9月定例月議会「債権の放棄についての報告」

2019/10/10

本市において平成30年4月1日より施行となっている「枚方市債権管理及び回収に関する関する条例」第19条の規定により、平成30年度において放棄した市の債権について報告があったものです。

放棄した債権は、6債権、1,620件、26,098,817円で内訳は以下のとおりです。

・くらしの資金貸付金 福祉部
83件 7,913,613円 条例第19条第2号事由(破産免責)

・知的障害者措置費負担金 福祉部
3件 710,000円 条例第19条第1号事由(生活困窮)

・介護給付費等の不正請求にかかる返還金及び加算金 長寿社会部
1件 1,922,731円 条例第19条第2号事由(破産免責)
1件 4,268,478円 条例第19条第6号事由(私債権の時効期間満了)

・水道料金 上下水道経営部
50件 945,490円 条例第19条第2号事由(破産免責)
1,274件 7,337,258円 条例第19条第6号事由(私債権の時効期間満了)

・修繕工事収益(その他雑収益含む) 上下水道事業部
19件 223,499円 条例第19条第6号事由(私債権の時効期間満了)

・個人未収金(診療報酬) 市立ひらかた病院
3件 232,915円 条例第19条第2号事由(破産免責)
186件 2,544,833円 条例第19条第6号事由(私債権の時効期間満了)

 

なお、くらしの資金貸付金は7,913,613円の債権放棄を行ったことより、枚方市基金条例の一部改正の議案も提出され、特定の目的のために定額の資金を運用する基金「枚方市くらしの資金貸付基金」の基金の額について、「16,200万円」から「154,086,387円」に改正となっています。

これまでくらしの資金貸付金は、私債権であるため、時効期間(10年)を過ぎても時効の援用が行われなければ債権は消滅せず、実質、回収不可能な債権についても適時に債権放棄や不納欠損処理を行うことは極めて困難で(議会の議決が必要)、結果として半永久的に管理するという状況が継続していましたが、平成30年4月施行の「枚方市債権管理及び回収に関する関する条例」の運用により、債権のより適切な管理のための手続きが可能になったと言えます。
今回は破産免責(条例第19条第2号)を事由とするものの債権放棄が行われ、議会にも報告されたものですが、今後、調査を進め、居所不明や死亡によるものなど極めて回収が困難なケースや経済的な理由等で回収が困難なケースなど、順次調査が進められ、債権放棄の手続きが進められていくことでしょう。これから数年は、議会への債権放棄の報告と基金条例の改正提案が続くのではないかと思っています。
もちろん、これは会計処理上、さらに基金管理上の手続きとして適切に進めていただきたい内容です。「枚方市くらしの資金貸付基金」を運用する「くらしの資金金貸付制度」そのものについては、別に検討が必要ではないかと考えています。

 

【くらしの資金】
くらしの資金貸付金は、低所得の一時的生活困窮世帯、または天災ほか不慮の災害による生活困窮世帯に対して一般生活資金として貸付ける制度で、貸付限度額20万円、連帯保証人が必要(13万円以下の貸付には不要)となっています。
貸付条件は以下のとおり。
・貸付により、自立更生ができること。
・返済能力があること。(所得による制限があります。)
・枚方市に3か月以上居住(住民基本台帳に記載)していること。
・現に生活資金の貸付を受けておらず、また、連帯保証人になっていない者であること。
・最低生活の維持または高額療養費の支払い目的で使用されるものであること。

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