激甚化する水災害に対する効果検証も。効果的な維持管理・更新の仕組みづくりを要望。雨水流出抑制施設の現状と今後の課題について質問しました。9月定例月議会、一般質問の報告⑤です。

2021/09/21

枚方市議会議員の奥野みかです。

ここでは、「5.雨水流出抑制施設の現状と今後の課題についての報告です。

雨水等の保水・遊水機能の確保と増大を目的として設置されてきた雨水流出抑制施設の構造型式や規模は多様で、現在、市内 261か所のうち約 84%の施設は市が維持管理を行っていますが、約16%の施設は、建物の地下貯留槽になっている等、市に移管・寄附できない構造型式で、民間が管理しています 。
課題がある管理方法の整理を要望するとともに、民間による設置や維持管理に対する財政的支援も必要ではないかと意見しました。

 

 


 

以下、9月21日の一般質問のやりとりを掲載します。

5.雨水流出抑制施設の現状と今後の課題について

Q.私の質問
近年、気候変動の影響により、水災害が激甚化・頻発化している。特に都市部では、内水氾濫の発生リスクが増大していることから、雨水の流出抑制に資する、大規模な雨水貯留浸透施設の整備、公共や個人・民間による施設の活用等が課題となっている。
市は大規模な雨水貯留管や雨水調整池の整備、ポンプ場の整備などの浸水被害軽減対策に取り組んでおられるが、雨水等の保水・遊水機能の確保と増大を目的として設置されてきた雨水流出抑制施設の現状について、まず、市内に何か所設置されているのか、伺う。

A.上下水道部長の答弁
現在、雨水流出抑制施設は市内に261か所あり、そのうち公共施設に149か所設置し、貯留雨水量は約74,000立方メートルとなっている。また、民間開発により設置された雨水流出抑制施設は112か所で、貯留できる雨水量は約22,000立方メートルとなっている。

Q.私の質問
現在、公民あわせて市内261か所の雨水流出抑制施設が設置され、貯留雨水量は合計約96,000立方メートルとのことである。法による設置義務要綱に基づく設置指導等により、各所で設置が進んできたようであるが、実際、どのような点検・維持管理が行われているのか。公共及び民間の雨水流出抑制施設の維持管理状況について、伺う。

A.上下水道部長の答弁
公共施設の149か所と民間開発により設置し、本市に移管・寄付を受けた70か所を合わせた219か所の雨水流出抑制施設は、本市において適切に維持管理を行い、機能確保に努めている。
また、それ以外の42か所については、民間の施設管理者において適切に管理していただいている。

O.私の意見・要望
激甚化する水災害に対応する浸水被害軽減対策として、さだ雨水貯留管は約12,800立方メートル、東中振雨水調整池は14,600立方メートル、完成すれば楠葉雨水貯留管は約20,000立方メートル等、大規模な施設の整備が行われている。
雨水流出抑制施設の施設の構造型式や規模は多様で、法定の定期検査の対象ではないとのことであるが、現在、約84%の施設は市が維持管理を行い、機能確保を確認されているとのことである。民間管理となっている約16%の施設は、建物の地下貯留槽になっている等、市に移管・寄附できない構造型式の施設が多いとのことであった。建物の地下貯留槽・ポンプ排水方式であれば、機械設備の更新サイクルが短いと思われるので、費用面での課題もあると思う。
適切に維持管理しているとのことであるが、民間施設も含め、現状把握に課題があるようなので、管理方法を整理していただくよう要望する。
さらに、激甚化する水災害に対する雨水流出抑制施設の効果検証も行っていただきながら、設置義務・設置指導の有効性や、機能維持・更新を求める必要性や合理性についても改めて検証いただければと考える。特に、民間施設については、費用対効果の観点から「廃止する」という選択もあるのではないか。公園に設置された公共の表面貯留施設を公園改修の際に廃止した例もあったかと思う。民間施設に設置や機能維持を求めるのであれば、設置に対してだけではなく維持管理に対する支援の仕組みも必要ではないかと意見しておく。

 


【要綱に基づく設置指導】

公共・公益施設における雨水流出抑制施設設置指導要綱(2016年4月1日施行)

流域における保水・遊水機能の確保と増大を図り、水害に強いまちづくりを目指すことを目的として、本市が設置する公共・公益施設(①都市公園、学校その他の公共の用に供する施設、②庁舎、清掃工場その他の公用に供する施設)への雨水流出抑制施設の指導に関して必要な事項等を定めた要綱です。(最初の要綱は2011年4月1日施行)
新たに設置する公共・公益施設においては、要綱に定める基準に従い、流出抑制施設を併設しなければならないこと、要綱制定日前から設置している公共・公益施設においては、要綱に定める基準に従い、順次流出抑制施設を設置しなければならないこと等を定めています。
なお、要綱において、雨水流出抑制施設は、恒久的な施設とし、その機能の低下をもたらす変更をしてはならないものとされています。

公共・公益施設における雨水流出抑制施設設置の技術基準はこちらから。
(※クリックするとPDFファイルが開きます。以下は、資料からの抜粋です。)

公共・公益施設における雨水流出抑制施設設置参考資料について
(※クリックするとPDFファイルが開きます。以下は、資料からの抜粋です。)

・貯留型施設の構造型式(ダム式、堀込式、地下式、小堤・小堀込式等)


【法による設置義務】(大阪府ホームページ)

特定都市河川浸水被害対策法

 


 

枚方市上下水道ビジョン(下水道編)

枚方市下水道事業経営計画(2013~2021)
(※クリックするとPDFファイルが開きます。以下は、資料からの抜粋です。)

 


▶ 雨水の利用の推進に関する法律(2014年5月施行)

雨水の利用の推進を実効あるものとするため、国のみならず、地方公共団体や民間事業者等を含めて、雨水の利用のための施設の一層の普及促進を図っていくことが重要であることから、それぞれの地域の自然的社会的条件に応じて雨水の利用の推進が円滑に図られるよう、地方公共団体等における実務担当者のための手引きとして、本ガイドラインが作成されているようです。(※ただ、(案)の外れた資料を見つけることができませんでした。)

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