何のために、誰のために政治を行っているのか。どんな社会をめざすのか。衆議院議員総選挙を終え、自治体議員として考えなければいけないことを改めて振り返ってみました。
枚方市議会議員の奥野みかです。
衆議院議員総選挙が終わり、議会における政党の構成はずいぶんと変わりました。政治とカネ、旧統一教会問題などに象徴される政治不信の問題もあり、与党の自民・公明両党で、目標としていた過半数の議席を下回りました。これは、民主党政権が誕生した15年前の2009年以来のことになります。就任から1か月を迎えた石破総理は、「民意を厳粛に謙虚に受け止めて、丁寧に謙虚に政権運営にあたっていく」と語っています。
一方、野党第1党の立憲民主党は、公示前勢力の98議席から140議席と大きく議席を増やしました。皆さまのご支援に感謝申し上げます。
とはいえ、立憲民主党の比例得票は前回とほぼ横ばい(0.64%増)の結果であったようですし、今回、国民民主党やれいわ新撰組の比例得票が大きく伸び(国民137.97%増、れいわ71.74%増)、議席も大きく増やしていることから、自民党以外であれば政権批判票の受け皿になったと言えるのではないかと受け止めています。
◇党派別得票数/総務省
有権者が「〇〇党を支持した」ではなく、「△△党を支持しなかった」という表現が適切なのではないかと考えています。また、今回の選挙では、女性候補者が過去最高の314人で、当選者も最多の73人ということはよかったと感じています。
今回の総選挙について、メディア等において、さまざまな角度から取り上げられていますが、私は、大きな問題の一つは「投票率」であると思っています。前回、3年前の選挙を2.08ポイント下回り、今回の投票率は53.85%で、戦後3番目に低くなったと言われています。約半数が選挙に行かなかったという「事実」をしっかりと受け止めなければならないと感じています。
さて、枚方市における過去からの選挙結果の推移(党派別得票数)とあわせて、今回の選挙における投票行動について、図で示してみました。着目すべきは、支持政党が多様化しているということです。そして、これらの図の外に、半数近くの投票していない有権者が存在するという「事実」にしっかりと向き合わなければならないと感じています。
何のために、誰のために政治を行っているのか、どんな社会をめざすのか。衆議院議員総選挙を終え、自治体議員として考えなければいけないことを改めて振り返ってみました。
私は、枚方市というまちと、そこに暮らす市民にとって大切なことは、行政の考えだけで、また議会における政党・会派の議員数だけで決めるのではなく、
●しっかりとした調査・検討
●情報の公開と説明(説明責任)
●市民レベル、そして議会におけるしっかりとした議論
●合意形成可能な案への修正や調整
…こういった丁寧な決定過程が必要であると考えています。
価値観や理念、その違いも明確にして、有権者が選択できるようにすることが大切です。(小選挙区制選挙という)1人しか勝てない「陣地取りゲーム」をして、勝った者が「総取りする」なんてことは、私たちが求める社会の姿ではないと私は思います。