中学校部活動の地域移行は、子どもたちの望むスポーツ・文化芸術等に親しむ環境の整備、多様な体験機会を確保するものになっているのか。本市の実情に沿った「ひらかたモデル」の策定に向けた取り組みについて。(教育子育て委員協議会報告④)

2024/06/03

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月3日に開催された教育子育て委員協議会の報告④です。

(4)今後の中学校部活動の在り方について[教育指導課]

学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン(スポーツ庁及び文化庁)」を踏まえ、本市の実情に添った「ひらかたモデル」としての部活動の方針の改訂に向けて、枚方市中学校部活動の在り方懇話会や関係課で組織する庁内委員会において協議、検討を進めているところ。今回、2023年11月に行った児童生徒対象のアンケートの結果や2024年1~3月の試行実施(自由体験型地域部活動(大学との連携))の実績をもとに、2024年度の試行実施(案)が示されたところ。

◇試行実施(案)等について

① 統括団体によるクラブ運営型 (9月からの予定)
② 学校部活動・地域部活動 組み合わせ型 (9月からの予定)
③-1 自由体験型 地域部活動(レア型)(9月からの予定)
③-2 自由体験型 地域部活動(体験型)(6月からの予定)
※「枚方市中学校部活動の在り方懇話会」については、2024年度は5回開催する予定

 

 

奥野の意見

中学校における部活動に関して、国のガイドラインを踏まえ、「少子化の中でも、将来にわたり、枚方市の子ども達がスポーツ・文化芸術に継続して親しむことができる機会を確保」「地域の持続可能で多様なスポーツ・文化芸術等に親しむ環境を一体的に整備し、子ども達の多様な体験機会を確保」をめざす、 本市の実情に沿った「ひらかたモデル」の策定に向けた取り組みが進められています。

中学校部活動の「地域移行」の中で、子どもたちが、様々なスポーツや文化芸術活動に触れることができる機会は保障されるのか、また、中学校部活動の「地域移行」が「教員の負担軽減」のための手段に収斂されてしまうのではないか。また、学校内での部活動を単になくすだけになれば、子どもたちの機会損失や体験格差の拡大をもたらすだけになりはしないか。既存の部活動の持続可能性を高めるための取り組みもあわせて検討いただきたい。…この間、そのような要望を伝えてきています。

子どもたちに学校以外の新しい居場所を創出することは、子どもたちの成長・活躍の場をつくるということ、地域におけるインクルージョンを深めることにもつながります。いま、求められていることは、中学校部活動の「地域連携」を通して、地域のさまざまな人材を中学校の活動と「つなぐ」ことや、地域における安定した活動が子どもたちを「包摂」していくことではないでしょうか。中学校部活動は学校で続けるべきか、地域に出すべきか(移行)などという「分断」議論ではなく、スポーツも文化芸術も、学校部活動が、学校と多様な地域住民によって育まれる地域がつながり(連携)、混ざり合い(協働)、ソーシャル・インクルージョン(包摂)につながるフィールドになればいいのではないかと考えています。

他の委員の質問

・部活動の「ひらかたモデル」について。部活動の形が変わることが後退ではなく、前進となるよう進めていただきたい。
→試行実施で、運営主体や責任の所在等を整理しながら課題解決、検証等行った上で、ひらかたモデルの本格実施につなげる。
・地域の実情に合うということについて。
→休日の地域クラブでの指導を、部活動としての平日の練習に活用している例もある。学校部活動にはない競技を希望する子どもたちの為の地域移行など、さまざまな意見を受け止めていく。
・中学校部活動について。教員は部活動を顧問する義務はない。負担が深刻になっている。教員の負担軽減につながるのか。働き方改革の実効性について。
・学校教育・社会教育の一環として進めていくことになると思うが、担当部署について。社会教育課の役割について。
→教育委員会教育指導課が担当。さまざまな観点から総合的に検討を進めていく。今後は総合的に検討していく
・自由体験型 地域部活動(レア型)において、参加料を徴収するということについて。参加しやすいように判断してほしい。
→任意活動であること、一定のスキルが求められること等から、民間クラブを参考に検討。
現在の中体連の状況は?
→全国大会のあり方の見直しなど検討されている。
・学校部活動についても、放課後対策についても、いまさえよければという施策になっていないか。子どもたちがどうしたいかを受け止めているのか。アンケートについても、肯定的な意見のみを追いかける追加質問があるという構成について、非常に雑な組み立てであると思う。子どもたちがどう思っているのかを考えてほしい。


【参考】

 

◇学校・部活動ごとの部員数(R4 7月時点) ※第1回枚方市中学校部活動の在り方懇話会(2023年6月7日)資料より

(事例についての資料)運動部活動の地域移行等に関する実践研究事例集 ※第2回枚方市中学校部活動の在り方懇話会(2023年8月3日)資料より

◇(事例についての資料)文化部活動の地域移行に関する実践研究事例集 ※第2回枚方市中学校部活動の在り方懇話会(2023年8月3日)資料より

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