分散避難を受け止めるための避難場所をどうするか。新たな災害対策を支える「地域の避難所」の確保等について質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告①です。

2020/09/20

9月15日に行われた9月定例月議会の一般質問において、私は8つの観点から質問させていただきました。

まずは、「1.新たな災害対策を支える『地域の避難所』の確保等について」の報告です。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、3密を避ける分散避難を受け止めるためにも地域の避難施設が重要になるとの観点から、6月定例月議会で「感染症対策を踏まえた避難所の在り方について」(※クリックするとリンクします。)質問を行った際、「自治会集会所等を避難所として活用するための方策に取り組む」旨の答弁でした。

「新たな災害対策を支える『地域の避難所』の確保等について」の質問では、まず、自治会集会所等を避難所として活用するため、具体的にどのように取り組むのかを質問したところ、「地域住民による地区防災計画の策定を促進し、その計画の中で集会所を地域住民のための避難所として位置付けていただくよう働きかける」と地域の側に下駄を預けるお答えでした。
「自治会館の建設助成制度の見直しに向けて検討を進める」と答弁をいただきましたが、築40年を超える自治会館等が約3割というのが実情なので、避難所としての自治会館の位置づけが促進されるよう、大きな災害に襲われる危険性は高まっているなか、危機管理施策として、一刻も早い具体化を行うよう要望しました。

 

 


 

以下、9月15日の一般質問のやりとりを掲載します。

1.新たな災害対策を支える「地域の避難所」の確保等について

Q.私の質問
6月定例月議会において、「感染症対策を踏まえた避難所の在り方について」質問を行った際、「自治会集会所等を避難所として活用するための方策に取り組む」旨のご答弁であった。このことについて、具体的に、どのように取り組むのか、伺う。

A.危機管理監の回答
自治会集会所を避難所として円滑に活用するためには、受け入れる対象者などについて、事前に地域住民の合意に基づくルールを作り、共有しておくことが必要であると考えている。そのため、地域住民による地区防災計画の策定を促進し、その計画の中で集会所を地域住民のための避難所として位置付けていただくよう働きかけていく。
また、地区防災計画については、意向調査をした中で計画策定を考えている旨の回答があった10校区から協議を進めるとともに、多くの校区で策定していただけるよう啓発に取り組んでいく。

Q.私の質問
市の指定避難所で収容できる人数は約10万2,500人、感染症対策を踏まえると、その半分程度の人数しか収容できない。この9月に九州地方を襲った台風第10号の際、感染症対策を踏まえると、定員超過となり、受け入れを断らざるを得ない避難所も多くあったとの報道もあった。感染症対策や分散避難を踏まえた本市の危機管理施策として、一刻も早く、避難所の収容人数を増やす方策に取り組まなければならないのではないか。
ご答弁は、「地域住民による地区防災計画の策定を促進し、その計画の中で集会所を地域住民のための避難所として位置付けていただくよう働きかける」と、地域の側に下駄を預けておられる。しかしながら、地域にしてみれば、地域の避難所に位置付ける自治会館等がとても避難所として使える状況にないというのが実情である。
そこで、市内の自治会館等の数と耐震化の状況について、また、施設の耐震化を進めるための支援策について、伺う。

A.市長公室長の回答
本市が把握している自治会館は約200か所で、そのうち、昭和56年の新耐震基準の施行前に建設された、築40年を超える自治会館は約3割となっている。
また、施設の耐震化を進めるための支援策としては、新耐震基準の施行前に建設された自治会館を対象とした、耐震診断・耐震改修の助成制度がある。耐震改修に対する助成は、改修費の3分の2、上限100万円で、平成19年度の制度開始以降、昨年度までの実績が3件、今年度は3件予定している。

Q.私の質問
昭和56年以前の築40年を超える自治会館等が約3割とのことで、新耐震基準に対応していない、ということであれば、地域の避難所としての活用は困難である。できる限り多くの自治会館等を地域の避難所として活用するためには、施設の耐震化をはじめ、建物内のバリアフリー化や備蓄品保管スペースの確保、さらには建替えなど、ハード面の整備が必要である。
整備促進のための支援策の充実について、市の見解を伺う。

A.市長公室長の回答
現在、老朽化の進む自治会館の建設助成制度の見直しに向けて検討を進めているが、避難所としての自治会館の位置づけが促進されるよう、検討を進めていく。

O.私の意見
繰り返しになるが、自治会館等を地域の避難所としていくためには、まず、自治会館建設助成制度などのハード面の整備に対する支援策を用意した上で、地域に避難所と位置付けていただくための働きかけを行う、これがあるべき手順だと思う。
超大型の台風・豪雨・地震と、大きな災害に襲われる危険性は高まっている。危機管理施策として、一刻も早い具体化を求めておく。

 


 

▶ 現行の枚方市の「自治会館建設等助成制度」です。地域からの申請を待たなくても、避難所の必要条件である耐震機能・バリアフリー機能を確保するため支援を危機管理施策として実施すべきではないでしょうか。そして、避難所の位置づけに向けて、地域と話し合いが進められればと思っています。

今年度に実施された「住民自治組織(自治会等)実態調査アンケート」の結果報告によると、「今後、地域の安全・安心のまちづくり活動を行う上で、会館の活用方法として、必要と感じていること」に対して、「災害時などにおける一時避難場所としての活用」、「備蓄品や備品の保管」の回答も多くあったとのことです。

 


 

▶ 他自治体の地域の避難所の取り組みです。実際に避難所として運営するためには、地域とのさまざまな決めごとも必要になってくると思います。奈良市・青森市・宝塚市・瀬戸内市・蒲郡市など、「届出避難所」として要綱を定めている自治体もあります。

(※横浜市栄区「地域避難所の選定と運用の取組について」より抜粋。クリックするとPDFファイルが開きます。)

 


 

▶ 6月のプレスリリースです。クリックするとPDFが開き、避難所における新型コロナウイルス対応方針も確認いただけます。


 

▶ 6月定例月議会で「感染症対策を踏まえた避難所の在り方について」質問を行ったあと作成した奥野みか市政報告の一部です。

 

 


 

▶災害時の感染拡大リスクに備えて~ 避難所における新型コロナ対応方針を決定
 (※クリックするとPDFファイルが開きます。「避難所運営マニュアル(感染症対策編) 第1版」も掲載)

▶平時に確認~ 改訂版 枚方市防災マップ(警戒レベルを用いた避難情報等を追記)
 (※クリックするとPDFファイルが開きます。)

 

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