1月11日、平和憲法枚方市民の会の総会。記念行事は、映画「不思議なクニの憲法」の上映。
1月11日、平和憲法枚方市民の会の記念行事は、松井久子監督のドキュメンタリー映画「不思議なクニの憲法」の上映でした。
映画のなかでは、さまざまな立場の人、たくさんの普通の人たちの憲法に対する思いが語られていました。瀬戸内寂聴さん、赤松良子さん、孫崎亨さんをはじめ、憲法学者や歴史研究家、政治家、ジャーナリストから、学生、若い弁護士さん、主婦、自衛隊員の家族等々。
憲法に保障されている自由と権利を守るために、民主主義を貫くために、私たち一人ひとりができることをしなければと強く思いました。
憲法を最も尊重し遵守すべき人たちが発する改憲には、危機感を持ってしっかりと対応していかなければ。
さて、今日開かれた平和憲法枚方市民の会の総会の挨拶(前原先生)で紹介された中村哲医師の記事をシェアします。
憲法を「守れ」ではなく、憲法を「実行せよ」とのこと。
あなたにとって9条とは、に対する中村医師の答えが次のように記されています。
「天皇陛下と同様に、これがなくては日本だと言えないもの。日本に一時帰国し、戦争で亡くなった親戚の墓参りをするたび、僕は思うのです。平和憲法とは、戦闘員200万人、非戦闘員100万人、戦争で亡くなった約300万人の人々の『お位牌(いはい)』だと」
➣毎日新聞(2019年12月17日)より引用
「憲法を実行せよ」=小国綾子
(※クリックすると記事にリンクします。)
「憲法を実行せよ」。アフガニスタンで亡くなった医師、中村哲さん(73)が6年前、茨城県土浦市の講演で聴衆に向けて力強く放った言葉が忘れられない。憲法を「守れ」ではなく「実行せよ」。耳慣れない表現が心に刺さった。
彼の講演はこんなふうだった。「この国は憲法を常にないがしろにしてきた。インド洋やイラクへの自衛隊派遣……。国益のためなら武力行使もやむなし。それが正常な国家だ、と政治家は言う」。そう苦言を呈したあと、中村さんは冒頭の言葉を口にしたのだ。
パソコンに残るその日の私の取材メモ。<講演でまず心を動かされたのは、スライドに大きく映し出されたまぶしいほどの緑の大地の写真だった。干ばつで砂漠化したアフガニスタンの大地を、緑豊かな耕作地へと変えてきた中村さんの力強さ。この人のすごさは「実行」してきたことだ。「100の診療所より1本の用水路を」と。そんな「実行の人」が壇上で言う。「憲法は守るのではない、実行すべきものだ」>
講演後のインタビューでも、中村さんは憲法について語り続けた。「どんな山奥のアフガニスタン人でも広島・長崎の原爆投下を知っている。その後の復興も。『日本は一度の戦争もせずに戦後復興を成し遂げた』と。他国に攻め入らない国の国民であることがどれほど心強いか。単に日本人だから命拾いしたことが何度もあった。憲法9条はリアルで大きな力で、僕たちを守ってくれている」
「リアル」という言葉にも、はっとさせられた。日本で平和憲法を「ただの理想」「非現実的」と言う人が増えていたあの頃、アフガニスタンで命の危険と背中合わせの中村さんは逆に「リアル」という言葉を使ったのだ。
最後に「あなたにとって9条とは?」と尋ねた時の、中村さんの答えをここに書き残しておきたい。忘れてしまわないために。
「天皇陛下と同様に、これがなくては日本だと言えないもの。日本に一時帰国し、戦争で亡くなった親戚の墓参りをするたび、僕は思うのです。平和憲法とは、戦闘員200万人、非戦闘員100万人、戦争で亡くなった約300万人の人々の『お位牌(いはい)』だと」
この言葉をもう二度とご本人の口から聞けないことが悔しい。「憲法を実行せよ」という言葉の意味を今、改めて考える。