2026(令和8)年の供用開始をめざして。可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業に係る落札者が決定しました。2月4日、枚方京田辺環境施設組合から、落札者の決定の経過及び事業者の提案内容についての説明会がありました。

2022/02/04

枚方市議会議員の奥野みかです。

2月4日、枚方京田辺環境施設組合議会において、可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業に係る落札者の決定に至る経過報告、今後のスケジュール、事業者提案についての説明会が開催されました。

【経過報告】

2021年4月9日付入札公告を行った「可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業に係る総合評価一般競争入札」について、枚方京田辺環境施設組合可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業者選定委員会(2018年3月12日~)に諮問し、審査した結果、最優秀提案者が選定された(2021年11月24日公表)。選定委員会の選定結果及び審査講評の答申は2021年12月7日。
枚方京田辺環境施設組合は、選定委員会の答申を踏まえ、落札者(日立造船グループ、205億円)を決定(2021年12月9日)・公表(2021年12月10日)し、2021年12月16日付で基本協定を締結。2022年1月21日付で仮契約締結。

今後は、2月15日の組合議会に工事請負契約議案を提出される予定で、可決後、本契約締結となる。
2022年3月より設計着手、2023年4月に建設工事着工、2026年3月に竣工・施設稼働・運営事業者による運営開始(以降20年間)の予定。

【落札者】

(1)グループ名 : 日立造船グループ
(2)代表企業 : 日立造船株式会社
(3)構成員 : Hitz環境サービス株式会社西日本支社、K・ネット株式会社
(4)協力企業 : 東洋建設株式会社大阪本店、株式会社サンエース、株式会社野原工務店

【落札金額】

20,500,000,000円(いずれも消費税及び地方消費税を含まない。)
設計・建設業務に係る対価(建設費) 12,851,000,000円、運営業務に係る対価(運営費)7,649,000,000円

審査講評(※抜粋)】
※12ページ「入札価格の定量化審査結果」

※14ページ「総評」より抜粋

【議員からの質問】

・3炉構成ではどういうことか。
→京田辺の甘南備園焼却施設、穂谷川清掃工場第3プラントの後継施設として計画量を見積もっている。168トン(24H)1炉。3炉は、東部清掃工場の2炉と連携するということ。
・売電収入について
→提案量(計画量)より10%以上の場合、事業者にインセンティブ、10%以下の場合、全額事業者負担というペナルティとする。
・基本協定の締結について
→12月下旬に基本協定を締結している。この後、基本契約、工事請負契約(議決)、運営業務の契約の3本の契約を締結予定。
・総合評価一般競争入札で、非価格要素点/40点、価格要素点/60点の根拠について
→非価格要素は、要求水準を満たしていれば0点でもOKの加点方式。満点は通常あり得ない。約7割でほぼ最高なので、価格評価(経済性)/40点、非価格評価/(環境保全性・資源循環性・安定稼働性)約40点と、同程度になると考えている。←価格評価と非価格評価の配分について、初めてお聞きした考え方です。
・やまうどGとぜんまいGが、価格評価点で逆転している。
→いずれの事業者も、最低基準は満たしており、非価格評価はさらなる提案があるかの加点評価。その評価点での順位と、価格評価点を加えた順位では、順番が入れ替わった。
・価格評価において、最も低い価格のところに40点(満点)は妥当か。
→最低価格の提案事業者に満点を付している。
・事業者提案書は、採用分も、それ以外の分も公表されるのか。
→公表はない。採用された事業者の提案(概要)のみ公表している。
・DBO方式で、施設建設後の運営業務が20年間と長期になると、見通しも困難であるが、本当に大丈夫か。価格の追加要請はないか。運営が立ち行かなくなった時に追加を求めることはないか。
→親会社が破綻しても、当該目的のためのSPCには影響が及ばないようにしていただく。20年間の長期契約になるが、SPCの財務状況は、毎年度、モニタリングを行う。ペナルティも規定する。
・提案書に記載の「地域貢献」の実効性、金額の妥当性は。確認できるのか。
→モニタリングを行い、チェック内容は公表する。

【奥野の意見】
20年の長期にわたる契約であるが、インフレリスクもある中、SPC会社の経営が立ち行かなくなった場合に、事業者は、極限までコストを削減するか、追加費用を要求するか、もしくは事業を撤退するかという選択になるのではないかと懸念される。落札決定事業者(ぜんまいグループ)は、最も低い価格提案で、特に、運営業務に対する対価は他事業者より約10億円下回る提案となっているが、適切に執行されるのか、しっかりとモニタリング等を行っていただきたい。また、非価格評価については、項目ごとに見ても、「講評」に他グループの高評価が記載されているものもある。これから事業者と協議していく際、より良い事業となるよう、選定委員会の示した「講評」も参考に、進めていただきたい。

 


【参考資料】 

・最優秀提案者選出結果の公表(2021年11月24日)
 公表文「可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業に係る最優秀提案者の選出について」

・可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業 審査講評の公表(2021年12月)
 可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業 審査講評

・可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業入札に係る落札者の決定の公表(2021年12月10日)
 公表文「可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業入札に係る落札者の決定について」

落札事業者の提案書概要版の公表(2021年12月10日)

・「組合だより(第16号)」での紹介

(※クリックするとPDFが開きます。)

・有識者を含む「事業者選定委員会」の経過

 

中央の煙突は京田辺市環境衛生センター甘南備園(昭和61年12月稼働)。この右側に新ごみ焼却施設の煙突が予定される。

新ごみ焼却施設の敷地粗造成工事(京田辺市_田辺_ボケ谷他)

枚方市東部清掃工場(平成20年12月~稼働)

 


【参考】

枚方京田辺環境施設組合議会ホームページ

◇ 整備予定施設の概要

2016年3月に策定された「可燃ごみ広域処理施設整備基本計画」(枚方市・京田辺市)において、整備予定施設の概要は次のとおりとされています。

【場所】 京都府京田辺市内(京田辺市環境衛生センター甘南備園隣接地)
【処理方式】 ストーカ式(全連続式焼却方式)
【施設規模】 168t/日×1炉
【環境保全目標】 排ガス基準は、枚方市東部清掃工場の自主管理基準を下回らない厳しい基準とする。
可燃ごみ広域処理施設整備基本計画(概要版)

◇ 施設整備の概要

 

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