は191人であるが、病棟運営に必要な人数である180人に対して、退職予定者を除き、夜勤専従の職員8.25人を含めて常勤換算すると、現行、夜勤可能な人数は、163.25人と算定されるとのことである。つまり、16.75人の看護師が不足で、病棟の夜勤対応の維持が困難になるため、今回の休棟を判断したとの説明もあった。
新たな看護師の採用に向け、さまざまな手法を試みるとのことであるが、「頭数がそろえばいい」というものではないので、なかなかの難題ではないかと思う。
先に開催された病院事業運営審議委員会でも、「今年4月、看護師の新規採用は32人。近年では最高数の確保となってはいるけれども、新人看護師を初期教育6か月程度を経ずに病棟に配置することはリスクが高い。リスクが高い閉棟の解除は避けなければならないので、一定期間の閉棟はやむを得ないと考えている」との説明があった。そして、「開棟に向けては、夜勤を担っていただける看護師を確保することが重要」との説明もあった。
だとすれば、夜勤を行う看護師の勤務体制の整備や処遇改善が重要であると考えるが、現状や対応策等について、伺う。

A2.高橋総務課長の答弁

まず、今年度は例年見込んでいる以上の看護師の退職者が発生したところであるが、他の医療技術職の退職について同じような状況は発生していない。
また、夜勤を行う看護師の勤務体制を整えるため、勤務間インターバルとして、夜勤明けから次の勤務までの間に一定の時間を確保する取組みは従来から実施しており、看護師1人当たりの夜勤回数も月に8回以内となるよう努めているところである。
処遇面においては、夜勤を行った場合には、夜間勤務手当に加え、深夜に勤務することの心身の負担を考慮し、夜間特殊業務手当を支給しているところである。また、看護師全体で申すと、国の政策に基づき、看護師の収入を月額約12,000円程度引き上げる処遇改善制度を2022(令和4)年10月から実施している。
しかし、育児等により夜勤が出来ない看護師が一定数発生している現状にあることから、欠員等による対応としては、夜勤専従の会計年度任用職員の募集や、産休育休者への代替として派遣会社を通じての派遣看護師の配置も行っている。

私の意見・要望

夜勤専従の非常勤職員の採用や派遣看護師の配置等で乗り切れるかどうか、不確かではあるが、とりあえず実施可能な緊急対応に全力を尽くすよう求めておく。
ご答弁に「育児等により夜勤が出来ない看護師」との言葉があったが、「夜勤ができない」のではなく、夜勤のある変則勤務という働き方の中で出産~子育て期を超えるため、「夜勤を免除されている」看護師がいるということである。「優遇されているようで、少し申し訳なく感じている」というお声も聞いたが、対象者には好評で、感謝もされているようである。これも看護師の離職を止めるための有効な方策の一つであると思う。
一方、夜勤免除の看護師の存在は、夜勤可能な看護師の負担増をもたらす。負担の格差は不平等感につながり、負担が重い看護師を疲弊させることは容易に想像できる。
こうした構図を緩和し、夜勤回数をこなす看護師が、負担に見合う納得感を得るには、それこそ異次元の経済的な支援、異次元の処遇改善とも表現できるような十分な経済的メリットが提供することが必要で、そうした体制が整備されなければ、夜勤可能な看護師の退職を押し留めることは難しいのではないか。
そして、いったん、夜勤から離れた看護師も、その後、育児等の状況が変化し、体力的にも、時間的にも、再び夜勤対応できる状況が戻ってきたとき、そうした多額の経済的リターンがあれば、夜勤のある勤務に戻る動機付けになると思う。
そして、病院の安定した運営のためには、日勤・夜勤を含めて、充分余裕のある看護師総数を確保しておくことが不可欠である。
医療現場における看護師の人材不足は全国的な課題となっている。
代表質問で、市長は、「こうした状況を踏まえ、看護師に対する給与の引き上げを行う処遇改善措置を実施したほか、幅広い求人活動を行うなど積極的な人員確保に努めてきているが、さらに、誇りとやりがいを持って働いてもらえるような魅力ある病院づくりを進めることで人材の確保に努めていく」と言及された。病院は病院で取り組まれているが、医療現場における過酷な人材獲得競争を突破し、そして今の緊急事態を乗り越えるためには、思い切った特色ある対策が必要である。そのためには一般会計としても、しっかりと支える必要があると考えるので、基準外の繰り入れなどによる財政的支援を強く要望しておく。

Q3.私の質問

一方、高度な病院機能を維持するためには、夜勤ができるかどうかだけが問題ではなく、高い専門性と、何よりも使命感や意欲の高い人材の確保が不可欠である。なので、そういう人材の就職先・転職先となる病院になっていただきたいと考える。
そのためには、結婚・出産・育児などがキャリア中断にならない体制をつくること、看護師としての使命感や自己成長欲求、リ・スキリングが可能であること等の環境整備が非常に重要であると考える。先ほどの委員からも、病院における「人への投資」の重要性が強く訴えられたかと思うが、厳しい労働条件の中でキャリア継続できる看護師人材を確保するため、病院として、どのような取り組み・環境整備を行っておられるかについて、伺う。

A3.高橋総務課長の答弁

本院では、はしごをのぼるようにスキル・経験を取得する教育システムであるラダー制度を導入し、看護師の育成を行っている。
このラダー制度は、新人看護師教育プログラムを経て、2年目以降は到達レベルⅠからⅤまでの段階に分かれたクリニカルラダーを活用することにより、必要な能力の向上をサポートするものである。また、中途採用の看護師についても、既卒者研修を実施し、個人が有する能力を発揮できるよう支援している。
このほか、看護師の専門性を高める取り組みとして、本院に在籍する救急看護などの各専門分野について日本看護協会から認定を受けた看護師による専門領域研修の実施や認定看護師の取得、特定行為研修の実施など、幅広い知識や技術を習得する取り組みを行っている。
今年度には、本院のホームーページに看護局の特設サイトを新たに開設し、こうした教育支援体制の充実について情報発信もおこなっており、今後も本院で働き続けることに誇りとやりがいを感じてもらえる取り組みを進めていくことで、必要な人材の確保に努めていく。

私の意見・要望

ご紹介のあった看護局の特設サイトには、「心あたたまる看護 〜Devotion 献身〜」という看護局の紹介動画が掲載されていた。中核病院として地域の医療機関と連携を密に、急性期医療を担う公立病院として、患者さんに寄り添い、心のこもった看護を実践している病院として紹介されている。市立ひらかた病院では、「みんなで育てる」を大切に、プリセプター・エルダー制度を取り入れた新人看護師教育研修、スキルアップを目指した教育研修、認定看護師や特定行為看護師医療を支えるスペシャリストの育成等の専門研修など、教育支援体制の充実も図られている。看護師一人ひとりが、組織の一員として活き活きとやりがいをもって働き続けられる魅力ある職場づくりにも努められている。
そうしたことも、広くプロモーションしていただき、引き続き、優れた人材確保をすすめていただくよう、要望しておく。

(2)他会計出資金(中宮浄水場更新事業)について(水道事業会計)

Q4.私の質問

次に、水道事業会計、「中宮浄水場更新事業」についての質問である。
(各特別・企業会計予算説明書156ページ)、「継続費に関する調書」の「中宮浄水場更新事業(PPP、PFI)」の財源内訳の中に「他会計出資金2,350,000千円(23.5億円)」があるが、この他会計出資金の基準やスキームについて伺う。

A4.山本上下水道財務課長の答弁

毎年、総務省から通知される地方公営企業繰出し基準に基づき、一般会計から繰り出されるもので、浄水場、配水池等の基幹水道構造物の耐震化事業(更新・改築事業で耐用年数を経過していない事業)に係る事業費の4分の1が出資金の対象となる。
そのスキームについては、一般会計が出資金と同額の出資債を発行し、その元利償還金の2分の1が普通交付税措置されるものである。

Q5.私の質問

中宮浄水場更新事業の財源のうち「他会計出資金」は、耐用年数内の施設の耐震化に係る対象事業費が変わらないため金額の変更はないとのことであるが、中宮浄水場更新事業の「継続費」については、3月の補正で、2026(令和8)年度までから2027(令和9)年度までに期間が変更され、総額15,750,000千円(157.5億円)は、17,750,000千円(177.5億円)となり、年割額も変更されている。これは、「人件費や物価水準の変動を根拠とする、事業者からの全体スライド請求の適用により、現時点の試算で約18億円、掘削作業で発見された砲弾などの処理に要した費用が約2億円で、合計20億円の増額となり、期間については、処理等に要した期間6か月の延長による変更」との説明である。

当該契約を締結された2021年12月に、DBO方式による総合評価一般競争入札での落札額27,937,800千円を、約4億円(396,200千円)も上回る予算額28,334,000千円をそのまま計上している理由を伺ったところ、「建設工事において、地中埋設物等への対応による追加費用が想定されること、また、運転維持管理業務等委託においては、スライド条項の適用も含め物件費等の高騰への対応を見込んでいる」との説明があった。この3月補正で20億円の増額補正を行われる際に聞き損ねたが、すでに24億円の上積みがあるということか。この後も、さらなる物価高騰、人件費上昇が想定されるということかもしれまないが、これまで行われた増額根拠の整理を求めておく。

さて、DBO方式での契約となる「中宮浄水場更新事業及び浄水施設運転維持管理業務等委託」については、(各特別・企業会計予算説明書164ページ)、「債務負担行為に関する調書」において、2022(令和4)年度から2046(令和28)年度までを期間として、限度額を12,584,000千円と設定されている。2022(令和4)、2023(令和5)年度の支払いは発生していないようであるが、いつから支払いは発生するのか、伺う。
この20年もの長きにわたる期間の「浄水施設運転維持管理業務等委託」については、現下の著しい物価高騰、さらに人件費上昇の中、当初は想定していなかった増額が必要になる可能性もあるのではないか。その際、どのように対応する考えか、伺う。

A5.辻浄水課長の答弁

浄水施設運転維持管理業務等委託の支払いについては、現契約において業務の履行期間の始まりを2026(令和8)年4月1日からとしていることから、2026(令和8)年度以降から支払いが生じるものと考えている。また、物価高騰や人件費の高騰により事業者から、運転維持管理業務に関するスライド請求があった場合には、金額変更の協議に応じていく。

O.私の意見・指摘

2021(令和3)年12月の定例月議会で、中宮浄水場更新事業の契約について、「原材料や燃料コストの上昇、人件費の上昇が見込まれるインフレリスクの高い現況を鑑みて、浄水施設完成の5年後を起点とする20年もの長きにわたる期間の運転維持管理業務等の委託料を見通すというのは、非常に困難であると考える」と意見をし、「想定を超える状況の変化、見込みと異なる費用変動等が発生した時、SPCを含む受注者は、極限までコストを削減するか、値上げを要求するか、事業撤退するかの三択しかないのではないかと懸念される。徹底したコスト削減をされると水道事業の安全・安心が脅かされる。事業撤退の歯止めとなるペナルティを設定しておくべきではないか」と指摘し、確認したところ、「SPCは本事業のためにだけ設立する特別目的会社であるため、事業期間中の変更が生じることはないと考えるが、受注者の責により契約解除または、損害を及ぼす変更が生じた場合などは契約書に基づき対応する」との答弁であった。
今、改めて振り返ってみても、25年先までの浄水施設運転維持管理業務等委託料額を入札できるということ自体が極めて不合理であったと思う。だからこそ1者応札となり、競争性が確保できなかったのではないか。20年にも及ぶ長期の維持管理に関する委託料を確定提示するなどということは、変動要素、すなわちリスクが大きすぎて、まともな企業経営感覚ではできないのではないか、「いったん、契約さえしてしまえば契約金額など物価スライド条項を使って、協議という名のもと、いくらでも引き上げられる。契約の解除などできるはずがない」という「タカをくくれる」事業者でなければできないのではないかということである。
長期にわたる施設の維持管理業務を民間事業者に行わせるということでは同じ性格の指定管理業務においても、競争性を確保しながら、業務の安定性と契約の効率性を両立させるため契約期間の設定は、5年、長くても10年としているのが通例である。いったん契約したら、極めて長期にわたって競争状態がないまま業務を継続させるというような委託発注のスキームは、入札参加者の公正性と業務の効率性を阻害するものであったと、改めて指摘しておく。

実際、浄水施設運転維持管理業務等委託の2026(令和8)年度以降の支払いについて、「物価高騰や人件費の高騰により事業者から、運転維持管理業務に関するスライド請求があった場合には、金額変更の協議に応じる」とのご答弁であった。これが、受注者としての立場を固定させた上で、物価スライド条項の適用によって、なし崩し的に委託料を膨張させるなどという取扱いを意味するのであれば、競争性のないまま契約した事業者の利益を保障し続けるという公共契約にあるまじき取扱いになってしまう。

中宮浄水場更新事業の「設計・建設工事請負契約書」は第25条で、「浄水施設運転維持管理業務等委託契約書」は第46条(別紙8)で、「賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更」(物価の変動及び賃金変動等に対する措置)が規定されている。発注者であっても、受注者であっても、賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったと認めたときは契約金額の変更を請求することができるとし、変動前残契約金額と変動後残契約金額との差額のうち変動前残契約金額の1000分の15を超える額につき、契約金額の変更に応じなければならないと定めている。物価上昇が1.5%を超えたときに、「物価スライドの適用」と言って安易に委託料の引き上げに応ずれば、2%程度の物価上昇が続けば毎年契約を変更することになる。だとすれば、当初契約額や予算というものは、意味がなくなってしまう。そして、長期にわたる契約金額の提示リスクゆえに入札参加できなかった事業者に対する公共契約としての公正さを失ってしまうのではないか。
上下水道事業は地方公営企業であるから、契約変更時に議会が関与することはない。だからと言って、今後、不適切な契約対応や委託料支払に係る予算修正が行われることがないように強く求めておく。

Q6.私の質問

次に、出資金についての質問である。
中宮浄水場更新事業以外に、水道管路の更新・改築など、これまで出資金の対象となった事業はなかったのか、国の定める出資金の内容や基準について、伺う。また、国等へ補助金や、地方公営企業繰り出し金制度の拡充となる出資金等に関する要望などは行われているのか、伺う。

A6.山本上下水道財務課長の答弁

2019(平成31)年度以降の操出基準では、中宮浄水場更新事業以外に、水道管路緊急改善事業の対象となる布設後法定耐用年数の40年を経過している水道管路の耐震化事業が出資金の対象となるが、これまで対象となった事業はない。また、この基準は2023(令和5)年度までの時限措置となっており、2024(令和6)年度以降については、新たな基準が示される見込みである。
次に、水道事業に対する地方公営企業繰出制度や補助金等の拡充については、毎年、市長会及び日本水道協会などを通じて国に要望している。

私の意見・要望

これまでの繰出基準であれば、2024(令和6)年度から2032(令和14)年度までの継続費を設定している「中宮浄水場~春日受水場間送水管更新事業」が出資金の対象であったようである。この後、示される2024(令和6)年度以降の基準はさらに拡充される見込みであるよう伺ったが、他会計出資金は一般会計からの出資金で、基準内の繰出しである。喫緊の課題である水道管路の耐震化にかかる財源確保のため、上下水道局においては、一般会計財政担当部局への協議の申し入れを確実に行うこと、また、市に対しては、適切な財源確保を求めておく。

能登半島地震を経て、水道事業については、予算も人員も足りていないことが明らかになっている。今回の人事異動で体制強化が図られていることを願うが、水道管路の耐震化の加速のための財政出動は、納税者にも、受益者にも理解されるところではないか。
2月20日の朝日新聞で、人と防災未来センターにもおられた水道工学の平山准教授は、「水道 投資の意識を住民に」という記事の中で「住民が水道システムを支える意識を持つことが大事。水道料金の支払いは、いわば将来にわたり地域の水を守る「投資」である。産業を守るために企業に出資してもらう仕組みも必要」という意見があった。
企業版ふるさと納税による寄附を上下水道事業管理者が受け、寄附企業の希望により、上水道基幹管路耐震化の取組に活用している事例(浜松市)、使途を特定しないものとして財政調整基金で受けた寄附金を「水道管路の耐震化」として水道事業会計への繰出金に集中的に充当している事例(気仙沼市)等もあるようである。
「本市上下水道局として、寄附の受入れに関して、特別な仕組み等は設けていない」と伺ったが、他市事例も参考に、一般会計と調整していただき、寄附金からの財源確保の仕組みも検討していただくよう、要望しておく。

(3)水道施設の耐震化、管路の整備・更新に合わせた耐震化について(水道事業会計)

Q7.私の質問

次に、「水道施設の耐震化、管路の整備・更新に合わせた耐震化について」の質問である。
(各特別・企業会計予算説明書201ページ)、建設改良事業費、「鷹塚山配水場~枚方市役所間口径400mm以下配水管更新基本設計委託」として計上されている経費は、鷹塚山配水場から枚方市役所周辺地域への既存の配水管の更新のため、ルートの選考や施工方法などを検討する基本設計を行うための経費を令和6年度当初に計上したと伺った。
2021(令和3)年4月、枚方第二小学校正門前で、鷹塚山配水場から続く配水管の破損による漏水事故が発生した。大口径の配水管からの漏水のため緊急性は高いと思っていたが、なかなか更新工事の話が出てこなかった。枚方市役所周辺まで続く管路はループでバックアップ機能を果たしていると認識していたので、再び漏水事故が起こればどうなるのか、リスク対応はできているのかと懸念している。
そこで、2021(令和3)年4月の漏水事故後の対応と、この間の判断の理由を伺う。さらに、今回の事業実施に至った経過についても伺う。

A7.松原上水道工務課長の答弁

ご指摘いただいた配水管の漏水は、周辺の埋設管等が錯綜している掘り返しの難しい場所で発生したことや、市街化された地域であることから、張り巡らされている管網による補完により、水運用に問題ないと判断できたため、当時、バルブ操作により漏水を止めたものである。
また、市役所周辺への配水は、2004(平成16)年度に更生工事を実施し、漏水の懸念が無い、枚方小学校の東側と岡東公園前を通過する別ルートの管路から行い、出水不良や赤水等の発生もなく運用できたことから、速やかな復旧工事は必要ないと判断したものである。
しかしながら、2018(平成30)年度に策定した枚方市水道施設整備基本計画では、令和10年までの短期整備計画で、重要給水施設への配水ルート耐震化が求められていることから、今回、計画に基づきルートの再構築を行うものである。
この事業により、本来の配水ルートが確保されることで、現在供給しているルートがバックアップルートとして活用でき、防災拠点である市役所を含む周辺地域への配水網が、より一層、強靭化されることとなる。

Q8.私の質問

大規模地震への対策としては、個々の施設に対し、耐震化を推進するとともに、災害により水道施設が被害を受けた場合でも、他系統の水道水を相互融通することが可能となる相互連絡管等の整備などもバックアップが可能となるシステムの構築が重要であると考える。
今回の事業実施により災害時のバックアップルートが構築されるとのことであるが、1月に発生した能登半島地震の報道を見ていても非常に大切な「備え」だと感じる。
そこで、水道施設整備基本計画では鷹塚山配水場~枚方市役所間、口径400mm以下配水管更新事業のようなバックアップルートの構築を他でも取り組まれているのか、またそれ以外の地震対策、特に能登半島地震で発生した地盤の隆起への対策をどのように行われているのか、伺います。

A8.中西上下水道計画課長の答弁

水道施設整備基本計画では鷹塚山配水場~枚方市役所間、口径400mm以下配水管更新事業の他には、中宮浄水場から田口山配水場間の送水管、田口山配水場から北山配水場間の送水管のバックアップルート構築に取り組んでいる。
また、中宮浄水場から春日受水場間の送水管更新事業に取り組むことで、大阪広域水道企業団村野浄水場から春日受水場への企業団水の受水と合わせた二重化を図る予定である。
地震対策については、管路の耐震化として、ダクタイル鋳鉄管の接合部分に、伸縮により地盤の変位を吸収し、はずれない構造を有する耐震性継手を採用する他、小口径の管路では、地盤の変位に追従する特性を持つポリエチレン管(PE管)を使用している。
また、中宮浄水場から送水した浄水を一時貯留する配水場の耐震化工事も実施しており、この工事に合わせて、一定以上の地震で作動する緊急遮断弁を配水場の流出部に設置している。この対策により、地盤の隆起で配管が破損した場合も浄水が全て流出せず、発災時には確保した浄水を給水車等で応急給水する体制をとることができると考えている。

私の意見・要望

本市の2022(令和4)年度末の配水管耐震化率は28.4%、配水場耐震化率は65.4%、管路の老朽化については、法定耐用年数40年を超える管路の割合である管路経年化率が28.4%、距離にすると管路総延長1,179キロメートルのうち335キロメートルとのことであるが、近年の管路更新率(水道施設整備基本計画の計画期間の2019(令和元)年度から2022(令和4)年度の4年間の平均)は年間0.68%とのことで、年に1%も進んでいないのが現状である。

1月1日に発災した能登半島地震を受け、次の被災者になるかもしれないという危機管理リスクをどれだけ現実問題として捉えられているかということ、あらゆる知力を尽くして、本市特性を踏まえた大規模災害に備えるための対応を実施するかということ、これらは、まさにトップマネジメントであると考える。地方公営企業である上水道局に対して、どれだけの危機管理意識をもって首長が働きかけるかということが求められていると思う。
水道行政は4月から国土交通省に移管される。インフラ整備や災害対策を担ってきた国土交通省に移管されることで、国民生活に密接した重要インフラである水道施設の耐震化や老朽化対策が加速されること、それを活かす市政運営を求めておく。

 


 

▶ 中宮浄水場更新事業について、これまで行った質問

 

 

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