6月3日、教育子育て委員協議会が開催され、4案件の協議が行われました。まずは、ラポールひらかたで実施を想定した「児童育成支援拠点事業の実施について」から。子どもの最善の利益につながるものであるのか。(教育子育て委員協議会報告①)

2024/06/03

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月3日は教育子育て委員協議会が開催され、4件の案件の審議が行われました。「教育子育て」は私の所属する常任委員会です。委員長として挨拶をさせていただきました。理事者側は清水副市長の挨拶でした。4月以降、教育長が不在となっている状態であることについても触れられていました。
さて、今回、提出された案件は次のとおり。

【案件名】

(1)児童育成支援拠点事業の実施について
(2)枚方市立禁野小学校新校舎整備事業の進捗状況について
(3)GIGAスクール構想の推進における1人1台端末の更新について
(4)今後の中学校部活動の在り方について

各案件の詳細について、順次報告していきます。
なお、それぞれの案件のタイトル部分をクリックすると、枚方市HP「枚方市議会/議会資料室」にアップされた資料にリンクします。

 


 

(1)児童育成支援拠点事業の実施について[まるっとこどもセンター]

2024年10月より、ラポールひらかたにて、社会福祉法人 枚方市社会福祉協議会への委託により、改正児童福祉法(2024年4月)に新たに位置付けられた「児童育成支援拠点」を週3日開設(三季休業期も含む。2025年度以降は週5日に拡大)するもの。

◇児童育成支援拠点事業について

国から示された児童育成支援拠点事業実施要綱および児童育成支援拠点事業ガイドラインに基づき実施するもの。

【目的】
養育環境等に課題を抱える、家庭や学校に居場所のない児童等に対して、当該児童の居場所となる場を開設し、児童とその家庭が抱える多様な課題に応じて、生活習慣の形成や学習のサポート、進路等の相談支援、食事の提供等を行うとともに、児童及び家庭の状況をアセスメントし、関係機関へのつなぎを行う等の個々の児童の状況に応じた支援を包括的に提供することにより、虐待を防止し、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図る。

【事業内容】
① 安全・安心な居場所の提供
② 生活習慣の形成(片付けや手洗い、うがい等の健康管理の習慣づけ、等)
③ 学習の支援(宿題の見守り、学校の授業や進学のためのサポート、等)
④ 食事の提供
⑤ 課外活動の提供(調理実習、農業体験、年中行事の体験や学校訪問等)
⑥ 学校、医療機関、地域団体等の関係機関との連携及び関係構築
⑦ 保護者への情報提供、相談支援

【対象者】
・養育環境に関して課題のある主に学齢期以降の児童及びその保護者
・家庭のみならず、家庭以外にも居場所のない主に学齢期以降の児童及びその保護者
・その他、関係機関からの情報により支援を行うことが適切であると判断した主に学齢期以降の児童及びその保護者

【開設時間等】
開設時間:午前10時から午後7時まで
→不登校の児童生徒も想定しているので午前から、夕食提供も想定しているので午後7時までとの説明
開設日 :週3日(2025年度以降は週5日に拡大)/三季休業期も開設
開設場所:ラポールひらかた
委託先 :社会福祉法人 枚方市社会福祉協議会

【委託料】
10,324千円(内、2024年度6月補正予算に計上予定2,446千円
《財 源》子ども・子育て支援交付金(国:1/3、府1/3)6,882千円
《一般財源》3,442千円
【参考】通年の事業費(週5日開所の場合) 委託料_19,318千円

◇これまでの委員協議会で示されてきた児童育成支援拠点事業の位置づけ

・「まるっとこどもセンター(こども家庭センター)について(2024年2月)」より引用

・「不登校対応の強化について(2024年2月)」より引用

児童育成支援拠点事業ガイドラインより引用

 

奥野の意見

本事業の提案に際しては、大風呂敷を広げてしまった感が否めません。これまで「となとな」で支援してきた子どもたちの個別の状況はさまざまであり、多様な対象者の支援につながるよう、さまざまなケースに対応できるスキームにしたいという思いは理解できないわけではないですが、施設やスタッフは万能ではありません。だからこそ、関係機関による重層的、複層的な支援が重要視されているのだと思います。
子どもたちの居場所の選択肢が増えることはいいことであると考えますが、いま、本事業の実施により、どのような対象者に、どのような支援を提供し、どのようなステップを目標とするのか等、予算規模も勘案しながら大人の都合ではなく子どもたちの最善の利益につながるよう、事業の適切な見込みを行っていただきたいと考えています。国の新たな仕組みを実施するためとか、施設が使えるからとかではなく、子どもの最善の利益につながるよう、事業を組み立てていっていただきたいと考えています。

他の委員の質問

・ラポールひらかた1か所(20名)のみでの実施か。身近な地域にいるのではないか。利用できない児童等を残すことにならないか。
→これまで支援しているまるっとこどもセンター(旧「となとな」)等の関係機関との連携が図りやすい。公共交通の利便性がよい。必要な方が利用できるよう、広く周知する。
・課題のある児童等の利用を想定しているが、ラポール1階のオープンスペース等(福祉機器展示場所や「わお」のあったところ)を実施場所とされている。子どもたちの居場所(子どもたちが居たい場所、安心して対話や活動ができる場所)として適当か。大人の都合になっていないか。
→パーテーションの設置等の配慮を行う。利用する子どもたちの状況に応じて、必要な空間を作る。
・居住地によっては、子どものみで行くのは困難。送迎できる保護者がいればよいが、養育に課題がある児童生徒が利用する想定であれば、安全確保の観点からも送迎支援は必要ではないか。
→経費に送迎支援は含まれていない。検討する。(ファミリーサポート事業の活用?)
・マンパワーについて。多様なスタッフが求められる。多くの能力が求められる。
→社会福祉協議会に委託実施。社会福祉士1名と他専門職(ソーシャルワーカー等)1名の2名を常時配置と想定。個別支援計画を作成し、関係機関との連携を図りながら支援にあたる。
・事業の周知方法について。20名の把握について。フリースクール等に通う子どもたち(約600人)も対象か。
→学校現場のSSWや重層的支援事業等関係機関の連携、関係諸会議との連携により対象者を把握する(周知する)。児童相談所の一時保護解除児童等も想定している。フリースクール等に通う子どもたちについても必要な支援があれば対応する。
・事業費について。「週3日/半年」で10,324千円の予算である。参考として「週5日/通年」で19,318千円が示されているが、算定根拠はどうなっているのか。
→初年度は開設費用を含んでいる。
・開所が週3日がはたして適当か。「学校の授業や進学のためのサポート」という学習支援は理解できるが、「宿題の見守り」という項目があるが、他の日は学校に行くということも想定しているのか。「課外活動の提供」ができる近くに資源があるのか。
→習慣づけという支援も想定。
・就学年齢(6歳)から18歳までと幅広い年齢の対象者20名に常勤スタッフ2名の想定である。事業の実際が全くイメージできない。見えない。わからない。国の動きは否定しないが、養育環境に課題がある児童生徒の対しても、また保護者に対しても、学校や家庭での居場所がない対象者の安心できる居場所となり得るのか。個別アプローチが可能である体制が確保できるのか。保護者自身の回復も求められる。
・本事業は「児童育成支援拠点事業」であるが、どのような名称を考えているのか。
・食事の提供を行うにあたり、必要な食数を事前に把握できるのか。食品ロスも想定される。受託者(社会福祉協議会)が持ち続けるのか(過度な負担になるのではないか)。弁当持参は適当ではないと考える。
→利用開始時に利用頻度などの意向を聞き取り、必要食数の把握に努める。一定期間保存ができ、当日の利用状況によって提供量を調節しやすいお米などの食材を活用して、受託者の負担が少なく、食材を無駄にしないようにできる限り取り組む。一緒に作る?


【参考】

※「児童育成支援拠点・子育て世帯訪問支援事業 類似事業事例集(2024年3月)」より抜粋

※「児童育成支援拠点・子育て世帯訪問支援事業 類似事業事例集(2024年3月)」は、「家庭支援事業の適切な運用のあり方に関する調査研究」(2023年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)において、児童育成支援拠点事業及び子育て世帯訪問支援事業に類する事業の実態を把握するために行ったヒアリングをまとめたもの。

【児童育成支援拠点事業】
事例1 認定NPO法人Learning for All
事例2 社会福祉法人尾道市社会福祉協議会
事例3 特定非営利活動法人青少年の自立を支える会
事例4 埼玉県戸田市
事例5 埼玉県嵐山町

【子育て世帯訪問支援事業】
事例6 NPO法人バディチーム
事例7 NPO法人 子育てネットワーク・ピッコロ
事例8 東京都豊島区
事例9 静岡県浜松市

 


【参考】

ル ファルひらかた社協の4階で2024年4月からスタートしているオルタナティブスクールの記事です。

 

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