6月定例月議会で「枚方市駅周辺再整備事業について」等、5つの項目について、一般質問を行いました。

2022/06/17

枚方市議会議員の奥野みかです。

枚方市議会の2022(令和4)年6月定例月議会、6月17日(金曜日)の3番目に一般質問に立ちました。質問者28議員のうち、3番目でした。

今回も議場の演壇にも発言席にも、そして、傍聴席にも飛沫感染防止シート設置です。

一般質問の中では、私も取り上げましたが、枚方市駅周辺再整備事業に関しての質問が多くありました。
市は、今議会で答弁していく中で、④⑤街区のまちづくりに関する市としての考えを明らかにしていきたいと考えていたと思うのですが、突如出てきた「市庁舎とアリーナの合築案」など、市民や議会の理解を得られるような内容やプロセスではありませんでした。
まさか、どの構想・計画・市長公約・所信表明・市政運営方針にも位置付けられていない公共・公益施設が、枚方市駅周辺再整備計画の④⑤街区のまちづくりの中で位置づけられ、整備を進めるなんてことはできない、と私は考えています。

また、今議会では、支援教育についての質問も多くありました。枚方の支援教育のあり方を大きく変更しようとしているわけですから、市民への丁寧な説明と意見聴取、会議体での必要な審議等、行政としての当たり前の丁寧なプロセスの見直しが求められべきるであると考えています。教育委員会での審議、教育・子育て常任委員会での審議等も行われるべきでしょう。

今回の一般質問は下記の項目で、質問の概要は以下のとおりです。
質問の詳細なやりとり等は、それぞれの質問項目のページ(リンク先を記しています)をご覧いただければと思います。

【質問項目】

1.急傾斜地の崩壊による土砂災害への対応について
2.総合型放課後事業実施プランについて
3.子ども・若者育成支援推進法に基づく取り組みについて
4.マンション管理の適正化について
5.枚方市駅周辺再整備事業について

 

【質問の概要】

1.急傾斜地の崩壊による土砂災害への対応について

まず最初は、急傾斜地の崩壊による災害からいのちを守るため、住民の安全に責任を持つ自治体としてなすべきことはいったい何であるのか。
法面所有者が「本復旧工事(2022年1月27日完了)」として、崩落した斜面下部に擁壁を設置しましたが、崩落した斜面上部は、依然として土がむき出しのままになっています。
市として、これで安全と判断されたのか、大阪府に対して、急傾斜地の対策工事を要請しないのかと、今回の議会で、重ねて質問したところ、「地域の同意や受益者負担などが整い、急傾斜地崩壊危険区域の指定がなされた際にできるものと考えており、市として、その際の要望の取りまとめや、地元及び大阪府との調整といった役割を果たしていく。」との答弁でした。これでは、大阪府が「急傾斜地崩壊危険区域」の指定をするまでは、地元自治体である枚方市として「何も取り組まない」ということになります。住民の安全に責任を持つ自治体として全く無責任です。住民の安全を守るために重要な施策・事業への取り組みを放置するような府政を許してはいけません。急傾斜地の崩壊による災害からいのちを守るために、市として適切な役割を果たしていただくよう、改めて、強く要望しました。
また、法面所有者による工事やこの間の状況を踏まえ、市は、2022年5月20日付けで、伊加賀北町7-6に発出されていた警戒レベル4の「避難指示」を解除しましたが、そもそも、1年間も全員避難の「避難指示」という避難情報を発出していたことが適切であったのか、防災リテラシーの観点からも検証が必要であると考えます。避難指示の取り扱いについても、適切な対応を求めました。

2.総合型放課後事業実施プランについて

昨年12月の議会の際、市長に、留守家庭児童会室と放課後子ども教室の2事業についての考え方を確認したところ、「留守家庭児童会室」は、保育を必要とする児童の生活の場を確保し、保護者が安心して就労できる環境を整備するという児童福祉の観点からも重要な「子育て支援施策」の一つであることを明言され、「放課後子ども教室」については、保護者の就労に関わらず、すべての児童の自主性や社会性、創造性など生きる力を育み、可能性を広げるための取り組みである、とお答えいただきました。
市長のお答えからも、児童の放課後対策は、校庭や図書室の開放など、「居る場所」さえあればいいというものでないことは明らかです。
児童福祉、学びの保障、子どもの社会教育の理念など、それぞれの事業目的を達成するためには何が課題で、その課題解決のために何を行うのか、「総合型」を実施するのであれば、その中でどのように解決されるのか等、想定される課題やリスクを丁寧に検討いただくことが必要であると意見しましたが、2023年度からの「総合型放課後事業」の実施に向けて、果たして、さまざまな検討が行われているのか、不安です。
学校を開放して勝手に遊ばせておけばいいというような取り組みは、子どものための「放課後事業」などと言えるものでは決してありません。「2.総合型放課後事業実施プランについて」質問しました。

3.子ども・若者育成支援推進法に基づく取り組みについて

ひきこもり状態、また、長期間就業等をしていない子ども・若者やその家族に対する相談・支援については、「ひきこもり等子ども・若者相談支援センター」、そして、「子ども・若者支援地域協議会」における「横」のネットワーク、「縦」のネットワークを活用しながら、重層的・継続的な相談・支援の体制が徐々に構築されてきているかと思われますが、家族の介護等を行う、いわゆるヤングケアラーの問題、18歳を超えた子ども・若者に対する親からの虐待の問題、非行・犯罪に陥った子供・若者の支援(更生保護)の問題、外国ルーツの子ども・若者に対する就学支援・日本語指導・適応支援の問題、女性に対する性暴力の問題、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中でより深刻化したといわれる孤独・孤立の問題等々、子ども・若者の「困難」は本当に多様になってきています。
そのような社会状況下で策定する次期計画なので、基本的な考え方や枠組みを抜本的に再検討する場や調査が必要ではないか。子ども・若者育成支援推進法に基づく取り組みについて質問しました。

4.マンション管理の適正化について

マンションの管理について、区分所有者の高齢化、若年層の減少の他、空き室や賃貸などによる非居住化の進展、管理組合の担い手不足等、マンション管理のリスクが課題として認識されてきています。そのため、マンションの適正管理を促進するとともに、マンションの老朽化を抑制し、老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションについては、再生に向けた取り組みを強化することも喫緊の課題となっています。
私は、昨年9月の議会で、枚方市駅周辺をはじめ、新築マンション建設の誘導ばかりを行うまちづくりではなく、市としてマンション管理適正化推進計画を定め、マンションの管理状況の実態把握を適切に行い、管理が適正に行われていないマンションに対しては必要に応じて指導や助言、専門家の派遣等による支援、また、マンションの管理組合が定める管理計画認定制度の導入など、改正法に基づき、マンション管理の適正化を推進していくよう、強く要望しました。
今般のマンション管理適正化法の改正は、マンション政策における地方公共団体の権限強化がポイントの一つだと思います。
今回は、今年度、市が実施を予定している「市内分譲マンション実態調査」により把握された実態や課題抽出を踏まえ、マンション管理適正化の法改正に基づき、どのような計画を策定していく考えであるのか確認し、実態調査により可視化されるさまざまなリスクに対応する適切な施策を検討いただきたいと要望しました。

5.枚方市駅周辺再整備事業について

枚方市駅周辺再整備事業について、④街区の「民間活力導入エリア」に対する民間提案を求めたサウンディング型市場調査の結果を踏まえて、市としては、今議会において、④⑤街区のまちづくりに関する考えを明らかにしていきたいと考えている、と説明されていましたし、そのように理解していました。
しかしながら、市が示された内容は、突如出てきた⑤街区の「市庁舎とアリーナの合築案」など、市民や議会の理解を得られるような内容ではありませんでした。プロセスもしかり、です。「寝耳に水」という他議員の評価もありましたが、まさか、どの構想・計画・市長公約・所信表明・市政運営方針にも位置付けられていない公共・公益施設が、枚方市駅周辺再整備計画の④⑤街区のまちづくりの中でいきなり位置づけられ、整備を進めるなんてことはできない、できるわけがない、と私は考えています。
市は、行政施策の進め方の基本に立ち返って、市民意見の聴取も含め、丁寧に行っていただきたいと考えます。
何よりも、今、枚方市民にとって、④⑤街区の公共用地を活用して再整備しなければならない公共課題は何であるのか、改めて考えていただくことが大切です。そして、それは、例えば、老朽化し、落下物防護ネットを大きな壁面3面に張り巡らされている廃止された公共施設である市民会館大ホール棟を一刻も早く解体・撤去して、広い空間を確保して大規模災害に「備える」など、大規模災害対策等の公共課題を最も早く解決できる道を考えることではないか、と意見しました。

【市議会中継】

▶ 奥野美佳(連合市民の会)【34分52秒】

 

 


 

私が取り組むとお約束した政策課題としては、

多様性を認め、差別と暴力のないまちをめざす
「あらゆる場面で、人が抱えるさまざまな『違い』が尊重され、排除されないことの徹底」
「さまざまな差別、ハラスメント、DV、性暴力等を許さず、被害を受けた人を支える体制の整備」
「在住外国人に対する日本語学習の支援や相談体制の整備」

安心して出産・子育てができるまちをめざす
「放課後や長期休業期間の子どもたちの安全な居場所や活動場所の整備」
「乳幼児や学童の保育等、子どもたちの成長を支える職場における処遇改善と人材の確保・育成の推進」

さまざまな困難を抱えた人を、お互いさまに支えるまちをめざす
「長期化するひきこもりに対する相談・支援体制の拡充」
「経済的困窮からの自立支援の強化」

みんなが楽しく、はつらつと暮らせる魅力あるまちをめざす
「感動する文化芸術にふれ、まちの魅力を楽しめる枚方市駅周辺地域の整備」

災害に強く、安全に暮らせるまちをめざす
「老朽化した道路や橋、河川、土砂災害の危険箇所等の点検、適切な再整備と維持管理の推進」
「災害発生等の緊急時に必要な現場対応力の強化や現場業務の継続性を確保できる日常的業務体制の確立」
「家屋・擁壁等の耐震性向上の促進」
「災害発生時の避難誘導体制の整備」

「草の根民主主義」が根づくまちをめざす
「公正で開かれた、説明能力の高い行政の実現」
「高い専門性と、実りある対話ができる柔軟な対応能力を備えた行政組織の確立」等にかかわる課題を設定しました。

今回は、上記の課題に係る質問を行いましたが、これまでの議会での質問なども振り返りながら、新たに取り組むべき政策課題の追加の必要性も感じているところです。政策課題の進捗を検証していきます。

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