継続的なリスク評価と分析を有効に活用し、将来リスクの予防・低減を。9月14日、「2022(令和4)年度内部統制制度の評価報告について」です。(総務委員協議会の報告③)
枚方市議会議員の奥野みかです。
9月14日に開催された総務委員協議会の報告③です。
(4)2022(令和4)年度内部統制制度の評価報告について[コンプライアンス推進課]
上記案件について、報告します。
(4)2022(令和4)年度内部統制制度の評価報告について[コンプライアンス推進課]
◇内部統制制度について
内部統制とは、市長を最高責任者とし、4つの組織目的(①業務の効率的かつ効果的な遂行、 ②財務報告等の信頼性の確保、 ③業務に関わる法令等の遵守 、④資産の保全)が達成されないリスクを一定の水準以下に抑えるために、対応策を業務のプロセスに組み込んで、全職員によって遂行される仕組みのこと。
市民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的の達成に向け、行政サービスの提供等の事務上のリスクを評価及びコントロールし、適正な事務の執行を確保することを目的として、市は、2021年4月から内部統制制度を導入。枚方市内部統制に関する基本方針はこちらから。
◇評価について
【評価手順】
【評価結果】
【総括】
・2022年度に発生したリスク(市長部局58 件、市立ひらかた病院2件)が、前年度の約1.3倍に増加。
・発生したリスクの原因分析から、リスク評価シートに定める対応策が適切に講じられていれば、リスクの発生を未然に防げたであろうと推測できる事案が多い。
※発生したリスクについては、是正の取り組みとして、すべて再発防止策を講じていることを確認。
◇今後の内部統制制度の進め方について
奥野の意見
(※以下、奥野の発言を掲載します。)
【奥野の意見】
内部統制は、組織内のリスクを評価し、適切にリスクを管理していくことにより、「もう起こさない」、将来の問題を予防または低減する、これが目的だと思う。
実際に発生し、顕在化したリスクの分析(頻度・影響度等)が非常に重要で、全ての職員がリスクの発生をジブンゴトとして捉えられるよう、職員のリスク意識を向上させるための取り組みが必要である。
リスク評価の結果から、最も重要で影響力のあるリスクを特定し、優先順位付けを行い、それに基づいて、有限なリソースを割り当てるとか、継続的なリスク評価の実施とか、変化するリスクへの対応とか、リスク評価と管理について、組織全体での協力とコミュニケーションを図ることとか、さまざまなアクションがあると思うが、どうぞ、まとめられた報告書に示された「リスク評価」を有効に活用して、将来のリスクに対処できるアクション、有効な「リスク管理」につなげていただけるよう、お願いをしておく。
他の委員の質問
・セルフチェックの実施主体、実施方法について。集計方法について。
→所属長、全職員、いろいろとある。リスク評価シート(エクセル)を配布、集約しているものもある。
・リスク評価で仕事量が増えるのではないか。
・ダブルチェックの不執行について。急を要する、多忙な状況下、職員体制を考えるべき。
・ヒューマンエラーの共有を。ジブンゴトとして捉えられるよう、例えば、朝礼等の機会を活用し、ミスの共有化を。
・民間は、事業者規模により内部統制に対する意識が異なる。いかに重要視されているか。合理的な工夫を重ねて、実効性のあるリスク対応策の整備を。
・60件の発生件数は少ない。10倍はあると思う。30倍であってもおかしくない。リスクが顕在化しているのに(わかっているのに)報告しなくてよい(重要視していない)という発想(組織文化)があるのではないか。上になればなるほど、リスク情報は報告して欲しい情報である。リスクの共有は組織の健康状態を知ることでもある。内部統制をしっかりとしようという意識をすべての職員が持てるよう、意識を高めていただきたい。
・内部統制制度の定着ははこれからだと思うが、示された再発防止策の策定はさすがに行政、クオリティが高いものであると思う。実効性を高めていただきたい。
※参考
▶地方公共団体における内部統制制度に係る調査(2022年3月1日現在)