付託された議案の審議。6月19日の総務常任委員会は、休館日の変更や、営利目的の使用の制限の緩和など、公のスポーツ施設に関する条例の改正に関する審議でした。

2023/06/19

枚方市議会議員の奥野みかです。

6月19日(月)10時から総務常任委員会が開催されました。付託された「議案第19号_枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正について」の審議です。
本会議のように生中継等はありませんが、会議録は作成されます。

公のスポーツ施設は、市民など一般団体等に供される施設として整備されたもの。今回の条例改正により、営利利用の制限の緩和が一般団体等の使用を制限することのないよう、スポーツ推進計画の基本理念を踏まえ、具体化にあたっては慎重に進める必要があるとし、市としての適切な決定関与を、と意見しました。

各委員からの質疑の後、反対討論、賛成討論を受けて、採決となりました。

 

議案第19号 枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正について(質疑)

Q.私の質問

条例改正の議案なので、改めて確認する。
枚方市立総合スポーツセンターは、現行の条例においても、第7条(使用の許可の基準)において、「営利を目的として使用するとき」は「施設等の使用を許可しないものとする」としているけれども、「陸上競技場については、指定管理者が適当と認めた場合を除く。」とされている。
そこで確認するが、これまで、陸上競技場の使用において、営利目的の使用であるけれども、「指定管理者が適当と認めた場合」として許可をした事例はあるのか、また、その場合、市は何らかの決定関与をしていたのか、決定関与していたのであれば、その考え方について、伺う。
さらに、該当する事例がある場合、陸上競技場を使用するにあたって、先行予約などを行っていたのか、あるとすれば、どのように行っていたのか、伺う。

A.スポーツ振興課長の答弁

陸上競技場では、JFLに所属しているFCティアモ枚方がホームゲームを開催する際、入場料を徴収することで収益が発生している。そういった中において、市と指定管理者が協議を行い、指定管理者が営利利用を認めているものである。
また、ティアモ枚方とは、本市をホームタウンとすることについての連携協定を締結しており、これに基づき、施設の状況も踏まえながら、ホームゲームに必要となる日数をあらかじめ指定管理者が確保し、陸上競技場を使用できるよう事前の調整を行っているところである。

O.私の意見

指定管理者が「営利目的の使用」を認めるにあたっては、「市と指定管理者が協議」を行っているとのご答弁である。また、ティアモ枚方とは、「本市をホームタウンとすることについての連携協定の締結」もされていることから、「事前の調整」も行っておられる、とのことである。

Q.私の質問

枚方市立総合スポーツセンター条例では、「営利を目的として使用するとき」、枚方市立伊加賀スポーツセンター条例では、「営利を図る活動に該当すると認めるとき」、枚方市立市民体育館条例では、「営利を目的とするとき」は「使用を許可しないもの」とするけれども、それぞれ、「指定管理者が適当と認めた場合を除く。」との規定を設けていく、とのことである。

今後、各施設において、営利目的の使用であるけれども、「指定管理者が適当と認めた場合」は「使用を許可する」ということである。「その場合には、市が決定関与する」ということであるが、地域貢献をしてくれるプロスポーツ団体に限定するなど、市が一定の判断関与をするのか、しないのか。収益拡大(金儲け)のみを重視してしまわないか、等々。例えば、枚方市立総合スポーツセンター等、施設稼働率の高いところであれば、数多くの市民・団体の利用への影響も懸念されると考える。
そこで、確認する。制限を設ける「営利目的の使用」の運用にあたっては、「市民的利用優先」が担保されるのか、伺う。

A.スポーツ振興課長の答弁

営利目的の利用を認める際は、事前に市と協議する運用とする。そのため、こうした内容は次期選定における仕様書等に示すことなどにより、その範囲や条件などについても指定管理者と共有していく。次期指定管理者の選定後においても、市が指定管理者の決定に一定の関与をしていくことで、市民利用を考慮しつつ、観るスポーツの質の向上とのバランスを図りながら、市民利用にできる限り影響のないような運営を目指す考えである。

O.私の意見・要望

公の施設としての体育館及び陸上競技場については、「営利目的の使用」は許可しない。基本的に、市民など一般団体等の使用が優先される。しかしながら、営利目的の使用であるけれども、「指定管理者が適当と認めた場合」は「使用を許可する」ということである。
そして、「営利目的の使用を認める際は、事前に市と協議する運用とすること」、「市が指定管理者の決定に一定の関与をしていくこと」とのご答弁であった。
「営利目的の使用」の制限の緩和が一般団体の使用を制限してしまうことのないよう、具体化にあたっては、対象とする営利性を伴うスポーツの範囲や価格など、慎重に進める必要があると考える。
「だれもが生涯にわたってスポーツに親しみ、スポーツを通じて健康を増進し、人と人との交流を深めることを支える」スポーツ推進計画に掲げられている基本理念が実現されるよう、(要綱などにより明確な基準を定め、明示すべきではという委員の意見もあったしたし、市としてバランス、フレキシブルな対応をという考え方も示されたが、)市としての適切な対応をお願いしておく。

 


 

※副委員長である奥野が、以下の賛成討論を行いました。

 

議案第19号 枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正について(賛成討論)

本委員会に付託された、議案第19号「枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正について」の採決に当たり、賛成の立場から討論を行います。

本議案は、枚方市立総合スポーツセンター、枚方市立市民体育館及び枚方市立伊加賀スポーツセンターの指定管理者更新を行うに当たり、次期指定管理期間である2024(令和6)年4月1日から、市民サービスの一層の向上を目的として、休所日及び使用の許可の基準を見直すとともに、市民の「観る」スポーツを支えるなどの観点から、特に収益が見込まれる場合における利用料金の設定を行うため、関連する条例の一部を改正するものとのことです。

検討すべきポイントに関する意見を順次述べます。
まず、休所日等の見直しによって月1回の休所日とすることについては、施設の維持管理など運営に関して、すでに伊加賀スポーツセンターにおいて検証された実績がありますし、事前のサウンディング調査の中でも事業者の参加の意向に影響がないことも確認されております。現行の各スポーツ施設の利用率を鑑みても、開所日を拡大することは、利用者ニーズを受け止めるものであると考えます。

次に、使用の許可の基準の見直しとして営利利用の制限を緩和することについてですが、さまざまなプロスポーツを“観る”機会の充実やトップアスリートと触れ合える事業に取り組むこと等による「観るスポーツ」の推進についても、「するスポーツ」に加えて、誰もが生涯にわたりスポーツを親しむ社会をつくることにつながるものであり、そのための環境を整えるものであるとされました。
ただ、今回対象となる3施設は、公のスポーツ施設として、基本的には市民など一般団体等に供される施設として整備されたものであります。
本市では、スポーツ推進計画に定める「だれもが生涯にわたってスポーツに親しみ、スポーツを通じて健康を増進し、人と人との交流を深めることを支える」を基本理念として、長年にわたり、スポーツを通じた豊かな人間関係やコミュニティの形成の視点のもと、総合型地域スポーツクラブやスポーツ教室、各種イベントなど、スポーツ振興のためのさまざまな施策をスポーツ協会とともに展開してきました。こうした市のさまざまな取り組みにより、「するスポーツ」が定着し、市民など一般団体によるスポーツ施設の利用率は非常に高い状況となっているわけです。
ただ今後、本市がスポーツ振興を進めていく上で、プロスポーツとの交流促進にもつながる「観るスポーツ」の環境を整えることは、「するスポーツ」へとつながり、スポーツ推進計画に掲げる基本理念の実現やスポーツ実施率を引き上げる上で非常に大きな意味を持つものであることは理解できます。そのために、今回、枚方市立総合スポーツセンター条例等の一部改正も必要であると考えます。
一方、引き続き「するスポーツ」の利用とのバランスを取ることが重要であることから、営利利用制限緩和の具体化にあたっては、対象とする営利性を伴うスポーツの範囲や価格、市民など一般団体利用を制限することになる回数など基準について、慎重に進める必要があると考えます。営利利用の許可については、必ず指定管理者との事前協議を行うなど、市として決定関与していくことが必要だと意見しておきます。

こうしたことを踏まえ、市は、指定管理者制度の目的である、行政サービスの質の向上と、より効率的、効果的な管理運営を実現するよう申し添えて、本議案の賛成討論といたします。

 

▶ 人と人との交流を深めることを支える地域スポーツの推進を。「スポーツ施設(3施設)の指定管理について」「枚方市スポーツ推進計画の中間評価報告等について」です。(6月2日_総務委員協議会の報告)

 

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