食缶方式の中学校全員給食制への移行に向け、PFI方式(BTO方式)を採用した総合評価一般競争入札方式で事業者を選定し、第三学校給食共同調理場跡地に新たな給食センターを整備する。(教育子育て委員協議会報告④)

2024/08/28

枚方市議会議員の奥野みかです。

8月28日に開催された教育子育て委員協議会の報告④です。

(4)中学校全員給食について[おいしい給食課]

中学校全員給食の実施に向けて、既設の第一学校給食共同調理場の中学校給食エリアの改修に加え、新たな給食センターをPFI方式で整備するため、現在、新たな給食センターの整備についてはアドバイザリー委託を実施し、PFI事業者の公募・選定に向け準備を進めているところ。

本市では、市立中学校への給食提供方法をランチボックス方式の選択制から食缶方式の全員給食制に移行するにあたり、「今後の中学校給食に関する方針」(2022(令和4)年12月策定)を策定し、既設の第一学校給食共同調理場の中学校給食エリアの改修に加え、新たな給食センターをPFI方式で整備(第三学校給食共同調理場跡地に、現存する旧施設を解体から新設施設の設計、建設、維持管理、運営を民間事業者が一貫して実施するPFI方式を導入)するため、現在、新たな給食センターの整備についてはアドバイザリー委託を実施し、PFI事業者の公募・選定に向け準備を進めているところ。民間の高度な技術力や経営能力等のノウハウ及び資金を活用し、市が行う献立作成や食材調達と連携することで、市立中学校へ安全でおいしい学校給食をより安定的、効率的に提供することをめざす。

◇「(仮称)枚方市立中学校給食センター整備運営事業」の事業概要について

 

※PFI(Private Finance Initiative)の事業方式のうち、
BTO(Build Transfer and Operate)方式→民間事業者が施設を建設し、施設完成直後に公共に所有権を移転し、民間事業者が維持管理及び運営を行う方式。

・旧施設の解体から本施設の設計、建設、維持管理、運営を民間事業者が一貫して実施するPFI方式を導入
・施設整備費の割賦払いが可能で、財政負担の平準化を図ることができるPFI(BTO)方式を採用
・特別目的会社(SPC)が地方公共団体との契約を締結し、施設の整備、運営・維持管理を実施
・施設整備資金はSPC が自ら金融機関からの借入により調達するため、地方公共団体に加え、金融機関が借入人のSPC に対して経営状況の監視を行うことになり、地方公共団体と金融機関による二重の事業監視の仕組みを導入
・地方公共団体と金融機関は、SPC の経営状況に係る情報共有や、SPC の経営不振時への対応等を内容とする「直接協定(Direct Agreement)」を締結
・事業者の選定方法は「総合評価一般競争入札方式」により行う。→1者リスク(競争性の確保)が残るのではないか。

◇中学校全員給食開始までの事業スケジュール(案)について

 

◇202311月(教育子育て委員協議会)以降の変更点

① 第一学校給食共同調理場の改修期間に、民間給食事業者を活用した給食提供の可否について最終判断のリミットを2024年6月末としており、引き続き民間動向を調査したが民間給食事業者の状況には変わりはなく、外部発注による給食の調達は不可能という結果。
② (仮称)枚方市立中学校給食センターの整備については、現在の世界的な原材料の品薄・高騰の影響により、かつて経験のない価格高騰・納期遅れが発生している社会情勢等も考慮すると、設計・建設期間が21か月を4か月延長し、25か月。
→以上より、中学校全員給食の開始は、2028(令和10)年2学期とする。

事業スケジュールについて、ヒアリングで確認したこと

・現在、第一学校給食共同調理場では、小学校給食と中学校給食(選択制給食)の調理を行っている。
小学校給食はそのまま継続、中学校給食分は、改修のため、いったん中止(2028年1月~)。工事改修の間、民間給食事業者を活用した給食調達を検討したが、不可能という結果。よって、新設された第三学校給食共同調理場で、工事改修の間、食缶方式の中学校給食(選択制給食)(19校分)を実施。第一学校給食共同調理場の工事改修後(2028年9月~)は、食缶方式の中学校給食(全員制給食)について、第一学校給食共同調理場で9校分、第三学校給食共同調理場で10校分を実施する。
・小学校給食については、単独調理場22か所(ドライ・民間委託8校/直営14校)、第一学校給食共同調理場(8校分)、蹉跎西共同調理場(4校分)、親子方式5か所(10校分)となっている。

奥野の意見

現在、ランチボックス方式で提供する「選択制」(約4,000食)に対応している第一学校給食共同調理場が、「全員制」に対応できるよう改修する間は、新規に整備する施設が市内全中学校に対して「選択制食缶方式」(約4,500食、最大6,000食)で給食を提供することを予定しており、第一学校給食 共同調理場改修完了後は、第一学校給食 共同調理場(最大6,000食)と新規に整備する施設(最大6,000食)の2調理場体制で市内全中学校に対して「全員制食缶方式」で給食を提供することを想定しているとの説明です。円滑に移行がかなえばいいですが、調理、配送ともに一定期間のみ柔軟に対応できる事業者がはたして確保できるのか、懸念されます。

他の委員の質問

・全員給食は悲願。給食事業者の状況は全国的にも逼迫している。
・第一学校給食共同調理場の改修期間の民間給食事業者を活用した給食提供、外部発注による給食の調達は不可能という結果。設計・建設期間が21か月を4か月延長し、25か月。
→中学校全員給食の開始は、2028(令和10)年2学期から。
・解体もPFI事業で実施するのか。事業スケジュール(案)によると、「解体工事」の後、3か月あけて(確認申請)、「建築工事」の実施となっているが、なぜか。
→土壌調査を予定。以前の案では、「確認申請」は「実施設計」の期間に含む。

 


【参考】

▶ 2024年8月7日/(仮称)枚方市立中学校給食センター整備運営事業における実施方針及び要求水準書(案)の公表について

・実施方針及び要求水準書(案)に関する質問と意見について→2024(令和6)年8月29日15時まで
・実施方針等に関する説明会及び現地説明会の開催について
→【申込受付期間】2024(令和6)年8月19日(月)正午まで
・説明会について
(1)実施方針等に関する説明会→2024(令和6)年8月21日(水)13時30分から14時30分/輝きプラザきらら
(2)現地説明会→2024(令和6)年8月21日(水)15時30分から16時30分/第三学校給食共同調理場

 

 

▶ 中学校全員給食における可能性調査結果及び施設整備方針について(2023年11月)

 

枚方市中学校給食あり方懇話会(2021年度)

 


【参考】

▶ 中学校全員給食に向けた施設整備方針等の確定について(枚方市HP)

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