6月14日、2024(令和6)年6月定例月議会(第1日)がスタート。条例の制定・改正案件の他、補正予算案件などの議案の審議を行いました。

2024/06/14

枚方市議会議員の奥野みかです。

2024(令和6)年6月定例月議会(第1日)は、6月14日(金曜日)に開会されました。

議案書等の会議資料は市のホームページに掲載されています(2022年5月より)。

▶ 本会議の会議資料(議案書)

会議の冒頭の市長の挨拶は、2018年6月18日に発災した大阪北部地震から丸6年になるが、被災体験を風化させないよう取り組み、誰もが安全に安心して暮らせるよう災害に強いまちの実現をめざし取り組みを進めていくということ、本年1月1日に発災した能登半島地震の課題や教訓、また、被災地に派遣した本市職員が得た経験や知見なども踏まえて、防災体制のさらなる充実強化に取り組まなけれなならないと強く感じているといった発言が主な内容でした。

第1日目は、補正予算案件が2件、条例案件が5件、契約締結案件が3件、合計10件の議案審議が行われ、すべて原案可決となりました。

報告については、外郭団体の経営状況の報告について2件、繰越計算書について5件、合計7件の報告を聴取しました。

なお、会議に入る前に、全国市議会議長会から在職25年(広瀬ひとみ議員)、在職10年(漆原周義議員)の永年勤続の表彰状の伝達が行われました。そして、議長、市長からの祝辞に対して、広瀬議員が謝辞を述べられました。

付議事件議決結果一覧

6月定例月議会の会期は、6月14日(金曜日)から6月28日(金曜日)までの15日間となります。
6月21日(金)から一般質問が始まります。いま、一般質問の準備を行っています。

 


補正予算案件での議案質疑

◇議案第10号 2024(令和6)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第3号)について

※議案第10号に対する私の質疑のやりとりは次のとおりです。事業費の増額・組み替えの補正予算を計上された児童育成支援拠点事業について、国の新たな仕組みを実施するためとか、施設が使えるからとかではなく、対象となる子どもたちがどうすれば来やすいかとか、どんな場所なら安心して過ごせるのかとか、どんなサポート体制があればいいのか等、子どもたちの最善の利益の保障や豊かな育ちにつながるよう、枚方市の実情に合わせて、事業の適切な組み立てを行っていただきたいと要望しました。

Q.私の質問
議案第10号「2024(令和6)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第3号)」のうち、議案書57ページ、「(仮称)こども家庭センター事業経費」、「児童育成支援拠点事業費」について伺う。
当初予算において8,378千円の予算が計上されていた「児童育成支援拠点事業費」について、「消耗品費」の500千円、「修繕料」の1,500千円、「工事請負費」の1,500千円はそれぞれ全額減額し、「委託料」の4,378千円については5,946千円を増額するという、合計2,446千円の増額補正が提案されている。当初予算にあった「備品購入費」の500千円はそのまま残されるようである。
そこで、今回の補正により10,324千円となる「委託料」の積算根拠について、伺う。また、なぜこのような組み替えを含む増額補正を行うことになったのか、その理由についても伺う
さらに、委託により実施する本事業について、なぜ、ラポールひらかた1か所(20名)のみの実施で、社会福祉協議会への委託による実施としたのか、その理由を伺う

A.林健康福祉部長の答弁
児童育成支援拠点事業についてお答えする。
まず、児童育成支援拠点事業にかかる当初予算と今回の6月補正予算を合計した委託料1,032万4千円の積算内訳は、週3日型の基本分と長時間開所加算を合わせて517万6,500円、ソーシャルワーク専門職員配置加算が114万7,500円、開設準備経費として400万円を見込んでいる。
今回補正を行うこととなった理由としては、2024(令和6)年3月30日に国から示された子ども・子育て支援交付金の補助基準額との整合を図るため補正を行ったものである。また、予算の組み替え理由であるが、プライバシーの配慮を含めた開設準備については、工事によらず備品で対応することも可能で、事業者の創意工夫も期待できることから、開業準備経費を委託料に組み入れることとしたものである。ただし、実施までに内容を吟味し、委託になじまないパーテーションの設置は市が直接執行するなど、役割分担を行っていく。
次に、実施場所について、新規事業として実施するにあたり、これまでの関わりや相談・支援事業を通して必要と思われる家庭など、養育環境に課題を抱える子どもに、まずは利用を促したいという考えから、まるっとこどもセンターと連携が取りやすく、また公共交通機関が集まる枚方市駅周辺からスタートさせていただくこととしたものである。次に委託先に関しては、枚方市社会福祉協議会は、本市の福祉事業で多くの実績があること、社会福祉士はもとよりコミュニティーソーシャルワーカーとしての経験がある職員もおられるので、本事業の重要な要素である「学校、医療機関、地域団体等の関係機関との連携や関係構築」に大いに期待できること、事業の利用人数に変動があってもバックアップ体制がとりやすいこと、等の理由から、1か所めの委託先として最適であると判断したものである。

Q.私の質問
次に、人的体制について、伺う。「ソーシャルワーク専門職員配置加算」が見込まれるようであるが、就学年齢(6歳)から18歳までの幅広い年齢のさまざまな困難を有する対象者20名に対して、社会福祉士等の有資格者1名と支援員1名の2名を常時配置と想定し、対象者一人ひとりの支援計画を作成し、関係機関との連携を図りながら支援にあたるとのことである。児童等の年齢や有するさまざまな困難の内容によっては、より多様な専門性も求められるのではないか。本事業は保護者も対象とされているが、困難を有する保護者自身の回復への支援もまた求められると思う。
委託料1,032万4千円から開設準備経費400万円を差し引くと632万4千円になる。自己負担を求めないのであれば、この委託料の中から食事の提供に関する費用も含まれることになるわけである。
10月から半年間・週3日(→78日になる)、10時~19時(9時間)の開設を想定されているので、単純に計算すると、人件費、食事の提供費用、施設の運営費用、その他経費等々、1日あたりの運営費用は81,000円(81,076.92円)、これ時間に割ると、1時間あたりの費用は約9,000円(9,008.55円)になる。
このような委託料の内訳で支援に必要な人的体制が確保できると考えているのか、市の見解を伺う
また、「養育環境等に課題を抱える、家庭や学校に居場所のない児童等に対して、当該児童の居場所となる場を開設」するという児童育成支援拠点事業を、住民の福祉活動の拠点施設である「ラポールひらかた(総合福祉会館)」で実施する事業の姿が全くイメージできないのであるが、児童等に対しても、また保護者に対しても、安心できる居場所となり得るのか、懸念される。子どもたちが居たい場所、安心して対話や活動ができる場所として適当な子どもたちの居場所が設定できると考えているのか、市の見解を伺う

A.林健康福祉部長の答弁
支援に必要な人的体制であるが、委託費の中には、社会福祉士の資格を持った管理者1名と支援員1名の2名分を基本に見込んでいる。さらに、利用者数や活動内容に応じて、例えば大学生やNPO団体などの協力を得て、謝金等でバックアップ体制を組むことを想定している。また、児童や保護者に対するサポートについては、受託者のみで完結するのではなく、まるっとこどもセンターなど関係機関が連携して行うものと認識している。
事業の実施にあたっては、利用者の状況や意向に寄り添って個別の支援計画を作成し、状況に応じて適宜計画を見直すとともに、大学生などのサポートスタッフや関係機関の連携のもと、児童や保護者が安心できる居場所となるよう取り組んでいく。

Q.私の意見及び要望
これまで「となとな」、いま「まるっとこどもセンター」であるが、支援してきた子どもたちの個別の状況はさまざまであり、多様な対象者の支援につながるよう、さまざまなケースの状況に応じた支援を包括的に提供できるスキームにしたいという思いは理解できる。しかしながら、「児童とその家庭が抱える多様な課題に応じて、生活習慣の形成や学習のサポート、進路等の相談支援、食事の提供等を行うとともに、児童及び家庭の状況をアセスメントし、関係機関へのつなぎを行う」という、本事業の提案については、大風呂敷を広げてしまった感が否めない。
児童育成支援拠点について提案された先の教育子育て委員協議会においても、多くの委員からたくさんの疑問が提起されていた。子どもたちの居場所の選択肢が増えることはいいことであると考えるが、ラポールひらかたという場所の特性もある。「大学生などのサポートスタッフや関係機関の連携のもと、児童や保護者が安心できる居場所となるよう取り組んでいく」という熱い思いはわかるが、いま、本事業の実施により、どのような対象者に、どのような支援を提供し、どのようなステップを目標とするのか等について、予算規模も勘案しながら、一定のターゲティングを行い、具体的な事業イメージの見える化を行っていただきたい。国の新たな仕組みを実施するためとか、施設が使えるからとかではなく、対象となる子どもたちがどうすれば来やすいかとか、どんな場所なら安心して過ごせるのかとか、どんなサポート体制があればいいのか等、子どもたちの最善の利益の保障や豊かな育ちにつながるよう、枚方市の実情に合わせて、事業の適切な組み立てを行っていただきたいと要望する。施設にしても、担当するスタッフにしても、有限である。だからこそ、関係機関との連携による重層的、複層的な支援が欠かせないのだと思う。まずはスモールスタートでいいのではないか。事業を利用する児童や保護者が、逆にしんどい思いを重ねることがないように個別の支援計画をしっかりと立てていただきたいと要望しておく。
また、児童育成支援拠点事業に対する今後の期待としては、児童、小学生児童が一人でも行けるよう、例えば、小学校区単位での設置が可能であるような事業スキームの検討もしていただきたいと意見させていただく。

他の議員からの質問

・対象者をどのように把握して利用につなげるのかについて。
→学校現場において教員と連携しながら支援にあたっているSSWとの連携もしっかりと行い、対象者の利用につなげる。
・送迎支援について。地域の実情に応じて実施とある。ファミリーサポート事業の利用ができないか。
→当面、(2024年度は)小学生は保護者の送迎を想定している。保護者との関係構築も必要。それ以降の展開は今後検討。
・ラポール内の工事費を当初予算から削減している。
→当初予算時には工事を想定していたが、備品で対応可能とし、事業者の創意工夫により居心地のよい空間づくりを期待。
・エントランスホールに近い。子どもたちの安心できる居場所となるのか。
→ 防音パーテーションの設置等の配慮を行う。利用する子どもたちの状況に応じて、必要な空間を作る。高さも検討する。

 

子ども・子育て支援交付金の交付について(2024年5月21日通知_こ成事第425号)より抜粋

 

▶ 「児童育成支援拠点事業の実施について」(教育子育て委員協議会報告①)

児童育成支援拠点事業の実施により、どのような対象者に、どのような支援(居場所)を提供し、どのようなステップを目標とするのか等、予算規模も勘案しながら、子どもたちの最善の利益につながるよう、事業を組み立てていっていただきたいと考えています。

 

 


 

(※以下、報告の詳細を掲載します。)

【外郭団体の経営状況の報告について 2件】

報告第1号 枚方市土地開発公社の経営状況(2024年度事業計画)について
(事業内容:公有用地取得計画 4件の用地取得・公有用地処分計画 2件の用地処分、予算総額:収益的収入 386,187千円、収益的支出 386,422千円、資本的収入 4,029,401千円、資本的支出 4,411,802千円)
※公有用地取得計画には、新町1丁目の「外周道路(2工区)563.20㎡」を含んでいる。直買ではなく、土地開発公社の先行取得を想定。

報告第2号 公益財団法人枚方市スポーツ協会の経営状況(2024年度事業計画)について
(事業内容:市民スポーツ普及啓発事業、総合型地域スポーツクラブの育成事業、利用者の利便性向上事業、民間団体との連携・協力事業、予算総額:経常収益 175,529,100円、経常費用 175,528,300円)

【繰越計算書について 5件】

報告第3号 2023(令和5)年度大阪府枚方市一般会計繰越明許費の繰越計算書について
(繰越内容:施設改善維持補修経費 他38件 5,819,322,267円

報告第4号 2023(令和5)年度大阪府枚方市水道事業会計予算の繰越計算書について
(繰越内容:建設改良事業 581,258,000円)

報告第5号 2023(令和5)年度大阪府枚方市水道事業会計継続費の繰越計算書について
(繰越内容:配水支管更新事業 他5件  583,465,333円)

報告第6号 2023(令和5)年度大阪府枚方市下水道事業会計予算の繰越計算書について
(繰越内容:汚水改良事業 他2件  888,686,055円)

報告第7号 2023(令和5)年度大阪府枚方市下水道事業会計継続費の繰越計算書について
(繰越内容:汚水公共下水道未普及地区整備事業 135,032,264円)

 


 

(※以下、議案の詳細を掲載します。)

【一般・事業会計補正予算 2件】

議案第10号 2024(令和6)年度大阪府枚方市一般会計補正予算(第3号)
新たに国や府等の財源が見込めることとなったものや、緊急的な対応が求められるものなどに関する補正。)
(補正前予算額 161,158,357千円、歳入歳出補正額 782,788千円、補正後予算額 161,941,145千円)

・歳入
子ども・子育て支援交付金(児童育成支援拠点事業に係る国・府補助金)1,298千円
ワクチン生産体制等緊急整備助成金(新型コロナウイルスワクチン予防接種費用に対する助成金)/雑入 452,209千円
児童育成支援拠点整備事業(児童育成拠点整備事業の工事請負費減額に伴う市債の減額)▲ 400千円
御殿山小倉線整備事業(御殿山小倉線整備事業に係る市債)5,400千円
財政調整基金繰入金(収支調整分)324,281千円

・歳出
医療助成電算システム運用経費(ひとり親家庭医療費助成制度の所得限度額を大阪府が変更することに伴うシステム改修)591千円
国民健康保険特別会計への繰出金(国民健康保険のマイナ保険証移行へ向けたシステム改修の事務費繰り出し)4,620千円
児童育成支援拠点事業費(2024年10月からラポールひらかたで開設予定の児童育成支援拠点事業において、国から示された補助基準額との整合を図るため増額等を行うもの)2,446千円【財源/(国・府)1,298千円、(市債)▲400千円】→直営での改修ではなく委託料でやってもらう。
予防接種実施経費(令和6年10月から実施予定の高齢者等を対象とした新型コロナウイルスワクチンの予防接種経費)728,983千円【財源/(その他)452,209千円】←高齢者インフルエンザ予防接種の接種率47.8%を参考に積算。
御殿山小倉線整備事業費(御殿山小倉線の法面の補強工事に係る実施設計委託)6,000千円【財源/(市債)5,400千円】
備蓄品購入費(能登半島地震において被災地に物資提供した災害備蓄品を補充するための購入費)/13,568千円←追って国と石川県に求償。
教師用教科書・指導書購入経費(教員用の小学校教科書及び指導書(下巻)の購入費)26,580千円←前期分(上巻)の1/4程度。追って財産取得議案あり

・債務負担行為補正額 14,000千円
御殿山小倉線整備事業(法面の補強工事に係る実施設計委託)/期間:2024年度から2025年度まで/限度額:14,000千円

議案第11号 2024(令和6)年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)
(補正額:4,620千円、補正内容:事務費等分繰入金、システム変更委託料)

【条例の制定・改正 5件】

議案第12号 枚方市手数料条例及び枚方市印鑑条例の一部改正について
市の設置する端末機を用いた証明書等の自動交付サービスを実施するにつき、所要の整備を行うもの。)
→これまではコンビニ等、市以外の者が設置する端末機(キオスク端末)のみであったが、③街区の行政サービスコーナーで市の設置する端末機を使用するための改正。

議案第13号 枚方市税条例の一部改正について
(私立学校法の改正等に伴い、所要の整備を行うもの。)

議案第14号 枚方市指定障害福祉サービス事業者の指定並びに指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正について
(指定障害福祉サービスに関する基準等を変更するもの。)

議案第15号 東部大阪都市計画枚方市駅周辺地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について
(東部大阪都市計画枚方市駅周辺地区地区計画の変更に伴い、所要の整備を行うもの。)

議案第16号 枚方市立図書館条例等の一部改正について
(枚方市立市駅前図書館等の所在する場所の住居表示の実施に伴い、所要の整備を行うもの。)

【契約案件 3件】

議案第17号 東部清掃工場定期補修工事(令和6年度)請負契約締結について
(施工場所:枚方市大字尊延寺2949番地、受注者:川崎重工業(株)関西支社、契約金額:490,600,000円、契約期間:契約締結日から2025年3月15日まで)

議案第18号 牧野長尾線(7工区)・長尾杉線(長尾工区)道路整備工事請負変更契約締結について
(施工場所:枚方市長尾東町1丁目及び3丁目地内、(株)中島組、契約金額:変更前 859,697,300円、変更後 892,603,800円円、変更理由:既設沈砂池の取壊し等に伴う防護施工の追加等)

議案第19号 御殿山小倉線水路横断部道路整備工事請負変更契約締結について
(施工場所:枚方市渚東町、上野3丁目 地内、受注者:(株)柿丸建設、契約金額:変更前 637,956,000円、変更後 769,598,500円円、変更理由:既設水路の撤去にあたる取り壊し工法の変更等)

 

 


 

また、本日行われた議運で追加議案が提出されました。

2024(令和6)年6月定例月議会議案書(追加➀)

教育長不在という異常事態とも言える教育行政の執行体制に係る現状に対して、市民や議会への説明責任を適切に果たされるとともに、新たな教育長の選任同意議案を早急に調製し、議会への提出を図るよう、2024年6月4日付け、全会派の連名で、「本市教育行政の執行体制に関する意見及び要望」を提出したところではありますが、同意できる方の選任議案であればと思っています。

^