10月9日、予算特別委員会4日目(総論及び市民福祉・建設環境部門)は、新型コロナワクチン予防接種の健康被害への対応や、留守家庭児童会室も含めた学校内の施設整備について質しました。

2024/10/08

枚方市議会議員の奥野みかです。

10月8日、予算特別委員会のB日程(総論及び市民福祉・建設環境部門)で行った質問の報告です。

まず、新型コロナワクチン接種について、予防接種法上の「特例臨時接種」は2023(令和5)年度末で終了し、2024(令和6)年度以降は、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とし、65歳以上の高齢者等は予防接種法(B類疾病)に基づく「定期接種」、それ以外の方は予防接種法に基づかない「任意接種」に変更となります。予防接種法での取り扱いが変更したことに伴い、副反応による健康被害の取り扱いも変わります。そのような中、本市においては、予防接種の担当課も変更となります。そこで、予防接種に関するリスクとベネフィットの情報提供や予防接種に対する各種ご相談への対応、健康被害に対する対応、さらに、継続して必要な伴走支援等について要望しました。

また、2023(令和5)年度で学校施設のトイレ改造は完了したとはいえ、留守家庭児童会室には男女共用トイレや和式便器が残り、さらに、熱暑災害とも言える環境の中、教室等空調設備DBO事業による一斉更新からも除外されている校舎外専用棟の空調設備について、先の一般質問に続いて問題提起し、施設整備の専門的知見を発揮いただき、留守家庭児童会室施設の整備についてもしっかりと検討いただくよう、意見しました。

 

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【10月8日の質問項目】

(1) 新型コロナウイルス予防接種健康被害給付費負担金について
(2) 学校園施設改善事業(トイレ改造工事)について

 


 

※以下、質問のやりとりを掲載します。

(1)新型コロナウイルス予防接種健康被害給付費負担金について

Q1.私の質問

決算概要説明書の48ページの4,771,326円は、新型コロナウイルス予防接種による健康被害に係る国庫負担金とのことであるが、枚方市における健康被害給付費の内容、認定の状況について、伺う。

A1.沖保健予防課長の答弁

新型コロナウイルス予防接種による健康被害に係る給付費の内容としては、受けた医療にかかった費用として医療機関や薬局で支払った金額を給付する医療費が1,409,356円、入院や通院等に必要な諸経費を給付する医療手当が4,050,800円で、総額が5,460,156円となっている。これらの費用については全額国庫負担となっており、決算額との差額については、2024(令和6)年度に清算する。なお、医療費及び医療手当を支給した実人数は21人である。
また、これまでの、本市における新型コロナワクチン接種による健康被害の申請状況であるが、2024(令和6)年9月末時点の申請者数は46人で、このうち国による審査の結果認定された方は31人、認定されなかった方は8人、審査中の方が5人、現在、国の審査に必要な資料の進達を進めている方が2人となっている。

私の意見・要望

健康被害の「申請」は市で受け付け、市の「予防接種健康被害調査会」を経て国に「進達」するとのことであるが、国の「疾病・障害認定審査会」での審査など、認定の決定を受けるまでには、非常に長い時間がかかるという話を聞いている。
ただいまのご答弁にあったように、現在も審査中の方が5人、国への進達前の方が2人おられるようである。申請に至るまでの経過や症状、治療期間などはさまざまかと思うが、可能な限り早急な対応に努めていただけるよう、お願いをしておく。認定審査の結果に関わらず、健康被害の「申請」をされた方は、日常生活においても、何らかお困りになる健康状態であるわけであるから、身体の不調や医療などについての相談に、どうか、丁寧に対応していただけるようよろしくお願いをしておく。
新型コロナワクチン接種について、予防接種法上の「特例臨時接種」は2023(令和5)年度末で終了し、2024(令和6)年度以降は、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とし、65歳以上の高齢者等は予防接種法(B類疾病)に基づく「定期接種」、それ以外の方は予防接種法に基づかない「任意接種」となるようである。
「予防接種の副反応による健康被害は、極めてまれではあるが不可避的に生ずるものである」ということで、予防接種法に基づく「定期接種」には「予防接種健康被害救済制度」が設けられ、予防接種法に基づかない「任意接種」において健康被害が生じた場合は「医薬品副作用被害救済制度」の対象となるようである。予防接種に関するリスクとベネフィットの情報提供や予防接種に対する各種ご相談への対応はもちろんのこと、予防接種による健康被害を訴え、救済を受けようとする方が、混乱なく、円滑かつ適切に手続きを行うことができるよう、市民に対しても、また、新型コロナワクチン接種を実施する医療機関等に対しても周知徹底いただくことが求められるととともに、窓口での適切な対応も求められると考える。
2024(令和6)年度以降、予防接種法(B類疾病)に基づく「定期接種」となった新型コロナワクチン接種も、予防接種法(A類疾病)に基づく子どもの「定期接種」についても、各種予防接種に関することはすべて保健所の保健予防課に集中されたようであるが、担当課がいろいろと変わってきていること、特に、保健センタ―から変わってきていることに非常に不安を感じている。健康被害は何十年も続くことがあるわけであるから、保健師さんとか、看護師さんとか、その後も継続する健康被害に対する伴走支援に市としてしっかりと対応していただけるよう求めておく。

(2)学校園施設改善事業(トイレ改造工事)について

Q2.私の質問

次に、小中学校における学校園施設改善事業のうちトイレ改造工事について伺う。
2023(令和5)年度は、小中学校31校、35系列、合計1,856,266,561円の整備により、2023(令和5)年度末をもって全小中学校のトイレ整備が完了したとのことであるが、この間、どのようなプロセスを経て、どのような整備を行ってきたのか、また総額の整備費用、さらに、今後どのように取り組もうとされているのかについて、伺う。

A2.里施設整備課長の答弁

誰もが利用しやすい学校トイレとするため、文部科学省の「新しい時代の学びを実現する学校施設のあり方」において、健やかで衛生的な環境整備のために、「衛生環境改善の視点や生活スタイルの変化等を踏まえ、トイレについて洋式化・ドライ化を積極的に推進する」という考えのもと整備を進めてきた。
小中学校の校舎におけるトイレ改造事業は、2003(平成15)年度からトイレ整備事業として実施しており、2019(令和元)年度からは洋式化・ドライ化・ユニバーサル化の整備加速化を進め、2023(令和5)年度末で事業完了に至っている。この5年間で実施した総額の整備費用については、約60億円となっており、このうち約17億7千万円については、国の交付金を活用している。
今後も、より多くの児童生徒がストレスなくトイレを使用できるよう社会情勢やニーズの変化に合わせて更なる学校トイレの環境向上に努めていく。

学校トイレ整備における基本的な考え方(2023年3月)

Q3.私の質問

市内、全小中学校のトイレ改造工事を5か年で整備されたとのことであるが、先の一般質問でも確認させていただいたが、今回、改めて実態を確認させていただいたところ、留守家庭児童会室のトイレについては、同じ学校内施設であるのに、いまだに男女別のトイレが設置されていないところが東香里を含め5室、和便器が10か所に残っているなど、男女共用のトイレや和便器など、老朽化したままの状態で使用しているということのようである。トイレ環境が改善されていない実態については、一般質問の際には、「改修にあたっては、設置スペースや給排水管の改良等の課題はあるが、今後、環境の改善に向けて検討していく」とのご答弁があった。
留守家庭児童会室は学校施設としての位置づけはないものの、教室を一時使用している活動スペースや専用棟については同じ学校敷地内にあり、学校施設と密接に関連しているものと考える。
そこで、この学校整備計画の策定状況と、この計画における留守家庭児童会室の整備の考え方について、伺う。

A3.里施設整備課長の答弁

まず、枚方市学校整備計画 第2期実施計画の策定状況については、現在、素案の作成、検証を行っているところであり、今後、学校関係者の意見もお聞きしながら、2025(令和7)年3月の計画策定及び公表、4月からの施行を予定している。
この中で、留守家庭児童会室の整備の考え方については、その活動スペースの確保や施設の老朽化対策、トイレの整備など、児童にとってより良い居場所をめざした施設整備に向け、現在、策定を進めている「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」と連携を図りながら、施工年次の調整や同種、同類の工種を合わせて発注することで、工期短縮を図ることにより、学校運営への影響を最小限にするなど、効率的、効果的な施設整備を進めていく考えである。

私の意見・要望

2019(平成31)年度に建て替えを予定していた東香里留守家庭児童会室については、2018(平成30)年度の当初予算で実施設計委託料450万円が予算化されながら、執行されなかった。老朽化した留守家庭児童会室の校舎外専用棟の整備は待ったなしであるなか、未着手のまま放置され、いま現在、子どもたちは大変な不便、不利益を被っているわけである。
熱暑災害とも言える環境の中、教室等空調設備DBO事業による一斉更新からも除外されている留守家庭児童会室の校舎外専用棟の空調設備の計画的な予防保全対応の検討も必須である。
「連携を図りながら」とのご答弁であるが、留守家庭児童会室の子どもたちにとっては、そこは家庭と同じ生活の場となるわけである。「放課後等の子どもが安心して過ごせる場としてふさわしい環境整備」という観点から、「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」の策定にあたっても、施設整備の専門的知見を発揮いただき、しっかりと検討いただくよう、意見しておく。

 

[2022年の写真です。予算特別委員会のイメージだけでもお伝えできれば…。]

 


【参考資料】

◇厚生労働省からの通知

2024(令和6)年度以降の新型コロナワクチンの接種による健康被害に係る救済措置の取扱いについて(2024年3月11日)

予防接種法に基づく健康被害救済制度における事務に当たって留意すべき事項について(2024年4月15日)

 


【参考資料】

新しい時代の学びを支える安全・安心な教育環境の実現(2023年度)

枚方市立小中学校教室等空調設備更新DBO事業について(2024年2月)

 

留守家庭児童会室の今後の整備方針について (児童の放課後対策審議会(2024年8月21日)配付資料)

(抜粋)
≪今後の施設整備のあり方≫
〇幾度と修繕等を実施しているが根本的な改善となっていない箇所や、空調設備(法定耐用年数14年)の更新、及び第1期計画において老朽化対策及びトイレ整備が未着手であった東香里、樟葉北などの2室について、和便器の解消や男女別トイレの整備などトイレの環境改善を早急に進める必要がある。
〇校舎外専用棟の構造は軽量鉄骨造(法定耐用年数24年)であることから、老朽化対策についても、検討していく必要がある。
〇上記のことを勘案して、放課後子ども課にて個別に計画を作成し、学校整備計画第2期実施計画にも盛り込んでいくことを予定している。

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