安心・安全のための取り組み。電話による特殊詐欺被害を食い止めるための機器の貸与。災害時に必要な備蓄品等の管理システムを平時から構築する。2月13日、2案件の協議を行いました。(総務委員協議会の報告①)

2024/02/13

枚方市議会議員の奥野みかです。

2月13日に開催された総務委員協議会の報告①です。

【案件名】

(1)特殊詐欺対策事業について
(2)災害備蓄品管理システムの導入について

上記、危機管理部の2件について、報告します。

 


(1)特殊詐欺対策事業について[危機管理政策課]

特殊詐欺は、全国的に増加しており、深刻な社会問題となっている。枚方市内においても、昨年4月時点で既に48件と一昨年の1年間67件に迫るペースで急増するといった危機的な状況であり、市内の特殊詐欺の被害者は65歳以上の高齢者が92%を占め、被害額は前年比約6倍にも達するなど特殊詐欺被害の防止に向けた対策の充実・強化が喫緊の課題となっている。
一人でも多くの電話による特殊詐欺の被害を食い止めるため、不審電話の録音ができる特殊詐欺対策機器の貸与、固定電話に簡単に取り付けができる簡易型録音機の配布を行うとともに、警察等との連携による犯罪の発生抑止や特殊詐欺への意識啓発・注意喚起、被害防止の取り組みを進めることで、安全安心なまちづくりを推進させるもの 。

① 枚方市特殊詐欺対策機器貸与事業(貸与は6年間)

・特殊詐欺対策機器購入費  9,009千円(700台分)
3種見積りの平均見積り@12,870円×700台=9,009,000円
・特殊詐欺対策機器を市内居住で機器活用を希望する65歳以上の高齢者がいる世帯に無料で貸与。同居されている方の申請も可。1世帯1台限り。購入数に上限があるため、無くなり次第、申請受付終了。
・1/2府補助(2,776千円←694台×@4,000円、補助が4,000円上限)
・故障・紛失の対応はどうするのか。6年後に返却するのか。→返却不要(給付)とする。
・購入が目的なのか?特殊詐欺は固定電話→ナンバーディスプレイで知らない電話は取らない。限られた財源。申請も参加者配布も、本当に必要な方に届くのか。警察が持っている情報をもらうことはできないが、対象者への周知に協力してもらうことは可能(ちらし配布)である。希望者が出れば、警察と市で訪問し、事業を案内する。

公益財団法人全国防犯協会連合会の「優良防犯電話推奨品目録

② 簡易型録音機による普及啓発

・簡易型録音機購入費 1,500 千円/3,000個×@500円「録音チュー」
・出前講座等で、簡易型録音機の無料配布による普及啓発を実施。

【参考】大阪府危機管理室 治安対策課 特殊詐欺被害防止緊急対策事業

● 特殊詐欺の被害件数は昨年、府内で2,064件、総額31億円の被害、一日当たりに換算すると、府内で毎日870万円もの被害が出ているという現状で、さらに今年は、昨年の1.5倍の勢いで増え続けている。
●大阪府の特殊詐欺被害防止緊急対策事業であるが、これは「市町村に対する対策機器購入の補助事業」であり、大阪府では、特殊詐欺対策機器を購入して高齢者に機器を貸し出す市町村に対して、機器購入費用の2分の1、1台あたり4千円を上限として補助を行っており、この事業は平成29年度から行っている。
●アポ電の件数が多い自治体では、高齢者のいる世帯数に対して1%程度に及んでいる ということから、府では、市町村毎で「高齢者のいる世帯数の設置率1%」を目標数値として設置促進を図る。
●これまで府下43の自治体のうち、27の自治体が対策機器の貸出事業を実施しており、未実施の市町村や継続して実施する必要のある市町村に対して、事業実施、予算獲得に向けた働き掛けを強力に進めていく。

第21回 大阪府安全なまちづくり推進会議総会(2023年6月16日)の結果 【概要】

  ※以下は抜粋

奥野の意見

大阪府内ではすでに実績もある。実施市町村に効果を確認いただくことをお願いするとともに、必要な人に届き、効果が得られることが目的である。決して購入することが目的ではない。

府補助金も全額ではなく、約12,000円の機器購入に対して、上限4,000円の補助で、市費の持ち出しが8,000円強になる。そして、700人が限度とのこと。そもそも、この制度は平成29年度からあったもの。府補助が来年度までなので、とりあえず一括購入しますというのではなく、単価契約など、購入手法の工夫をお願いしたい。
非通知の電話はとるな、ナンバーディスプレイで示された電話番号が知らない番号であればとるなと、「電話に出ない」が特殊詐欺被害対策の鉄則だと言われても、鳴れば出てしまう。安易に応答しないために「自動通話録音機」を利用して「特殊詐欺」から財産を守ろうということが今回の事業の趣旨かと思います。広報等の周知が、本当に届いてほしい方に届くかは難しいので、必要な人に必要な施策が届けばと思う。

緊急通報装置の設置等、ひとり暮らし高齢者の支援にお力をただいている民生委員さんに協力をいただくことは可能なのかと尋ねると、民生委員さんに新たなお願いは困難であるが、警察が協力してくれるとのこと。警察はよく知っていると。特殊詐欺リスクのある高齢者等の名簿をもらえるわけではないけれども、ターゲティングしてちらしを配布する周知のご協力、そして、「自動通話録音機」の申請があれば、警察と市で訪問調査を行って、設置の確認をしていく等、警察の協力はいただけるとの説明であった。何とも丁寧な事業スキームだと思う。
ただ、「自動通話録音機」は、「緊急通報システム」等の緊急通報装置、ガス漏れ通信機器との併用はできない、正常に作動しない場合があるということとか、これ、緊急通報装置の方でも確認が必要なのかなと思うが、NTT電話網のIP化等により、アナログ回線が使えなくなるということの影響はないのか、確認をお願いしたい。

この事業、1台12,870円の機器700台分、900万9千円の歳出予算に対して、財源として、大阪府から、1台4,000円の694台分、277万6千円の補助、歳入予算が見込めるとのことであるが、ザクっと1台あたり8,870円は市の負担(623万3千円)である。
大阪府の特殊詐欺被害防止緊急対策事業は「市町村に対する対策機器購入の補助事業」ということのようであるが、2017(平成29)年度から行っていて、何度か延長されているのか、わかりませんが、来年度で終了とのことである。ギリギリになって、どうして新規事業で立ち上げるんだろうと不思議に思うところ。

大阪府は、「高齢者のいる世帯数の設置率1%」を目標数値として設置促進を図ってきており、「これまで府下43の自治体のうち、27の自治体が対策機器の貸出事業を実施しており、未実施の市町村や継続して実施する必要のある市町村に対して、事業実施、予算獲得に向けた働き掛けを強力に進めていく」と、】昨年開催された安全なまちづくり推進会議で報告されているようである。
大阪府内ではすでに多くの実績もあるようなので、是非、実施市町村に効果や実情を確認いただくことをお願いしたい。必要な人に必要な施策が届く。リスク回避できる。満足度が高まる。これ基本だと考える。決して購入することが目的ではない。
先行自治体で、先買いして在庫を抱えているということがもしかしたらあるかもしれない。「申込みは2年間の期間を設け」と説明があったが、購入にあたっては、一括購入ではなく、単価契約とか、設置実績に基づく支払いになるよう購入手法の工夫をお願いをしておく。

他の委員の意見

・700台の根拠について。
→市内高齢者世帯(69,357世帯)の約1%(大阪府基準)
・700台は先着順か。殺到するのであればよいが、在庫を抱えないようお願いしておく。
・必要な人に必要な情報が届くよう、情報提供をお願いしたい。
→広報ひらかた、警察の地域パトロール等でも周知していく。
・機器の修理について
・②での抑止効果はあるのか。より広く効果を得るため、①の予算を②に配分すれば、かなりの数を準備できるのではないか。

 


(2)災害備蓄品管理システムの導入について[危機管理対策推進課]

大規模災害時における、物資提供の迅速化と平時における備蓄物資の管理最適化に向けて公民連携による物資及び物流管理のシステム化についての実証実験に取り組んできた。市が保管する災害備蓄品について平時の更新作業を軽減し、災害時はリアルタイムでその配送状況を把握できる「災害備蓄品管理システム」を構築するため、その機能等について報告するもの。

◇クラウド型の備蓄・物流管理システムの導入

・委託料(備蓄品管理システム導入): 967千円(一般財源:967千円)→基金は使わないのか。次年度以降は、約300千円となる見込み。
・平時に加え、大規模災害時における物資の管理・発送体制の充実を図る。たな卸し。台帳データはクラウドで管理、複数ユーザーによる同時入力が可能。クラウド→停電対応、Wifi対応を検討している。
・バーコードで登録、分類→バーコードでどの程度読み取れるのか。・

奥野の意見

平時の在庫管理には大いに活用いただけると期待する。発災直後にも有効。長期化する中での対応にも生かせると思うが、簡便な手続きで継続できればいいが、登録することが負担になるような仕組みにだけはならないようお願いしたい。

他の委員の意見

・公民連携、パートナーシップの事業者(キムラユニティー株式会社)というが、他にないのか。
・事業者ありきで進めないようにお願いしたい。
・システム導入しても、最後は「人」である。また、災害特性によっても発災以降の取り扱いは随分変わる。

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