8月26日、市民福祉委員協議会が開催され、「認知症施策の推進について」等、8案件の協議が行われました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
8月26日は市民福祉委員協議会が開催され、8件の案件の審議が行われました。
今回、提出された案件は次のとおり。
(1)市税における軽減措置の見直しについて
(2)認知症施策の推進について
(3)持続可能な権利擁護支援モデル事業の取り組みについて
(4)成果連動型民間委託契約方式(PFS)を活用した介護予防事業について
(5)枚方市国民健康保険被保険者を対象とした特定健康診査の受診勧奨について
(6)旧市立くすの木園の跡地活用について
(7)予防接種事業の推進について
(8)市立ひらかた病院の運用について
なお、それぞれの案件のタイトル部分をクリックすると、枚方市HP「枚方市議会/議会資料室」にアップされた資料にリンクします。
【案件名】
(1)市税における軽減措置の見直しについて [市民税課・資産税課]
◇法人市民税均等割の課税免除について
・500千円→50,000円×10法人(新たに課税免除対象となる法人数)
◇固定資産税・都市計画税の一部減免について
減免要件/土地区画整理事業に伴い市街化区域に編入された農地(生産緑地は除く)を所有するもので、かつ使用収益ができない期間、減免割合/3分の1
【2025年度見込・対象の土地全てが年度当初から使用収益停止されている場合】
・村野駅西土地区画整理事業 約1,000千円(約120筆・約110名)
・茄子作土地区画整理事業 約1,500千円(約80筆・約70名)
奥野の意見
新たに課税免除対象となる法人は10法人を見込み、2025年度当初予算において500千円の軽減措置見込額を計上の予定とのこと。府内でも17自治体が先行しているとのことであるが、「公益目的事業を主として行う非営利型の一般法人のうち非営利性が徹底された法人」「上記以外で法人府民税均等割の減免の適用を受ける法人等」に新たな軽減措置の情報が届くのか、どのように届けるのか、どんな団体が対象となるのか、実績を見守りたい。
(2)認知症施策の推進について [健康福祉政策課、健康福祉総合相談課、健康づくり課]
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が2024年1月に施行され 、同法に基づく「認知症施策推進基本計画」が2024年秋頃に閣議決定される見込み(今後のスケジュール)。
◇認知症施策推進計画に係る策定準備支援事業(介護保険事業費補助金)
認知症基本法において、市町村による策定が努力義務となった「認知症施策推進計画」は、次期「高齢者保健福祉計画21(第10期)(2027年4月から)」に包含することとし、今後、計画策定に向けた取り組みを進めます。
◇認知症予防教室「ひらかた脳活教室」の実施状況と今後の取り組み
◇三者連携協定の締結及び DX を活用した「脳の健康度測定」の実施
①「三者連携協定」締結による施策推進体制の強化
認知症はその原因や症状特性などから、介護関係者だけでなく医療関係機関を含めた一体的な施策推進が重要となることから、「かかりつけ医」や「認知症サポート医」の窓口となる「枚方市医師会」及び、認知症関連の社会貢献活動を展開するとともに認知症治療薬の開発を手掛ける「エーザイ株式会社」との「三者連携協定」を締結し、認知症及び軽度認知機能障害に係る予防、早期対応等の取り組みや医療体制の整備等について連携することにより、認知症施策の効果的な推進を図る。
②デジタルツール「のうKNOW」を活用した「脳の健康度測定」の実施
・40 歳以上を対象とした啓発及び早期発見等の機会の創出/デジタルツールを活用した「のうKNOW」による脳の健康度測定を実施
・2つの実施手法(個別測定、集団測定)でアプローチすることにより、より多くの方が健康度測定を実践する機会を創出
③健康度測定実施後のフォローアップ体制
測定の結果は、脳年齢とABCの三段階で示されます。認知機能低下のリスクがあるB判定が出た方には、個別に「こころとからだ生き生き教室」を案内するなどにより、認知症予防の取り組みを促すほか、認知症の疑いがあるC判定の方には、個別に地域包括支援センターへの相談を案内したり、医師会との連携体制を活かして必要な医療機関等へつないだりするなど、認知症予防や早期対応のためのフォローアップ体制を構築する。
◇高齢者の加齢性難聴に対する補聴器購入費助成の取り組み
・65 歳以上の高齢者で、市民税非課税世帯、生活保護世帯
・医師から補聴器の使用が必要と認められ、聴力レベルが中等度程度 の方
・聴覚障害による身体障害者手帳の取得要件にあてはまらない方
助成額 上限25,000円
◇その他認知症施策の一体的な取り組み
①「認知症バリアフリー宣言」の推進
②「 SOS ネットワーク事業」協力事業者の拡充検討
奥野の意見
認知症の人やその家族が、尊厳を保持しつつ希望を持って自分らしく生きていくためには、地域住民の理解を深めることが重要。本市の特性も踏まえた実行性のある「認知症施策推進計画」が策定できるよう、本市において既に取り組んできている効果的な各種施策も適切に位置づけるとともに、子どもたちを含め、あらゆる世代の地域住民に対して、認知症基本法の基本理念の普及啓発、安全・安心な地域づくりの推進を図ることができるよう、工夫を図っていただきたい。
委員の質問
・なぜ「エーザイ株式会社」「医師会」との三者連携協定か。当方からの働きかけか。「のうKNOW」の実施について。
→2010年以降、多くの自治体が「エーザイ株式会社」の「のうKNOW」を活用している。こちらから連絡し、2023年以降、意見交換を重ねてきた。リスクの高い人を効果的に把握できる。日常的な医師の関与の必要性から「医師会」を含む三者連携協定を締結。集団検診は500人程度を想定。
・「のうKNOW」は健康度測定であり、診断ツールではないことを伝えてほしい。
・「のうKNOW」の結果を参考に、免許証等の返納の働きかけも行うのか。
→加害者にならないよう取り組みは必要である。
・認知症施策推進計画の策定に向け、「あらゆる年齢の認知症当事者や家族等の意見を丁寧に聴く」とあるが具体的にはどのように行うのか。
→デイサービスやグループホーム等、対面聴取の機会を設けて、困りごとやあったらいいな等を丁寧に聴取する。第9期計画時にいただいた意見も参考にする。
・認知症予防、認知症への理解を深めるための啓発も重要。
→家族で一緒に暮らせるようリスクの軽減も必要。地域共生社会の実現のため、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現のため、さまざまな意見聴取も大切である。
・SOS ネットワーク事業について、地域包括支援センターと地域との繋がりを広げるため、コンビニエンスストアなどへの協力事業者の拡充についての検討を行うとのこと。地域のコンビニとの連携に期待する。
・補聴器購入費補助のしくみの創設はありがたいが、上限2.5万円は低い。両耳装着が求められる場合等、とても対応できない。補聴器を必要とする方が早期に補聴器装着を行うと脳機能を衰退させないとも言われている。
→補聴器は、10~30万円、安いものでは3万円と価格はさまざま。他市状況や医師へのヒアリングで決めた。
・課税世帯も対象にするべきではないか。他市では、課税世帯25,000円、非課税世帯50,000円というところもある。
→経済的助成として、生活保護世帯・非課税世帯を対象とした。補聴器を必要とする方が補聴器購入に踏み出せる後押しにしたい。
・購入前に申請が必要であることの周知の徹底を。
(3)持続可能な権利擁護支援モデル事業の取り組みについて [健康福祉総合相談課]
◇「枚方市社会福祉協議会」への委託により実施(11月~)
対象者:65 歳以上の単身高齢者で、子どもや親族がいないもしくは疎遠である等、頼れる身寄りがいない方、市民税非課税で一定額以下の所得(預貯金500万円以下)で、契約能力を有し、契約時に預託金が準備できる方、枚方市内の賃貸住宅に居住し、不動産を所有していない方
・委託料 2024年度 4,404千円[財源/生活困窮者就労準備支援事業費等補助金 3,303千円(補助率3/4)]
奥野の意見
モデル事業の期間について、国は1年としているとの説明であったが、市として継続的に取り組むものであるとの考えも示されている。いったん支援を開始すると途中で終了することは困難ではないか。継続的に支援する仕組みが構築できるよう期待したい。
▶2024年6月の一般質問
(4)成果連動型民間委託契約方式(PFS)を活用した介護予防事業について [健康づくり課]
介護予防事業の充実をめざし、2021年7月から2022年1月にかけて、国の「地方公共団体による成果連動型民間委託契約方式に係る案件形成支援事業」による支援を受け、PFSを活用した介護予防事業(SPRINGひらかた)を実施。2022年6月には、事業者と業務委託契約を締結し、事業者から提案された企画の実施に向けた協議を重ね、順次イベントや教室等を開催。2023年度末に契約終期を迎え、当該事業の実績が確定したことから、成果について報告するもの。
委員の質問
・目標設定値(自主グループ300人目標に対して達成数は145人、居場所登録15グループ目標に対して達成数は3)との乖離について。課題認識について。
→初めてのPFS事業であったため、目標設定値をつくることが難しかった。
(5)枚方市国民健康保険被保険者を対象とした特定健康診査の受診勧奨について [健康づくり課、保険年金課]
「特定健康診査」受診率の向上に向け、2022年度から大阪大学との事業連携協定に基づいた受診勧奨を実施している。今回、2023年度に実施した、大阪大学が作製したAIツールを活用した受診勧奨の効果検証結果を報告するもの。
◇枚方市国民健康保険被保険者を対象とした特定健康診査の受診勧奨
メッセージの使い分けにこだわらず、圧着ハガキを活用した受診勧奨は2回送付を基本
→2024年9月 受診勧奨(1回目)、12月 受診勧奨(2回目)
SMSを活用した受診勧奨の有効性が強く示唆されたため、送付時期や送付回数などを再検証
SMSをさらに活用できるよう、携帯電話番号の把握に努める。
2025年3月、6月→大阪大学によるデータ分析
≪事業費≫ 国民健康保険特別会計 85,462千円
特定健康診査受診勧奨業務(特定健康診査等事業に要する経費の各種委託料のうち受診勧奨委託料の一部)
≪財 源≫ 特別交付金 保険者努力支援制度
(6)旧市立くすの木園の跡地活用について [障害企画課]
2020年4月1日に民営化された市立くすの木園については、2022年11月1日からは運営法人が旧市立すぎの木園用地に整備した新園舎で運営が行われることに伴い、旧市立くすの木園用地についても2022年12月31日をもって本市に返還され、2024年3月に建物の解体工事が完了。重度障害者の自立した生活を支援するため、当該用地においては、民営のグループホームの設置に向けて取り組むとともに、地域生活支援拠点等の体制整備を行う予定としており、現在、具体的な事業形態を検討するにおいてサウンディング等を行っているところ。
当該敷地内において焼却炉の稼働履歴があることで、土壌中にダイオキシン類が含まれおそれがあるため、地歴調査及び土壌調査を実施するもの。事業費4,940千円(一般財源)を9月補正予算で計上。
なお、地積:4,484.57㎡/登記地目:宅地/区域区分:市街化調整区域/建蔽率・容積率:60%・200%となっている。旧園舎の建築面積は484.3㎡。
(7)予防接種事業の推進について [保健予防課]
◇風しん対策費用助成事業
2024年3月25日に、大阪府風しんワクチン等接種事業費補助金交付要綱が改正され、対象者が拡大されたことを受け、本市においても対象者を拡大するもの。
取扱医療機関において無料で抗体検査を実施し、抗体価が低い人を対象に予防接種を実施。
麻しん風しん混合(MR)ワクチンの場合は3,000円、風しんワクチンの場合は1,000円で、生活保護受給者・市民税非課税世帯・中国残留邦人等支援給付者については免除。助成は抗体検査、予防接種それぞれ1回限り。
2024年8月より拡充分の受付を開始(2024年4月1日以降分遡及適用あり)
◇新型コロナワクチン定期予防接種(定期接種)
・65歳以上の人
・60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能障害及びヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害があり、身体障害者内部障害1級又は同程度以上の障害であると医師が認めた人
年1回、取扱医療機関で接種。自己負担額は3,000円で、生活保護受給者・市民税非課税世帯・中国残留邦人等支援給付者については免除。2024年10月~2025年1月末まで。
(8)市立ひらかた病院の運用について [市立ひらかた病院 事務局_総務課・経営企画課・医事課]
◇ 病棟運用について
(1)4階西病棟の開棟について(2024年9月1日)
4月1日付けで採用した看護師を現場に配置することが可能となることから、 現在休棟している2病棟のうち、1病棟を開棟。小児専門医療と入院機能を有する小児救急医療を担う「大阪府小児地域医療センター」として、地域における役割を果たしていくため、4階西病棟(小児病棟:35床)を開棟。稼働病床数は現在の253床から288床へ。
(2)HCU病棟の改修工事について
急性期病院として地域で高度な医療を提供していくため、重篤な急性機能不全の患者を24時間体制で管理し、より効率的な治療を施すための病床として、2023年度から本院4階東病棟に4床設置した高度治療室(HCU)について、更なる機能性及び利便性の向上を図る観点から、自動ドアや患者用トイレの設置などの改修工事を行うもの。
2024年11月中旬から2025年3月まで。
◇医療従事者に係る資金貸与制度の見直しについて
(1) 看護師修学資金貸与要件の緩和について
(2)特定の免許等の取得に対する支援資金貸与に係る要件の拡大について
委員の質問
・4階西小児病棟は開棟するとのことであるが、休棟している6階西病棟の開棟の見通しについて
・夜勤を行うNSの退職について
→若年層のNSの増や、次のキャリアへの移行希望するNSの増による。
・研修に行く人員確保は可能か。
→厳しい状況は続くことは予測されるので、積極的な人材確保に努める。
・賃金を上げることは難しくても、手当を充実させることにより不満の軽減、人手不足の解消につながるのではないか。
・看護師修学資金貸与要件で、「具体的な貸与の額及び人数の上限の規定を削除する(毎年、予算の範囲内で管理者が決定することとする)」や、特定の免許等の取得に対する支援資金貸与に係る要件で、「貸与の額については、事案によって柔軟に取り扱うことができるよう、管理者が別に定めることとする」と条例ではなく規則に委任することについて、公平性・透明性は確保できるのか。