同じ学校施設内であるのに、留守家庭児童会室の校舎外専用棟そのものも、空調設備やトイレ設備の更新についても、取り扱いは別基準であるのか。放課後の子どもたちが被っている大変な不便、不利益を早急に解消するための取り組みを。児童の豊かな放課後対策における環境整備について、質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告②です。

2024/09/17

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、「1.学校教育における安全・安心の確保について」「(2)児童の豊かな放課後対策における環境整備についての報告です。

これまで留守家庭児童会室の施設整備については、2014(平成26)年12月に2015(平成27)年度から2019(平成31)年度までの5か年の「留守家庭児童会室施設整備計画」を策定し、同計画に基づき増築や老朽化により建替えが必要な施設の整備が行われてきました。その後、後継の計画はありませんでしたが、ようやく、今年度、「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」を策定する中で、留守家庭児童会室の施設整備に係る考え方について示していくことになっています。

前計画の中で、2019(平成31)年度に建て替えを予定していた東香里留守家庭児童会室の校舎外専用棟については、2018年度の当初予算で実施設計委託料が予算化されながら、不執行であったと把握しています。老朽化した留守家庭児童会室の校舎外専用棟の整備が未着手のまま放置されたことで、いま現在、子どもたちは大変な不便、不利益を被っているわけです。

学校施設については、長寿命化の取り組みや空調設備の整備・更新、また、2023(令和5)年度には、トイレの整備が完了するなど、計画的な整備、保全改修が進められていますが、留守家庭児童会室においても、施設の老朽化対策やトイレの環境改善、また、空調設備の整備など、早急に進めていく必要があると考えます。

留守家庭児童会室の子どもたちにとっては、そこは家庭と同じ生活の場となるわけですから、校舎内の学校教室のタイムシェアなどの一時的な利用は、あくまでも定員超過への一時的な対応策であって、「専用施設」での受け止めを基本とすべきです。

「放課後等の子どもが安心して過ごせる場としてふさわしい環境整備」という観点から、校舎外専用棟についても、校舎内の一時利用の専用室についても、留守家庭児童会室の子どもたちが過ごす専用室の整備をしっかりと検討していただくよう求めました。

 

 


 

以下、9月17 日の一般質問でのやりとりを掲載します。

1.学校教育における安全・安心の確保について
(2)児童の豊かな放課後対策における環境整備について

Q.私の質問

学校施設については、計画的な整備や保全改修が進められているが、留守家庭児童会室の専用室においても、放課後等の子どもが安心して過ごせる場としてふさわしい環境整備を早急に進めていく必要があると考える。
教室等空調設備更新DBO事業により、教室の一時使用による専用室の対応は行われるが、留守家庭児童会室の校舎外の専用棟は、この更新事業の対象となっているのか、伺う。

A.都市整備部長の答弁

今回の教室等空調設備更新DBO事業は、主に普通教室、特別教室及び職員室、校長室等の管理諸室を対象としており、留守家庭児童会室の専用棟については、本事業の対象とはしていない。
なお、留守家庭児童会室の施設全般の整備に関しては、現在策定中の「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」と連携して取り組んでいく考えである。

Q.私の質問

いまの暑さは 「災害級」ではなく「猛暑災害」そのものである。学校における安全対策が授業、放課後、部活、行事など、トータルでしっかりとした対策が確立されているのかについても確認が必要であるという観点から、児童の豊かな放課後対策における環境整備についての質問を重ねる。

教室を一時使用している留守家庭児童会室の専用室も、また、放課後オープンスクエアの拠点として使用している教室も、教室等空調設備更新DBO事業の対象になるが、留守家庭児童会室の校舎外専用棟は、同じ小学校敷地内にはあるものの、学校施設ではないため、今回の教室等空調設備更新DBO事業の対象ではないとのことである。
では、留守家庭児童会室の校舎外専用棟の空調設備の現状は子どもたちが過ごす生活環境として適切なのか。室温管理、空気環境測定等は適切に行われているのか。空調設備更新は計画的に進められているのか、伺う。
また、猛暑災害ともいえる状況のなか、特に、校舎外専用棟については、断熱改修等が必要になるのではないかと考えるが、現時点で把握されている課題について、伺う。

A.学校教育部長の答弁

留守家庭児童会室の専用棟の空調設備については、経年劣化は進むものの、エアコン使用時期前に動作点検を行った上で、日常の管理については、室温計や湿度計、CO₂濃度計により、保育の状況に応じて適正に行っている。また、不具合が生じた場合は、直ちに修繕や物品購入で対応しているが、今後は、老朽化対策も含め、優先順位をつけて計画的に更新していく考えである。断熱改修については、今後、専用棟を改修する際の課題であると認識している。

O.私の意見

ただいまのご答弁で、「日常の管理は適正に行っている。」とのことである。校舎外専用棟の空調設備も、教室等と同様の学習環境整備PFI事業で整備され、2019(平成31)年度までは、毎年、同事業の委託料の中で更新が行われてきた。しかし、2020(令和2)年度以降は更新が行われていないとのことである。
今回、教室等空調設備の一斉更新から、校舎外専用棟の空調設備更新が除外された理由がよくわからないが、不具合が生じたら対応するという事後修繕ではなく、法定耐用年数の14年を目安に、予防保全対応を計画的に実施することを強く求めておく。

Q.私の質問

留守家庭児童会室の施設整備については、2014(平成26)年12月に、2015(平成27)年度から5か年の「留守家庭児童会室施設整備計画」が策定され、同計画に基づき、増築や老朽化により建替えが必要な施設の整備を順次行ってきたものと理解している。
しかしながら、2019(平成31)年度に建替えを予定していた東香里留守家庭児童会室について、2018(平成30)年度の当初予算で実施設計委託料450万円が予算計上されながら、不執行となったと把握している。
施設整備を着実に進めるためには、計画的に取り組むことが原則であり、予算化していて執行しないというのは考えられない。いったい、どのような理由で不執行とされたのか、伺う。

A.学校教育部長の答弁

留守家庭児童会室の施設整備に関する計画については、2015(平成27)年度からスタートした「子ども・子育て支援新制度」において、保育の量的確保を行うため、計画的に整備を進めていくものとして「留守家庭児童会室施設整備計画」に基づき、増築や老朽化により建替えが必要な施設の整備を順次行っていたが、平成31年度からは、整備費用の負担軽減のため、余裕教室等の学校施設の有効活用を図るよう見直したことによるものである。

O.私の意見

当初に予算化されていた事業を突如として執行しないという方針転換は、およそ考えられないものであった。その理由が、翌年度となる「2019(平成31)年度からは、「整備費用の負担軽減のため、余裕教室等の学校施設の有効活用を図るよう、計画を見直した。」というのが、ただいまの説明である。
2018(平成30)年度当初予算に計上されながら執行されなかった東香里の専用棟の実施設計委託料450万円は、年度末の3月に全額減額補正されている。樟葉北については予算化もされていない。老朽化した留守家庭児童会室の校舎外専用棟の整備が未着手のまま放置されたことで、いま現在、子どもたちは大変な不便、不利益を被っているわけである。
さらに、学校施設のトイレ整備は2023(令和5)年度で完了したとのことであるが、同じ学校内施設であるのに、男女別のトイレが設置できていない、男女共用のトイレが残されている留守家庭児童会室が、東香里を含め4室、また、和便器が15か所で残っているなど、トイレ環境が改善されていない実態もあるようだ。
留守家庭児童会室の子どもたちにとっては、そこは家庭と同じ生活の場となるわけであるから、学校教室のタイムシェアなどの一時的な利用の考え方が適切であるのか等、「放課後等の子どもが安心して過ごせる場としてふさわしい環境整備」という観点から、しっかりと検討していただくよう求めておく。

Q.私の質問

そこで、最後に確認である。今年度、「(仮称)児童の放課後を豊かにする行動計画」を策定するとのことであるが、留守家庭児童会室の施設整備に係る考え方について、伺う。

A.学校教育部長の答弁

今後の施設整備においては、教室の活用が多岐にわたり、かつ、今後児童数が減少する見込みであることから、学校ごとの児童数の推移と総合型放課後事業を利用する児童がどの程度増加するのかを見極め、教室の利用方法の一定の基準に基づき、まずは、学校施設の有効活用を図っていく。

O.私の意見

2023(令和5)年度の事務概要によると、校舎外専用棟44棟のうち、軽量鉄骨造は36棟で、法定耐用年数24年を超えているものは27棟あり、残り8棟は鉄骨造とのことである。「まずは、学校施設の有効活用を図っていく。」とのご答弁であるが、更新の必要な専用施設の改修は確実に進めていただきたいと強く求めておく。
留守家庭児童会室事業における教室等のタイムシェア利用は、あくまでも、あくまでも定員超過への一時的な対応策であって、「専用施設」での受け止めを基本とすべきである。留守家庭児童会室は夏休み期間も開室されている。猛暑災害ともいえる環境の中、同じ学校内の施設なのであるから、校舎外専用棟で過ごす子どもたちのためにも、施設整備を適切に進めるよう、強く求めておく。

 

 


【参考】

学校整備計画(第2期実施計画)について(※2024年8月_委員協議会資料より)

 

▶ 留守家庭児童会室の今後の整備方針について(児童の放課後対策審議会_資料3-1)

留守家庭児童会室 施設一覧(2024年7月末現在)(児童の放課後対策審議会_資料3-2)

 

より良い放課後子ども対策の推進に向けて~児童の放課後対策プロジェクトチーム報告(2018年1月)

^