1月28日、不登校支援の現状と課題について、大人のひきこもりにも触れながらの水野達朗さんの講演を聞きました。河北市議会議員合同研修会です。

2020/01/28

1月28日、河北市議会議員合同研修会は、家庭教育支援センター ペアレンツキャンプ代表理事である水野達朗さんの「不登校支援の現状と課題~学校に行かなくていいは本当なのか~」の講演でした。
講師の水野達朗さんは大東市の教育委員でもあります。

講演の内容は、「不登校とは何か」「ひきこもりと不登校の関連性」「求められる予防開発的な家庭教育支援」「不登校支援の現場から見えるものとは~ペアレンツキャンプの支援~」を順にお話しいただきました。

地域とのつながりがない、仕事が忙しいので時間が取りづらい、コミュ二ケーションはSNS中心で直接話すのは苦手、子育ての悩みや相談を直接相談できる人が近くにいない…。参加型の支援だけでは保護者のニーズとマッチングしないことが多く、行政が学びの場を設定しても意識の高い保護者しか集まらず、本当に来てほしい保護者にアプローチできない。そんな中で、大東市では、「来てくれないなら行こうじゃないか」と家庭教育支援チームが新小学1年生の全家庭(ベルト型)を訪問する(アウトリーチ型)の「大東モデル」を平成28年度から実施されているとのこと
新小学1年生全家庭訪問、初年度は年1回、平成29年度は年2回、平成30年度以降は年3回(各学期)が目標で、あわせてサロン型の「いくカフェ」を全小学校で実施(年3回)すると。
市内全12小学校区に設置している「相談・訪問チーム」のグループリーダー(SSW)は9人で、チーム員(民生委員児童委員・主任児童委員・青少年指導員・市民サポーター)は2019年12月時点で166人。
成果として、平成28年度61.6%であった保護者との面会率は、平成29年度には、2回あわせて95.0%をカバーしているとのこと。入学説明会や入学式などを通じて周知を図ったことも功を奏しているようです。

「子育てするなら大都市よりも大東市」なんてキャッチフレーズも紹介されていました。大東市の教育のセールスポイントについては、次年度本格実施となる学習指導要領に「主体的で対話的な深い学び」とあるが、大東市では、10年前から子どもたちが授業をして教師がコーディネーターをするという学び合いの授業づくりを実施しており、その積み重ねがようやく浸透しつつあるところで、ようやく国が追いついてくれたかとの思いである、なんて自慢?も話されていました。

その他、ひきこもりについては、長期化して8050問題に至る前、就労という出口をめざせる5020問題での対応を、より以前の学齢期においては、ウエルカムである復学をめざせる不登校支援での対応をと、ひきこもりと不登校の関連性についての話もありました。もちろん一人ひとりに適した対応が必要で、多様な教育の選択肢を認めようという「教育機会確保法」の施行もあり、就労支援や復学支援だけがゴールであるとは言えないが、との前提を話されながら。

講師の水野さんは、ペアレンツキャンプの支援など、自分は支援者としてひとりひとりとしか向き合うことはできないが、今日は議員研修であると。一人でも多くの親と子の笑顔のために制度を変える立場で議員の皆さんに頑張っていただきたいと最後にまとめられました。

今回の学びも踏まえて、一人でも多くの親と子の笑顔を支える仕組みづくりに頑張っていきたいと思います。

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