6月8日、第1回病院運営審議委員会が開催され、市立ひらかた病院の業務状況や取り組みの報告、新型コロナウイルス感染症への対応状況等についての審議を行いました。

2020/06/09

今年度、私は枚方市病院事業運営審議委員会の委員になりました。

枚方市病院事業運営審議委員会は、枚方市病院事業の地方公営企業としての市立ひらかた病院の経営に関して必要な事項を調査審議を行う機関として設置されています。11人以内の委員(任期2年)で構成される審議体で、年4回程度の開催が予定されています。

6月8日(月曜日)午後2時30分から、今年度第1回の審議委員会が開催されました。出席委員は7人。
現在の委員数は7人で、枚方市医師会から1人、枚方市歯科医師会から1人、枚方市議会から5人です。

案件は以下のとおり。

(1)正副委員長の互選について
(2)令和元年度の業務状況及び令和2年度の取り組み姿勢について
(3)新型コロナウイルス感染症への対応及びその影響について
(4)その他

市立ひらかた病院の玄関に入ったとき、ちょうど出入口での検温に従事するスタッフへの研修が行われていました。先週からはサーモグラフィも導入されているとのことですが、市立ひらかた病院では、感染防止対策として、出入口での検温で発熱等の症状が認められた方には、一般の患者さんとは別のルートで発熱外来(救急外来に設置)に案内して診療を実施されているとのことでした。さらに、院内各所で院内感染防止のための対策が行われていました。


 

第1回の病院事業運営審議委員会は、2020年4月1日に就任となった宮垣純一病院事業管理者の挨拶で始まりました。新型コロナウイルス感染症の拡大の中、市立ひらかた病院が北河内唯一の感染症指定医療機関(第2種)として対応する一方で、経営的には、手術や処置の停止を行ったり、感染症への懸念からの受診控えの影響などを受け、たいへん厳しい状況であること等に触れられていました。

続いて、審議内容について、ですが、

正副委員長の互選については、上野尚子委員が委員長に、鍛冶谷知宏委員が副委員長に選出されました。

「令和元年度の業務状況及び令和2年度の取り組み姿勢」と「新型コロナウイルス感染症への対応及びその影響」については、あわせて報告いただきました。

まずは、各目標数値についての実績についての報告です。

・病床利用率:目標85%
平成30年度は78.0%が、令和元年度は78.6%(前年度比0.6ポイントの増)
1月までは一定順調であったが、新型コロナウイルス感染症の対応等の影響で、3月は67.3%と落ち込んでいるとのこと。
・手術件数:目標300件/月
平成30年度は267件が、令和元年度は288件(前年度比21件の増)
・救急応需率:目標90%
平成28年度は68.3%、平成29年度は84.8%、平成30年度は88.7%が、令和元年度は88.3%(前年度比0.4ポイントの減)

地域連携の推進を示す紹介率65%、逆紹介率70%についての報告がありませんでしたので、質問したところ、令和元年度の紹介率は54%、逆紹介率は78.7%とのことでした。

医業収益について、外来収益(月平均)が平成30年度は187,566千円が、令和元年度は204,145千円(前年度比16,579千円の増)、入院収益(月平均)が平成30年度は438,464千円が、令和元年度は454,689千円(前年度比16,225千円の増)との報告があり、前年度に比べると改善しているものの、2月以降、新型コロナウイルス感染症の影響による減収が見られ、その厳しい状況は現在も続いているとのことでした。

令和元年度当初予算は、約2億2,000万の収益的収支の赤字を見込む予算となっていましたが、令和元年度の決算見込みについて質問したところ、約2,240万円の収益的収支の赤字であるとの回答でした。これは、病院の経営努力が反映されているものかと思われます。令和2年度は約6,800万円の収益的収支の黒字を見込む当初予算となっていますが、新型コロナウイルス感染症の影響による減収は避けられないと予想されます。

新型コロナウイルス感染症発生以降の業績について、資料から抜粋します。

昨年度同月と比べと、4月の入院収益は24.1%減の▲107,510千円、外来収益は19.0%減の▲38,291千円、合計で22.5%減の▲145,801千円とのことです。
収益への影響としては、感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染症に対応するため、感染症病棟(8床)に加えて、一部の一般病棟を閉鎖・縮小したこと、各種健診や人間ドック等の停止、ガイドライン等に基づく不要不急の手術や処置の停止、また、患者さんの方からの受診控え等が考えられるとのことでした。
その他の影響としては、医療相談・連携室の地域への訪問活動の停止や4月に予定していた「下肢機能再建センター」のオープンを7月に延期したこと等を挙げられていました。

最前線でウイルスと対峙している医療機関ほど経営状態が悪化しているという現状のなか、国が新型コロナの重症・中等症の患者を受け入れる病院の診療報酬の引き上げを決定したり、今回の国の第2次補正予算案にも、診療報酬の概算前払いや専用病棟を設けた医療機関に対する「空床確保料」等が盛り込まれるなど、今後、医療機関に対する支援策の強化は図られる、とは思います。

市の令和2年度当初予算においては、行財政改革プラン2020に基づく「病院事業会計の繰入金の抑制」として、今年度5,000万円の減額(資本的支出である企業債償還金に対する繰入れ分)を見込まれ、市立ひらかた病院は繰入金がなくても病院の自己財源で対応するということでしたが、新型コロナウイルス感染症対策という役割を担っているなか、病院経営において重要なキャッシュフロー資金を不足させ、感染症対策は言うまでもなく、市民にとって貴重な医療資源である市立ひらかた病院の経営を危うくしてしまわないかと大変心配です。
今回の新型コロナウイルスに対するリスクマネジメントの観点からも、いのちと安全を守るという公的病院の役割という観点からも、病院事業会計への操出金抑制(→この街に住みたい基金への積立て)について再考するよう市に訴えていただきたいことを意見させていただきました。

また、市立ひらかた病院で取り組まれている「発熱外来」について、この後、秋冬に向けてどのような体制を考えておられるのかということと、秋冬には、インフルエンザ・風邪等の複合型流行に対しては、感染症指定医療機関の市立ひらかた病院だけでは対応できないことも予想される中、市内医療機関との連携による体制の整備も必要となってくるのではないかということを質問させていただきました。
市立ひらかた病院からは、感染症の専門医療機関としてシュミレーション等の訓練もしていること、市内医療機関でもPCR検査を実施されているなど、すそ野の広がりもあるので、デメリットを抑制しながら発熱患者への対応について、市の医師会とも協力して実施していきたいとの回答を得ました。
市医師会からも、PCR検査等の協力にあたっては、防護服等の不足等の心配もあったが、第2波・第3波に向けて、市立ひらかた病院や市保健所と連携して新型コロナウイルス感染症への対応について考えていきたいとのご意見をいただきました。

他の委員からの意見としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響として、患者を受け入れた医療機関の8割、受け入れていない医療機関においても6割が経営的に赤字の方向に向かっている。診療報酬の影響は2か月遅れになるので、この後、より厳しい状況が予想されるし、そこに第2波の影響が襲ってくるということもあるので、市立ひらかた病院としても、市内の医療機関としても、どう持ち直していくのかが課題であると思うという意見がありました。

また、市立ひらかた病院で働く職員のこころの健康を維持するために、衛生委員会の作業部会として「メンタルヘルス支援チーム」を立ち上げ、相談窓口を設置し、ストレスチェックなどを実施するという報告について、具体的な実施時期等についての質問もありました。
未知の感染症と向き合っておられる状況は、医師・看護師等の医療従事者のみならず、病院各所で働く職員についても大きなストレスになっていることかと思われますので、是非ともしっかりと取り組んでいただきたいと願っています。

入院患者の面会対応の現状については、原則禁止としているが、緩和ケア病棟や認知症患者等への配慮や、小児科・産科等、ガラス越しの面会の実施を行っている例などのお話もありました。

新型コロナウイルス感染症に対応する中で浮かび上がってきた課題である「さまざまな感染防止対策が必要」、「衛生材料等の不足」について、具体的にはどのような対策を考えているかという質問に対しては、新型コロナウイルスに対する専門知識を有する医師や看護師を指定してチーム制で対応すること、専属対応を確保しつつ診療体制も確立すること、手術用ガウンの不足に対しては、布ガウンの活用等のお話もありました。
また、停止していた手術(口腔・耳鼻科・外科等)をどのように再開するか協議しているということ、新型コロナウイルス陽性患者は減少しているものの、無症状陽性患者もいることから、入院前に胸部CT検査やPCR検査を実施するなど、院内感染を起こさないよう標準的防護策にも努めていくというお話もありました。

その他には、病院事業会計の資本金の減額について(経営状況の明確化のため)、感染症受入れ病床数の推移について、減収・減益に対する国・府からの支援について等の質問がありました。

最後に林 道廣病院長から、新型コロナウイルス感染症関連(疑似症含む)で105名の入院患者の受入れ(うち市民は27名)を行ってきたとの報告もありました。感染症指定医療機関として新型コロナウイルス患者に対応していること、受診控えの中、経営は大変厳しいが、院内感染を起こすことなくこれまで対応できてきたこと、医師会・歯科医師会の皆さんの支援もいただき、この後も院内感染を起こすことなく、病院としての使命を果たしていきたいとのご挨拶がありました。

当日の会議は予定通り1時間で終了しました。感染症対応でお忙しい中にも関わらず、委員の質問に丁寧に回答いただける病院長をはじめ、病院職員の皆さんに感謝します。
今年度は市民福祉常任委員会にも所属していますので、市立ひらかた病院の課題についてもしっかりと学んでいきたいと思っています。

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