12月の定例月議会は、12月22日が最終日。国の物価高騰対応重点支援である均等割のみ課税世帯への給付、低所得の子育て世帯への給付(追加補正)も審議しました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
12月8日(金曜日)に開会された2023(令和5)年12月定例月議会は、12月22日(金曜日)に閉会しました。一般会計補正予算は、第8号、第9号、あわせて12.6億円(1,264,488千円)の補正増額により、補正後予算額は、1,726.4億円(172,635,821千円)です。当初予算からは約181.4億円の増額となっています。国の地方創生臨時交付金を財源として実施する事業の割合は今年度も大きくなっています。
国から下ろされる物価高騰対応重点支援事業を追加議案で審議することに異論はないのですが、今回の補正審議の中で、禁野小学校(旧中宮北小学校)の体育館空調設備整備事業について、委員協議会等での審議に付すこともなく、なぜ、この時期に追加議案で補正予算案を提出するのか、所信表明で市長は「議員の理解と協力をいただきながら市営運営に取り組む」と述べたが、現実にはそうなっていない状況が散見されている、意思決定のあり方やプロセスに問題がある等と複数の議員からの指摘もありました。市民や議会に対する説明責任を果たそうとする考えがあるのか…⁉、と感じることが非常に多くなっています。
なお、12月25日より、2月22日のうち、市の休日を除く38日間は休会となります。
12月22日の議決結果は次のとおりです。
▶ 付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)
▶ 議案書
・2023(令和5)年12月定例月議会議案書
・2023(令和5)年12月定例月議会議案書(追加)
・2023(令和5)年12月定例月議会議案書(追加②)
・2023(令和5)年12月定例月議会議員提出議案(意見書)
◇付議事件(12月22日)の概要について
報告1件
報告第20号 専決事項の報告について(損害賠償の額を定めることについて:専決第15号[車両事故])
議案(補正予算)3件
議案第79号 2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第8号)
→補正額 915,530千円。国総合経済対策に伴い、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(639,438千円)を活用した市独自の支援策や保育所等おける性被害防止対策などに係る補正のほか、禁野小学校(旧中宮北小学校)体育館空調整備に係る補正。この他 、債務負担行為補正や繰越明許費の設定も予定。 ※内容の詳細は下記
議案第82号 2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第9号)
→補正額 348,958千円。国の総合経済対策の追加策に伴う低所得者の子育て世帯への支援についての補正(物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金)。繰越明許(13,819千円)も計上。 ※内容の詳細は下記
議案第80号 2023(令和5)年度大阪府枚方市病院事業会計補正予算(第3号)
→補正額 収益的収入 5,525千円(一般会計補助金)
議案(条例)1件
議案第81号 枚方市手数料条例の一部改正について
→戸籍電子証明書提供用識別符号等の発行に係る事務についての手数料の額を定めるもの。
議案(人事)2件
議案第77号 人権擁護委員候補者の推薦につき意見を求めることについて
→人権擁護委員候補者の推薦(5人)について議会の意見を求める。
意見書 5件
意見書第16~20号
「認知症との共生社会の実現を求める意見書」「医療・介護・障害福祉分野における職員の処遇改善等を求める意見書」「食品ロス削減への国民運動のさらなる推進を求める意見書」→原案可決
「特定商取引法平成28年改正における5年後見直し規定に基づく同法の抜本的改正を求める意見書」「沖縄県名護市辺野古における米軍新基地の建設の断念等を求める意見書」「物価高騰の影響を受ける府立高等学校の学生食堂関係事業者に対する支援を充実、強化するよう求める意見書」→否決
【補正予算関係】
◇国の総合経済対策の追加策に伴う均等割のみ課税世帯への支援、低所得者の子育て世帯への支援について
(議案質疑より)
・国は均等割のみ課税世帯に10万円/1世帯としているが、枚方市は、均等割のみ課税世帯に対して、市独自施策として今年7月~10月に1.5万円/1世帯の支給を行ったことから、今回、国が10万円/1世帯と定めたものとの差額となる8.5万円/1世帯を支給するもの。対象は約5,000世帯。プッシュ型で1月末に振込予定。1.5万円の支給を受けていない転入者等は10万円を支給する。
・なお、非課税世帯は、今年7月に3万円/1世帯の支給を行っていることから、12月に7万円/1世帯の支給となる。対象は約50,000世帯。
・低所得の子育て世帯(非課税世帯50,000世帯、均等割のみ課税世帯5,000世帯)に対して、扶養する18歳以下の子1人につき5万円を支給、対象は約6,300人。プッシュ型で2月末頃支給予定。
▶ 性被害から子ども守るため 保育所など対策設備費用補助へ(2023年11月16日NHK)
◇こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージの実施の加速化
◇小中学校体育館空調設備整備DBO事業の事業者選定について(2023年9月20日_建設環境委員協議会資料)
(議案質疑より)
・禁野小学校(旧中宮北小学校)は、2026(令和8)年度2学期以降は新校舎。それまでの間、熱中症等への対応として、今年度、スポットクーラーを設置したが、今夏の厳しい暑さや8月15日に避難所を開設した際に課題があり、空調整備の方針へ。
・DBO事業で全体整備を進めている他62校と同様、いま対応すれば2025(令和7)年夏に稼働可能であることから、「設計」かかる予算を計上したもの。(現年度補正 120万円と、2024年度までの債務負担行為補正 280万円の合計 400万円)
・今年8月5日付けで、改めて地元の中宮北校区コミュニティ協議会から地域防災拠点として体育館跡地の有効活用の要望あり。空調を整備した体育館は継続して有効活用を図っていく方向で検討している。2024(令和6)年度中に、改めて地域の意見を聴取した上で、跡地活用の方向性、方針等を示す。
・児童の熱中症対策としての空調整備、体育館等の2026(令和8)年度以降の跡地活用、地元要望等、いずれも想定される内容であるし、異論があるわけではない。改めて地元要望があったとの説明もあったが、本来であれば、跡地活用の方向性を決めた上で、委員協議会等での審議を経て、体育館空調整備に向けた予算計上が本来の流れ。意思決定のあり方・プロセスに問題があるのではないか。関連施策を担当委員協議会で審議してきたにもかかわらず、委員協議会への報告もなく、正式な文書等での報告もない中での本日の補正予算審議。議会への報告のあり方も疑問。市長は所信表明で「議員の理解と協力をいただきながら市営運営に取り組む」と述べたが、現実にはそうなっていない状況が散見されていると指摘。