幼児療育園の跡地活用。ようやく市による施設の解体工事から動き始めるのか。9月14日、「幼児療育園跡地の活用について」「➂街区に設置する生涯学習交流センターの開館時間の延長等について」です。(総務委員協議会の報告④)

2023/09/14

枚方市議会議員の奥野みかです。

9月14日に開催された総務委員協議会の報告④です。
(5)幼児療育園跡地の活用について[観光交流課]
(6)➂街区に設置する生涯学習交流センターの開館時間の延長等について[文化生涯学習課]
上記2案件について、報告します。

 


(5)幼児療育園跡地の活用について[観光交流課]

 

【内容】

(1)経過
幼児療育園は、2019年に廃止され、この間、跡地活用について検討を進められてきた。幼児療育園跡地活用について、2022年9月~11月にサウンディング型市場調査を実施したところ、事業者からリノベーションによる既存建物の活用を選択肢に残すよう提案があったため、改めて既存建物のリノベーションについての実現性を検討するとともに、市としての方向性の明確化、事業実現性の向上に向けた事業者負担の軽減策等について検討を進めてきたところ、との説明。

 

 

【事業手法】

・既存建物は、市による解体設計や工事を実施する。
・事業者 選定審査会を設置し公募により事業者を選定する。
(プロポーザル支援業務委託 を行う。)
・市所有地は、事業用定期借地(30年)で事業者に貸し付ける。
・事業者が建物及び広場、駐車場・駐輪場、歩行空間の整備を一体的に行う。
・広場及び歩行空間は、公的活用を考慮して整備費に対して市負担を行う。

【スケジュール】

[2023(令和5)年度]
◇9月定例月議会
・解体設計業務委託の補正予算計上/補正予算_6,000千円(2023-2024債務負担行為)←枚方宿地区賑わい創出基金繰入金
・プロポーザル支援業務委託の補正予算計上/補正予算_12,000千円(2023-2024債務負担行為)←一般財源
◇2024年3月定例月議会
・附属機関条例の一部改正議案を提出(事業者選定審査会を設立)
・審査会委員報酬、解体工事費、家屋調査費、建築に向けた開発許可申請及び広場や歩行空間等の宅地造成と整備工事費(負担金として支出)の当初予算計上
[2024(令和6)年度]
・事業者選定審査会を開催し事業者を決定
・解体工事及び造成工事(工事完了後、令和7年度に暫定活用予定)
・文化財調査費の当初予算計上
[2025(令和7)年度]
・事業者が民設民営による建築行為に着手
・施設オープン

※補足
2020(令和2)年度に(一財)千清文化教育財団から受領後、財政調整基金に積み立てていた指定寄附金2億円を原資に「枚方宿地区賑わい創出基金」を設置した上で、今後、解体工事(設計委託費・工事請負費)及び広場・歩行空間の整備工事(負担金)などの財源として活用していく考え。

 

奥野の意見

築50年以上となる幼児療育園の老朽建築物の取扱いについて、「市による既存建物の解体に向け設計と工事の実施」を決められたので、まずは着実に解体工事を進めていただくことを強くお願いするとともに、広場及び歩行空間部分の公的活用の検討、事業用定期借地契約に基づく事業者による事業運営の検討にあたっては、選定審査会など、地元意見が反映される仕組みを取り入れていただけるよう、要望。

(※以下、奥野の発言を掲載します。)

【奥野の質問】
資料に「土地活用のイメージ(案)」が示され、現時点においては、と前置きされたが、「事業手法」も記載されている。
そこには、「市有地は事業用定期借地の30年で事業者に貸し付ける」とあり、そして、「事業者が建物及び広場、駐車場・駐輪場、歩行空間の整備を一体的に行う。しかし、広場及び歩行空間は公的活用を考慮して整備費に対して市が負担を行う」との記載がある。
そこで、確認する。「公的活用が考えられる広場及び歩行空間の範囲は、市が整備も行うという内容かと思うが、この部分は事業用定期借地の対象外になるのか、伺う。また、記載の内容は、決定事項なのか、今後、変更もあるのか、伺う。

【観光交流課回答】
幼児療育園跡地については、広場及び歩行空間を含む、土地全体約700㎡について事業者との間で事業用定期借地契約を想定している。
次に、施設機能については、枚方宿のにぎわい創出に繋がる飲食や物販を行う建物、地域の催しなどにも柔軟に活用できる広場のほか、歩行空間を設置し来場者の安全性等も確保したいと考えている。
そのため、賃料については、土地利用について制限がかかる部分についてはそれを考慮した適正な価格を設定することなどを予定しており、今後、事業者公募に向け具体的な検討を行う中で、選定審査会において決定していく考えである。

【奥野の意見】
事業者とは、土地全体約700㎡の事業用定期借地契約を想定されているけれども、広場及び歩行空間部分は公的活用を考慮して、その分の整備費は市が負担するし、賃料についても軽減するね、ということかと思う。
具体的な検討は今後行うということなので、これまでも時間はかかったが、今後も、時間はかかるかと思うが、選定審査会など、地元意見が反映される仕組みを取り入れていただけますようお願いしておく。
なお、資料3ページの(2)事業スキーム等に関する主な検討結果(案)として、「①建物の整備手法」で、「既存建物のリノベーション手法を除外し」、「③既存建物の解体」で、「市による既存建物の解体に向け設計と工事を実施していく」とあるが、「既存建物は、市による解体設計や工事を実施する」と、こちらについては、しっかりと着実に進めていただきたいと強くお願いしておく。

他の委員の質問

・地元と話し合い、活性化につながる施設になればいい。民設民営、なぜ定期借地としたのか。
→市が所有権を持つことで、流動的な土地利用が図れる。賑わい創出拠点として活用。商業ビルではなく、観光の拠点として、枚方ならでは活用ができれば、京街道・枚方宿に人の流れを生む仕掛けができればと考える。
・補助金制度の活用は可能か。
→整備に対する補助金として、現在、景観補助制度があり(最大300万円)、活用できると考えている。
・サイクリスト活用可能ゾーンと記載があるが、ロードバイクの駐輪場がない。室内駐輪場の検討はしているのか。マーケティングリサーチをする予定はあるのか。
→ニーズ調査(支援業務委託)で、サイクリストもターゲットにニーズをひろう。
・シェアサイクルのサイクルポイントを置く予定はあるのか。(エリアマネジメント)
→引き続き、調査する。
・枚方宿、ひらかたパークのポテンシャルを生かしていただきたい。

 


【参考】幼児療育園跡地活用について

▶ 枚方市駅周辺再整備基本計画に定める各街区内の整備だけが、本市におけるまちづくりではありません。「旧京街道エリアの整備について」について質問しました。6月定例月議会、一般質問の報告②です。【2023年6月定例月議会_一般質問

空き家となった元幼児療育園の建物は放置され続けて4年を過ぎた。「スピード感」どころか、「超スローモーション感」で、地元の皆さんは、「開いた口がふさがらない」とおっしゃっている。さっさと解体・撤去していれば、その跡地を五六市などにおいても有効に活用できたのではないか。築50年以上も経つ老朽建築物についての取扱いについては、再度、早急に的確な判断をされるよう、改めて、強く要望。

▶ 3年6か月の議員活動のなかで取り組んできた大きな政策課題について、特集号としてまとめました。【2022年11月】

肢体不自由児の通園施設だった幼児療育園(三矢町)は、2019(平成31)年4月に市立ひらかた子ども発達支援センター(磯島北町)に統合され廃止された。市は、その後3年以上、廃屋のまま放置。五六市で賑わう旧京街道の中心エリアに位置していることから、私は地元の要望も踏まえ、早期解体、跡地活用を求めているが、市は観光交流施設整備の方向性を定められず、いまだに放置し続けている。

▶ 大切なことは、市が適切に公共的なファシリティ・マネジメントを行い続けること。「民設民営」を検討している幼児療育園跡地の活用について、質問しました。【2022年9月定例月議会_一般質問】

地元から利活用したいという要望もあったが、市は「民設民営」の(観光交流)施設を検討すると回答。「民設民営」という事業手法は、市が適切に公共的なファシリティ・マネジメントを行い続けている場合、その機能が働いている中では、有効な場合もあると考えるが、市の現状はどうなっているのか、確認。

▶2022年3月17日 予算特別委員会「幼児療育園の跡地活用について」

2022年度の市政運営方針で、民設民営での活用方法の検討が提案されている幼児療育園について、老朽化した施設の更新や解体にあたっても、地元への丁寧な説明が必要になる。アスベストの含有が想定される公共施設の解体について、公的機関が責任をもって実施するというのは当然のことかと思うが、そもそも解体工事というのは、騒音・振動・ほこりといった、周辺地域に及ぼす問題も大きいことから、公的機関が適切な管理のもとで責任をもって実施するべきであると意見。

▶ すぐにでも取りかかかれる市有資産の活用を放置するのは機会損失。幼児療育園跡地の有効活用について質問しました。【2020年9月定例月議会_一般質問】

すぐにでも活用可能な市有資産を放置することは、機会損失になることから、地元の要望も踏まえながら、今年度内の活用に向けての検討を要望。

▶ 2020年3月24日 予算特別委員会「未利用施設(元幼児療育園)の維持管理について」

用途廃止となった資産について、市として大きな機会損失とならないよう、例えば、建物の解体費用を基金から繰り出すシステムを構築されている他市事例も参考に、地元からの要望も踏まえた資産活用方策を早急に確立することを要望。

 


(2021年11月_藤棚も樹木もバッサリ。除草も行われスッキリ。下は2021年4月の桜・藤です。)

 

 


(6)➂街区に設置する生涯学習交流センターの開館時間の延長等について [文化生涯学習課]

 

【変更変更(案)】

理由:市駅直結の利便性の高い複合施設となり、子育て世代や子ども、学生、近隣の商業施設等を利用される市民だけでなく、仕事帰りのビジネスパーソンなど、多様なニーズによる利用が想定される。そのため、指定管理者の民間ノウハウを活用し、時間帯ごとに想定される利用者層のニーズに対応した施設運営を行い、さらなる施設の活性化を図るもの。

【今後の予定】

9月の定例月議会へ枚方市立生涯学習市民センター条例の一部改正議案を提出し、指定管理者の公募を行い、10月~2024年1月、指定管理者選定委員会を開催(3回程度)する。
2023年3月の定例月議会へ枚方市立生涯学習交流センター・枚方市立市駅前図書館指定管理者の指定議案を提出し、6月(予定)、指定管理者による開設準備の開始。

奥野の意見

(※以下、奥野の発言を掲載します。)

【奥野の意見】

今回の開館時間の変更等について、市民意見があったからではなく、他商業施設の開館時間と等のバランスも鑑み、という中での対応で、手続きとしては、9月議会での条例改正を経た後、基本仕様書に反映していくとのことである。
整備計画、運営計画は定めないけれども、基本的には現行を踏襲した運営を基本に、指定管理者公募に係る基本仕様書の中で確定していく、利用者懇談会で利用者に説明はしていく、と言われていたが、まあ、現行と異なる判断も反映されていくわけである。
結果、いいのか、悪いのか、利用者にとってどう受け止められるのかはわからないが、公共施設の設置にあたっては、整備計画・運営計画を示し、市民意見等も聴取し、という原理原則は大切にしていただきたいと、重ねて指摘だけしておく。


※参考

▶ 新しく整備する施設として、整備や運営に関する計画・方針等を示すことが必要ではないか。6月2日、「➂街区に設置する生涯学習市民センター・図書館の指定管理者制度導入について」です。(総務委員協議会の報告④)

指定管理者運営方式を拡大するというのが規定路線であったとしても、新しく整備する公共施設として、整備や運営に関する計画、方針等を示すことが必要ではないかと訴えました。

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