3月28日、3月定例月議会の最終日が終わりました。追加議案の「市役所の位置に関する条例の一部改正について」は、本日の審議直前に開催された議会運営委員会で伏見市長が取り下げました。

2025/03/28

枚方市議会議員の奥野みかです。

2025(令和7)年3月定例月議会の最終日は、3月28日(金曜日)10時から始まり、報告1件、議案15件(当初予算10件、補正予算1件、人事案件3件、財産取得1件)、意見書5件の審議が行われました。3件の意見書が否決されましたが、それ以外は、すべて原案可決となりました。

今日の流れは、2025(令和7)年度当初予算(一般・特別・企業会計の議案10件)を付託された予算特別委員会の委員長報告を受け、採決、原案可決。その後、追加議案も含め議案の審議、意見書の審議の順に行われ、12時頃に終了となりました。

各議案の内容等については、以下に記します。

閉会にあたって、伏見市長からは、今議会に提案した2025(令和7)年度の市政運営方針、また、2025(令和7)年度の各会計当初予算案を可決いただいたことへのお礼と、代表質問や予算特別委員会で出された意見等については、市政運営に生かしていきたいとの言及がありました。また、複数の懲戒処分の発出や市立ひらかた病院の緩和ケア病棟における入院医療費の過大請求事案など、度重なる不祥事については、再発防止に向け、さらなる服務規律の徹底及び適正な事務執行に努め市政の信頼回復に向けて鋭意、努力していくとの挨拶がありました。しかしながら、3月21日の議会運営委員会に追加議案として報告された「議案第133号_市役所の位置に関する条例の一部改正について」を、最終日である本日、3月28日の審議直前の議会運営委員会で取り下げるという事態(失態)に対する反省を感じられる内容ではありませんでした。(※下線を付した部分は、審議直前の議会運営委員会の冒頭における市長の説明とほぼ同じ内容です。朱字の「時間をかける必要があるものと判断し」というのが、議会運営委員会での調査を踏まえての追加のようですが、委員の意見は何ら届いていないように感じられました。)
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なお、追加議案として提出しました市役所の位置に関する条例の一部改正については、私としましては、これ以上まちづくりを先延ばしにできないとの思いから不退転の決意で臨む姿勢をお示しし、議員の皆さんと協議・調整に努めてまいりました。この間、庁舎の早期建て替えの必要性は共有させていただいたものの、枚方市駅周辺のまちづくりを進めることについては、様々なご意見をいただいたところです。このことから、さらに時間をかける必要があるものと判断し、この度の議案につきましては、取り下げすることにいたしました。提案を撤回することとなり、調整いただきました正副議長をはじめ、議員の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。引き続き、市駅周辺のまちづくりへのご理解を得られるよう努めてまいります。

 

伏見市長には、市民全体の代表者として、市政に携わる権能と責務を有することを自覚し、市民の信頼に値する倫理性を保持すべきとして可決された昨年6月の問責決議に真摯に向き合っていただきたいと改めて申し上げたいところです。

 

最後に議長の挨拶が行われました。追加議案を本会議の開会直前に取り下げるという事態をもたらしたことに対して苦言を呈された丹生議長の挨拶は次のとおり(抜粋)。
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本定例月議会におきましては、令和4年9月定例月議会 以降、2回目の提出となる 市役所の位置に関する条例の一部改正議案をめぐり、議会を始め関係各般が混乱をきたす事態となりました。これまでも何度も申し上げてまいりましたが、市政を預かる市長におかれましては、力強いリーダーシップは大事ですが、強硬な手段で物事を進めるのではなく、さまざまな角度から意見を聞く姿勢が不可欠です。市長におかれましては、今回の事態を重く受け止めていただき、議会と丁寧に議論を重ね、慎重に進めていただくようお願いします。

▲枚方保育所前の桜

3月28日の付議事件議決の結果一覧は次のとおりです。

▶ 付議事件議決結果一覧
(※クリックするとPDFファイルが開きます。)

なお、本日で3月定例月議会が終了しましたが、3月31日から4月28日まで、市の休日を除く21日間は休会となります。その間に、3月31日には緊急議会(枚方市税条例の一部改正を審議)の開催が予定されています。

 


予算特別委員会委員長報告

2月25日に設置・付託された10議案について、3月12日、13日、17日、21日、25日の5日間にわたって審議し、3月25日に「原案可決とすべきもの」と決したことの委員長報告。(予算特別委員会事件審査報告書【2025(令和7)年度予算】

【設置・付託議案 一般・特別・事業会計 2025(令和7)年度当初予算 10件】
議案第87号 2025(令和7)年度大阪府枚方市一般会計予算
議案第88号 2025(令和7)年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計予算
議案第89号 2025(令和7)年度大阪府枚方市自転車駐車場特別会計予算
議案第90号 2025(令和7)年度大阪府枚方市財産区特別会計予算
議案第91号 2025(令和7)年度大阪府枚方市介護保険特別会計予算
議案第92号 2025(令和7)年度大阪府枚方市後期高齢者医療特別会計予算
議案第93号 2025(令和7)年度大阪府枚方市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算
議案第94号 2025(令和7)年度大阪府枚方市水道事業会計予算
議案第95号 2025(令和7)年度大阪府枚方市病院事業会計予算
議案第96号 2025(令和7)年度大阪府枚方市下水道事業会計予算

◆報告(1件)

報告第20号 専決事項の報告について(専決第14号 車輌事故/専決第15号 物損事故)

◆議案(人事3件)

議案第129号 教育長の任命の同意について 同意 谷元 紀之
→任期満了に伴う教育長の任命について議会の同意を求める。

議案第130号 教育委員会委員の任命の同意について 同意 安藤 悠子(中西悠子)、桐山 智巳
→教育委員会委員の任命について議会の同意を求める。

議案第131号 固定資産評価員の選任の同意について 同意 佐藤 伸彦
→任期満了に伴う固定資産評価員の選任について議会の同意を求める。

◆選挙(枚方市選挙管理委員、枚方市選挙管理委員補充員)

選挙(指名推選)
枚方市選挙管理委員/有山 正信、西田 政充、久野 邦広、中野 惠永子
枚方市選挙管理委員補充員/1 北口 ひとみ、2 山口 勤、3 延 永泰彦、4 桝田 義則(※数字は補充の順番)

◆追加議案(補正1件、財産取得1件)

議案第132号 2025(令和7)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第1号)★下記
<補正額> 195,512千円(補正後予算額 167,995,512千円)

議案第133号 市役所の位置に関する条例の一部改正について
→市役所の位置を変更するため。 ★取り下げ

議案第134号 財産(教科書及び指導書)の取得について
<取得物件>枚方市立中学校教員の教科書及び指導書
<契約先>(その1)株式会社野村呼文堂/(その2)アイアイ書店/(その3)岡澤商店
<取得金額>40,622,469円 内訳(その1)25,836,586円/(その2)9,227,575円/(その3)5,558,308円
<用途>枚方市立中学校における授業実施及び教材研究等に使用

意見書(5件)

意見書第48号 性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書 原案可決
意見書第49号 若者の政治参加を促進するための抜本的改革を求める意見書 原案可決
意見書第50号 高額療養費制度における自己負担上限額引上げの見直しを求める意見書 否決
意見書第51号 最低賃金の引上げ及び中小企業等への支援策の拡充を求める意見書 否決
意見書第52号 陸上自衛隊祝園分屯地における火薬庫等の整備などに係る住民説明会の開催を求める意見書 否決

 

▲ニッペパーク岡東中央の桜

 


 

議案第132号 2025(令和7)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第1号)
195,512千円補正後の額 167,995,512千円

【歳入】
▪財政調整基金繰入金 195,512千円

【歳出】
▪予防接種実施経費 195,512千円
(帯状疱疹ワクチン予防接種に係る予防接種委託・補助、封入封緘委託、通信運搬費、システム改修委託)

 

▶ 帯状疱疹ワクチンの定期接種の開始について [市民福祉委員協議会資料

 

 

▶ 帯状疱疹ワクチンによって、帯状疱疹やその合併症を予防できます。(厚生労働省)
※2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。

 


◇3月28日(金)9時45分~ 議会運営委員会

【質疑応答・意見交換】
・直前になっての取下げというのは混乱を招きかねないことから、大変遺憾に感じている。
・早期庁舎建て替えについては共有認識ができていると言われたことは評価する。これまでの2年半という期間に十分な対応がなされなかったのはなぜか。「否決」された時に対応すべきだったのではないか。
・不退転の決意で臨んできたとも言われたが、結局、取り下げるということは、2年半前と同じ結果=否決となるであろうという判断によるものか。
→(市長)議案を提案しても可決は厳しいであろうと認識はあったが、皆さんとまだ話を続けていく必要があると認識して、今回、取下げを決意した。
・市長には、特別多数議決である条例議案を議会が「否決した」という議会側の決定を認め、真摯に向き合っていただきたいと強く要望する。
・不退転の決意というのは、市長の我を通すことか。議会の議案を出す当日に議運を開き、予定していた議案を取り下げるというのはあり得ない事態、重大な事態である。大変、恥ずかしいことでもあると思うが、市長の認識を問う。取下げは、真摯に反省していただき、二度とないようにしていただきたい。
→(市長)提案した議案を最後に取り下げるということで、質問の準備、討論の準備、事務局の準備等、大きな影響も与えたので、そのことについては申し訳ないと思っている。
・今回、位置条例の議案を取り下げて、次は、どう対応するつもりか。ゼロベースで考えていく、⑤街区庁舎案に固執するのはなく、④街区庁舎案も含めて考えていくという理解でよいのか。⑤街区庁舎案ありきで基本計画を見直すと言われても、一度否決され、今回、取り下げてという実態なので、本来、白紙撤回して 、ゼロベースで見直すべきであると意見しておく。
→(市長)市駅周辺再整備基本計画では⑤街区に新庁舎となっている。そこをベースに、メリット・デメリットの議論をしながら、現行の基本計画を改定すべきなのかどうなのかということになるのではないか。
・2年半前からずっと議論されてきていることであるが、位置条例は、市役所を現在地から動かす(移転する)のかどうかということと、動かした後に市有地を売却するのかどうかということが基本的な論点。そこに、移転すべきではないとか、市有地を売却すべきではないとかいう意見がある。
→(市長)市有地の売却も大きな争点であるが、他にも、道路の形状であるとか、タワーマンションであるとか、みどりの大空間であるとか、いろんな意見等があるのが実際。「否決」のときも、過半数を上回る方々が賛成されていた。全員の意見を反映するのは無理だと思うが、いろんな意見を聞かせていただく中で話ができると思う。
・特別多数議決を要する市役所の位置を定める条例が「否決」されたが、何度でも提案するということを、市長は議案の「否決」直後のインタビューから言い続けている。議案の議決の重み、議案を提案する重みが非常に軽んじられていると危惧する。今回、取り下げるのも、結局、可決の見通しがないから取り下げる、先送りするということかと思うが、結局は「勝つまでじゃんけん」なのか。
・議会との話合いを続けるということであるが、市民の皆さんに対する説明の機会、意見交換できる場というのもしっかり設けていくのか。
→(市長)しかるべき状況の中で、市民の皆さんにも話はしていく必要があるとは思っている。案がつくられた段階で、市民の皆さんの意見をお伺いするという場面は必ずつくっていかなければならないと思っている。